登録販売者試験の合格率推移と合格ラインを詳しく解説

登録販売者試験の合格率について知りたいあなたへ。「どのくらいの人が合格しているのか」「自分でも合格できる難易度なのか」という疑問は、正確なデータと効果的な対策方法を知ることで解決できます。本記事では、登録販売者試験の全国平均合格率と都道府県別の違い、合格率が変動する理由、合格基準と効果的な対策方法について、最新のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、登録販売者試験合格に向けて、自信を持って学習を進めましょう。

この記事を読むとわかること

• 登録販売者試験の全国平均合格率と都道府県別の合格率データ
• 合格率に地域差や年度差が生じる具体的な理由
• 合格基準となる7割以上の正答率と各章の基準
• 合格率を上げるための効果的な学習対策方法

押さえておきたい3つのポイント

1. 全国平均合格率は40～50％で推移：登録販売者試験の合格率は約2人に1人という水準で、しっかり対策すれば十分に合格可能な難易度です。
2. 都道府県別で合格率に2～3倍の差がある：試験問題が都道府県ごとに異なるため、地域によって合格率が大きく異なります。受験地選びも重要な要素です。
3. 全体で7割以上かつ各章で基準点以上が必要：総合得点だけでなく、5つの章それぞれで3.5～4割以上の正答率を満たす必要があります。苦手分野を作らない学習が合格の鍵です。

登録販売者試験の全体的な合格率

登録販売者試験の合格率は、試験の難易度や対策の目安を知る上で重要な指標です。ここでは、全国平均の合格率データと近年の推移について詳しく見ていきましょう。

全国平均は40～50％で推移

登録販売者試験の全国平均合格率は、例年40～50％の範囲で推移しています。2023年度の全国平均合格率は43.6％で、約4割強の受験者が合格している状況です。この数値は、極端に難しい試験でもなく、かといって簡単に合格できる試験でもないことを示しています。

合格率が40％台で安定していることから、登録販売者試験は適切な準備をすれば合格可能な試験といえます。受験者の半数近くが合格していることを考えると、十分に対策を行った受験者にとっては現実的な目標となるでしょう。

約2人に1人が合格できる試験

登録販売者試験の合格率40～50％という数値は、言い換えれば約2人に1人が合格できる試験です。この合格率は、国家資格の中では中程度の難易度に位置づけられます。極端に難関な資格ではないものの、まったく準備せずに合格できる試験でもありません。

約半数が合格するという事実は、しっかりと学習計画を立てて対策すれば、多くの方が合格できる可能性があることを意味します。働きながら受験する方も多く、適切な学習時間を確保して効率的に勉強すれば、一発合格も十分に狙える難易度といえるでしょう。

近年の合格率推移データ

登録販売者試験の合格率は、年度によって若干の変動があります。近年の推移を見ると、以下のような傾向が見られます。

• 2023年度：43.6％
• 2022年度：44.4％
• 2021年度：49.0％
• 2020年度：41.5％
• 2019年度：43.4％

この5年間のデータを見ると、最も高かった2021年度の49.0％から最も低かった2020年度の41.5％まで、約7.5ポイントの差があります。しかし、全体としては40％台前半で安定しており、極端な変動はありません。この安定性は、試験制度が成熟していることを示しています。

登録販売者試験の基本情報では、試験制度の詳細や申込方法について解説していますので、これから受験を検討している方は参考にしてください。

登録販売者試験の基本情報に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験とは？試験日程・申込方法・合格までの流れ

登録販売者試験の都道府県別合格率一覧

登録販売者試験は都道府県ごとに実施されており、地域によって合格率に大きな差があります。ここでは、最近3年間の都道府県別合格率データを詳しく見ていきましょう。

2024年度（令和6年度）の都道府県別合格率

2024年度の登録販売者試験は各都道府県で順次実施されており、合格率データが公表されています。全国平均は例年通り40％台前半で推移していますが、地域によって大きな差が見られます。

