MENU

土地家屋調査士の登録手続き|登録費用・研修・必要書類を解説

土地家屋調査士の登録手続きについて詳しく知りたいあなたへ。試験合格後の登録手続きは、登録費用や必要書類、新人研修など、事前に把握しておくべき情報が多数あります。本記事では、土地家屋調査士の登録に必要な費用の内訳、登録手続きの具体的な流れ、登録から業務開始までのスケジュールについて、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、土地家屋調査士としてのキャリアスタートに向けて、計画的な準備を進めましょう。

この記事を読むとわかること

  • 土地家屋調査士の登録に必要な費用の詳細(総額19万円〜24万円)
  • 登録手続きの具体的な流れと必要書類
  • 合格発表から業務開始までのスケジュール
  • 登録タイミングの選び方と新人研修の内容

押さえておきたい3つのポイント

  1. 登録費用は総額19万円〜24万円:登録手数料25,000円、登録免許税30,000円に加え、各土地家屋調査士会への入会金と会費(都道府県により異なる)が必要です。
  2. 新人研修は参加必須:登録後6月頃に開催される2〜3日間の新人研修への参加が義務付けられており、研修費用として約28,000円が必要です。
  3. 登録タイミングは就職先の方針次第:勤務先が決まってから登録するか、合格後すぐに登録するかは、就職先の費用負担方針によって判断が分かれます。

土地家屋調査士を一発合格合格をめざす!人気の通信講座がこちら

目次

土地家屋調査士の登録とは|合格後に必須の手続き

土地家屋調査士として業務を行うには、試験に合格するだけでは不十分で、法務局が管理する土地家屋調査士名簿への登録が必須です。このセクションでは、登録の法的根拠と必要性について解説します。

土地家屋調査士登録の法的根拠と必要性

土地家屋調査士法第6条により、土地家屋調査士として業務を行うには、日本土地家屋調査士会連合会が備える土地家屋調査士名簿に登録を受けなければなりません。この登録は、単なる形式的な手続きではなく、土地家屋調査士としての資格を公的に証明し、業務を適法に行うための必須要件です。

登録を受けることで、土地家屋調査士会の会員となり、専門家としての権利と義務が発生します。具体的には、不動産の表示に関する登記申請の代理や、土地の境界確定測量などの独占業務を行う権限が付与されます。

土地家屋調査士試験合格後すぐに登録できるのか

土地家屋調査士試験に合格しても、すぐに登録できるわけではありません。2月に発表される最終合格後、まず合格証交付式で合格証を受け取る必要があります。その後、3月頃から各都道府県の土地家屋調査士会で登録手続きが開始されます。

登録手続きには、必要書類の準備、事務所所在地の決定、登録費用の納付など、複数のステップがあります。また、登録が完了しても、6月頃に開催される新人研修への参加が義務付けられているため、完全に業務を開始できるのは研修終了後となります。

土地家屋調査士試験の合格発表から登録までの詳しい流れを理解しておくことで、スムーズな手続きが可能になります。

未登録で業務を行うと罰則がある

土地家屋調査士法第68条により、土地家屋調査士名簿に登録せずに土地家屋調査士の業務を行った場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます。これは、土地家屋調査士の業務が不動産の権利関係に直接影響する重要な業務であり、無資格者による業務を厳しく取り締まる必要があるためです。

また、試験に合格していても登録していない状態で「土地家屋調査士」という名称を使用することも、名称独占違反として罰則の対象となります。土地家屋調査士として業務を行うには、必ず正式な登録手続きを完了させる必要があります。

土地家屋調査士の登録から業務開始までのスケジュール

土地家屋調査士試験の合格発表から業務開始まで、約4ヶ月間の期間があります。ここでは、各時期に行うべき手続きとスケジュールを詳しく解説します。

2月:土地家屋調査士試験の最終合格発表

土地家屋調査士試験の最終合格発表は、例年2月上旬に法務省のホームページで公表されます。2023年度試験では2024年2月5日に発表されました。最終合格者には、受験番号とともに合格通知が郵送されます。

筆記試験(午後の部)合格者のうち、口述試験に合格した方が最終合格となります。口述試験の合格率は例年99%以上と非常に高く、ほとんどの筆記試験合格者が最終合格を果たしています。

