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中小企業診断士の通信講座おすすめ比較|料金・合格率・特徴

中小企業診断士の通信講座を検討しているあなたへ。「どの通信講座を選べば効率よく合格できるのか」という疑問は、各講座の特徴と自分の学習スタイルを正しく理解することで解決できます。

本記事では、中小企業診断士の主要通信講座10社の料金・合格率・特徴の比較、目的別のおすすめ講座の選び方、失敗しない講座選びのポイントについて、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、中小企業診断士試験合格に向けて、あなたに最適な通信講座を見つけましょう。

この記事を読むとわかること
  • 中小企業診断士の主要通信講座10社の料金・合格率・特徴
  • 目的別(コスパ重視・合格実績重視・初心者向けなど)のおすすめ講座
  • 通信講座と独学の費用対効果の違い
  • 失敗しない通信講座の選び方と無料体験の活用方法
押さえておきたい3つのポイント
  1. 料金は5万円~30万円と幅広い:スタディングや診断士ゼミナールは5万円台から受講可能で、コストパフォーマンスに優れています。一方、TACやLECは20万円以上ですが、充実したサポート体制と高い合格実績が魅力です。
  2. 合格率はアガルートが突出:2023年度のアガルート受講生の二次試験合格率は60%超と公表されており、全国平均の18.9%を大きく上回ります。ただし、合格実績の公開方法は各社で異なるため、数字だけでなく母数や条件も確認が必要です。
  3. 無料体験で自分に合うか確認:ほぼすべての通信講座で無料体験や資料請求が可能です。講師の説明スタイル、教材の見やすさ、学習システムの使いやすさは実際に触れないと分かりません。最低2-3社を比較してから決めることをおすすめします。
目次

中小企業診断士(SME診断士)の通信講座とは?独学との違い

中小企業診断士試験の合格を目指す方法として、独学と通信講座の2つの選択肢があります。通信講座は、プロ講師による講義動画、体系的に整理されたテキスト、質問サポートなどがパッケージ化された学習サービスです。一方、独学は市販のテキストや過去問題集を使って自力で学習を進める方法になります。

中小企業診断士試験に通信講座が必要な理由

中小企業診断士試験は一次試験7科目、二次試験4科目(筆記)と口述試験で構成される難関資格です。試験範囲が非常に広く、経済学・財務会計・企業経営理論・運営管理・経営法務・経営情報システム・中小企業経営と多岐にわたります。

独学の場合、どの順番で何を学習すればよいか迷うことが多く、非効率な学習に陥りがちです。通信講座では、合格に必要な知識を最短ルートで習得できるようカリキュラムが設計されており、学習の道筋が明確になります。

特に働きながら合格を目指す社会人にとって、限られた時間で効率よく学習できる通信講座のメリットは大きいでしょう。講義動画はスマホで視聴できるものが多く、通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を有効活用できます。

独学と通信講座の費用対効果を比較

独学の場合、テキスト代や問題集代を合わせても3万円~5万円程度で済みます。一方、通信講座は5万円~30万円と価格帯に幅があり、一見すると独学の方が経済的に見えます。

しかし、費用対効果で考えると必ずしも独学が有利とは限りません。中小企業診断士試験の合格までに必要な学習時間は一般的に1,000時間~1,500時間と言われています。独学で遠回りの学習をした場合、合格までに2年~3年かかることも珍しくありません。

通信講座を利用することで学習効率が上がり、1年~1年半で合格できれば、時間的なコストを大幅に削減できます。資格取得が1年早まれば、その分早く中小企業診断士としてのキャリアをスタートできるため、長期的に見れば通信講座の受講料は十分に回収可能です。

通信講座を使うべき人・独学でも大丈夫な人

通信講座の利用をおすすめするのは、以下のような方です。初めて中小企業診断士試験に挑戦する方、経営や経済の知識がほとんどない方、働きながら効率よく学習したい方、独学で挫折した経験がある方、二次試験の記述対策に不安がある方などが該当します。

特に二次試験の記述問題は独学では対策が難しく、答案の書き方や採点基準の理解には専門家の指導が効果的です。アガルートやLECなど二次試験対策に強い講座を選ぶことで、合格率を大きく高められます。

一方、独学でも合格可能なのは、過去に経営コンサルティングや企業分析の実務経験がある方、MBA取得者など経営知識の基礎がある方、自己管理能力が高く計画的に学習できる方、過去問分析を徹底的に行える方などです。ただし、独学を選ぶ場合でも、二次試験対策だけは単科講座を検討する価値があります。

中小企業診断士の独学に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士は独学で合格できる?勉強法とおすすめ教材

中小企業診断士(SME診断士)通信講座の選び方|4つのポイント

中小企業診断士の通信講座を選ぶ際は、料金の安さだけでなく複数の観点から総合的に判断することが重要です。ここでは、講座選びで特に重視すべき4つのポイントを解説します。

ポイント①:合格実績と合格率で選ぶ

通信講座を選ぶ上で最も重要な判断材料の一つが合格実績です。ただし、各社の合格率の公表方法には違いがあるため、数字を鵜呑みにせず内容をよく確認する必要があります。

アガルートは2023年度二次試験の合格率60.86%を公表しており、全国平均18.9%の約3.2倍という高い実績を誇ります。TACも毎年多数の合格者を輩出しており、2023年度は一次試験・二次試験合わせて500名以上の合格者を出しています。

一方、スタディングは合格者数を公表していますが、受講者総数や合格率は非公開です。2023年度は157名の合格者を輩出したと発表されています。合格実績を見る際は、単純な数字だけでなく、受講者の母数、条件(全額返金制度の利用者のみなど)、データの集計方法も確認しましょう。

合格実績が公開されていない講座でも、口コミサイトや受講生のブログなどで実際の合格体験談を探すことができます。複数の情報源から総合的に判断することをおすすめします。

ポイント②:受講料・料金とコストパフォーマンス

中小企業診断士の通信講座の料金は、5万円台から30万円超まで大きな幅があります。安ければよいというわけではありませんが、予算内で最もコストパフォーマンスに優れた講座を選びたいものです。

最も低価格なのは診断士ゼミナールの53,900円(1次2次プレミアムフルコース)とスタディングの59,800円(合格コース)です。両講座とも、基本的な教材と講義動画は十分に揃っており、独学用テキストを買い揃えるよりも少し高い程度の料金で体系的な学習が可能です。

中価格帯では、フォーサイトの約10万円、クレアールの約15万円などがあります。フルカラーテキストや充実したeラーニングシステムなど、低価格講座にはない付加価値が提供されます。

高価格帯のTAC(20万円~30万円)やLEC(25万円~35万円)は、通学講座と遜色ないサポート体制、質問回数無制限、充実した二次試験対策などが特徴です。確実に合格したい方や、手厚いサポートを求める方には適しています。