合格率が高い都道府県では50％を超える地域もあり、一方で30％台前半にとどまる地域もあります。特に北海道・東北地方では合格率が高い傾向があり、50％を超える都道府県が複数見られます。関東地方では都道府県によってばらつきがあり、35～50％の範囲で推移しています。

関西広域連合（大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、徳島県）では、共通問題を使用しているため、同じ合格率となります。2024年度の関西広域連合の合格率は40％台前半で、全国平均とほぼ同水準です。

2023年度（令和5年度）の都道府県別合格率

2023年度の登録販売者試験では、全国平均合格率が43.6％でした。都道府県別に見ると、以下のような傾向がありました。

合格率上位の地域：

• 北海道：54.3％
• 青森県：52.1％
• 秋田県：51.8％
• 新潟県：50.2％

合格率下位の地域：

• 東京都：35.7％
• 埼玉県：37.2％
• 千葉県：38.5％

最も合格率が高い北海道と最も低い東京都では、約18ポイントもの差があります。この差は、試験問題の難易度や出題傾向の違いによるものと考えられます。関東地方の主要都市部では合格率が低めの傾向があり、地方では比較的高い合格率となっています。

2022年度（令和4年度）の都道府県別合格率

2022年度の全国平均合格率は44.4％で、2023年度とほぼ同水準でした。都道府県別の傾向も2023年度と似ており、北海道・東北地方で高く、関東の都市部で低い傾向が見られました。

2022年度の特徴としては、関西広域連合の合格率が42.8％と全国平均をやや下回ったことが挙げられます。一方、中部地方では愛知県が47.3％、静岡県が48.1％と比較的高い合格率を記録しました。

都道府県別の合格率は年度によって若干変動しますが、地域ごとの大まかな傾向は継続しています。北海道・東北地方や中部地方の一部では高めの合格率が続き、関東の都市部では低めの水準が続いている状況です。

登録販売者試験の合格率に地域差がある理由

登録販売者試験の合格率が都道府県によって大きく異なることには、明確な理由があります。ここでは、地域差が生じる主な要因について解説します。

都道府県ごとに問題が異なる

登録販売者試験は、都道府県ごとに独自の試験問題が作成されています。厚生労働省が公表している「試験問題作成の手引き」を基準として各都道府県が問題を作成しますが、出題する内容や形式は地域によって異なります。

一部の地域では複数の都道府県が共同で試験を実施しています。例えば、関西広域連合では大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、徳島県が共通の試験問題を使用しています。首都圏では東京都、埼玉県、千葉県が別々に試験を実施しているため、それぞれ異なる問題となります。

このように試験問題が異なることが、都道府県別の合格率に差が生じる最大の要因となっています。

試験問題の難易度に差が生じる

都道府県ごとに異なる試験問題が作成されることで、必然的に問題の難易度にも差が生じます。厚生労働省の「試験問題作成の手引き」に基づいて作成されるため、出題範囲は共通していますが、問題の難易度や出題形式は作成者によって異なってきます。

例えば、基本的な知識を問う問題が多い都道府県では合格率が高くなる傾向があります。一方、応用的な知識や細かい数値を問う問題が多い都道府県では、合格率が低くなる傾向があります。また、ひっかけ問題の多さや選択肢の紛らわしさなども、難易度に影響を与える要素です。

試験問題作成の手引きは定期的に改訂されており、その内容に忠実に沿った問題を作成する都道府県もあれば、より実践的な内容を重視する都道府県もあります。こうした方針の違いが、難易度の差として現れています。

合格率の差は2～3倍になることも

登録販売者試験の都道府県別合格率の差は、年度によっては2～3倍に達することがあります。2023年度のデータでは、最も高い北海道の54.3％と最も低い東京都の35.7％では、約1.5倍の差がありました。

過去には、合格率が60％を超える都道府県と、30％を下回る都道府県が同時に存在した年度もあります。このように大きな差が生じることは、登録販売者試験の特徴的な側面といえます。

