司法書士試験に向けて勉強を進めているあなたは、「模試は受けるべきなのか」「どの予備校の模試が良いのか」と悩んでいませんか?合格率4%台の難関試験だからこそ、本番前に実力を確認できる模試の価値は計り知れません。
- 司法書士試験の模試を受験する3つの具体的なメリット
- 予備校別の模試の特徴と料金・おすすめ度の比較
- 模試を受験する最適な時期と年間スケジュールの立て方
- 模試の成績を本番の合格につなげる効果的な活用法
- 模試を受けるべき人と受けなくても良い人の判断基準
- 模試受験でよくある失敗パターンとその対策方法
本番の時間配分を体感できる価値:司法書士試験は午前択一式3時間、午後択一式2時間・記述式3時間という長丁場です。模試では本試験と同じ時間設定で実施されるため、体力配分や集中力の維持方法を事前に把握できます。実際に受験してみると、想定以上に疲労することに気づく受験生が大半です。
全国での自分の立ち位置を客観的に把握:独学や通信講座で勉強している場合、自分が全国でどの程度の位置にいるのか分かりません。模試を受けることで、全国順位や偏差値、合格可能性判定が数値で示されるため、残り期間の学習計画を具体的に立てられます。
弱点を発見し対策する最後のチャンス:模試の成績表では、科目別・分野別の得点率が詳細に分析されます。本試験までに残された時間で何を優先すべきか明確になり、効率的な学習が可能です。合格者の多くは「模試で見つけた弱点を徹底的に潰した」と振り返ります。
本記事では、司法書士試験の模試に焦点を当て、おすすめの模試5選と具体的な活用法を解説します。司法書士試験の詳細が試験制度全般を扱うのに対し、本記事は模試受験に特化した実践的な情報を提供します。
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司法書士試験の模試とは?受験する3つのメリット
司法書士試験の模試は、本試験と同じ形式・時間配分で実施される予行演習です。予備校各社が4月から6月にかけて実施しており、多くの受験生が複数回受験しています。
司法書士試験における模試の役割と重要性
模試は単なる実力テストではありません。本試験までの学習の方向性を決める羅針盤としての役割を果たします。
司法書士試験は年1回しか実施されません。失敗すれば来年まで待つ必要があるため、本番前に実戦形式で練習できる機会は貴重です。過去問演習だけでは体験できない「初見の問題を制限時間内に解く緊張感」を味わえます。
予備校の模試には、過去の本試験で出題された分野の傾向分析が反映されています。出題予想に基づいて作成されるため、模試で出た論点が本試験でも出題されることがあります。実際に、2023年度の本試験では、大手予備校の模試で扱われた論点が複数出題されました。
司法書士模試で本番の時間配分を体感する
司法書士試験は合計8時間に及ぶ長時間試験です。午前の部(択一式35問・3時間)、午後の部(択一式35問・2時間、記述式2問・3時間)という構成で、1日で全てを受験します。
時間配分を誤ると実力があっても不合格になります。例えば午前の択一式で時間を使いすぎて、午後の記述式に十分な時間を残せなかった受験生は少なくありません。
模試では以下を確認できます:
- 午前択一式:1問あたり約5分のペース配分が適切か
- 午後択一式:35問を90分(1問約2.5分)で解けるか
- 記述式:不動産登記と商業登記にそれぞれ何分配分すべきか
- 昼休憩:どのような休憩を取れば午後も集中力を維持できるか
本番さながらの緊張感の中で時間管理を実践することで、自分に最適な時間配分パターンを見つけられます。2回目、3回目と受験を重ねるごとに、時間配分の精度が高まっていきます。
司法書士模試で自分の実力と弱点を把握する
模試の最大の価値は、客観的な自己分析ができる点にあります。
成績表には以下の情報が記載されます:
- 総合得点と全国順位
- 科目別得点率と偏差値
- 分野別の正答率
- 合格可能性判定(A判定~E判定)
- 各問題の正答率
自分が得意だと思っていた科目で意外と得点できていなかったり、逆に苦手意識のあった科目で健闘していたりと、新たな発見があります。