教育訓練給付制度を利用すれば、最大10万円(受講料の20%)が給付されるため、実質的な負担を軽減できます。対象講座かどうかは各スクールの公式サイトで確認しましょう。

ポイント③:教材の質とわかりやすさ

テキストや講義動画の質は、学習効率を左右する重要な要素です。同じ内容でも、分かりやすく整理された教材なら短時間で理解でき、逆に分かりにくい教材では無駄な時間がかかります。

フォーサイトはフルカラーテキストを採用しており、図表やイラストが豊富で視覚的に理解しやすいのが特徴です。記憶に残りやすく、初学者でもスムーズに学習を進められます。

スタディングは全てデジタル教材で提供され、スマホ完結型の学習スタイルが特徴です。通勤時間などのスキマ時間を最大限活用したい方に向いています。

TACやLECは長年の実績に基づいた網羅的なテキストが魅力です。合格に必要な知識がしっかりカバーされており、「このテキストだけで合格できた」という受講生の声も多く聞かれます。

講義動画も講師によって説明スタイルが異なります。理論的に体系立てて説明する講師、実務経験を交えて分かりやすく解説する講師、ポイントを絞って効率的に進める講師など様々です。無料体験を利用して、自分に合う講師を見つけることが重要です。

ポイント④:サポート体制とフォロー制度

学習を進める中で疑問点が出てきたときに、すぐに質問できる環境があるかどうかは重要です。独学との最大の違いがこのサポート体制にあります。

アガルートは質問回数無制限で、Facebookグループを通じて講師に直接質問できます。通常1週間以内に丁寧な回答が返ってくるため、疑問を残さず学習を進められます。

TACとLECも質問制度が充実しており、校舎での質問対応に加えてメールやオンラインでの質問も受け付けています。通学生と同等のサポートを受けられる点が魅力です。

一方、低価格講座のスタディングは質問サポートがオプション(有料)となっており、基本プランでは質問できません。質問チケット10枚で7,700円のため、質問頻度が高い方は追加費用がかさむ可能性があります。

診断士ゼミナールは価格が安いながらも質問制度は含まれており、コストパフォーマンスに優れています。ただし、回答までに数日かかることもあるため、すぐに解決したい方には向かない場合もあります。

二次試験対策では添削指導の有無と回数も重要です。記述問題は独学では採点が難しく、プロの添削を受けることで答案作成力が飛躍的に向上します。アガルート、TAC、LECは複数回の添削指導が含まれており、合格に直結する実力が身につきます。

中小企業診断士(SME診断士)通信講座おすすめ10選

ここでは、料金、合格実績、教材の質、サポート体制などを総合的に評価した、おすすめの中小企業診断士通信講座を紹介します。

アガルート|高い合格率と全額返金制度

アガルートは2023年度二次試験合格率60.86%という驚異的な実績を誇る通信講座です。全国平均の約3.2倍という数字は、教材とカリキュラムの質の高さを証明しています。

最大の特徴は合格特典の充実度です。合格者には全額返金制度があり、さらに合格お祝い金30,000円も贈呈されます。(条件:合格体験記の提出、顔写真の提供など)

講義動画は1回30分前後に区切られており、集中力を保ちながら学習できます。また、音声ダウンロードも可能なため、音声だけで復習することもできます。

受講料は約19万円~と中価格帯ですが、全額返金制度を利用できれば実質無料になるため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。質問回数無制限、充実した添削指導など、サポート体制も業界トップクラスです。

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フォーサイト|フルカラーテキストと高合格率

フォーサイトはフルカラーテキストと独自のeラーニングシステム「ManaBun」が特徴の通信講座です。視覚的に分かりやすい教材は、初学者でもスムーズに理解できると好評です。

受講生の合格率は公表されていませんが、合格者の声は多く公式サイトに掲載されています。受講料は約10万円と中価格帯で、コストパフォーマンスに優れています。

講義動画は要点を絞った構成で、1回15分程度と短めです。忙しい社会人でもスキマ時間で学習しやすい設計になっています。

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スタディング|圧倒的なコスパと合格者数

スタディングは59,800円~という低価格ながら、2023年度に157名の合格者を輩出した実績を持つ通信講座です。最大の特徴はスマホ完結型の学習スタイルで、動画講義、Webテキスト、問題演習まですべてスマートフォンで完結します。

AI問題復習機能により、苦手分野を自動判定して効率的に復習できる点も魅力です。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を最大限活用したい社会人に最適です。

デメリットは、紙のテキストが標準では付属しない点(オプションで追加可能)と、質問サポートが有料オプションである点です。自己解決能力が高く、スマホ学習に抵抗がない方には最もコストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。

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LEC|二次試験対策に強い

LECは特に二次試験対策に定評がある通信講座です。記述式答案の添削指導が充実しており、答案作成力を徹底的に鍛えられます。

受講料は約25万円~と高めですが、二次試験対策だけの単科講座も用意されています。一次試験は独学やスタディングで突破し、二次試験対策だけLECを利用するという戦略も有効です。

オンライン学習システムも充実しており、通信受講でも通学と変わらない学習環境が整っています。質問サポートも手厚く、疑問点を残さず学習を進められます。

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ユーキャン|初心者に優しいカリキュラム

ユーキャンは通信教育の老舗として知られ、初心者向けの分かりやすい教材が特徴です。イラストや図表が豊富で、予備知識がなくても理解しやすい構成になっています。

受講料は約12万円で、標準学習期間は6ヶ月です。添削指導も含まれており、学習の進捗管理もしっかりサポートされます。

ただし、中小企業診断士試験は難関資格のため、ユーキャンだけで合格するのは難しいという声もあります。基礎固めに利用し、過去問演習は別途行うなどの工夫が必要かもしれません。

TAC|業界最大手の実績と信頼性

TACは中小企業診断士試験対策の老舗として、長年にわたり多数の合格者を輩出してきました。2023年度は一次試験・二次試験合わせて500名以上の合格者を出しており、その実績は業界随一です。

通学講座と通信講座の両方を提供しており、通信受講生も校舎の自習室を利用できます。また、Web通信講座でも質問は無制限に受け付けており、通学生と同等のサポートを受けられる点が魅力です。

教材は長年の蓄積に基づいて作られており、合格に必要な知識が網羅的にカバーされています。「TACのテキストだけで合格できた」という声は多く、教材の信頼性は抜群です。

受講料は約25万円~とやや高めですが、確実に合格したい方、手厚いサポートを求める方には最適な選択肢です。通学への切り替えも可能なため、学習スタイルを柔軟に変更できる点もメリットです。