ただし、合格率が高い地域だからといって、その地域の試験が簡単すぎるというわけではありません。どの都道府県でも、試験問題作成の手引きに基づいた適切な難易度設定がなされています。受験者の準備状況や受験者層の違いも、合格率に影響を与える要因となっています。

登録販売者試験の合格率が年度で変動する理由

登録販売者試験の合格率は、年度によっても変動が見られます。この変動には、いくつかの明確な理由があります。ここでは、合格率が年度で変わる主な要因について解説します。

問題作成の手引きの改訂

厚生労働省が公表している「試験問題作成の手引き」は、数年ごとに改訂が行われます。この改訂に伴い、出題内容や出題範囲が変更されることがあります。改訂直後の年度では、受験者が新しい内容に対応しきれず、合格率が低下する傾向があります。

例えば、2020年4月に手引きの改訂が行われた際には、医薬品の分類や漢方薬に関する内容が追加・変更されました。このような大きな改訂があった年度では、従来の参考書や問題集で学習した受験者が対応しきれず、合格率に影響が出ることがあります。

改訂から数年が経過すると、参考書や問題集も改訂内容に対応し、受験者の準備も整ってくるため、合格率は安定していきます。手引きの改訂動向を把握しておくことは、受験時期を検討する上でも重要です。

出題傾向の変化

試験問題作成の手引きに大きな改訂がない年度でも、出題傾向は少しずつ変化しています。近年では、単純な暗記問題よりも、実践的な知識を問う問題が増えている傾向があります。

具体的には、医薬品の適切な使用方法や副作用に関する理解を問う問題、顧客への説明に必要な知識を問う問題などが増加しています。こうした実践的な問題は、暗記だけでは対応できないため、十分な理解と応用力が求められます。

また、5つの章（医薬品に共通する特性と基本的な知識、人体の働きと医薬品、主な医薬品とその作用、薬事関係法規・制度、医薬品の適正使用・安全対策）のバランスも年度によって変わります。特定の章で難易度が高い問題が集中すると、その章の得点が伸びず、全体の合格率に影響することがあります。

受験者層の変化

登録販売者試験の受験者層も、年度によって変化しています。この受験者層の変化が、合格率に影響を与えることがあります。

近年の傾向として、ドラッグストアなどで既に働いている方だけでなく、転職や就職のために資格取得を目指す方が増えています。また、コロナ禍以降は、安定した資格を求めて受験する方も増加しました。このように、受験動機や準備状況が多様化していることが、合格率の変動要因の一つとなっています。

十分に準備した受験者の割合が高い年度では合格率が上がり、準備不足の受験者が多い年度では合格率が下がる傾向があります。登録販売者試験は受験資格がないため、誰でも受験できることも、受験者層のばらつきを大きくしている要因です。

登録販売者試験の合格基準と合格ライン

登録販売者試験の合格には、明確な基準が設けられています。単に高得点を取ればよいというわけではなく、複数の条件を同時に満たす必要があります。ここでは、合格基準について詳しく解説します。

全体で7割以上の正答が必要

登録販売者試験の第一の合格基準は、総合得点で70％以上の正答率を達成することです。試験は全120問で構成されており、84問以上（120問×0.7=84問）の正解が必要となります。

この7割という基準は、医薬品の販売に関わる資格として、最低限必要な知識水準を示しています。約8割の正答率を目指して学習することで、確実に合格ラインを超えることができるでしょう。

総合得点での7割以上という基準は、全国共通です。都道府県によって試験問題が異なっても、この合格基準は変わりません。ただし、都道府県によっては、7割ではなく7割5分（90問以上）を合格基準とする場合もありますので、受験する都道府県の詳細を確認することが重要です。

各章で3.5～4割以上の正答が必要

登録販売者試験では、総合得点だけでなく、5つの章それぞれで一定以上の正答率を満たす必要があります。これは「足切り点」と呼ばれる基準で、いずれか1つの章でもこの基準を下回ると、総合得点が7割以上でも不合格となります。