科目別・分野別の得点率を見ることで、重点的に学習すべき箇所が明確になります。例えば民法の中でも「物権」は高得点だが「債権」で失点が多い、といった詳細な分析が可能です。
独学者や通信講座受講者にとって、模試は自分の実力を客観視できる数少ない機会です。日々の勉強では気づきにくい弱点を発見し、本試験までに補強できます。
司法書士模試で全国順位と合格可能性を判定
模試を受験すると、全国での自分の立ち位置が数値で示されます。
大手予備校の模試には数千人が受験します。LECの全国公開模試では例年4,000人以上、伊藤塾の全国模試も3,000人規模です。これだけの母集団があれば、統計的に信頼性の高い順位と偏差値が算出されます。
合格可能性判定(A~E判定)は、過去の模試受験者の成績と本試験の合格実績を照らし合わせて算出されています。A判定やB判定を取れていれば、本試験でも合格圏内にいると考えて良いでしょう。
ただし、判定はあくまで目安です。D判定やE判定でも、そこから弱点を克服して合格した受験生は大勢います。逆にA判定でも油断して不合格になるケースもあります。
順位や判定に一喜一憂するのではなく、「今の自分に何が足りないのか」を冷静に分析する材料として活用することが大切です。
司法書士試験の模試おすすめ5選|予備校別の特徴を徹底比較
司法書士試験の模試は、各予備校によって特徴が異なります。自分の学習状況や目的に合った模試を選ぶことで、最大の効果を得られます。
| 予備校 | 模試名 | 回数 | 料金(税込) | 受験者数 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 伊藤塾 | 全国公開模試 | 3回 | 各8,800円 | 約3,000人 | 本試験的中率が高い | ★★★★★ |
| LEC | 全国公開模試 | 4回 | 各9,900円 | 約4,000人 | 最大規模の受験者数 | ★★★★★ |
| TAC | 全国公開模試 | 3回 | 各8,800円 | 約2,000人 | 成績分析が詳細 | ★★★★☆ |
| アガルート | オンライン模試 | 2回 | 各5,500円 | 約1,000人 | 自宅受験可能 | ★★★★☆ |
| 辰已法律研究所 | 全国模試 | 3回 | 各9,900円 | 約1,500人 | 記述式の質が高い | ★★★★☆ |
伊藤塾の司法書士模試|本試験的中率が高い老舗予備校
伊藤塾は司法書士試験対策の老舗予備校として知られ、模試の本試験的中率の高さが特徴です。
伊藤塾の全国公開模試は年3回実施され、1回あたり8,800円です。受験者数は約3,000人規模で、全国での自分の位置を正確に把握できます。
伊藤塾模試の強み:
- 本試験の出題傾向を徹底分析した良問が並ぶ
- 過去の模試から本試験への的中実績が豊富
- 解説が詳しく、復習しやすい
- 成績表の分析項目が充実している
2023年度の本試験では、伊藤塾の模試で扱われた論点が択一式・記述式の両方で複数出題されました。講師陣の分析力の高さが裏付けられています。
会場受験だけでなく、自宅受験(Web受験)も選択できます。ただし自宅受験の場合、本番の緊張感を体験しにくい点には注意が必要です。
LECの司法書士模試|全国最大規模の受験者数
LECの全国公開模試は、受験者数が最も多い模試として知られています。
年4回実施され、1回あたり9,900円です。受験者数は約4,000人に達し、統計的に最も信頼性の高い順位・偏差値を得られます。
LEC模試の特徴:
- 受験者数が最多で、正確な全国順位が分かる
- 全国主要都市で会場受験が可能
- 成績優秀者は氏名が公表され、モチベーション向上につながる
- 過去問データベースとの連携で復習しやすい
LECは模試の実施回数が多いため、年間を通じて定期的に実力を確認したい受験生に向いています。4月、5月、6月と月1回のペースで受験することで、直前期の学習進捗を細かく追えます。
料金は他校よりやや高めですが、受験者数の多さによる信頼性の高さを考えれば、コストパフォーマンスは良好です。
TACの司法書士模試|詳細な成績分析が魅力
TACの全国公開模試は、成績分析の詳しさで評価されています。