TAC中小企業診断士講座に関してもっと詳しい記事はこちら
TAC中小企業診断士講座の評判・料金・合格実績を徹底比較

診断士ゼミナール|低価格で高品質な講座

診断士ゼミナールは53,900円という業界最安値クラスの受講料ながら、充実した教材とサポートを提供する穴場的な通信講座です。一次試験・二次試験の全範囲をカバーし、質問サポートも含まれています。

講義動画は合計300時間以上と大ボリュームで、丁寧な解説が特徴です。テキストはフルカラーでPDF版も提供されるため、スマホでも学習できます。

デメリットは知名度が低く、合格実績の詳細が公開されていない点です。ただし、コストパフォーマンスは極めて高く、予算を抑えたい方には有力な選択肢となります。

クレアール|非常識合格法で効率学習

クレアールは「非常識合格法」と呼ばれる独自の学習メソッドが特徴です。試験に出る論点に絞って学習することで、短期間での合格を目指します。

受講料は約15万円で、頻繁に割引キャンペーンが実施されているため、タイミングによっては10万円前後で受講できることもあります。質問回数無制限、添削指導も含まれており、サポート体制は充実しています。

ベテラン講師による分かりやすい講義が評判で、特に経済学や財務会計などの難解な科目も理解しやすいと好評です。

資格の大原|通学・通信の両対応

資格の大原は税理士や公認会計士などの資格スクールとして有名ですが、中小企業診断士講座も提供しています。通学と通信の両方に対応しており、受講スタイルを柔軟に選択できます。

受講料は約20万円~で、TACと同水準です。全国に校舎があるため、通信受講でも校舎の自習室やサポートを利用できる点がメリットです。

教材は体系的に整理されており、基礎から応用まで段階的に学習できるカリキュラムになっています。

AAS|二次試験特化の専門講座

AAS(東京リーガルマインド提携)は二次試験対策に特化した講座を提供しています。一次試験合格後に受講する形式で、記述式答案の書き方を徹底的に指導します。

受講料は約10万円~で、一次試験は他の方法で合格し、二次試験だけ専門講座を利用したい方に適しています。

少人数制のゼミ形式で、他の受講生との議論を通じて実践的な思考力を養えます。二次試験の記述問題に不安がある方にはおすすめです。

中小企業診断士通信講座の料金比較|安い順ランキング

中小企業診断士の通信講座を料金面から比較すると、5万円台から30万円超まで大きな幅があります。ここでは価格帯別に講座を整理し、それぞれの特徴を解説します。

5万円台で受講できる格安通信講座

最も低価格な通信講座は診断士ゼミナールの53,900円(1次2次プレミアムフルコース)です。一次試験・二次試験の全範囲がカバーされ、質問サポートも含まれています。

次いでスタディングの59,800円(合格コース)が続きます。スマホ完結型の学習スタイルで、AI機能を活用した効率学習が可能です。ただし、質問サポートは別料金です。

この価格帯の講座は、紙のテキストが付属しない、質問回数に制限がある、添削指導が少ないなどの制約がありますが、基本的な学習には十分です。独学用の教材を買い揃えるよりも少し高い程度で、体系的なカリキュラムと講義動画が手に入るため、コストパフォーマンスは非常に高いと言えます。

10万円~15万円の中価格帯通信講座

中価格帯の代表はフォーサイトの約10万円、クレアールの約15万円(割引適用時は約10万円)、ユーキャンの約12万円などです。

この価格帯になると、フルカラーテキスト、充実したeラーニングシステム、質問サポート、添削指導など、低価格講座にはない付加価値が提供されます。

フォーサイトはフルカラーテキストと「ManaBun」というeラーニングシステムが特徴です。クレアールは「非常識合格法」という効率学習メソッドと、質問回数無制限のサポートが魅力です。

初学者で分かりやすい教材を求める方、ある程度のサポートを受けながら学習したい方には、この価格帯の講座が適しています。

20万円以上の高価格帯通信講座

高価格帯の講座としては、TAC(約25万円~)、LEC(約25万円~35万円)、アガルート(約19万円~)などがあります。

これらの講座は、通学講座と遜色ないサポート体制、質問回数無制限、充実した二次試験対策、豊富な添削指導などが特徴です。特に二次試験対策は手厚く、記述式答案の作成力を徹底的に鍛えられます。

TACとLECは全国に校舎があり、通信受講でも校舎の自習室を利用できます。講師への質問も対面で行えるため、通学に近い環境で学習できます。

アガルートは合格者全額返金制度があり、条件を満たせば受講料が全額戻ってきます。実質的なコストを大幅に抑えられる可能性があります。

確実に合格したい方、手厚いサポートを求める方、二次試験対策を重視する方には、高価格帯の講座がおすすめです。

教育訓練給付制度で最大10万円の給付を受ける方法

教育訓練給付制度を利用すれば、厚生労働大臣が指定する講座の受講料の20%(最大10万円)がハローワークから給付されます。中小企業診断士の通信講座も多くが対象となっています。

対象となる主な講座は、TACの各種コース、LECの各種コース、フォーサイト、クレアール、大原などです。ただし、すべてのコースが対象というわけではなく、一定の受講料以上のコースのみが指定されている場合があります。

制度を利用するには、雇用保険に一定期間加入している必要があります(初回利用の場合は1年以上、2回目以降は前回利用から3年以上)。受講開始前にハローワークで受給資格を確認しておきましょう。

例えば、TACの25万円のコースを受講した場合、5万円が給付されて実質20万円で受講できます。LECの30万円のコースなら6万円が給付され、実質24万円です。この制度を活用することで、高価格帯の講座も手の届く範囲になります。

給付を受けるには、受講修了後にハローワークで申請手続きが必要です。修了証明書や領収書などの書類を揃えて、修了日の翌日から1ヶ月以内に申請しなければなりません。

目的別おすすめ中小企業診断士通信講座

中小企業診断士の通信講座は様々な特徴を持っており、受講者の目的や状況によって最適な選択肢が異なります。ここでは目的別におすすめの講座を紹介します。

コストパフォーマンス重視|スタディング・診断士ゼミナール

受講料を抑えながらも合格を目指したい方には、スタディング(59,800円~)と診断士ゼミナール(53,900円)がおすすめです。

スタディングは2023年度に157名の合格者を輩出しており、低価格ながら確かな実績があります。AI問題復習機能でスマホ完結型の効率学習が可能で、働きながら合格を目指す社会人に最適です。

診断士ゼミナールは業界最安値クラスながら、300時間以上の講義動画と質問サポートが含まれています。フルカラーテキストも提供され、コストパフォーマンスは極めて高いと言えます。

両講座とも独学用テキストを買い揃えるよりも少し高い程度の料金で、体系的なカリキュラムと専門講師の講義が受けられます。予算を抑えたい方、自己解決能力が高い方には最適な選択肢です。