各章の最低正答率は、都道府県によって若干異なりますが、一般的には以下のようになっています。

• 第1章（医薬品に共通する特性と基本的な知識）：20問中7問以上（35％）
• 第2章（人体の働きと医薬品）：20問中7問以上（35％）
• 第3章（主な医薬品とその作用）：40問中14問以上（35％）
• 第4章（薬事関係法規・制度）：20問中8問以上（40％）
• 第5章（医薬品の適正使用・安全対策）：20問中7問以上（35％）

第4章のみ4割の正答率が求められることが多く、他の章は3.5割程度が基準となっています。この違いは、薬事法規の知識が登録販売者として特に重要だと考えられているためです。

1つでも基準を下回ると不合格

登録販売者試験では、総合得点が7割以上であっても、いずれか1つの章で足切り点を下回ると不合格となります。この「足切り制度」が、登録販売者試験の難しさの一因となっています。

例えば、総合得点が90問正解（正答率75％）であっても、第3章で13問しか正解できなかった場合（基準14問以上に対して1問不足）、不合格となります。このように、苦手な章を放置したまま受験すると、他の章でカバーできないリスクがあります。

この制度は、医薬品販売に関わる全ての分野で最低限の知識を持っていることを保証するためのものです。特定の分野だけに偏った知識ではなく、バランスの取れた知識を身につけることが、登録販売者として求められています。

合格するためには、得意な章で高得点を狙うだけでなく、苦手な章でも確実に基準点を超える対策が必要です。全ての章で4割以上の正答率を確保することを目標に、バランスよく学習しましょう。

登録販売者試験の合格基準に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験の難易度｜試験の実態と対策ポイントを解説

登録販売者試験の合格率が意外と低い理由

登録販売者試験の合格率が約40～50％にとどまっている背景には、いくつかの理由があります。一見すると2人に1人が合格する試験ですが、なぜ半数近くの受験者が不合格となるのでしょうか。ここでは、その理由を詳しく解説します。

受験資格がないため誰でも受験できる

登録販売者試験の大きな特徴は、受験資格が一切ないことです。学歴、年齢、実務経験などの制限がなく、誰でも受験できます。この受験しやすさが、逆に合格率を下げる要因の一つとなっています。

受験資格がない資格試験では、十分な準備ができていない受験者も多く含まれます。「とりあえず受けてみよう」という気持ちで受験する方や、試験の難易度を甘く見て準備不足のまま受験する方も一定数います。

一方、薬剤師国家試験のように大学で6年間学んだ人しか受験できない試験では、受験者全員が一定レベル以上の知識を持っているため、合格率は60～80％と高くなります。登録販売者試験が40～50％にとどまるのは、受験者層の幅が広いことが影響しています。

十分に準備していない受験者も含まれる

登録販売者試験の受験者の中には、十分な学習時間を確保できないまま受験する方も少なくありません。働きながら受験する方が多いため、学習時間の確保が難しいという実情があります。

一般的に、登録販売者試験に合格するためには200～400時間程度の学習時間が必要とされています。しかし、実際には100時間未満の学習時間で受験する方も多く、そうした準備不足の受験者が不合格者数を押し上げている面があります。

また、過去問演習を十分に行わずに本番に臨む受験者も多く見られます。登録販売者試験は過去問と類似した問題が出題されることが多いため、過去問演習の有無が合格率に大きく影響します。登録販売者の過去問活用法では、効果的な過去問の使い方を解説していますので、参考にしてください。

専門的な知識が幅広く問われる

登録販売者試験では、医薬品に関する専門的な知識が幅広く問われます。人体の構造と働き、医薬品の成分と作用、副作用、薬事法規など、覚えるべき内容は膨大です。

特に第3章「主な医薬品とその作用」は40問と問題数が多く、数百種類の医薬品成分とその作用、副作用を理解する必要があります。この章の学習範囲の広さが、多くの受験者にとって大きな壁となっています。

また、単なる暗記だけでは対応できない応用問題も出題されます。医薬品の適切な使用方法や、顧客への説明の仕方など、実践的な知識と理解が求められます。こうした専門性の高さが、合格率を押し下げる要因となっています。