年3回実施され、1回あたり8,800円です。受験者数は約2,000人規模で、十分な母集団を確保しています。
TAC模試の強み:
- 成績表の分析項目が非常に詳細
- 科目別だけでなく、論点別の得点率も表示
- 弱点分野の学習アドバイスが具体的
- TAC出版の教材との連携が良い
TAC模試の成績表には、各問題の正答率だけでなく、「この問題を間違えた受験生が次に学習すべきテキストのページ」まで記載されています。復習の方向性が明確になるため、効率的な弱点克服が可能です。
TACの通信講座や書籍を利用している受験生なら、模試との相乗効果で学習効率が高まります。
アガルートの司法書士模試|オンライン完結型で受験しやすい
アガルートのオンライン模試は、自宅で本番さながらの環境を作れる新しいタイプの模試です。
年2回実施され、1回あたり5,500円と最も低価格です。完全オンライン型のため、地方在住者や仕事で忙しい社会人でも受験しやすい設計になっています。
アガルート模試の特徴:
- 自宅のパソコンで受験できる
- 料金が他校より安い
- 24時間以内に採点結果が分かる
- 解説動画が充実している
オンライン型のため、会場の緊張感は味わえません。しかし自分のペースで受験できる点は、初めて模試を受ける人にとってハードルが低いでしょう。
採点のスピードが速く、受験後すぐに復習に取りかかれます。時間を無駄にしたくない受験生に適しています。
辰已法律研究所の司法書士模試|記述式に強い
辰已法律研究所の全国模試は、特に記述式の質の高さで定評があります。
年3回実施され、1回あたり9,900円です。受験者数は約1,500人規模で、法律系資格に強い予備校として知られています。
辰已模試の特徴:
- 記述式の問題が本試験レベルで実践的
- 記述式の添削が丁寧で具体的
- 択一式も良問が多い
- ベテラン講師陣による解説が分かりやすい
司法書士試験では、記述式で基準点を超えることが合格の鍵です。辰已の模試は記述式の難易度が高く、本番で問われる論点を的確に押さえています。
記述式に苦手意識がある受験生や、記述式で確実に得点したい受験生に特におすすめです。添削コメントには、どこをどう書けば得点になるのか具体的に示されています。
司法書士予備校おすすめでは、各予備校の講座全体について詳しく比較していますので、模試と合わせて検討してください。
司法書士試験の模試を受験する最適な時期とスケジュール
模試を受験するタイミングは、学習効果を最大化する上で非常に大切です。闇雲に受験するのではなく、自分の学習進度に合わせて計画的に受験しましょう。
司法書士模試は年間何回受けるべきか?
結論から言うと、年間3~5回が適切です。
受験回数の目安は学習段階によって異なります:
- 初学者(1年目):2~3回
- 中上級者(2年目以降):3~5回
初学者の場合、基礎知識が固まっていない段階で模試を受けても、低得点に終わってモチベーションを下げるリスクがあります。まずは過去問で一定の得点力をつけてから模試に臨むべきです。
中上級者は、定期的に実力を確認しながら学習の方向性を微調整することが求められます。4月から6月にかけて月1~2回のペースで受験することで、弱点の早期発見と対策が可能です。
受けすぎも禁物です。模試1回あたり丸1日を要し、さらに復習にも数日かかります。模試に時間を取られすぎて、肝心の学習時間が減っては本末転倒です。
司法書士試験直前期(4-6月)の模試活用法
本試験が7月第1週に実施されるため、4月から6月は直前期にあたります。この時期の模試は、実戦力の最終確認と弱点の緊急補強が目的です。
4月の模試(本試験3ヶ月前)
この時期は「早めの実戦経験」として位置づけます。まだ仕上がっていない科目があっても、現時点での実力を把握するために受験する価値があります。
成績が振るわなくても落ち込む必要はありません。3ヶ月あれば十分に挽回できます。むしろ早い段階で弱点が分かることで、残り期間の学習計画を立て直せます。
5月の模試(本試験2ヶ月前)
最も重要な模試です。この時期の成績が、本試験での結果に最も近いとされています。