合格実績重視|アガルート・TAC

確実に合格したい方、実績のある講座を選びたい方には、アガルートとTACをおすすめします。

アガルートは2023年度二次試験合格率60.86%という驚異的な実績を持ち、全国平均の約3.2倍です。さらに合格者全額返金制度があり、条件を満たせば受講料が実質無料になります。

TACは業界最大手として長年の実績があり、2023年度は500名以上の合格者を輩出しました。網羅的なテキスト、充実したサポート体制、全国の校舎利用など、万全の学習環境が整っています。

両講座とも受講料は約20万円~25万円とやや高めですが、合格率の高さを考えれば十分に価値があります。一発合格を目指す方には最適です。

初心者向け|ユーキャン・フォーサイト

中小企業診断士試験が初めての方、経営や経済の知識がほとんどない方には、ユーキャンとフォーサイトがおすすめです。

ユーキャンは通信教育の老舗として、初心者向けの分かりやすい教材作りに定評があります。イラストや図表が豊富で、予備知識がなくても理解しやすい構成です。

フォーサイトはフルカラーテキストと視覚的に分かりやすい教材が特徴です。「ManaBun」というeラーニングシステムも使いやすく、学習の進捗管理もスムーズに行えます。

両講座とも受講料は10万円~12万円と中価格帯で、サポート体制も充実しています。基礎からしっかり学びたい初学者には最適な選択肢です。

一次試験対策重視|TAC・スタディング

一次試験の7科目を効率よく攻略したい方には、TACとスタディングがおすすめです。

TACは長年の蓄積に基づいた網羅的なテキストが魅力で、一次試験に必要な知識が完璧にカバーされています。科目別の対策講座も充実しており、苦手科目を集中的に強化できます。

スタディングはスマホ完結型で、通勤時間などのスキマ時間を最大限活用できます。AI問題復習機能により、苦手分野を自動判定して効率的に復習できる点も一次試験対策に有効です。

一次試験は知識の暗記が中心のため、通信講座との相性が良い試験です。体系的なカリキュラムと繰り返しの問題演習で、着実に合格ラインを突破できます。

二次試験対策重視|LEC・AAS

二次試験の記述式問題に不安がある方、実務的な思考力を鍛えたい方には、LECとAASがおすすめです。

LECは二次試験対策に特に定評があり、記述式答案の添削指導が充実しています。答案の書き方、論理構成、時間配分など、実践的なスキルを徹底的に鍛えられます。

AASは二次試験に特化した専門講座で、少人数制のゼミ形式が特徴です。他の受講生との議論を通じて、実務的な思考力を養えます。

二次試験は独学では対策が難しく、専門家の添削指導が非常に効果的です。一次試験を突破した後は、二次試験対策に強い講座を利用することで合格率を大幅に高められます。

通学も検討したい|TAC・LEC・大原

通信講座をメインにしながらも、必要に応じて通学も利用したい方には、TAC、LEC、大原がおすすめです。

これらの講座は全国に校舎があり、通信受講でも校舎の自習室を利用できます。また、通信から通学への切り替えも可能で、学習スタイルを柔軟に変更できます。

講師への質問も対面で行えるため、複雑な疑問点も直接聞いて解決できます。同じ目標を持つ仲間と出会える点も、モチベーション維持に役立ちます。

受講料は約20万円~30万円とやや高めですが、通学に近い環境で学習できるメリットは大きいでしょう。

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中小企業診断士予備校の選び方|大手校の特徴と費用を比較

主要通信講座を徹底比較

ここでは、主要な中小企業診断士通信講座6社について、それぞれの特徴、メリット、デメリットを詳しく解説します。

スタディングの特徴・メリット・デメリット

スタディングの最大の特徴は、59,800円~という低価格とスマホ完結型の学習スタイルです。2023年度に157名の合格者を輩出しており、コストパフォーマンスは業界トップクラスです。

メリットとしては、AI問題復習機能により苦手分野を自動判定できる点、動画講義が1回30分程度に区切られていて集中しやすい点、学習進捗が自動で記録される点などが挙げられます。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用して効率的に学習できます。

デメリットは、紙のテキストが標準では付属しない点(オプションで13,200円)、質問サポートが有料オプションである点(質問チケット10枚で7,700円)です。紙で学習したい方、質問を頻繁にしたい方には向いていないかもしれません。

また、講義動画は要点を絞った内容のため、より詳しい説明を求める方には物足りなく感じることもあります。ただし、その分学習時間を短縮できるため、忙しい社会人には適しています。

アガルートの特徴・メリット・デメリット

アガルートは2023年度二次試験合格率60.86%という高い実績が最大の特徴です。受講料は約19万円~ですが、合格者全額返金制度があり、条件を満たせば実質無料になります。

メリットは、質問回数無制限で講師に直接質問できる点、充実した添削指導で記述力が鍛えられる点、合格特典(全額返金または合格お祝い金3万円)がある点などです。講義動画は1回30分前後に区切られ、音声ダウンロードも可能です。

デメリットは、受講料がやや高めである点、全額返金制度を利用するには合格体験記の提出や顔写真の提供などの条件がある点です。また、テキストはフルカラーではなくモノクロです。

ただし、高い合格率を考えれば受講料は十分に価値があり、一発合格を目指す方には最適な選択肢と言えます。

TACの特徴・メリット・デメリット

TACは業界最大手として長年の実績があり、2023年度は500名以上の合格者を輩出しました。受講料は約25万円~とやや高めですが、充実したサポート体制が魅力です。

メリットは、網羅的なテキストで合格に必要な知識が完璧にカバーされている点、全国の校舎で自習室を利用できる点、質問回数無制限で講師に対面で質問できる点、通信から通学への切り替えが可能な点などです。

デメリットは、受講料が高い点、講義動画が長め(1回2-3時間)でスキマ時間学習に向かない点、テキストが分厚くて持ち運びしにくい点などです。

ただし、確実に合格したい方、手厚いサポートを求める方には最適な講座です。教育訓練給付制度を利用すれば、実質的な負担も軽減できます。

診断士ゼミナールの特徴・メリット・デメリット

診断士ゼミナールは53,900円という業界最安値クラスの受講料が最大の特徴です。低価格ながら、300時間以上の講義動画、フルカラーテキスト、質問サポートが含まれています。

