危険物取扱者の資格取得を検討しているあなたへ。「甲種・乙種・丙種のどれを選べばいいのか」という疑問は、各種類の特徴と違いを理解することで解決できます。本記事では、危険物取扱者の3つの資格区分の違い、それぞれの取扱範囲と権限、受験資格の条件について、具体的なデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、あなたの目的に合った資格の取得に向けて、確実な一歩を踏み出しましょう。
この記事を読むとわかること
- 危険物取扱者の甲種・乙種・丙種の3つの資格区分の違い
- 各種類で取り扱える危険物の範囲と権限の差
- 種類別の受験資格と試験難易度の違い
- あなたに最適な資格種別の選び方
押さえておきたい3つのポイント
- 危険物取扱者は3種類の資格区分がある:甲種はすべての危険物を扱える最上位資格、乙種は第1類〜第6類に分類され取得した類のみ扱える資格、丙種は特定の第4類危険物のみ扱える入門資格という違いがあります。
- 受験資格は種類によって異なる:乙種と丙種は誰でも受験できますが、甲種は大学で化学系の単位を取得したり、乙種免状を複数取得するなどの受験資格が必要です。初心者には受験資格不要の乙種第4類がおすすめです。
- 取得する種類は目的に応じて選ぶべき:ガソリンスタンドなど第4類危険物を扱う職場なら乙4、幅広い危険物施設での勤務を目指すなら甲種、まずは入門資格が欲しいなら丙種という選び方が効果的です。
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危険物取扱者の種類|甲種・乙種・丙種の3つの資格区分
危険物取扱者は、扱える危険物の範囲と権限によって3つの資格区分に分かれています。この区分を正しく理解することが、あなたに適した資格選びの第一歩となります。
危険物取扱者は3種類に分かれる国家資格
危険物取扱者は消防法に基づく国家資格で、甲種・乙種・丙種の3種類に分類されます。これらは消防法で定められた危険物を取り扱うために必要な資格であり、ガソリンスタンドや化学工場、石油コンビナートなど、危険物を扱う施設では必ず有資格者の配置が義務付けられています。
甲種は最上位資格として全ての危険物を取り扱うことができ、乙種は第1類から第6類までの6つの区分に分かれており取得した類の危険物のみを扱えます。丙種は最も限定的で、ガソリンや灯油など特定の第4類危険物のみを取り扱える入門的な資格です。
2023年度のデータでは、危険物取扱者試験の受験者総数は約40万人で、そのうち乙種第4類の受験者が全体の約8割を占めています(一般財団法人消防試験研究センター発表データ)。
種類によって取り扱える危険物の範囲が異なる
危険物取扱者の3種類は、取り扱える危険物の範囲が大きく異なります。甲種危険物取扱者は第1類から第6類まで全ての危険物を取り扱うことができる最上位資格です。化学工場や石油コンビナートなど、多種類の危険物を扱う施設では甲種の需要が高くなっています。
乙種危険物取扱者は、第1類(酸化性固体)、第2類(可燃性固体)、第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)、第4類(引火性液体)、第5類(自己反応性物質)、第6類(酸化性液体)の6つに分類され、取得した類の危険物のみを取り扱えます。例えば乙種第4類を取得した場合、ガソリンや灯油などの引火性液体は扱えますが、第1類の塩素酸カリウムなどは扱えません。
丙種危険物取扱者は、第4類危険物の中でもガソリン、灯油、軽油、重油など特定の品目のみを取り扱うことができます。取扱範囲は最も限定的ですが、ガソリンスタンドなど第4類危険物を主に扱う職場では十分に活躍できる資格です。
甲種・乙種・丙種の権限と立会いの違い
危険物取扱者の種類によって、業務上の権限にも明確な違いがあります。最も重要な違いは「無資格者への立会い権限」の有無です。
甲種と乙種の免状所持者は、危険物の取扱作業において無資格者への立会いを行うことができます。これにより、資格を持たない従業員が危険物を取り扱う際に監督者として業務を行えます。一方、丙種免状所持者には立会い権限がなく、自分自身が危険物を取り扱うことしかできません。
また、危険物保安監督者になれる資格要件も異なります。危険物保安監督者とは、危険物施設の保安業務を統括する責任者のことで、甲種と乙種の免状所持者で実務経験6ヶ月以上の者が選任されます。丙種免状所持者は危険物保安監督者になることができません。
施設の規模や業務内容によっては、立会い権限や保安監督者の選任要件が重要になるため、キャリアアップを考える場合は甲種または乙種の取得が推奨されます。
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危険物取扱者とは?資格の概要・できること・取得メリットを徹底解説
危険物取扱者甲種の特徴とできること
危険物取扱者甲種は3つの資格区分の中で最上位に位置し、全ての危険物を取り扱える権限を持つ資格です。化学工場や石油コンビナートなど、多種類の危険物を扱う施設では特に重宝される資格といえます。
第1類〜第6類すべての危険物を取り扱える最上位資格
危険物取扱者甲種は、消防法で定められた第1類から第6類まで全ての危険物を無制限に取り扱うことができる最上位資格です。この包括的な権限により、一つの免状で全ての危険物施設において業務を行うことが可能です。
具体的には、第1類の酸化性固体(塩素酸カリウムなど)、第2類の可燃性固体(硫黄、マグネシウムなど)、第3類の自然発火性物質及び禁水性物質(ナトリウム、リチウムなど)、第4類の引火性液体(ガソリン、灯油、アルコール類など)、第5類の自己反応性物質(ニトログリセリンなど)、第6類の酸化性液体(過酸化水素、硝酸など)の全てを扱えます。