5月の模試でA判定やB判定を取れていれば、合格可能性は高いと判断できます。逆にC判定以下の場合、残り2ヶ月で集中的に弱点を潰す必要があります。
時間配分の最終調整もこの時期に行います。午前・午後それぞれで、どの順番で問題を解くか、どこで時間を使ってどこで節約するか、自分なりの戦略を確立しましょう。
6月の模試(本試験1ヶ月前)
最後の仕上げとして、本番直前の実力を確認します。新たな弱点が見つかっても、1ヶ月で対策できる範囲に絞って取り組みます。
この時期の模試で最も重視すべきは、精神面のコンディション調整です。本番と同じ時間帯に受験し、当日の生活リズムを確認しておきましょう。
司法書士試験中期(1-3月)の実力確認模試
1月から3月は、基礎固めから実戦力への移行期です。この時期の模試は「学習の方向性確認」が主な目的となります。
基礎知識のインプットがある程度完了し、過去問演習に移行し始める時期です。模試を受けることで、知識が実戦で使えるレベルに達しているかを確認できます。
中期の模試で重視すべきポイント:
- 全体的なバランス:どの科目も基準点付近は取れているか
- 記述式の答案構成力:時間内に一通り書き終えられるか
- 午前・午後の体力配分:8時間の試験に耐えられる体力があるか
この時期の判定が良くなくても、まだ4~6ヶ月の学習期間が残っています。焦らず、見つかった弱点を一つずつ克服していきましょう。
司法書士試験初期(9-12月)の基礎力確認模試
9月から12月は、主に基礎知識のインプット期間です。この時期に模試を受けるべきかは、受験生によって判断が分かれます。
初学者の場合、まだ全科目のインプットが終わっていないことも多く、模試を受けても低得点に終わる可能性が高いです。基礎固めを優先し、模試は年明け以降に受験するのが無難でしょう。
ただし2年目以降の受験生で、前年度の学習内容を維持できているか確認したい場合は、12月頃に1回受験するのも有効です。「忘れている論点」を早めに発見し、復習の計画を立てられます。
初期段階で模試を受ける場合の心構え:
- 順位や判定は気にしない
- 出題形式と時間配分の感覚をつかむことが目的
- 苦手科目の早期発見に活用する
- 結果に一喜一憂せず、淡々と学習を継続する
年間の模試スケジュールは、自分の学習進度と照らし合わせて柔軟に調整することが大切です。司法書士の勉強時間の記事で学習計画の立て方を解説していますので、参考にしてください。
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司法書士試験の模試で成績を上げる効果的な活用法
模試を受けるだけでは意味がありません。受験前の準備、受験中の注意点、受験後の復習まで含めて、一連の流れを正しく実践することで、模試の価値が何倍にも高まります。
司法書士模試受験前の準備|本番同様の環境を整える
模試を最大限活用するには、事前準備が欠かせません。
持ち物の確認
本試験と同じ持ち物を用意します:
- 受験票(模試の受験票)
- 筆記用具(鉛筆・シャープペンシル・消しゴム)
- 時計(腕時計)
- 昼食・飲み物
- 六法(会場によって持ち込み可否が異なる)
本番では電卓や六法の持ち込みができません。模試でも同じ条件で受験し、本番の環境に慣れておきましょう。
生活リズムの調整
模試の前日は早めに就寝し、十分な睡眠を確保します。当日の朝食もいつもより軽めにするなど、本番を想定した準備をします。
会場までの移動経路と所要時間を事前に確認し、余裕を持って到着できるようにしましょう。本番で道に迷ったり、遅刻したりするリスクを減らせます。
直前の復習内容
模試の前日と当日朝は、新しい論点の学習ではなく、既に覚えている知識の確認に時間を使います。暗記項目(数字や年数など)の最終チェックが効果的です。
司法書士模試受験中の注意点|時間配分と優先順位
模試受験中は、以下のポイントに注意しながら問題を解き進めます。
時間管理を常に意識する
試験開始と同時に、腕時計で終了時刻を確認します。午前択一式なら「12:00終了」、午後択一式なら「15:30終了」といった具合に、終了時刻を頭に入れておきます。
30分ごとに進捗を確認しましょう。「30分で12問程度」が目安です。予定より遅れている場合は、残りの問題を速めに解くか、難問を飛ばすなどの調整が必要です。