合格発表後は、合格証交付式の案内が届くため、日程と会場を確認しておきましょう。

2月下旬:合格証交付式での合格証受け取り

最終合格発表の約2〜3週間後、2月下旬に全国各地で合格証交付式が開催されます。この式典は法務局または法務局の地方支局で行われ、合格者本人が出席して合格証を受け取ります。

合格証交付式では、法務局長からの祝辞や、各都道府県の土地家屋調査士会の会長から登録手続きに関する説明があります。また、土地家屋調査士会への入会案内や、登録に必要な書類一式が配布されることが多いため、できる限り出席することをおすすめします。

やむを得ず欠席する場合は、合格証は後日郵送されますが、登録手続きに関する詳細情報は自分で土地家屋調査士会に問い合わせる必要があります。

3月:土地家屋調査士会への登録・入会手続き

合格証を受け取った後、3月から各都道府県の土地家屋調査士会で登録手続きが開始されます。登録手続きには、日本土地家屋調査士会連合会への登録申請と、各都道府県の土地家屋調査士会への入会手続きの両方が必要です。

登録手続きには、住民票や戸籍謄本などの必要書類を準備し、登録手数料25,000円、登録免許税30,000円、入会金などの費用を納付します。書類に不備がなければ、申請から約10日後に登録完了の連絡があり、土地家屋調査士証票(バッジ)が交付されます。

登録が完了すると、土地家屋調査士名簿に登録され、正式に土地家屋調査士として業務を行う資格が得られます。

6月:新人研修への参加(必須)

登録完了後、6月頃に各都道府県の土地家屋調査士会が主催する新人研修への参加が義務付けられています。新人研修は2〜3日間の日程で開催され、土地家屋調査士としての実務知識、職業倫理、業務手続きなどを学びます。

研修費用は約28,000円で、研修終了後に修了証が交付されます。この修了証がなければ、実質的に業務を開始することが難しいため、必ず参加する必要があります。

新人研修では、実務経験豊富な先輩土地家屋調査士から直接指導を受けられるほか、同期の調査士とのネットワークを構築できる貴重な機会となります。

土地家屋調査士の登録に必要な書類一覧

土地家屋調査士の登録には、複数の公的書類と個人情報書類が必要です。書類の準備には時間がかかるため、合格発表後すぐに準備を始めることをおすすめします。

土地家屋調査士登録申請書

土地家屋調査士登録申請書は、日本土地家屋調査士会連合会が定める様式で、各都道府県の土地家屋調査士会で入手できます。合格証交付式で配布されることも多く、記入方法については土地家屋調査士会の担当者が詳しく説明してくれます。

申請書には、氏名、生年月日、本籍地、住所、事務所所在地、学歴、職歴などを記入します。特に事務所所在地は重要な項目で、勤務先の事務所にするか、自宅にするかを慎重に決定する必要があります。

記入した申請書は、押印(実印)と印鑑証明書の添付が必要です。

住民票・戸籍謄本など身分証明書類

本人確認のために、以下の公的書類が必要です:

  • 住民票:発行後3ヶ月以内のもの、本籍地記載のもの
  • 戸籍謄本:発行後3ヶ月以内のもの
  • 身分証明書:本籍地の市区町村役場で発行される、成年被後見人や被保佐人でないことを証明する書類
  • 登記されていないことの証明書:法務局で発行される、成年被後見人等の登記がされていないことを証明する書類

これらの書類は、土地家屋調査士としての適格性を証明するために必要で、特に成年被後見人や被保佐人でないことの証明は、土地家屋調査士法で定められた欠格事由に該当しないことを示す重要な書類です。

履歴書・写真など個人情報関連書類

登録には、以下の個人情報関連書類も必要です:

  • 履歴書:学歴と職歴を詳しく記載したもの
  • 証明写真:縦4cm×横3cm、上半身正面、無帽、背景なし、6ヶ月以内に撮影したもの(3枚程度)
  • 印鑑証明書:発行後3ヶ月以内のもの
  • 合格証のコピー:法務局から交付された合格証