登録販売者試験の学習計画に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験に必要な勉強時間｜効率的な学習法も解説

登録販売者試験と他資格の合格率比較

登録販売者試験の難易度を客観的に把握するため、他の資格試験と合格率を比較してみましょう。同じ医療・薬業関連の資格や人気資格との比較を通じて、登録販売者試験の位置づけを理解できます。

薬剤師国家試験との比較（合格率60～80％）

薬剤師国家試験は、6年制の薬学部を卒業した者のみが受験できる国家試験です。2023年の合格率は68.0％で、登録販売者試験の43.6％と比べると大幅に高くなっています。

ただし、薬剤師国家試験の受験資格を得るためには、6年間の大学教育を受ける必要があります。受験者全員が専門的な薬学教育を受けた上で試験に臨むため、合格率が高くなるのは当然といえます。

薬剤師は全ての医薬品を扱えるのに対し、登録販売者は第2類・第3類医薬品のみを扱えます。この業務範囲の違いも、試験の難易度と合格率に反映されています。登録販売者試験は薬剤師国家試験ほど高度な専門知識は問われませんが、一般用医薬品の販売に必要な実践的な知識は十分に網羅されています。

調剤事務管理士との比較（合格率50～70％）

調剤事務管理士は、調剤薬局での事務業務を行うための資格です。合格率は50～70％程度で、登録販売者試験よりもやや高い水準です。

調剤事務管理士試験は、調剤報酬の計算や保険制度の知識が中心で、医薬品の専門知識はそれほど深く問われません。一方、登録販売者試験は医薬品の成分や作用、副作用など、より専門的な薬学知識が必要とされます。

学習時間の目安も、調剤事務管理士が100～200時間程度なのに対し、登録販売者は200～400時間程度と、約2倍の学習量が必要です。この学習量の違いも、合格率の差に表れています。

その他の人気資格との難易度比較

登録販売者試験を、他の人気資格と比較すると以下のようになります。

合格率が高い資格（50％以上）

• 簿記3級：約40～50％（年度による）
• FP3級：約70～80％
• 医療事務：約60～70％

同程度の合格率（40～50％）

• 登録販売者：約40～50％
• 宅建士：約15～17％（受験者数が非常に多いため低い）

合格率が低い資格（30％以下）

• 社会保険労務士：約6～7％
• 行政書士：約10～15％

登録販売者試験は、人気資格の中では中程度の難易度に位置づけられます。簿記3級やFP3級よりは難しいものの、社労士や行政書士といった難関資格ほどではありません。適切な対策を行えば、働きながらでも十分に合格可能な難易度といえます。

登録販売者試験の合格率が高い都道府県の傾向

登録販売者試験の合格率は都道府県によって大きく異なります。ここでは、地域ごとの合格率の傾向を詳しく見ていきましょう。

北海道・東北地方の合格率推移

北海道・東北地方は、登録販売者試験の合格率が全国的に見て高い地域です。2023年度のデータでは、北海道が54.3％、青森県が52.1％、秋田県が51.8％と、いずれも50％を超える高い合格率を記録しています。

この地域で合格率が高い理由として、試験問題が比較的基本的な知識を問う内容になっている傾向があります。応用問題やひっかけ問題が少なく、試験問題作成の手引きに忠実な出題がなされているようです。

ただし、合格率が高いからといって試験が簡単すぎるわけではありません。どの都道府県でも、登録販売者として必要な知識水準は確保されています。北海道・東北地方の試験は、しっかり基礎を固めた受験者が確実に合格できる試験といえます。

関東地方の合格率推移

関東地方、特に首都圏（東京都、埼玉県、千葉県）では、合格率が全国平均を下回る傾向があります。2023年度のデータでは、東京都が35.7％、埼玉県が37.2％、千葉県が38.5％と、いずれも40％を下回っています。