優先順位をつけて解く
全ての問題に均等に時間をかけるのではなく、優先順位をつけます:
- 確実に解ける問題:最優先で確実に得点する
- 考えれば解けそうな問題:時間に余裕があれば取り組む
- 難問・奇問:後回しにするか、思い切って捨てる
難問に時間を使いすぎて、簡単な問題を解く時間がなくなるのは最悪のパターンです。「この問題は難しい」と判断したら、一旦飛ばして次に進む勇気も欠かせません。
記述式の答案構成に時間をかける
記述式では、いきなり答案を書き始めるのではなく、まず5~10分かけて全体の構成を考えます。
問題文を丁寧に読み、何が問われているのかを正確に把握します。登場人物の関係図を書いたり、時系列を整理したりすることで、ミスを減らせます。
答案の骨子ができたら、優先度の高い部分から書き始めます。時間切れになっても、部分点を確保できるよう意識しましょう。
司法書士模試受験後の復習法|弱点分析と対策立案
模試の真の価値は、受験後の復習にあります。復習の質が、その後の成績向上を左右します。
当日中に自己採点する
模試を受けたその日のうちに、択一式の自己採点を済ませます。記憶が新鮮なうちに、どの問題をどう考えて解いたのか振り返ります。
正解した問題でも、たまたま正解だった場合は復習が必要です。逆に間違えた問題でも、ケアレスミスなのか知識不足なのかを区別しましょう。
成績表が届いたら詳細に分析する
模試から1~2週間後に成績表が郵送されます。成績表を見ながら、以下の観点で分析します:
- 全国順位と偏差値:自分の立ち位置を確認
- 科目別得点率:極端に低い科目はないか
- 分野別正答率:苦手分野はどこか
- 各問題の正答率:全体の正答率が高い問題を落としていないか
特に注目すべきは、「正答率60%以上の問題を間違えたか」です。多くの受験生が正解している基本問題を落としているなら、その分野の基礎が固まっていない証拠です。
復習ノートを作成する
間違えた問題や曖昧だった問題は、復習ノートにまとめます。
復習ノートには以下を記録:
- 問題番号と内容の要約
- 正解とその理由
- 自分がなぜ間違えたのか
- 関連する論点や判例
- 次に同じ間違いをしないための注意点
このノートは、直前期の最終確認に使えます。自分だけの弱点集として、非常に価値のある資料になります。
司法書士模試の成績表の正しい見方と活用術
成績表には多くの情報が詰まっていますが、どこに注目すべきか分からない受験生も多いでしょう。
総合順位より科目別偏差値を重視する
総合順位は確かに気になりますが、それよりも科目別の偏差値に注目すべきです。
全科目が平均的に取れているのか、それとも得意科目で稼いで苦手科目でガクンと落ちているのか。バランスの悪さは、本試験で足を引っ張る原因になります。
司法書士試験では、全科目の基準点をクリアする必要があります。極端に苦手な科目があると、その科目で基準点割れして不合格になるリスクがあります。
正答率が高い問題の失点を最優先で対策
成績表には、各問題の全体正答率が記載されています。正答率70%以上の問題(多くの受験生が正解している問題)を間違えていたら、最優先で復習しましょう。
こうした問題は、基本的な知識を問う問題です。本試験でも類似問題が出る可能性が高く、確実に得点すべき問題です。
逆に正答率30%以下の難問を間違えても、それほど気にする必要はありません。難問は多くの受験生が間違えるため、差がつきにくいのです。
合格可能性判定は参考程度に
A判定からE判定まで示される合格可能性判定は、あくまで統計的な予測です。D判定でも合格する人はいますし、A判定でも油断すれば不合格になります。
判定を見て一喜一憂するのではなく、「今の自分に何が足りないか」を冷静に分析する材料として活用しましょう。
模試での成績向上には、司法書士の勉強法で解説している科目別の対策も参考になります。
司法書士試験の模試を受けるべき人・受けなくても良い人
模試は全ての受験生に必須というわけではありません。自分の状況に応じて、受験すべきかどうかを判断しましょう。
司法書士模試を必ず受けるべき受験生の特徴
以下に当てはまる受験生は、模試を積極的に活用すべきです。