乙種で全類を取得した場合と比較すると、甲種は一度の試験で全類の権限を得られる点が大きなメリットです。また、複数の免状を管理する必要がなく、更新手続きも1回で済むため実務上の利便性も高くなっています。
危険物保安監督者になれる資格要件
危険物取扱者甲種の免状を持ち、6ヶ月以上の実務経験を積むことで、危険物保安監督者に選任される資格要件を満たします。危険物保安監督者は、危険物施設における保安業務の統括責任者であり、施設の安全管理において中心的な役割を担います。
危険物保安監督者の主な職務には、危険物の取扱作業に関する保安監督、施設の点検や整備の指揮、作業者への指導や教育、事故や災害時の応急措置などがあります。製造所、貯蔵所、取扱所などの区分に応じて、施設ごとに保安監督者の選任が義務付けられています。
甲種免状所持者は全ての類の危険物について保安監督者になれるため、施設内で扱う危険物の種類が変わっても対応できます。これに対し、乙種免状所持者は取得した類の危険物についてのみ保安監督者になれるという制限があります。
化学メーカーや石油精製業、医薬品製造業など、複数の類にまたがる危険物を扱う企業では、甲種免状所持者が優遇される傾向にあります。
甲種危険物取扱者の受験資格と条件
危険物取扱者甲種の試験を受けるには、一定の受験資格が必要です。乙種や丙種のように誰でも受験できるわけではなく、以下の5つのいずれかの条件を満たす必要があります。
第一に、大学等において化学に関する学科または課程を修めて卒業した者です。具体的には、化学、応用化学、工業化学、化学工学などの学科で15単位以上を取得している必要があります。第二に、大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者も受験資格を得られます。
第三に、乙種危険物取扱者免状を有する者で、危険物取扱いの実務経験が2年以上ある者です。第四に、次の4種類の乙種免状(第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類)を全て取得している者も甲種の受験資格を満たします。
第五に、修士・博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻した者も受験可能です。これらの条件のいずれかを満たすことで、甲種危険物取扱者試験に挑戦できます。
甲種が求められる職場と業務内容
危険物取扱者甲種が特に求められる職場は、複数の類にまたがる危険物を扱う施設です。化学工場では原料から製品まで多様な危険物を扱うため、全類対応可能な甲種免状所持者の需要が高くなっています。
石油コンビナートや石油精製所では、原油やガソリンなどの第4類危険物だけでなく、硫黄(第2類)や各種の酸化性物質なども扱うため、甲種の資格が重宝されます。医薬品製造施設でも、アルコール類(第4類)やその他の化学物質を扱うため、甲種免状所持者が優遇される傾向にあります。
研究施設や分析ラボでは、実験で使用する試薬が多岐にわたるため、全類の危険物を取り扱える甲種免状が実務上不可欠です。また、危険物の輸送や廃棄物処理を行う企業でも、様々な種類の危険物に対応できる甲種免状所持者が求められています。
業務内容としては、危険物の受入れ・貯蔵・出荷作業の管理、施設の定期点検や保守、作業員への安全教育、法令に基づく各種書類の作成や届出などがあります。管理職や監督者として活躍する場合も多く、キャリアアップにつながる資格といえるでしょう。
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危険物取扱者乙種の特徴とできること
危険物取扱者乙種は、第1類から第6類までの6つの区分に分かれており、取得した類の危険物のみを取り扱える資格です。受験資格が不要で誰でも挑戦できるため、危険物取扱者資格の中で最も受験者数が多い種別となっています。
乙種は第1類〜第6類に分類される
危険物取扱者乙種は、危険物の性質によって第1類から第6類までの6つに分類されています。それぞれの類は異なる性質の危険物を対象としており、必要な知識や取り扱い方法も異なります。
第1類は酸化性固体を対象とし、第2類は可燃性固体、第3類は自然発火性物質及び禁水性物質を扱います。最も受験者が多い第4類は引火性液体が対象で、ガソリンスタンド業務に直結するため人気が高くなっています。第5類は自己反応性物質、第6類は酸化性液体を扱う資格です。
各類の試験は独立しており、複数の類を取得する場合は個別に受験する必要があります。ただし、すでに乙種の免状を1つ以上持っている場合、2つ目以降の受験では「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目が免除されます。
この科目免除制度を活用することで、複数の類を効率的に取得していくことが可能です。
取得した類の危険物のみ取り扱い可能
危険物取扱者乙種の重要な特徴は、取得した類の危険物のみを取り扱えるという点です。例えば乙種第4類を取得した場合、ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類などの引火性液体は取り扱えますが、第1類の塩素酸カリウムや第3類のナトリウムなどは取り扱えません。
この制限は免状に明記されており、業務において他の類の危険物を扱う必要が生じた場合は、該当する類の免状を別途取得しなければなりません。実務において複数の類の危険物を扱う施設では、必要な類の免状を全て取得しているか、甲種免状を取得することが求められます。
ただし、取得した類の危険物については、甲種と同様に無資格者への立会いを行うことができます。また、実務経験6ヶ月以上で危険物保安監督者にも選任されますが、これも取得した類の危険物についてのみ可能です。