写真は土地家屋調査士証票(バッジ)や土地家屋調査士名簿に使用されるため、プロのカメラマンに撮影してもらうことをおすすめします。

土地家屋調査士会への入会届

各都道府県の土地家屋調査士会への入会届も必要です。入会届には、入会する土地家屋調査士会の名称、事務所所在地、連絡先などを記入します。

入会届と同時に、入会金と年会費(月割り計算)を納付します。入会金と年会費は都道府県によって異なり、東京土地家屋調査士会の場合は入会金が100,000円、年会費が約70,000円です。

入会が承認されると、土地家屋調査士会の会員となり、会報の配布や研修会への参加、業務支援などのサービスを受けられるようになります。

土地家屋調査士の登録費用|総額19万円〜24万円

土地家屋調査士の登録には、複数の費用が必要です。費用の総額は都道府県によって異なりますが、一般的に19万円〜24万円程度が必要となります。ここでは、費用の内訳を詳しく解説します。

日本土地家屋調査士会連合会への登録手数料:25,000円

土地家屋調査士名簿への登録には、日本土地家屋調査士会連合会に支払う登録手数料25,000円が必要です。この手数料は全国一律で、登録申請時に現金または銀行振込で納付します。

登録手数料は、土地家屋調査士名簿の管理や登録証明書の発行などの事務手続きに充てられます。

登録免許税(収入印紙):30,000円

登録免許税法に基づき、土地家屋調査士の登録には30,000円の登録免許税が課せられます。この税金は、登録申請書に30,000円分の収入印紙を貼付して納付します。

収入印紙は郵便局や法務局で購入できますが、高額な印紙は在庫がない場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

土地家屋調査士会への入会金と会費

各都道府県の土地家屋調査士会への入会には、入会金と年会費が必要です。これらの費用は都道府県によって大きく異なります:

都道府県入会金年会費(概算)合計(初年度)
東京100,000円70,000円170,000円
神奈川80,000円60,000円140,000円
大阪90,000円65,000円155,000円
愛知85,000円62,000円147,000円

年会費は月割り計算されるため、登録時期によって初年度の会費は変動します。例えば、3月に登録した場合は10ヶ月分の会費が必要です。

土地家屋調査士会の会費からは、会報の発行、研修会の開催、業務支援、会館の維持管理などの費用が賄われています。

その他の費用(表札・写真代など)

登録手続きに直接関係する費用以外にも、以下のような費用が発生します:

  • 表札代:事務所に掲示する土地家屋調査士の表札(5,000円〜10,000円)
  • 証明写真代:プロのカメラマンに撮影してもらう場合(3,000円〜5,000円)
  • 書類取得費用:住民票、戸籍謄本、身分証明書などの発行手数料(合計2,000円〜3,000円)
  • 交通費:土地家屋調査士会への訪問や新人研修参加のための交通費

これらの費用を含めると、登録にかかる総額は都道府県によって19万円〜24万円程度となります。

土地家屋調査士の費用については、業務報酬と比較して理解することで、初期投資の回収見込みを把握できます。

土地家屋調査士を一発合格合格をめざす!人気の通信講座がこちら

土地家屋調査士の登録手続きの具体的な流れ

土地家屋調査士の登録手続きは、複数のステップを経て進めます。ここでは、実際の手続きの流れを詳しく解説します。

土地家屋調査士会へ事前連絡しアポイントを取る

登録手続きを始める前に、まず事務所所在地を管轄する都道府県の土地家屋調査士会に電話で連絡し、登録手続きの予約を取ります。土地家屋調査士会では、登録希望者に対して個別に手続きの説明を行うため、事前のアポイントが必要です。

電話では、合格年度、氏名、希望する登録時期、事務所所在地などを伝えます。土地家屋調査士会の担当者から、必要書類の詳細、登録費用の納付方法、来所日時などの説明を受けます。

合格証交付式に出席した場合は、その場で登録手続きの説明会が開催されることもありますが、個別の相談を希望する場合は別途アポイントを取る必要があります。

必要書類を準備し記入する

土地家屋調査士会から指示された必要書類を全て準備します。公的書類(住民票、戸籍謄本、身分証明書など)は市区町村役場で取得し、登録申請書や履歴書は正確に記入します。

書類記入時の注意点:

  • 事務所所在地:勤務先か自宅か、慎重に決定する
  • 印鑑:実印を使用し、印鑑証明書を添付する
  • 写真:規格に合った証明写真を準備する(縦4cm×横3cm、3枚)
  • 職歴:学歴と職歴を正確に記載する