独学で勉強している受験生
独学者は、自分の実力を客観的に測る機会が少ないです。模試を受けることで、全国での立ち位置や弱点を把握できます。
予備校に通っている受験生は、答練や小テストで定期的に実力を確認できますが、独学者にはそうした機会がありません。模試は独学者にとって、貴重な実力測定の場です。
通信講座を利用している受験生
通信講座は自分のペースで学習できる反面、他の受験生との比較が難しいです。模試を受けることで、全国の受験生の中での自分の位置を知ることができます。
通信講座の添削課題だけでは、本試験の臨場感を体験できません。会場で大勢の受験生と一緒に受ける緊張感は、模試でしか味わえないものです。
本番の雰囲気に慣れたい受験生
初めての本試験受験や、前年度に緊張で実力を発揮できなかった受験生は、模試で本番の雰囲気に慣れておくべきです。
会場の雰囲気、周りの受験生の様子、試験監督の指示の流れなど、事前に経験しておくことで本番での緊張を和らげられます。
現在の実力を客観的に知りたい受験生
自分では「できている」と思っていても、実際には弱点があるかもしれません。模試を受けることで、自己評価と実力のギャップに気づけます。
特に2年目以降の受験生は、前年度からどれだけ実力が伸びているのかを確認する意味でも、模試の受験が有効です。
司法書士模試よりも過去問を優先すべきケース
一方で、以下のような状況では、模試よりも過去問演習を優先すべきです。
基礎知識のインプットが完了していない受験生
全科目のインプットが終わっていない段階で模試を受けても、ほとんど解けずに自信を失うだけです。
まずは過去問で基礎固めを優先し、ある程度得点できるレベルになってから模試に臨みましょう。目安としては、過去問で各科目6割以上取れるようになってからです。
模試の費用を勉強時間に充てたい受験生
模試1回の受験料は8,000~10,000円です。経済的に余裕がない場合は、その費用をテキストや問題集の購入に充てた方が効果的かもしれません。
模試を受けずに過去問を繰り返し解くだけでも、十分に実力は伸びます。無理に模試を受けなくても、合格している人は大勢います。
直前期に入っていない受験生(9~12月)
試験の6ヶ月以上前の時期は、模試よりも基礎固めと過去問演習に時間を使うべきです。
この時期に模試を受けても、まだ実力が固まっておらず、正確な判定が出ません。直前期(4月以降)まで待ってから受験する方が、有意義です。
司法書士独学者にとっての模試の価値
独学者にとって、模試は特に価値の高いツールです。
予備校に通っていれば、講師から直接指導を受けたり、クラスメートと情報交換したりできます。しかし独学者には、そうした機会がありません。
模試は独学者にとって:
- 自分の実力を客観的に測れる唯一の機会
- 全国の受験生との比較ができる貴重な場
- 本試験の雰囲気を体験できるチャンス
- 弱点を発見し、学習計画を修正するきっかけ
独学で合格を目指すなら、最低でも直前期に2~3回は模試を受けることをおすすめします。司法書士独学での合格方法では、独学での学習戦略を詳しく解説しています。
司法書士模試の費用対効果を最大化する方法
模試1回で約1万円の費用と丸1日の時間がかかります。この投資を最大限に活かすには:
受験する模試を厳選する
全ての予備校の模試を受ける必要はありません。自分の学習スタイルや目的に合った模試を2~3校に絞りましょう。
例えば記述式に不安があるなら辰已、受験者数の多さを重視するならLEC、といった具合に目的に応じて選びます。
復習に十分な時間を確保する
模試を受けっぱなしにせず、最低でも3~5日かけて丁寧に復習します。模試の費用は「受験料」ではなく「復習教材の購入費」と考えましょう。
模試の問題を繰り返し解く
模試の問題は、予備校が出題予想に基づいて作成した良問です。1回解いて終わりではなく、本試験までに2~3回繰り返し解くことで、知識の定着を図れます。
復習の時間を含めて計画を立てることで、模試の価値を何倍にも高められます。
司法書士試験の模試でよくある失敗とその対策
多くの受験生が陥りやすい失敗パターンを知っておくことで、同じ過ちを避けられます。