職場で扱う危険物の種類を確認し、必要な類を計画的に取得していくことが、乙種資格を活用する上でのポイントとなります。
乙種も危険物保安監督者になれる条件
危険物取扱者乙種の免状所持者も、一定の条件を満たせば危険物保安監督者に選任されることができます。具体的には、乙種の免状を取得し、6ヶ月以上の実務経験を積むことで資格要件を満たします。
ただし、乙種免状所持者が危険物保安監督者になれるのは、取得した類の危険物についてのみです。例えば乙種第4類の免状を持つ者は、第4類危険物を扱う施設では保安監督者になれますが、第1類や第3類の危険物を扱う施設では保安監督者になることはできません。
ガソリンスタンドのように主に第4類危険物のみを扱う施設では、乙種第4類の免状で十分に保安監督者の要件を満たせます。実際、全国のガソリンスタンドでは乙種第4類免状所持者が危険物保安監督者として活躍しているケースが大半です。
一方、化学工場など複数の類の危険物を扱う施設では、全類対応可能な甲種免状所持者が保安監督者として選任される傾向にあります。自分のキャリアプランに応じて、乙種で十分か甲種を目指すべきかを検討することが重要です。
複数の類を取得するメリット
危険物取扱者乙種で複数の類を取得することには、いくつかの実務上のメリットがあります。第一に、就職や転職の選択肢が広がることです。複数の類の免状を持つことで、様々な種類の危険物を扱う施設で働くことができ、求人の対象範囲が拡大します。
第二に、科目免除制度を活用できる点です。1つ目の類を取得した後、2つ目以降は「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目が免除されるため、「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」のみの勉強で受験できます。試験時間も35分に短縮され、負担が大幅に軽減されます。
第三に、甲種の受験資格を得られる可能性があります。第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の4種類を全て取得すれば、甲種の受験資格を満たします。大学で化学系の単位を取得していない方でも、この方法で甲種にステップアップできます。
第四に、職場での評価が高まることです。複数の類を取得している従業員は、施設内の様々な業務に対応できるため、企業から重宝される傾向にあります。資格手当の面でも、取得した類の数に応じて優遇される企業もあります。
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危険物取扱者乙種の第1類〜第6類の違い
危険物取扱者乙種の6つの類は、それぞれ異なる性質の危険物を対象としています。各類の特徴を理解することで、自分の職場や目的に合った資格を選択できます。
第1類:酸化性固体(塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム等)
危険物取扱者乙種第1類は、酸化性固体を対象とする資格です。酸化性固体とは、それ自体は燃焼しないものの、他の物質を酸化させる性質を持ち、可燃物と混合すると爆発や火災の危険性が高まる固体のことを指します。
代表的な危険物には、塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硝酸カリウム、亜塩素酸ナトリウムなどがあります。これらは医薬品の製造、漂白剤、消毒剤、花火の原料などに使用されており、化学工場や製薬会社、花火製造業などで取り扱われています。
第1類危険物の火災の特徴は、加熱・衝撃・摩擦によって分解し、酸素を放出することです。そのため、可燃物が近くにあると激しく燃焼します。消火方法は、大量の水による冷却消火が基本となります。
乙種第1類の試験では、これらの危険物の性質、貯蔵・取扱方法、火災予防と消火方法について出題されます。2023年度の合格率は約65%で、乙種の中では比較的合格しやすい類となっています。
第2類:可燃性固体(硫黄、マグネシウム等)
危険物取扱者乙種第2類は、可燃性固体を対象とする資格です。可燃性固体とは、比較的低い温度で着火しやすく、燃焼速度が速い固体のことを指します。
代表的な危険物には、硫黄、赤リン、マグネシウム、金属粉(アルミニウム粉、亜鉛粉など)、引火性固体(固形アルコールなど)があります。これらは化学工場、製鉄所、花火製造、医薬品製造などで使用されています。
第2類危険物の特徴は、火炎により着火しやすく、燃焼速度が速いことです。金属粉は微細な粉末状のため、空気中に拡散すると粉塵爆発を起こす危険性があります。また、引火性固体は可燃性の蒸気を発生するため、火気に近づけると引火します。
消火方法は物質によって異なり、一般的な可燃性固体には水や消火器を使用しますが、金属粉には乾燥砂や膨張ひる石などを使用します。水と反応する物質もあるため、注意が必要です。
乙種第2類の2023年度の合格率は約66%で、第1類と同様に比較的取得しやすい類となっています。
第3類:自然発火性物質及び禁水性物質(ナトリウム、リチウム等)
危険物取扱者乙種第3類は、自然発火性物質及び禁水性物質を対象とする資格です。これらは空気中や水と接触することで発火する危険性が高い物質で、特に厳重な取り扱いが求められます。
代表的な危険物には、カリウム、ナトリウム、リチウム、アルキルアルミニウム、黄リンなどがあります。これらは化学工場、研究所、電池製造業などで使用されています。特に近年は、リチウムイオン電池の普及に伴い、リチウムを扱う施設が増加しています。