関東の大都市圏で合格率が低い理由として、受験者数が多く、準備不足のまま受験する方の割合が高いことが考えられます。また、試験問題の難易度も他の地域と比べてやや高めに設定されている可能性があります。

一方、関東でも神奈川県は42.3％、群馬県は45.8％など、全国平均並みかそれ以上の合格率を記録している県もあります。同じ関東地方でも、都道府県によって合格率に差があることがわかります。

関西広域連合の合格率推移

関西広域連合（大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、和歌山県、徳島県）は、共通の試験問題を使用しているため、全ての府県で同じ合格率となります。2023年度の関西広域連合の合格率は41.2％で、全国平均の43.6％をやや下回る結果でした。

関西広域連合の合格率は、年度によって変動がありますが、概ね40～45％の範囲で推移しています。2021年度には47.8％と高い合格率を記録しましたが、2020年度は38.9％と低めでした。

共通問題を使用することで、受験者にとっては公平性が高く、対策もしやすいというメリットがあります。関西地方で受験を考えている方は、広域連合内であれば住所地に関わらず受験しやすい府県を選ぶことができます。

登録販売者試験の合格率から見る難易度

合格率のデータから、登録販売者試験の実際の難易度を分析してみましょう。数値だけでなく、その背景にある要因も含めて理解することが重要です。

合格率40～50％は中程度の難易度

登録販売者試験の合格率40～50％という数値は、資格試験全体の中では中程度の難易度を示しています。極端に難しい試験でもなく、極端に簡単な試験でもないという位置づけです。

この合格率は、適切な準備をした受験者であれば十分に合格可能な水準といえます。一方で、まったく準備せずに合格できるほど甘い試験でもありません。約半数が不合格となることを考えると、油断せず計画的に学習する必要があります。

受験資格がないため受験者層が幅広いことを考慮すると、しっかり対策した受験者に限れば、実質的な合格率はもっと高いと推測されます。200～400時間程度の学習時間を確保し、過去問演習を十分に行った受験者であれば、合格率は60～70％程度になると考えられます。

しっかり対策すれば合格可能

登録販売者試験は、しっかりと対策すれば多くの方が合格できる試験です。合格率が40～50％にとどまっているのは、準備不足の受験者が含まれているためであり、適切に学習した受験者の合格率はもっと高いと考えられます。

合格するためのポイントは、以下の3つです。

1. 十分な学習時間の確保：200～400時間を目安に、計画的に学習時間を確保しましょう。登録販売者の勉強時間では、効率的な学習スケジュールの立て方を解説しています。
2. 過去問演習の徹底：過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、弱点を克服できます。
3. 全章のバランスよい学習：足切り制度があるため、苦手な章を作らず、全ての章で基準点以上を取れるよう対策しましょう。

これらのポイントを押さえて学習すれば、一発合格も十分に狙えます。

登録販売者試験の難易度に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験の難易度｜試験の実態と対策ポイントを解説

マークシート方式で取り組みやすい

登録販売者試験は、全問マークシート方式で行われます。記述式や論述式の問題はなく、5つの選択肢から正解を選ぶ形式です。この点は、受験者にとって大きなメリットといえます。

マークシート方式のメリットは以下の通りです。

• 部分点がないため採点が明確
• 完全に分からない問題でも、選択肢から推測できる
• 記述力や表現力は問われない
• 時間配分がしやすい

ただし、選択肢が紛らわしく作られている問題も多いため、正確な知識が必要です。「何となく」で選んでしまうと間違いやすいため、しっかりとした理解が求められます。

マークシート方式だからといって簡単というわけではありませんが、記述式と比べると取り組みやすく、対策もしやすい形式といえます。過去問演習を通じて、選択肢の見極め方や時間配分を身につけることが重要です。

登録販売者試験の合格率を上げるための対策

登録販売者試験の合格率を上げるためには、効果的な学習戦略が必要です。ここでは、合格率を高めるための具体的な対策方法を解説します。

苦手分野を作らず全体的に学習する

登録販売者試験では、足切り制度があるため、苦手な章を作らないことが極めて重要です。得意な章で高得点を取っても、1つの章で基準点を下回れば不合格となってしまいます。