司法書士模試を受けっぱなしで復習しない失敗
最も多い失敗が、模試を受けただけで満足してしまうことです。
模試を受けると、丸1日の時間と体力を使い、達成感があります。しかし受験しただけでは何も変わりません。復習して初めて、模試の価値が生まれます。
失敗のパターン
- 受験後すぐに自己採点せず、数日放置する
- 成績表が届いても、順位だけ見て満足する
- 間違えた問題を復習せず、次の勉強に移る
対策
- 受験当日中に必ず自己採点する
- 成績表が届いたら、その日のうちに詳細分析する
- 間違えた問題は、復習ノートにまとめる
- 復習に最低3日、できれば1週間かける
復習せずに次の模試を受けても、同じ失敗を繰り返すだけです。1回の模試を丁寧に復習する方が、複数回受けっぱなしにするより効果的です。
司法書士模試の結果に一喜一憂しすぎる失敗
模試の成績が良いと舞い上がり、悪いと落ち込む。これも典型的な失敗パターンです。
失敗のパターン
- A判定が出て油断し、学習ペースを落とす
- D判定が出て「もう無理だ」と諦めモードになる
- 全国順位だけを見て、科目別の弱点を見逃す
対策
- 判定はあくまで「現時点での予測」と捉える
- 良い判定が出ても、本試験まで気を抜かない
- 悪い判定が出ても、弱点を潰せば挽回できると前向きに考える
- 順位より、科目別・分野別の得点率に注目する
模試の目的は、判定をもらうことではなく、弱点を発見して対策することです。結果に振り回されず、冷静に分析する姿勢が大切です。
実際に、直前期の模試でD判定だった受験生が本試験で合格したケースは珍しくありません。模試後の取り組み方次第で、結果は大きく変わります。
司法書士模試を受けすぎて消耗する失敗
「多く受ければ受けるほど良い」と考え、毎週のように模試を受ける受験生がいます。しかしこれは逆効果です。
失敗のパターン
- 毎週末に模試を受け、平日の勉強時間が減る
- 模試の復習が追いつかず、受けっぱなしになる
- 模試疲れで体調を崩す
- 模試の費用がかさみ、経済的負担が大きくなる
対策
- 年間3~5回に絞る
- 各模試の間隔を2~4週間空ける
- 復習に十分な時間を確保できるペースで受験する
- 費用と効果のバランスを考える
模試は「量」より「質」です。少ない回数でも、1回1回を丁寧に復習する方が、実力向上につながります。
司法書士模試と本試験の難易度差を理解していない失敗
模試と本試験では、難易度や出題傾向が異なることを理解していないと、本番で戸惑うことになります。
失敗のパターン
- 模試で高得点が取れたため、本試験を甘く見る
- 模試より本試験が難しく感じ、パニックになる
- 模試で出た論点が本試験でも出ると決めつける
対策
- 模試はあくまで「予想問題」であり、本試験とは違うと認識する
- 模試で出た論点を盲信せず、過去問で頻出論点も押さえる
- 本試験では予想外の問題が出ることを前提に、柔軟な対応力を養う
予備校の模試は、過去の出題傾向を分析して作られていますが、本試験が模試と全く同じになることはありません。模試を過信せず、基礎力をしっかり固めることが合格への近道です。
模試での失敗を避けるためにも、司法書士過去問ガイドで過去問演習の重要性を確認しておきましょう。
司法書士試験の模試に関するよくある質問(FAQ)
模試に関して、受験生からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 司法書士試験の模試は何回受ければいいですか?
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年間3~5回が適切です。 初学者の場合は2~3回、中上級者(2年目以降)は3~5回を目安にしましょう。直前期(4月~6月)に月1~2回のペースで受験するのが効果的です。 模試は受けすぎても消耗するだけですし、少なすぎても実力を十分に確認できません。自分の学習進度と照らし合わせ、復習時間を確保できる範囲で計画的に受験することが大切です。 詳しい受験回数の考え方は、本記事の「司法書士模試は年間何回受けるべきか?」のセクションで解説しています。
- 司法書士試験の模試はいつから受け始めるべきですか?