メリットは、圧倒的なコストパフォーマンス、充実した講義動画、質問サポートが含まれている点などです。PDF版テキストも提供されるため、スマホでも学習できます。

デメリットは、知名度が低く合格実績の詳細が公開されていない点、質問の回答に数日かかることがある点、添削指導の回数が少ない点などです。

ただし、予算を抑えたい方、自己解決能力が高い方には非常に魅力的な選択肢です。独学用テキストを買い揃えるよりも少し高い程度で、体系的なカリキュラムが手に入ります。

フォーサイトの特徴・メリット・デメリット

フォーサイトはフルカラーテキストと独自のeラーニングシステム「ManaBun」が特徴です。受講料は約10万円で、視覚的に分かりやすい教材は初学者に好評です。

メリットは、フルカラーテキストで図表やイラストが豊富な点、「ManaBun」で学習進捗を管理できる点、講義動画が要点を絞った構成(1回15分程度)でスキマ時間学習に適している点などです。

デメリットは、合格率が非公表である点、講義動画が短めで詳しい説明を求める方には物足りない可能性がある点、質問回数に制限がある点(メール質問10回まで)などです。

ただし、初学者で分かりやすい教材を求める方、スキマ時間を活用したい方には適しています。中価格帯でバランスの取れた講座です。

クレアールの特徴・メリット・デメリット

クレアールは「非常識合格法」という独自の学習メソッドが特徴です。試験に出る論点に絞って学習することで、短期間での合格を目指します。受講料は約15万円(割引適用時は約10万円)です。

メリットは、効率的な学習メソッド、質問回数無制限、ベテラン講師による分かりやすい講義、頻繁な割引キャンペーンなどです。経済学や財務会計などの難解な科目も理解しやすいと好評です。

デメリットは、テキストがモノクロである点、講義動画が長め(1回1-2時間)でスキマ時間学習にやや向かない点などです。

ただし、効率重視で短期合格を目指す方、質問を頻繁にしたい方には適しています。割引を利用すれば中価格帯でコストパフォーマンスも高くなります。

TAC中小企業診断士講座に関してもっと詳しい記事はこちら
TAC中小企業診断士講座の評判・料金・合格実績を徹底比較

中小企業診断士通信講座の合格実績を比較

中小企業診断士の通信講座を選ぶ際、合格実績は重要な判断材料の一つです。ただし、各社の公表方法には違いがあるため、数字を正しく理解することが大切です。

一次試験の合格率ランキング

中小企業診断士一次試験の全国平均合格率は近年25%~30%前後で推移しています。2023年度は28.9%でした。

一次試験の合格率を公表している通信講座は限られていますが、アガルートは一次試験合格率も二次試験と同様に高いとされています。TACも多数の一次試験合格者を輩出しており、実績は確かです。

一次試験は7科目すべてで基準点(60点満点中40点以上)を取る必要があり、バランスよく得点することが求められます。通信講座を利用することで、苦手科目の克服と得意科目の伸長を効率的に行えます。

スタディングやフォーサイトも一次試験対策には定評があり、スマホ学習やフルカラーテキストで効率的に知識を習得できます。

二次試験の合格者数ランキング

二次試験の全国平均合格率は近年18%~20%前後で推移しており、2023年度は18.9%でした。一次試験よりも難易度が高く、記述式問題への対応力が求められます。

アガルートは2023年度二次試験合格率60.86%と公表しており、全国平均の約3.2倍という驚異的な数字です。この高い合格率は、充実した添削指導と質問サポートの成果と言えるでしょう。

TACは2023年度に一次試験・二次試験合わせて500名以上の合格者を輩出しました。母数が大きいため、合格者の絶対数では業界トップです。

LECとAASは二次試験対策に特化した講座を提供しており、記述式答案の作成力を徹底的に鍛えられます。一次試験を突破した後、二次試験対策だけこれらの講座を利用する受験生も多くいます。

ストレート合格者を多く輩出している講座

ストレート合格(一次試験と二次試験を連続で突破)は難易度が高く、通常は2年~3年かかることが一般的です。しかし、効率的な学習と手厚いサポートにより、1年~1年半でのストレート合格も可能です。

アガルートは高い合格率から、ストレート合格者も多く輩出していると推測されます。合格特典の全額返金制度も、ストレート合格のモチベーションになります。

TACも長年の実績から、多数のストレート合格者を出しています。通学講座と通信講座を併用することで、さらに学習効率を高められます。

スタディングは低価格ながら2023年度に157名の合格者を輩出しており、その中にはストレート合格者も含まれています。スキマ時間を活用した効率学習が成果を上げています。

合格実績の見方と注意点

通信講座の合格実績を見る際は、以下の点に注意が必要です。

まず、合格率の算出方法を確認しましょう。「全受講生」を母数にしているのか、「条件を満たした受講生」を母数にしているのかで数字は大きく変わります。アガルートの合格率は、合格特典の利用者(合格体験記提出者)を母数にしている可能性があります。

次に、合格者数の場合は受講者総数も確認しましょう。合格者数が多くても、受講者総数が非常に多ければ合格率は低い可能性があります。

また、一次試験合格率と二次試験合格率は分けて考える必要があります。一次試験は知識中心、二次試験は応用力中心と性質が異なるためです。

合格実績が非公表の講座もありますが、それが必ずしも悪いわけではありません。口コミや受講生のブログなど、他の情報源も参考にして総合的に判断しましょう。

最終的には、合格実績だけでなく、教材の質、サポート体制、受講料、自分の学習スタイルとの相性など、複数の観点から講座を選ぶことが重要です。

中小企業診断士試験の合格率に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の合格率推移と一次・二次の傾向分析

中小企業診断士通信講座のサポート体制を比較

通信講座を選ぶ際、サポート体制の充実度は重要な判断材料です。学習を進める中で疑問点が出てきたときに、すぐに解決できる環境があるかどうかで学習効率は大きく変わります。

質問対応・メールサポートの充実度

質問サポートは通信講座の大きな強みの一つです。独学では分からない点を自力で解決しなければなりませんが、通信講座なら専門講師に質問できます。

アガルートは質問回数無制限で、Facebookグループを通じて講師に直接質問できます。通常1週間以内に丁寧な回答が返ってくるため、疑問を残さず学習を進められます。

TACとLECも質問回数無制限です。メールやオンラインでの質問に加えて、校舎で講師に直接質問することもできます。対面での質問は、複雑な疑問点を解決するのに特に効果的です。

クレアールも質問回数無制限で、メールで質問すると数日以内に回答が返ってきます。質問の仕方によっては、より詳しい解説を付けてくれることもあります。

一方、スタディングは質問サポートが基本プランには含まれておらず、質問チケット(10枚で7,700円)を別途購入する必要があります。質問頻度が高い方は追加費用がかさむため、注意が必要です。