第3類危険物の最大の特徴は、禁水性です。水と接触すると激しく反応し、可燃性ガス(水素など)を発生させて発火・爆発する危険があります。また、カリウムやナトリウムなどのアルカリ金属は、空気中の湿気とも反応するため、不活性ガス中や石油類の中に保存する必要があります。
消火方法は、水系の消火剤は絶対に使用できません。乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩などで窒息消火を行います。第3類危険物は取り扱いが難しく、事故のリスクも高いため、専門的な知識が求められます。
乙種第3類の2023年度の合格率は約63%で、やや難易度の高い類となっています。
第4類:引火性液体(ガソリン、灯油、軽油、重油等)
危険物取扱者乙種第4類は、引火性液体を対象とする資格で、6つの類の中で最も受験者数が多い人気の高い資格です。ガソリンスタンドでの業務に直結するため、需要が非常に高くなっています。
代表的な危険物には、ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類、アセトン、トルエンなどがあります。これらは日常生活でも身近な物質が多く、ガソリンスタンド、工場、研究所、病院、学校など、幅広い施設で取り扱われています。
第4類危険物の特徴は、引火性の蒸気を発生することです。引火点以上の温度になると、可燃性の蒸気が発生し、火気があると引火します。ガソリンは引火点が-40℃以下と非常に低いため、常温でも引火の危険があります。
消火方法は、窒息消火が基本です。泡消火器、二酸化炭素消火器、粉末消火器などを使用します。水による消火は、油が水に浮いて燃焼面積が拡大する危険があるため、原則として行いません。
乙種第4類の2023年度の合格率は約38.5%で、受験者数が多い分、合格率はやや低めとなっています。しかし、適切な学習により十分合格可能な難易度です。
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第5類:自己反応性物質(ニトログリセリン等)
危険物取扱者乙種第5類は、自己反応性物質を対象とする資格です。自己反応性物質とは、加熱・衝撃・摩擦などにより分解して爆発する危険性のある物質で、非常に取り扱いに注意が必要な危険物です。
代表的な危険物には、ニトログリセリン、トリニトロトルエン(TNT)、ピクリン酸、ニトロセルロース、アジ化ナトリウムなどがあります。これらは火薬類の原料、医薬品の製造、化学工場などで使用されています。
第5類危険物の最大の特徴は、分子内に酸素を含んでいるため、外部から酸素の供給がなくても自己燃焼・爆発することです。加熱、衝撃、摩擦に対して非常に敏感で、取り扱いを誤ると大事故につながる可能性があります。
貯蔵には厳重な温度管理が必要で、冷暗所に保管します。また、衝撃や摩擦を避けるため、容器の取り扱いにも細心の注意を払います。消火方法は、大量の水による冷却消火が基本ですが、爆発の危険があるため、できるだけ遠くから注水します。
乙種第5類の2023年度の合格率は約64%で、専門性が高い分、受験者数は少なめですが、化学系の知識があれば取得しやすい類といえます。
第6類:酸化性液体(過酸化水素、硝酸等)
危険物取扱者乙種第6類は、酸化性液体を対象とする資格です。酸化性液体とは、液体の酸化剤であり、それ自体は燃焼しませんが、他の物質を強く酸化させる性質を持つ危険物です。
代表的な危険物には、過酸化水素、硝酸、過塩素酸、ハロゲン間化合物などがあります。これらは化学工場、製紙工場、半導体製造、医療機関などで使用されています。過酸化水素は消毒液としても広く使われており、身近な危険物といえます。
第6類危険物の特徴は、強い酸化力を持つことです。可燃物と接触すると激しく反応し、発熱や発火の原因となります。また、多くが腐食性を持つため、皮膚や目に触れると化学熱傷を起こします。金属や有機物を腐食させる性質もあります。
貯蔵には、直射日光を避け、冷暗所に保管します。容器は耐酸性・耐腐食性のものを使用し、可燃物との接触を避けます。消火方法は、大量の水による冷却と希釈が基本ですが、物質によっては水と反応して発熱するものもあるため、注意が必要です。
乙種第6類の2023年度の合格率は約66%で、比較的取得しやすい類となっています。化学工場や医療機関などで需要のある資格です。
危険物取扱者丙種の特徴とできること
危険物取扱者丙種は、3つの資格区分の中で最も限定的な範囲を扱う入門資格です。ガソリンスタンドなど特定の職場で活躍できる実用的な資格として位置づけられています。
丙種で取り扱える危険物は限定的
危険物取扱者丙種で取り扱える危険物は、第4類危険物の中でも特定の品目に限定されています。具体的には、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油、引火点130℃以上のもの)、第4石油類(ギヤー油、シリンダー油等)、動植物油類です。
これらは日常生活や産業活動で最も広く使用されている危険物であり、特にガソリンスタンドでの取り扱いに直結します。一方、アルコール類やアセトン、トルエンなど、同じ第4類でも指定されていない危険物は丙種では取り扱えません。
取扱範囲が限定される理由は、丙種が初心者向けの入門資格として設計されているためです。試験の難易度も3種類の中で最も易しく設定されており、危険物取扱の基礎を学ぶ資格として適しています。
ただし、取扱範囲が限定的であっても、ガソリンスタンドなど該当する危険物のみを扱う職場では十分に実用的な資格です。実際、多くのガソリンスタンドでは丙種免状所持者が活躍しています。
ガソリン・灯油・軽油など特定の第4類危険物のみ
危険物取扱者丙種が対象とする危険物は、主に石油類と動植物油類です。ガソリンは自動車燃料として最も広く使用されており、ガソリンスタンドでの給油業務に不可欠です。灯油は暖房用燃料として家庭でも使用され、配達業務などでも需要があります。