全5章をバランスよく学習するためのポイントは以下の通りです。

各章の特徴を理解する

• 第1章：医薬品の基本概念（暗記中心）
• 第2章：人体の仕組み（理解重視）
• 第3章：医薬品の成分と作用（最も範囲が広い）
• 第4章：薬事法規（暗記中心）
• 第5章：安全対策（実践的な知識）

学習時間の配分
問題数が多い第3章には全体の3～4割の学習時間を割き、他の章も均等に学習しましょう。苦手な章があれば、その章に少し多めの時間を配分することも有効です。

定期的な確認テスト
各章の学習が一通り終わったら、模擬試験や過去問で章ごとの得点率を確認しましょう。基準点（35～40％）を大きく上回っているか、定期的にチェックすることが大切です。

過去問演習で出題傾向を把握する

登録販売者試験では、過去問と類似した問題が繰り返し出題される傾向があります。過去問演習を徹底することで、出題パターンを理解し、効率的に得点力を上げることができます。

過去問演習の進め方

1. 最初は1年分ずつ解く：まず1年分（120問）を時間を計って解き、現在の実力を把握します。
2. 間違えた問題を徹底的に復習：なぜ間違えたのか、正解の選択肢はなぜ正しいのかを理解します。
3. 章ごとに繰り返す：苦手な章は、複数年度の過去問を集中的に解きます。
4. 直前期は時間配分の練習：本番を想定して、120問を120分（都道府県によって異なる）で解く練習をします。

登録販売者の過去問活用法では、過去問の入手方法や効果的な使い方を詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

過去問演習の目標回数
最低でも過去3年分、できれば5年分の過去問を2～3回繰り返し解くことをおすすめします。同じ問題を繰り返すことで、出題パターンが身につき、本番でも類似問題に対応できるようになります。

各章の合格基準を意識した学習計画

合格するためには、総合得点70％以上と各章の基準点クリアの両方を達成する必要があります。この2つの基準を常に意識した学習計画を立てましょう。

目標得点の設定
各章で目標とすべき得点率は以下の通りです。

• 第1章：50～60％（10～12問／20問）
• 第2章：50～60％（10～12問／20問）
• 第3章：60～70％（24～28問／40問）
• 第4章：60～70％（12～14問／20問）
• 第5章：50～60％（10～12問／20問）

合計：76～88問／120問（63～73％）

基準点ギリギリを狙うのではなく、各章で5～6割の正答率を目指すことで、安全圏での合格が可能になります。

学習スケジュールの例

3ヶ月プラン（1日2～3時間）

• 1ヶ月目：テキスト1周目（全章）
• 2ヶ月目：テキスト2周目＋過去問開始
• 3ヶ月目：過去問中心＋弱点補強

6ヶ月プラン（1日1～2時間）

• 1～2ヶ月目：テキスト1周目（丁寧に）
• 3～4ヶ月目：テキスト2周目＋問題集
• 5～6ヶ月目：過去問演習＋総復習

自分のライフスタイルに合わせて、無理のない学習計画を立てることが継続の鍵です。

登録販売者試験の勉強時間に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験に必要な勉強時間｜効率的な学習法も解説

登録販売者試験の過去問活用法に関してもっと詳しい記事はこちら
登録販売者試験の過去問活用法｜入手方法と効果的な解き方

登録販売者試験の合格率に関連するよくある質問（FAQ）

登録販売者試験の合格率について、よくある質問とその回答をまとめました。

登録販売者試験の合格率は何％ですか？

登録販売者試験の全国平均合格率は、例年40～50％で推移しています。2023年度は43.6％、2022年度は44.4％でした。約2人に1人が合格する試験であり、適切な準備をすれば十分に合格可能な難易度といえます。ただし、都道府県によって合格率に大きな差があり、30％台から50％台まで幅があることに注意が必要です。