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過去問で各科目6割以上取れるようになってからが目安です。 基礎知識のインプットが完了していない段階で模試を受けても、ほとんど解けずに自信を失うだけです。まずは過去問演習で基礎を固めましょう。 初学者の場合、試験年度の1~3月頃から模試を受け始めるのが一般的です。2年目以降の受験生なら、前年度の知識がどれだけ維持できているか確認するため、12月頃に1回受験するのも有効です。
- 司法書士試験の模試と本試験の難易度は同じですか?
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模試と本試験の難易度は必ずしも同じではありません。 予備校によって難易度設定が異なります。本試験より易しめに設定している模試もあれば、逆に難しめに作っている模試もあります。 一般的に、大手予備校の模試は本試験と同程度か、やや難しめに設定されていることが多いです。「模試でできなかった問題も本番では解ける」という安心感を持ちつつ、油断せずに学習を継続しましょう。
- 司法書士試験の模試は独学でも受けられますか?
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はい、独学でも模試は受けられます。 予備校に通っていなくても、模試だけを単発で申し込むことが可能です。むしろ独学者こそ、全国での自分の立ち位置を確認するために模試を活用すべきです。 申し込みは各予備校のWebサイトから行えます。会場受験だけでなく、自宅受験(Web受験)に対応している予備校もあります。独学者にとって模試は、自分の実力を客観的に測れる貴重な機会です。
- 司法書士試験の模試で合格判定が出れば本試験も合格できますか?
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合格判定が出ても、必ずしも本試験で合格できるとは限りません。 模試でA判定やB判定を取っていても、本試験で油断して失敗するケースはあります。逆に、模試でD判定やE判定だった受験生が、そこから弱点を克服して本試験で合格することも珍しくありません。 合格判定はあくまで統計的な予測であり、その後の学習次第で結果は変わります。判定に一喜一憂せず、模試で見つかった弱点を一つずつ潰していくことが合格への確実な道です。 模試での判定が良くなかった場合でも、司法書士通信講座おすすめで紹介している講座を活用すれば、効率的に弱点を補強できます。
まとめ|司法書士試験の模試を最大限活用して合格を目指す
本記事では、司法書士試験の模試について、おすすめの模試から活用法まで詳しく解説しました。
司法書士試験模試活用の重要ポイント総括
- 模試の3つのメリットを理解する:本番の時間配分を体感でき、自分の実力と弱点を客観的に把握し、全国順位と合格可能性を数値で確認できます。特に独学者や通信講座受講者にとって、模試は自分の立ち位置を知る貴重な機会です。
- 予備校別の特徴を踏まえて選ぶ:伊藤塾は本試験的中率の高さ、LECは最大規模の受験者数、TACは詳細な成績分析、アガルートはオンライン完結型の手軽さ、辰已法律研究所は記述式の質の高さが特徴です。自分の学習状況や目的に合った模試を2~3校に絞って受験しましょう。
- 受験後の復習に時間をかける:模試を受けただけでは意味がありません。当日中の自己採点、成績表の詳細分析、間違えた問題の復習ノート作成まで含めて、最低3~5日かけて丁寧に復習することで、模試の価値が何倍にも高まります。復習せずに次の模試を受けても、同じ失敗を繰り返すだけです。
模試受験から本試験までの学習プラン
模試を活用した学習プランは以下の通りです。
まず4月の模試で現時点での実力を把握し、弱点を洗い出します。5月は最も重要な時期で、模試での成績を元に弱点分野を集中的に対策します。6月の最終模試では、時間配分と精神面のコンディションを最終確認します。
模試と模試の間の期間は、過去問演習と弱点補強に充てます。模試で間違えた論点は、必ず過去問でも確認し、類似問題を解いて定着させましょう。
司法書士試験の合格には、模試を含めた計画的な学習が欠かせません。本記事で紹介した模試の活用法を実践し、効率的に実力を伸ばしていきましょう。
模試で基礎力を確認したら、次は司法書士試験の詳細情報と司法書士試験過去問を参考に、本試験に向けた最終準備を進めてください。着実に準備を重ねることで、合格は必ず見えてきます。
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