書類に不備があると手続きが遅れるため、記入後は複数回確認することをおすすめします。不明な点があれば、土地家屋調査士会に電話で確認しましょう。

土地家屋調査士会へ書類と費用を提出する

予約した日時に土地家屋調査士会を訪問し、準備した書類と費用を提出します。持参するもの:

  • 必要書類一式:記入済みの申請書、公的書類、写真など
  • 登録費用:登録手数料25,000円、登録免許税30,000円分の収入印紙、入会金、年会費
  • 印鑑:実印

土地家屋調査士会の担当者が書類を確認し、不備がなければその場で受理されます。費用は現金または指定の方法で納付します。

書類提出時には、新人研修の日程や業務開始に向けた準備についても説明を受けます。不明な点があれば、この機会に質問しておきましょう。

登録完了の連絡を待つ(約10日後)

書類提出後、土地家屋調査士会から日本土地家屋調査士会連合会に登録申請が送られます。審査に問題がなければ、申請から約10日後に登録完了の連絡があります。

登録が完了すると、以下のものが交付されます:

  • 土地家屋調査士証票(バッジ):業務時に着用する身分証明
  • 土地家屋調査士会会員証:会員であることを証明するカード
  • 登録番号:土地家屋調査士としての固有番号

登録番号は一生変わらない番号で、業務書類や登記申請書に記載します。登録完了後は、土地家屋調査士名簿に登録され、法務局のホームページで公開されます。

土地家屋調査士の登録時の事務所所在地の決め方

土地家屋調査士の登録には事務所所在地の登録が必須です。事務所所在地の決め方は、働き方やキャリアプランによって異なります。

勤務先の事務所住所で登録する場合

土地家屋調査士事務所や測量会社に就職する場合、勤務先の事務所住所で登録するのが一般的です。この場合、事務所の責任者(開設者)の承諾が必要で、登録申請時に承諾書を提出します。

勤務先の事務所住所で登録するメリット:

  • 事務所の設備や機器を使用できる
  • 先輩調査士から実務指導を受けやすい
  • 顧客対応や事務作業を勤務先でまとめて行える
  • 独立開業までの準備期間として活用できる

ただし、勤務先を退職する場合は、事務所所在地の変更登録が必要になります。変更登録には、変更登録申請書の提出と、変更登録手数料(数千円程度)の納付が必要です。

自宅住所で登録する場合の注意点

独立開業を前提とする場合や、勤務先が決まっていない場合は、自宅住所で登録することも可能です。ただし、自宅を事務所として登録する場合、いくつかの注意点があります:

  • 賃貸住宅の場合:事務所使用について大家または管理会社の承諾が必要な場合がある
  • マンションの場合:管理規約で事務所使用が禁止されていないか確認が必要
  • 表札の設置:土地家屋調査士法により、事務所には土地家屋調査士の表札を掲示する義務がある
  • プライバシー:自宅住所が土地家屋調査士名簿に登録され、法務局のホームページで公開される

自宅住所で登録する場合は、家族の理解も得ておく必要があります。

開業予定の事務所住所で登録する場合

独立開業を前提として、開業予定の事務所物件を契約している場合は、その住所で登録できます。ただし、登録申請時点で物件の賃貸借契約が成立している必要があります。

開業予定の事務所住所で登録する際の準備:

  • 事務所物件の賃貸借契約書のコピー
  • 事務所の表札の設置
  • 電話番号の取得
  • 郵便物の受取体制の整備

開業予定の事務所で登録することで、登録後すぐに顧客対応や営業活動を開始できるメリットがあります。

土地家屋調査士の新人研修の内容と費用

土地家屋調査士として業務を開始するには、新人研修への参加が必須です。ここでは、新人研修の詳細について解説します。

新人研修は参加必須(2〜3日間)

新人研修は、土地家屋調査士法に基づく研修制度で、登録後の新人土地家屋調査士全員が参加しなければなりません。研修期間は都道府県によって異なりますが、一般的に2〜3日間の集中研修として開催されます。

研修内容は以下のテーマで構成されています:

  • 土地家屋調査士の職業倫理:業務上の責任、依頼者との関係、守秘義務など
  • 不動産登記法の実務:登記申請書の作成方法、添付書類の準備など
  • 測量実務の基礎:測量機器の使用方法、測量計算の実践
  • 境界確定の実務:境界立会、境界標の設置、境界確定図の作成
  • 土地家屋調査士会の活動:会務への参加、継続研修の案内

研修では、実際の事例を用いた演習やグループディスカッションも行われ、実践的な知識とスキルを習得できます。

新人研修の開催時期と会場

新人研修は、例年6月頃に各都道府県の土地家屋調査士会が主催して開催されます。開催時期は3月に登録した新人が業務を開始する前のタイミングに設定されています。

研修会場は、土地家屋調査士会の会館や、公共の会議室、ホテルの会議室などが使用されます。都道府県によっては、複数回に分けて開催されることもあり、参加者は都合の良い日程を選択できます。

研修への参加は必須ですが、やむを得ない事情で欠席する場合は、次回の研修に参加するか、個別研修を受ける必要があります。

土地家屋調査士の新人研修費用:28,000円

新人研修への参加には、研修費用として約28,000円が必要です。この費用には、研修資料代、会場使用料、講師謝礼などが含まれています。研修費用は都道府県によって若干異なりますが、25,000円〜30,000円の範囲が一般的です。

研修費用は、登録時または研修参加時に納付します。なお、研修期間中の昼食代や交通費は含まれていないため、別途負担する必要があります。

研修費用は、土地家屋調査士会の会費とは別に請求されるため、登録時の費用計画に含めておくことをおすすめします。

新人研修で得られる知識とネットワーク

新人研修は、単なる知識習得の場ではなく、同期の土地家屋調査士とのネットワークを構築する貴重な機会です。研修を通じて、同じ時期に登録した調査士同士の交流が深まり、その後の業務で相談し合える関係を築けます。

また、研修講師を務める先輩土地家屋調査士との出会いも重要です。経験豊富な調査士から直接指導を受けることで、実務上の疑問や不安を解消できます。研修後も、土地家屋調査士会の活動を通じて継続的な関係を維持できます。

新人研修で得られる知識:

  • 実務で即座に活用できる登記申請の手順
  • トラブル回避のための依頼者対応のポイント
  • 効率的な測量計算の方法
  • 境界確定における法的論点の理解

これらの知識は、書籍やインターネットだけでは習得しにくい実践的な内容です。

土地家屋調査士の登録タイミング|いつ登録すべきか

土地家屋調査士試験に合格した後、いつ登録するかは個人の状況によって異なります。ここでは、登録タイミングの選択肢とそれぞれのメリットを解説します。

勤務先が決まってから登録するメリット

就職先が決まってから登録する方法は、最も一般的なパターンです。多くの土地家屋調査士事務所や測量会社では、採用決定後に登録手続きを進めるよう指示があります。

勤務先が決まってから登録するメリット:

  • 登録費用の負担軽減:勤務先が登録費用の一部または全額を負担してくれる場合がある
  • 事務所所在地の確定:勤務先の事務所住所で登録できるため、自宅住所を公開する必要がない
  • 実務指導の開始:登録と同時に業務をスタートでき、先輩調査士から指導を受けられる
  • 安定した収入:給与をもらいながら実務経験を積める

ただし、就職活動が長引く場合、登録が遅れて資格を活用できない期間が発生する可能性があります。

合格後すぐに登録するメリット

就職先が決まっていなくても、合格後すぐに登録する選択肢もあります。この方法は、独立開業を前提とする場合や、フリーランスとして働く場合に適しています。

合格後すぐに登録するメリット:

  • 就職活動での有利性:「登録済み」であることをアピールでき、即戦力として評価される
  • 業務開始までの時間短縮:就職決定後すぐに業務を開始できる
  • 早期からのネットワーク構築:土地家屋調査士会の活動に参加し、人脈を広げられる
  • 資格の有効活用:合格後の空白期間を作らず、資格を活かせる

ただし、登録費用を自己負担する必要があり、就職先が決まるまでは年会費も自分で支払い続ける必要があります。

土地家屋調査士になるにはの全体的な流れを理解した上で、自分に適した登録タイミングを判断しましょう。

土地家屋調査士事務所の登録費用負担について

土地家屋調査士事務所や測量会社によって、登録費用の負担方針は異なります。一般的なパターンは以下の通りです:

費用負担パターン負担内容条件
全額事務所負担登録手数料、登録免許税、入会金、年会費を全額負担一定期間(2〜3年)の勤務継続が条件
一部事務所負担登録手数料と登録免許税のみ負担、入会金と年会費は本人負担特になし
貸付制度一旦事務所が立替え、給与から分割返済返済完了まで勤務継続
全額本人負担全ての費用を本人が負担特になし

就職活動時には、登録費用の負担について確認しておくことが重要です。費用負担がある場合、途中退職時の返還義務なども契約書で確認しましょう。

土地家屋調査士登録後の働き方の選択肢

土地家屋調査士の登録が完了すると、様々な働き方の選択肢があります。ここでは、代表的な働き方とそれぞれの特徴を解説します。

土地家屋調査士事務所・測量会社への就職

最も一般的な働き方は、既存の土地家屋調査士事務所や測量会社に就職することです。勤務土地家屋調査士として、給与をもらいながら実務経験を積めます。

土地家屋調査士事務所への就職のメリット:

  • 安定した収入:月給制または年俸制で安定した収入が得られる
  • 実務経験の習得:先輩調査士から実務指導を受けられる
  • 設備や機器の利用:測量機器、CADソフト、事務所設備を使用できる
  • 顧客基盤の活用:事務所の既存顧客の案件を担当できる

土地家屋調査士の仕事内容を理解した上で、自分に合った就職先を選ぶことが重要です。

初任給は地域や事務所規模によって異なりますが、一般的に年収300万円〜400万円程度からスタートします。経験を積むことで、年収500万円〜700万円まで上昇する可能性があります。

独立開業する場合の準備

実務経験を積んだ後、独立開業する土地家屋調査士も多くいます。独立開業には、以下の準備が必要です:

  • 事務所の開設:事務所物件の契約、表札の設置、電話回線の設置
  • 測量機器の購入:トータルステーション、GPS測量機、レベルなど(100万円〜300万円)
  • CADソフトの導入:図面作成用のソフトウェア(10万円〜30万円)
  • 営業活動の開始:チラシ配布、ホームページ作成、士業ネットワークの構築

独立開業の初年度は収入が不安定なため、半年〜1年分の生活費を蓄えておくことをおすすめします。

土地家屋調査士の年収については、勤務と独立開業で大きく異なるため、キャリアプランを立てる際の参考にしてください。

土地家屋調査士として働く上での法的制限

土地家屋調査士には、職業倫理と法的義務があります。特に重要な制限は以下の通りです:

  • 守秘義務:業務上知り得た情報を第三者に漏らしてはならない(土地家屋調査士法第24条)
  • 非行為の禁止:品位を損なう行為をしてはならない(土地家屋調査士法第23条)
  • 兼業制限:一部の職業との兼業が制限される(公務員など)
  • 事務所設置義務:土地家屋調査士は必ず事務所を設けなければならない(土地家屋調査士法第17条)
  • 表札掲示義務:事務所には土地家屋調査士の表札を掲示しなければならない(土地家屋調査士法第18条)

これらの義務に違反すると、懲戒処分(戒告、業務停止、登録取消)の対象となる可能性があります。

土地家屋調査士として働く上での法的制限に関してもっと詳しい記事はこちら
土地家屋調査士の仕事内容とは?業務範囲・働き方・キャリアパスを詳しく解説

土地家屋調査士の登録に関連するよくある質問(FAQ)

土地家屋調査士の登録について、よくある質問と回答をまとめました。

Q. 土地家屋調査士の登録費用は誰が負担しますか?

土地家屋調査士の登録費用の負担は、就職先の方針によって異なります。土地家屋調査士事務所や測量会社に就職する場合、登録手数料と登録免許税(合計55,000円)を会社が負担してくれることが多いです。ただし、入会金と年会費は本人負担とする事務所もあります。独立開業を前提とする場合や、就職先が決まっていない場合は、全額自己負担となります。就職活動時に、登録費用の負担について確認しておくことをおすすめします。

Q. 土地家屋調査士の登録に実務経験は必要ですか?

土地家屋調査士の登録に実務経験は必要ありません。土地家屋調査士試験に合格し、必要書類と費用を準備すれば、誰でも登録できます。ただし、登録後6月頃に開催される新人研修への参加が義務付けられており、この研修で基本的な実務知識を学びます。実務経験がなくても、新人研修と勤務先での指導によって、徐々に実務スキルを習得できます。