軽油はディーゼルエンジンの燃料として、トラックやバスなどで使用されます。重油は工場のボイラー燃料や船舶燃料として使われ、産業施設での取り扱いがあります。動植物油類は、食用油や工業用油として使用されます。
これらの危険物に共通する特徴は、引火性液体であることです。引火点以上の温度では可燃性の蒸気を発生し、火気があると引火します。そのため、火気厳禁、換気の徹底、静電気対策などの基本的な安全管理が求められます。
丙種の試験では、これらの限られた危険物についての性質、貯蔵・取扱方法、火災予防と消火方法を学びます。範囲が限定されている分、学習の負担は軽く、短期間での合格も十分可能です。
丙種は無資格者への立会いができない
危険物取扱者丙種の最も大きな制限は、無資格者への立会いができないことです。甲種と乙種の免状所持者は、危険物の取扱作業において無資格者に立会うことができますが、丙種にはこの権限がありません。
これは、丙種免状所持者は自分自身が危険物を取り扱うことしかできず、他の従業員の作業を監督する立場になれないことを意味します。ガソリンスタンドなどで複数の従業員が働く場合、少なくとも1人は甲種または乙種の免状所持者が必要となります。
また、丙種免状所持者は危険物保安監督者に選任されることもできません。危険物保安監督者は施設の保安業務を統括する責任者であり、甲種または乙種の免状と実務経験6ヶ月以上が必要です。
このため、丙種は入門資格や補助的な資格として位置づけられることが多く、キャリアアップを目指す場合は乙種以上の取得が推奨されます。ただし、個人で危険物を取り扱う業務のみを行う場合や、資格取得の第一歩として丙種を選ぶことは十分に有効です。
丙種が活躍できる職場
危険物取扱者丙種が最も活躍できる職場は、ガソリンスタンドです。セルフサービスのガソリンスタンドでも、監視員として危険物取扱者の資格が必要であり、丙種でも十分に業務を行えます。給油作業、灯油の配達、タンクローリーからの受入作業などで活躍できます。
石油販売業や燃料販売業でも、丙種免状所持者の需要があります。灯油や軽油の配達、貯蔵タンクの管理などの業務を担当できます。工場や建設現場では、重機の燃料補給や燃料タンクの管理業務に丙種資格が活かせます。
ビルメンテナンス業では、施設内の燃料タンクや非常用発電機の燃料管理に丙種が必要とされることがあります。運送業では、燃料の給油管理や車両管理の業務で資格を活用できます。
ただし、これらの職場でキャリアアップや管理職を目指す場合は、乙種第4類または甲種へのステップアップが推奨されます。丙種は立会い権限がないため、監督者や保安監督者になることができず、責任ある立場に昇進するには上位資格が必要になるからです。
危険物取扱者の種類別の受験資格
危険物取扱者試験は種類によって受験資格が異なります。自分がどの資格を受験できるかを正確に理解することが、資格取得への第一歩です。
乙種・丙種は誰でも受験可能
危険物取扱者乙種と丙種の試験には受験資格の制限がありません。年齢、学歴、実務経験などに関わらず、誰でも受験することができます。中学生や高校生でも受験可能で、実際に10代の合格者も多数います。
この受験資格の自由さが、乙種と丙種が広く普及している理由の一つです。特に乙種第4類は、ガソリンスタンドでのアルバイトを希望する高校生や大学生が取得するケースが多く、就職活動でのアピールポイントとしても活用されています。
受験の申込みは、一般財団法人消防試験研究センターのウェブサイトから電子申請で行うか、願書を郵送または持参して行います。受験料は、乙種が4,600円、丙種が3,700円です(2024年度時点)。
試験は都道府県ごとに年間複数回実施されており、受験機会が多い点も乙種・丙種の利点です。特に乙種第4類は受験者数が多いため、ほぼ毎月のように試験が実施されている都道府県もあります。
甲種の受験資格5つの条件
危険物取扱者甲種の試験を受けるには、以下の5つのいずれかの条件を満たす必要があります。これらの条件は消防法に基づいて定められており、一定の化学的知識や実務経験を証明するものです。
第一の条件は、大学等において化学に関する学科または課程を修めて卒業した者です。「化学に関する学科」には、化学科、応用化学科、工業化学科、化学工学科などが該当します。短期大学や高等専門学校の卒業者も含まれます。
第二の条件は、大学等において化学に関する授業科目を15単位以上修得した者です。学科は問わず、化学系の科目を一定数履修していれば受験資格を得られます。具体的には、無機化学、有機化学、物理化学、分析化学などの科目が該当します。
第三の条件は、乙種危険物取扱者免状を有する者で、危険物取扱いの実務経験が2年以上ある者です。実務経験は、危険物施設での取扱作業や保安業務が対象となります。
第四の条件は、次の4種類以上の乙種免状を取得している者です。具体的には、第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の4種類です。この方法は、大学で化学を学んでいない方が甲種受験資格を得る最も一般的なルートとなっています。
第五の条件は、修士・博士の学位を授与された者で、化学に関する事項を専攻した者です。大学院で化学系の研究を行った方が該当します。
乙種4類合格者の科目免除制度
危険物取扱者乙種の試験には、すでに他の類の免状を取得している場合に適用される科目免除制度があります。この制度を活用することで、2つ目以降の類を効率的に取得できます。