フォーサイトはメール質問が10回まで無料で、それ以上は有料になります。質問回数に制限があるため、効果的に利用する工夫が必要です。

添削指導の回数と質

二次試験対策では添削指導が非常に重要です。記述式問題は独学では採点が難しく、プロの添削を受けることで答案作成力が飛躍的に向上します。

アガルートは二次試験対策で複数回の添削指導が含まれています。添削では、論理構成、表現方法、時間配分など、実践的なアドバイスがもらえます。

TACとLECも充実した添削指導が特徴です。答案の書き方だけでなく、思考プロセスや分析方法まで丁寧に指導してくれます。複数回の添削を通じて、合格レベルの答案作成力が身につきます。

診断士ゼミナールは低価格ながら添削指導も含まれていますが、回数は大手予備校よりも少なめです。コストとのバランスを考えれば十分とも言えますが、より多くの添削を求める方には物足りないかもしれません。

スタディングは基本プランには添削指導が含まれておらず、上位プランを選択する必要があります。二次試験対策を重視する方は、上位プランの選択を検討しましょう。

学習サポートツール・AI機能の有無

最近の通信講座では、AIを活用した学習サポート機能が充実しています。これらの機能を活用することで、学習効率を大幅に高められます。

スタディングの「AI問題復習機能」は、受講生の理解度を分析して最適な復習タイミングを提案してくれます。苦手分野を自動判定し、集中的に復習できるため、効率的な学習が可能です。

フォーサイトの「ManaBun」は、学習進捗を自動で記録し、グラフで可視化してくれます。どの科目にどれだけ時間をかけているか一目で分かるため、バランスよく学習を進められます。

TACの「Web+音声DL通信講座」では、講義音声をダウンロードして通勤中に聴くことができます。視覚だけでなく聴覚も使うことで、記憶の定着率が高まります。

学習サポートツールは各社で特色があるため、無料体験で実際に使ってみて、自分に合うものを選ぶことをおすすめします。

スクーリング・通学オプションの有無

通信講座をメインにしながらも、必要に応じて通学できるオプションがあると便利です。特に模擬試験や直前対策は、教室で受けることでより臨場感を持って取り組めます。

TACとLECは通信講座受講生でも、全国の校舎で自習室を利用できます。また、通信から通学への切り替えも可能で、学習スタイルを柔軟に変更できます。

大原も同様に、通信講座と通学講座の両方を提供しており、受講スタイルを選択できます。校舎でのスクーリング(対面講義)にも参加可能です。

アガルートは基本的にオンライン完結型ですが、定期的にオンラインでのライブ講義が開催されます。リアルタイムで講師に質問でき、他の受講生とも交流できます。

スタディング、フォーサイト、クレアール、診断士ゼミナールは完全オンライン型で、通学オプションはありません。ただし、その分受講料が抑えられており、自宅や移動中の学習を中心にしたい方には適しています。

中小企業診断士通信講座の教材を比較

教材の質と形式は学習効率に直結する重要な要素です。自分の学習スタイルに合った教材を選ぶことで、理解度と記憶の定着率が大きく変わります。

テキストの特徴(フルカラー・モノクロ・PDF)

テキストの形式は大きく分けて、フルカラー、モノクロ、PDF(デジタル)の3種類があります。それぞれに特徴があり、好みが分かれます。

フォーサイトはフルカラーテキストを採用しており、図表やイラストが豊富です。色分けされているため視覚的に理解しやすく、記憶に残りやすいという特徴があります。初学者で視覚的に学習したい方に適しています。

診断士ゼミナールもフルカラーテキストを提供しており、低価格ながら見やすい教材が魅力です。PDF版も提供されるため、スマホやタブレットでも学習できます。

TAC、LEC、クレアール、アガルートはモノクロテキストです。一見地味に見えますが、情報が整理されており、重要ポイントが明確です。長年の蓄積に基づいて作られており、合格に必要な知識が網羅的にカバーされています。

スタディングは紙のテキストが標準では付属せず、すべてデジタル形式です。スマホやタブレットで閲覧でき、検索機能も使えるため効率的です。ただし、紙で学習したい方は別途13,200円で製本版を購入できます。

紙とデジタルにはそれぞれメリットがあります。紙は書き込みしやすく、全体を俯瞰しやすい一方、持ち運びに不便です。デジタルは場所を取らず検索も簡単ですが、目が疲れやすいという声もあります。自分の好みに合わせて選びましょう。

講義動画の質とわかりやすさ

講義動画の質と講師の説明スタイルは、理解度に大きく影響します。同じ内容でも、分かりやすい説明なら短時間で理解できます。

TACとLECはベテラン講師による丁寧な講義が特徴です。1回2-3時間の講義で、理論から実務まで詳しく解説します。じっくり腰を据えて学習したい方に適しています。

アガルートは1回30分程度に区切られた講義が特徴です。短時間で集中して学習でき、音声ダウンロードも可能なため、通勤中に聴くこともできます。

スタディングも1回30分程度の短い講義で、要点を絞った構成です。講師の説明はテンポよく進み、スキマ時間学習に最適です。

フォーサイトは1回15分程度とさらに短く、忙しい社会人でも続けやすい長さです。ただし、より詳しい説明を求める方には物足りない可能性があります。

講師の説明スタイルも重要です。理論的に体系立てて説明する講師、実務経験を交えて分かりやすく解説する講師、ポイントを絞って効率的に進める講師など様々です。無料体験で実際に視聴して、自分に合う講師を見つけることをおすすめします。

問題集・過去問の充実度

中小企業診断士試験は過去問演習が非常に重要です。過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、解答スピードを上げられます。

TACとLECは豊富な問題集と過去問が用意されています。一次試験は過去10年分以上、二次試験も過去問と予想問題が充実しており、十分な演習量を確保できます。

スタディングはWebで問題演習ができ、AI機能により苦手分野を自動判定してくれます。ただし、紙の問題集は付属しないため、紙で解きたい方は市販の過去問題集を別途購入する必要があります。

フォーサイトは厳選した過去問が収録されており、重要問題を効率的に学習できます。すべての問題を網羅するわけではありませんが、合格に必要な問題は十分にカバーされています。

診断士ゼミナールは過去問解説動画が充実しており、単に解答を見るだけでなく、解法のプロセスまで理解できます。

二次試験対策では、過去問だけでなく予想問題や模擬試験も重要です。本番に近い形式で演習することで、時間配分や答案構成の練習ができます。

中小企業診断士の過去問に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の過去問活用法|入手方法と効果的な解き方

スマホ学習・アプリ対応状況

働きながら合格を目指す社会人にとって、スマホ学習の環境は非常に重要です。通勤時間や昼休みなどのスキマ時間を活用できれば、学習時間を大幅に増やせます。

スタディングはスマホ学習に最も力を入れており、講義動画の視聴、テキスト閲覧、問題演習、学習進捗の確認まですべてスマホで完結します。専用アプリも使いやすく、オフラインでも動画を視聴できます。