登録販売者試験の合格率が高い都道府県はどこですか？

登録販売者試験の合格率が高い都道府県は、北海道・東北地方に多く見られます。2023年度のデータでは、北海道が54.3％で最も高く、次いで青森県52.1％、秋田県51.8％、新潟県50.2％となっています。これらの地域では、試験問題が基本的な知識を中心に出題される傾向があり、しっかり準備した受験者が合格しやすい試験となっています。

登録販売者試験の合格率が低い理由は何ですか？

登録販売者試験の合格率が40～50％にとどまる理由は、主に3つあります。第一に、受験資格がないため準備不足の受験者も多く含まれること。第二に、総合得点70％以上に加えて各章で基準点をクリアする必要があり、苦手な章があると不合格になること。第三に、医薬品に関する専門的な知識が幅広く問われ、学習範囲が膨大であることです。これらの要因が重なり、約半数の受験者が不合格となっています。

登録販売者試験の合格基準は何点ですか？

登録販売者試験の合格基準は、120問中84問以上の正解（正答率70％以上）が必要です。さらに、5つの章それぞれで最低正答率を満たす必要があります。各章の基準は、第1章・第2章・第3章・第5章が35％以上（各章の問題数の35％以上）、第4章が40％以上となることが一般的です。総合得点と各章の基準点の両方をクリアして初めて合格となります。

登録販売者試験は一発合格できますか？

登録販売者試験は、適切な学習計画を立てて対策すれば一発合格も十分に可能です。合格者の多くが、200～400時間程度の学習時間を確保して一発合格を果たしています。重要なのは、全ての章をバランスよく学習し、過去問演習を徹底することです。登録販売者のおすすめテキストで自分に合った教材を選び、計画的に学習を進めれば、働きながらでも一発合格を目指せます。

登録販売者試験の合格率は年々下がっていますか？

登録販売者試験の合格率は、年々下がっているわけではありません。過去5年間のデータを見ると、2019年度43.4％、2020年度41.5％、2021年度49.0％、2022年度44.4％、2023年度43.6％と、40％台前半で安定して推移しています。年度によって若干の変動はありますが、長期的に見て大きな上昇傾向も下降傾向もありません。試験の難易度は一定に保たれているといえます。

登録販売者試験の合格率を上げるにはどうすれば良いですか？

登録販売者試験の合格率を上げるには、3つのポイントを押さえることが重要です。第一に、苦手分野を作らず全5章をバランスよく学習すること。足切り制度があるため、全ての章で基準点以上を取る必要があります。第二に、過去問演習を徹底すること。最低でも3年分、できれば5年分を2～3回繰り返し解きましょう。第三に、各章の合格基準を意識した学習計画を立てること。総合得点だけでなく、章ごとの目標得点も設定して学習を進めることが合格への近道です。

まとめ：登録販売者試験の合格率を理解して効果的な対策を

本記事では、登録販売者試験の合格率について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

1. 全国平均合格率は40～50％で安定推移：登録販売者試験の合格率は約2人に1人で、適切な準備をすれば十分に合格可能な難易度です。都道府県別では30％台から50％台まで幅があり、北海道・東北地方で高く、関東の都市部で低い傾向があります。
2. 合格基準は総合70％以上＋各章で基準点以上：120問中84問以上の正解に加えて、5つの章それぞれで35～40％以上の正答率が必要です。1つでも基準を下回ると不合格となるため、苦手分野を作らないバランスの良い学習が重要です。
3. 効果的な対策で合格率を上げられる：全章をバランスよく学習し、過去問演習を徹底することで、合格率を大きく高めることができます。200～400時間の学習時間を確保し、計画的に進めることで一発合格も十分に狙えます。

登録販売者試験の合格率を理解できたら、次は具体的な学習計画を立てて対策を始めましょう。登録販売者の勉強時間と登録販売者の過去問活用法を参考に、効率的な学習を進めることをおすすめします。

本記事を通じて、登録販売者試験の合格率の実態と効果的な対策方法を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、登録販売者試験合格という目標の実現に向けて一歩を踏み出しましょう。