科目免除の対象となるのは、「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目です。つまり、すでに乙種の免状を1つ以上持っている場合、新たな類を受験する際には「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」のみを受験すればよいことになります。
通常の乙種試験は35問・2時間ですが、科目免除を受けた場合は10問・35分に短縮されます。学習の負担も大幅に軽減され、短期間での合格が可能になります。合格基準は、10問中6問以上の正解(60%以上)です。
科目免除を受けるには、願書提出時に免状のコピーを添付するか、免状番号を記入します。電子申請の場合も、免状情報を入力することで科目免除が適用されます。
この制度を活用して、まず乙種第4類を取得し、その後に他の類を順次取得していくステップアップ方式が、多くの受験者に採用されています。最終的に4種類以上の乙種免状を取得すれば、甲種の受験資格も得られます。
危険物取扱者の種類別の試験科目と難易度
危険物取扱者試験の内容は種類によって異なりますが、基本的な試験科目の構成は共通しています。各種別の試験内容と難易度を理解することで、効果的な学習計画を立てられます。
3種類共通の試験科目と出題数の違い
危険物取扱者試験は、甲種・乙種・丙種とも3つの試験科目で構成されています。第一の科目は「危険物に関する法令」で、消防法や関連法令についての知識を問う科目です。第二の科目は「基礎的な物理学及び基礎的な化学」で、危険物の性質を理解するための基礎知識を問います。第三の科目は「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」で、実務に直結する具体的な知識を問います。
試験科目と出題数は種類によって異なります。甲種は、法令15問・物理化学10問・性質等20問の合計45問です。乙種は、法令15問・物理化学10問・性質等10問の合計35問です。丙種は、法令10問・物理化学5問・性質等10問の合計25問となっています。
出題形式は、全てマークシート方式の五肢択一式です。記述問題や計算問題も選択肢から選ぶ形式のため、完全に正確な計算ができなくても、概算で正解を導くことができます。
各科目には個別の合格基準があり、全ての科目で60%以上の正解が必要です。1科目でも60%未満の場合は不合格となるため、苦手科目を作らずバランスよく学習することが重要です。
甲種・乙種・丙種の試験時間と合格基準
危険物取扱者試験の試験時間は種類によって異なります。甲種は2時間30分、乙種は2時間、丙種は1時間15分です。試験開始後は途中退出が可能で、早く解き終わった場合は退出できます。実際の試験では、多くの受験者が制限時間の半分程度で退出しています。
合格基準は、全ての種類で共通して「各科目60%以上の正解」です。甲種の場合、法令15問中9問以上、物理化学10問中6問以上、性質等20問中12問以上の正解が必要です。乙種の場合、法令15問中9問以上、物理化学10問中6問以上、性質等10問中6問以上です。丙種の場合、法令10問中6問以上、物理化学5問中3問以上、性質等10問中6問以上が合格ラインとなります。
この合格基準の特徴は、総合得点ではなく各科目ごとに基準があることです。例えば、法令で満点を取っても、物理化学が5問しか正解できなければ不合格になります。全科目をバランスよく学習し、どの科目でも60%以上を確実に取れるようにすることが合格への鍵です。
試験結果は、受験日から約2週間後に郵送で通知されます。合格者には合格通知書が送付され、その後に免状の交付手続きを行います。不合格の場合も、科目別の得点が通知されるため、次回受験の参考になります。
種類別の合格率データと難易度比較
危険物取扱者試験の合格率は種類によって大きく異なります。2023年度のデータでは、甲種の合格率は約40%、乙種第4類は約38.5%、丙種は約50%となっています(一般財団法人消防試験研究センター発表データ)。
乙種の類別では、第1類が約65%、第2類が約66%、第3類が約63%、第4類が約38.5%、第5類が約64%、第6類が約66%という結果です。乙種第4類の合格率が低い理由は、受験者数が非常に多く、十分な準備をせずに受験する方が含まれるためと考えられます。
難易度を比較すると、最も難しいのは甲種です。出題範囲が全ての類にわたり、問題数も45問と多いため、幅広い知識が求められます。ただし、化学系の学部出身者や複数の乙種免状を持つ方にとっては、十分に合格可能な難易度です。
乙種の難易度は類によって若干異なりますが、基本的には同程度です。乙種第4類は合格率が低めですが、これは受験者数の多さが影響しており、真剣に学習すれば十分合格できる水準です。丙種は3種類の中で最も易しく、初心者でも1-2ヶ月程度の学習で合格を目指せます。
いずれの種類も、適切な教材を使用し、過去問演習を重ねれば、独学でも十分に合格可能な資格です。
危険物取扱者はどの種類から取得すべきか
危険物取扱者の資格取得を検討する際、どの種類から始めるかは重要な選択です。あなたの目的、現在の知識レベル、キャリアプランによって最適な選択は異なります。
初心者には危険物取扱者乙4(乙種第4類)がおすすめ
危険物取扱者の資格取得を初めて目指す方には、乙種第4類(乙4)が最もおすすめです。その理由は、受験資格が不要で誰でも受験でき、難易度が適切で、かつ実用性が非常に高いためです。
乙4は合格率約38.5%と、決して簡単すぎず、かといって難しすぎない適度な難易度です。40-60時間程度の学習で合格を目指せるため、働きながらでも十分に取得可能です。教材も豊富に出版されており、独学での学習環境が整っています。
実用性の面では、ガソリンスタンド、化学工場、病院、学校、研究所など、幅広い職場で需要があります。求人サイトで「危険物取扱者」を検索すると、その大半が乙4を求めているのが現状です。資格手当も月額3,000-10,000円程度が一般的で、経済的なメリットもあります。