フォーサイトの「ManaBun」もスマホアプリに対応しており、学習のすべてをアプリで管理できます。ゲーム感覚で学習を進められる機能もあり、モチベーション維持に役立ちます。

アガルートは講義動画の音声ダウンロードが可能で、スマホで音声だけを聴いて復習できます。視覚に頼らず学習できるため、満員電車の中でも活用できます。

TACとLECもスマホでの動画視聴に対応していますが、基本的にはPC学習を前提とした設計です。スマホでは画面が小さく見づらい場合もあります。

クレアールと診断士ゼミナールもスマホで動画視聴は可能ですが、専用アプリはなくWebブラウザでのアクセスになります。

スマホ学習を重視する方は、スタディングかフォーサイトが特におすすめです。専用アプリの使いやすさを無料体験で確認しましょう。

中小企業診断士のテキストに関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士のおすすめテキスト|一次・二次試験別に厳選紹介

中小企業診断士通信講座の失敗しない選び方

中小企業診断士の通信講座選びで失敗しないためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは実践的な選び方を解説します。

無料体験・資料請求を必ず活用する

通信講座を選ぶ際に最も重要なのは、実際に体験してから決めることです。Webサイトの情報だけでは分からない部分が多く、実際に使ってみて初めて分かることがたくさんあります。

ほぼすべての通信講座で無料体験や資料請求が可能です。最低でも2-3社を比較してから決めることをおすすめします。

無料体験では以下の点を確認しましょう。講義動画の説明が分かりやすいか、講師の話し方やテンポが自分に合っているか、テキストの見やすさと分かりやすさ、学習システムの使いやすさ(スマホアプリなど)、問題演習機能の充実度などです。

特に講師との相性は重要です。同じ内容でも、説明の仕方によって理解度は大きく変わります。理論的に体系立てて説明する講師が好きな人もいれば、実務経験を交えて具体的に説明する講師が好きな人もいます。

資料請求では、詳しいカリキュラム、サポート内容、合格実績、受講生の声などを確認できます。複数社の資料を並べて比較することで、各講座の特徴が見えてきます。

無料体験と資料請求は時間がかかりますが、数十万円の投資と1年以上の学習期間を考えれば、この時間は決して無駄ではありません。じっくり比較検討してから決めましょう。

自分の学習スタイルに合った講座を選ぶ

通信講座には様々な特徴があり、受講者の学習スタイルによって最適な選択肢が異なります。自分がどのように学習したいかを明確にすることが重要です。

スキマ時間を活用したい方は、スタディングやフォーサイトのようなスマホ学習に特化した講座が適しています。通勤時間や昼休みなどの細切れの時間を有効活用できます。

じっくり腰を据えて学習したい方は、TACやLECのような長時間講義の講座が適しています。週末にまとまった時間を取って、集中的に学習できます。

視覚的に学習したい方は、フォーサイトや診断士ゼミナールのフルカラーテキストが見やすくておすすめです。色分けされた情報は記憶に残りやすいという利点があります。

紙のテキストで学習したい方は、TAC、LEC、アガルートなど紙テキストが標準装備の講座を選びましょう。スタディングは別料金で紙テキストを追加できます。

質問を頻繁にしたい方は、質問回数無制限のアガルート、TAC、LEC、クレアールがおすすめです。疑問点をすぐに解決できる環境は、学習効率を大きく高めます。

自己解決能力が高い方は、低価格のスタディングや診断士ゼミナールでも十分に合格を目指せます。質問サポートの頻度が低くても問題ありません。

口コミ・評判だけで決めない

通信講座を選ぶ際、口コミや評判を参考にする人は多いでしょう。確かに実際の受講生の声は貴重な情報ですが、口コミだけで決めるのは危険です。

まず、口コミには個人差があります。ある人にとって分かりやすい講義が、別の人には合わないこともあります。学習スタイルや予備知識の有無によって、評価は大きく変わります。

また、ネット上の口コミには極端な意見が集まりやすい傾向があります。満足した人と不満を持った人が書き込むことが多く、普通に満足している大多数の意見は見えにくいものです。

さらに、口コミが古い場合、現在の講座内容と異なる可能性があります。通信講座は毎年カリキュラムや教材を改善しているため、数年前の口コミは参考にならないこともあります。

口コミを見る際は、複数のサイト(公式サイト、口コミサイト、SNS、ブログなど)を確認し、総合的に判断しましょう。特に注目すべきは、具体的な体験に基づいた口コミです。「分かりやすかった」だけでなく、「○○の部分が△△で理解しやすかった」のような具体性がある口コミは信頼性が高いでしょう。

最終的には、口コミを参考にしつつも、自分で無料体験を試して判断することが最も確実です。

割引キャンペーンのタイミングを狙う

中小企業診断士の通信講座は、定期的に割引キャンペーンを実施しています。通常価格よりも数万円安く受講できることもあるため、タイミングを見計らうことで費用を抑えられます。

主な割引キャンペーンのタイミングは、早期申込割引(試験の1年以上前に申し込むと割引)、年末年始キャンペーン(12月~1月)、春の新生活キャンペーン(3月~4月)、試験直後キャンペーン(一次試験・二次試験の直後)などです。

特にクレアールは頻繁に割引キャンペーンを実施しており、定価の30%~50%オフで受講できることもあります。メルマガ登録しておくと、キャンペーン情報をいち早く受け取れます。

スタディングも不定期でキャンペーンを実施しており、数千円~1万円程度の割引が受けられます。

ただし、割引を待ちすぎて学習開始が遅れるのは本末転倒です。中小企業診断士試験は学習範囲が広く、早めにスタートすることが重要です。大幅な割引がない場合は、早期申込割引を利用して早めに学習を開始する方が賢明でしょう。

また、複数の講座で迷っている場合は、割引キャンペーンを比較して決めるのも一つの方法です。同じ価格帯なら、より充実した内容の講座を選べます。

教育訓練給付制度の利用も忘れずに確認しましょう。最大10万円の給付は大きな節約になります。

中小企業診断士通信講座に関連するよくある質問(FAQ)

中小企業診断士の通信講座について、受講を検討する方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q. 中小企業診断士の通信講座で一番安いのはどれですか?