Q. 土地家屋調査士の登録は合格後いつまでにすべきですか?

土地家屋調査士試験に合格しても、登録には期限がありません。合格後すぐに登録することも、数年後に登録することも可能です。ただし、登録しなければ土地家屋調査士の業務を行えないため、就職先が決まったタイミングや、独立開業を決意したタイミングで登録するのが一般的です。合格から登録まで期間が空く場合、合格証は大切に保管しておきましょう。

Q. 土地家屋調査士の登録後に住所変更した場合はどうなりますか?

土地家屋調査士として登録した後に住所変更(自宅住所の変更または事務所所在地の変更)があった場合、変更登録が必要です。変更登録は、日本土地家屋調査士会連合会に変更登録申請書を提出し、変更登録手数料(数千円程度)を納付することで完了します。特に事務所所在地を変更する場合、変更後の事務所の賃貸借契約書や、新たな表札の設置が必要です。変更登録を怠ると、業務上の通知が届かないなどの不都合が生じる可能性があります。

Q. 土地家屋調査士の登録をせずに資格を保持できますか?

土地家屋調査士試験に合格しても、登録しなければ土地家屋調査士として業務を行えませんが、合格の事実自体は消えません。つまり、資格試験に合格した状態は維持されます。ただし、登録していない状態では「土地家屋調査士」を名乗ることはできず、土地家屋調査士の独占業務も行えません。合格証は生涯有効なので、将来登録したくなった時に、いつでも登録手続きを開始できます。

Q. 土地家屋調査士の登録時に事務所所在地を自宅にするデメリットはありますか?

土地家屋調査士の登録時に事務所所在地を自宅にすることは可能ですが、いくつかのデメリットがあります。まず、自宅住所が土地家屋調査士名簿に登録され、法務局のホームページで公開されるため、プライバシーの問題があります。また、賃貸住宅やマンションの場合、管理規約で事務所使用が制限されていることがあり、大家や管理会社の承諾が必要です。さらに、自宅には土地家屋調査士の表札を掲示する義務があるため、近隣住民にも事務所であることが知られます。

Q. 土地家屋調査士の新人研修を欠席するとどうなりますか?

土地家屋調査士の新人研修は参加必須の研修で、正当な理由なく欠席することはできません。やむを得ない事情で欠席する場合は、次回の新人研修に参加するか、土地家屋調査士会が指定する個別研修を受ける必要があります。新人研修を修了しないと、実質的に業務を開始することが難しくなります。研修日程が勤務先の都合と重なる場合は、勤務先と相談して研修参加を優先するよう調整しましょう。

土地家屋調査士を一発合格合格をめざす!人気の通信講座がこちら

まとめ:土地家屋調査士の登録手続きは計画的に進めよう

本記事では、土地家屋調査士の登録手続きについて詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

  1. 登録費用は総額19万円〜24万円が必要:登録手数料25,000円、登録免許税30,000円に加え、各都道府県の土地家屋調査士会への入会金と年会費が必要です。都道府県によって費用が異なるため、事前に確認しておきましょう。
  2. 登録から業務開始まで約4ヶ月のスケジュール:2月の最終合格発表から、合格証交付式、3月の登録手続き、6月の新人研修まで、計画的に手続きを進める必要があります。特に新人研修への参加は必須です。
  3. 登録タイミングは就職先の方針と相談して決める:勤務先が決まってから登録するか、合格後すぐに登録するかは、費用負担や働き方によって判断が分かれます。就職活動時に登録費用の負担について確認しましょう。

土地家屋調査士の登録手続きを理解できたら、次は実際の業務内容や働き方について知識を深めましょう。土地家屋調査士の仕事内容土地家屋調査士の年収を参考に、計画的にキャリアを進めることをおすすめします。

本記事を通じて、土地家屋調査士の登録に必要な費用、手続きの流れ、登録後の働き方を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、土地家屋調査士としてのキャリアスタートに向けて、着実に準備を進めましょう。

土地家屋調査士を一発合格合格をめざす!人気の通信講座がこちら

土地家屋調査士の関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次