また、乙4を取得した後に他の類を受験する場合、科目免除制度により学習負担が大幅に軽減されます。さらに、乙4を含む4種類の乙種免状を取得すれば、甲種の受験資格も得られます。このように、乙4は危険物取扱者資格のスタート地点として最適な選択といえます。
受験者の8割以上が乙4を選ぶ理由
危険物取扱者試験の受験者の約8割が乙種第4類を選択しています。この圧倒的な人気には、明確な理由があります。
第一に、ガソリンスタンドでの需要の高さです。日本全国に約3万店舗あるガソリンスタンドでは、危険物取扱者の有資格者が必須であり、その大半が乙4で対応できます。セルフサービスのガソリンスタンドでも監視員として有資格者が必要で、アルバイト・正社員を問わず採用で優遇されます。
第二に、引火性液体の使用範囲の広さです。ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類などは、工場、研究所、病院、学校など、あらゆる施設で使用されています。第4類危険物を扱わない施設はほとんど存在しないため、乙4の活躍の場は極めて広範囲です。
第三に、教材の充実度です。受験者数が多いため、参考書、問題集、アプリなど、様々な学習教材が出版・開発されています。初心者向けから上級者向けまで、自分のレベルに合った教材を選べる環境が整っています。
第四に、試験の実施頻度の高さです。受験者数が多いため、多くの都道府県でほぼ毎月のように試験が実施されています。自分の都合に合わせて受験日を選びやすく、不合格でもすぐに再挑戦できます。
甲種の受験資格がある人の選択肢
化学系の大学を卒業した方や、すでに複数の乙種免状を持っている方など、甲種の受験資格を満たしている場合は、直接甲種に挑戦することも選択肢の一つです。
甲種を最初から目指すメリットは、一度の試験で全ての類の危険物を取り扱える権限を得られることです。乙種で全6類を取得するには6回の受験が必要ですが、甲種なら1回で済みます。時間的にも費用的にも効率的です。
また、就職・転職市場での評価も高くなります。甲種免状所持者は、化学工場、石油コンビナート、医薬品製造など、高度な専門性を求められる職場で優遇されます。初任給や昇進の面でも、乙種所持者より有利になることが多いです。
ただし、甲種の試験は出題範囲が広く、全6類の危険物について学習する必要があります。化学の基礎知識がある方でも、100-150時間程度の学習時間が必要とされています。十分な準備期間を確保できるかどうかを検討する必要があります。
一方、まだ危険物取扱者の勉強に慣れていない場合は、まず乙4から始めて試験の形式や出題傾向に慣れてから甲種に挑戦するという段階的なアプローチも有効です。乙4の学習内容は甲種でも重複するため、決して無駄にはなりません。
丙種から始めるメリットとデメリット
危険物取扱者丙種から始めることにも、一定のメリットとデメリットがあります。自分の状況に応じて、丙種が適切な選択かどうかを判断することが重要です。
丙種のメリットは、まず試験の難易度が低いことです。合格率は約50%で、3種類の中で最も高く、学習時間も20-30時間程度で済みます。「まず合格体験を得たい」「資格取得に自信がない」という方には、心理的なハードルが低い選択です。
また、試験時間が1時間15分と短く、出題数も25問と少ないため、集中力を保ちやすいという利点もあります。学習範囲も限定的で、ガソリン、灯油、軽油、重油など身近な危険物のみが対象なので、理解しやすいという面もあります。
一方、丙種のデメリットは、立会い権限がないことです。無資格者への立会いや危険物保安監督者への選任ができないため、キャリアアップには限界があります。管理職や責任者を目指す場合は、結局乙種以上の取得が必要になります。
また、丙種から乙4へステップアップする場合、科目免除制度が適用されません。丙種と乙種は別の資格区分のため、乙4を受験する際には全科目を受験する必要があります。最初から乙4を目指した方が効率的という見方もあります。
丙種が適しているのは、「とりあえずガソリンスタンドで働きたい」「短期間で何か資格が欲しい」「まず合格体験を得たい」という方です。長期的なキャリアを考えるなら、最初から乙4を目指すことをおすすめします。
危険物取扱者の種類と違いに関連するよくある質問(FAQ)
危険物取扱者の種類と違いについて、受験者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。資格選びの参考にしてください。
- 危険物取扱者甲種と乙種全類取得の違いは何ですか?
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危険物取扱者甲種と乙種全類(6類全て)を取得した場合、取り扱える危険物の範囲は同じですが、いくつかの違いがあります。最も大きな違いは、取得の効率性です。甲種は1回の試験で全類の権限を得られますが、乙種全類の取得には6回の受験が必要です。時間的にも費用的にも甲種の方が効率的です。 また、免状の管理面でも違いがあります。甲種は1枚の免状で全類をカバーしますが、乙種全類の場合は理論上6枚の免状を管理することになります(実際には1枚に複数の類が記載されます)。更新手続きも甲種なら1回で済みます。 社会的な評価においても、甲種の方が上位資格として認識されることが多く、就職・転職の際に有利になる傾向があります。ただし、乙種を複数持っている場合は科目免除制度を活用して段階的に取得できるというメリットがあります。甲種危険物取扱者のメリットでは、甲種取得の具体的な利点を詳しく解説しています。
- 危険物取扱者乙4だけで十分ですか?