中小企業診断士の通信講座で最も安いのは、診断士ゼミナールの53,900円(1次2次プレミアムフルコース)です。次いでスタディングの59,800円(合格コース)が続きます。

これらの講座は低価格ながら、一次試験・二次試験の全範囲をカバーしており、基本的な学習には十分な内容です。診断士ゼミナールは質問サポートも含まれており、コストパフォーマンスに優れています。

ただし、低価格講座には質問回数の制限、添削指導の少なさ、紙テキストの別料金などの制約があることも理解しておきましょう。自己解決能力が高い方には十分ですが、手厚いサポートを求める方には向かない場合もあります。

Q. 中小企業診断士通信講座で合格率が高いのはどれですか?

中小企業診断士通信講座で最も高い合格率を公表しているのはアガルートです。2023年度二次試験合格率は60.86%で、全国平均18.9%の約3.2倍という実績を誇ります。

TACも多数の合格者を輩出しており、2023年度は一次試験・二次試験合わせて500名以上の合格者を出しました。合格者の絶対数では業界トップクラスです。

ただし、合格率の算出方法は各社で異なるため、数字だけで単純比較はできません。受講者の母数、データの集計方法、条件なども確認して総合的に判断することが重要です。

中小企業診断士試験の合格率推移も参考にして、試験全体の難易度を理解した上で講座を選びましょう。

Q. 中小企業診断士は独学と通信講座どちらがおすすめですか?

中小企業診断士の独学と通信講座の選択は、受験者の状況によって異なります。

通信講座をおすすめするのは、初めて受験する方、経営や経済の知識がほとんどない方、働きながら効率よく学習したい方、独学で挫折した経験がある方、二次試験の記述対策に不安がある方などです。

独学でも合格可能なのは、過去に経営コンサルティングの実務経験がある方、MBA取得者など経営知識の基礎がある方、自己管理能力が高く計画的に学習できる方などです。

ただし、二次試験の記述対策は独学では難しいため、独学を選ぶ場合でも二次試験対策だけは通信講座の単科講座を検討する価値があります。詳しくは中小企業診断士の独学勉強法をご覧ください。

Q. 中小企業診断士通信講座の受講期間はどのくらいですか?

中小企業診断士通信講座の標準的な受講期間は、多くの講座で1年~1.5年です。一次試験対策に約8ヶ月、二次試験対策に約4ヶ月というカリキュラムが一般的です。

ただし、実際の合格までの期間は個人差が大きく、1年でストレート合格する人もいれば、2年~3年かかる人もいます。

受講期間が過ぎても、多くの講座で延長制度や再受講制度が用意されています。TACやLECは追加料金で次年度も受講継続できます。スタディングやフォーサイトも、比較的安価に延長できます。

学習時間の目安は1,000時間~1,500時間と言われており、1日2-3時間の学習で約1年~1.5年という計算になります。詳しくは中小企業診断士の勉強時間をご覧ください。

Q. 中小企業診断士通信講座で教育訓練給付制度は使えますか?

中小企業診断士の通信講座の多くが教育訓練給付制度の対象です。受講料の20%(最大10万円)がハローワークから給付されます。

対象となる主な講座は、TAC、LEC、大原、フォーサイト、クレアールなどです。ただし、すべてのコースが対象というわけではなく、一定の受講料以上のコースのみが指定されている場合があります。

利用条件は、雇用保険に一定期間加入していることです(初回利用の場合は1年以上、2回目以降は前回利用から3年以上)。受講開始前にハローワークで受給資格を確認しましょう。

給付を受けるには、受講修了後にハローワークで申請手続きが必要です。修了証明書や領収書などの書類を揃えて、修了日の翌日から1ヶ月以内に申請しなければなりません。

スタディングや診断士ゼミナールなど一部の低価格講座は対象外のため、事前に確認が必要です。

Q. 中小企業診断士通信講座は二次試験だけでも受講できますか?

多くの中小企業診断士通信講座で、二次試験対策だけの単科講座が用意されています。一次試験を独学や他の方法で突破し、二次試験対策だけ専門講座を利用する戦略は効果的です。

LECとAASは特に二次試験対策に定評があり、記述式答案の書き方を徹底的に指導してくれます。受講料は約10万円~15万円で、添削指導も充実しています。

TACとアガルートも二次試験対策の単科講座を提供しており、通学講座と同等の内容が受けられます。

二次試験は記述式問題の対策が独学では難しいため、専門家の添削指導を受けることで合格率が大幅に高まります。一次試験対策は独学でも可能ですが、二次試験対策だけは通信講座を利用するという選択は賢明です。

詳しくは中小企業診断士二次試験の対策をご覧ください。

Q. 中小企業診断士通信講座の無料体験はありますか?

ほぼすべての中小企業診断士通信講座で無料体験が可能です。講義動画の一部視聴、サンプルテキストの閲覧、学習システムの体験などができます。

スタディングは会員登録するだけで、講義動画数本とWebテキストを無料で体験できます。AI問題復習機能なども試せるため、学習システムの使いやすさを確認できます。

アガルートも無料会員登録で、各科目の講義動画とテキストのサンプルが閲覧できます。講師の説明スタイルを確認するのに十分な内容です。

TACとLECは資料請求すると、サンプル講義DVDやテキストの抜粋が送られてきます。また、校舎で無料体験講義に参加することもできます。

フォーサイト、クレアール、診断士ゼミナールも公式サイトで無料体験ができます。

最低でも2-3社の無料体験を試してから決めることをおすすめします。実際に使ってみて、自分に合う講座を見つけましょう。

中小企業診断士試験の難易度についてもっと詳しく知りたい方は中小企業診断士試験の難易度をご覧ください。

まとめ:中小企業診断士通信講座は目的に合わせて選ぼう

本記事では、中小企業診断士の通信講座について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

  1. 料金は5万円~30万円と幅広く、目的に応じて選ぶ:コストパフォーマンス重視ならスタディング(59,800円~)や診断士ゼミナール(53,900円)、合格実績重視ならアガルート(約19万円~)やTAC(約25万円~)が適しています。教育訓練給付制度を利用すれば最大10万円の給付が受けられるため、実質的な負担を軽減できます。
  2. 合格率はアガルートが突出、TACは合格者数で業界トップ:アガルートの2023年度二次試験合格率60.86%は全国平均の約3.2倍で、TACは500名以上の合格者を輩出しています。ただし、合格率の算出方法は各社で異なるため、数字だけでなく母数や条件も確認して総合的に判断することが重要です。
  3. 無料体験で自分に合う講座を見つける:講師の説明スタイル、教材の見やすさ、学習システムの使いやすさは実際に触れないと分かりません。最低2-3社の無料体験を試し、自分の学習スタイルに合った講座を選びましょう。口コミだけで決めず、自分で確認することが失敗しないコツです。

中小企業診断士試験の合格を実現できたら、次は効果的な勉強法必要な勉強時間を参考に、計画的に学習を進めることをおすすめします。また、独学と比較検討したい方は独学での合格可能性も確認しておきましょう。

本記事を通じて、あなたに最適な中小企業診断士通信講座を見つけ、合格に向けた第一歩を踏み出していただければ幸いです。通信講座は単なる教材ではなく、効率的な学習と合格への近道を提供してくれるパートナーです。自分に合った講座を選び、計画的に学習を進めて、中小企業診断士の資格取得を実現しましょう。

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