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危険物取扱者乙4だけで十分かどうかは、あなたの職場や目的によって異なります。ガソリンスタンドで働く場合や、工場で第4類危険物のみを扱う場合は、乙4だけで十分に業務を行えます。実際、多くのガソリンスタンドでは乙4免状所持者のみで運営されています。 一方、化学工場や研究所など、複数の類の危険物を扱う職場では、乙4だけでは対応できない業務があります。また、キャリアアップを目指す場合、複数の類や甲種を取得することで、より責任ある立場や高度な業務に就ける可能性が広がります。 資格手当の面でも、企業によっては取得している類の数に応じて手当額が増える制度を設けているところがあります。将来的に甲種の取得を目指す場合、乙4を含む4種類の乙種免状が受験資格となるため、計画的に複数の類を取得していくことも選択肢です。まずは乙4を取得し、必要に応じて他の類や甲種にステップアップするという柔軟なアプローチがおすすめです。
- 危険物取扱者の複数の類を同時に受験できますか?
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危険物取扱者試験では、同じ試験日に複数の類を同時に受験することはできません。1つの試験日には1つの種別(甲種、乙種の各類、丙種)のみを受験する形式となっています。 ただし、試験は都道府県ごとに年間複数回実施されているため、異なる試験日に連続して受験することは可能です。例えば、今月は乙種第4類、来月は乙種第1類というように、短期間で複数の類を取得していくことができます。 特に、すでに1つ目の乙種免状を取得している場合は、科目免除制度により2つ目以降の試験が大幅に短縮されます(10問・35分)。このため、1ヶ月に1類ずつのペースで受験し、半年程度で複数の類を取得する方も少なくありません。 効率的に複数の類を取得したい場合は、まず乙種第4類を取得して科目免除の資格を得てから、計画的に他の類を受験していくことをおすすめします。試験日程は危険物取扱者試験の日程・申込方法で確認できます。
- 危険物取扱者丙種は意味がない資格ですか?
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「危険物取扱者丙種は意味がない」という意見を見かけることがありますが、これは状況によって異なります。丙種が意味がないとされる理由は、立会い権限がないこと、乙4と比べて取扱範囲が限定的なこと、キャリアアップに限界があることなどが挙げられます。 しかし、丙種にも明確な価値があります。まず、試験の難易度が低く、短期間で取得できるため、「すぐに資格が必要」という方には有効です。ガソリンスタンドでのアルバイトなど、当面の目的が明確な場合は十分に実用的です。 また、「まず合格体験を得たい」「危険物取扱の基礎を学びたい」という学習目的であれば、丙種から始めることに意味があります。資格取得に自信がない方が、丙種で成功体験を積んでから乙4にステップアップするというアプローチも有効です。 ただし、長期的なキャリアを考える場合や、より幅広い業務を目指す場合は、最初から乙4を選択した方が効率的です。学習時間の差は10-20時間程度であり、その差に見合う価値があるかを検討することが重要です。
- 危険物取扱者甲種の受験資格を満たすには乙種を何類取得すればいいですか?
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危険物取扱者甲種の受験資格を乙種免状の取得によって満たすには、次の4種類の組み合わせが必要です。第1類または第6類、第2類または第4類、第3類、第5類の4種類です。 具体的な組み合わせ例としては、「第1類・第2類・第3類・第5類」「第1類・第4類・第3類・第5類」「第6類・第2類・第3類・第5類」「第6類・第4類・第3類・第5類」の4パターンがあります。 最も一般的な取得ルートは、まず乙種第4類を取得し(最も実用性が高く、教材も豊富)、次に第3類と第5類を取得し(科目免除により効率的)、最後に第1類または第6類を取得するという順序です。この順序なら、各資格が実務でも活用でき、無駄がありません。 科目免除制度を活用すれば、2つ目以降の試験は1科目のみ(10問・35分)となるため、短期間で集中的に取得することも可能です。計画的に進めれば、半年から1年程度で甲種の受験資格を得られます。危険物取扱者甲種試験の日程・申込方法では、受験資格の詳細を確認できます。
- 危険物取扱者で一番需要が高い種類はどれですか?
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危険物取扱者の中で最も需要が高いのは、乙種第4類(乙4)です。求人サイトで「危険物取扱者」と検索すると、その大半が乙4を求めている状況です。この高い需要には明確な理由があります。 第一に、第4類危険物(引火性液体)が最も広く使用されている点です。ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類などは、ガソリンスタンド、工場、病院、学校、研究所など、あらゆる施設で使用されています。日本全国で約3万店舗あるガソリンスタンドでは、必ず有資格者が必要です。 第二に、受験しやすさです。受験資格が不要で誰でも挑戦でき、合格率も約38.5%と適度な難易度です。教材も豊富で、独学でも十分に合格を目指せます。 第三に、他の資格へのステップとして活用できる点です。乙4を取得した後、科目免除制度を利用して他の類を効率的に取得できます。また、甲種の受験資格を得るためのルートにもなります。 企業の資格手当の対象としても、乙4が最も一般的です。求人の必須資格や優遇資格として明記されることが多く、就職・転職市場での価値が非常に高い資格といえます。危険物取扱者の仕事内容と年収では、資格を活かせる具体的な職場を紹介しています。
まとめ:危険物取扱者は目的に応じて種類を選ぼう
本記事では、危険物取扱者の種類と違いについて詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 危険物取扱者は甲種・乙種・丙種の3種類に分かれる:甲種は全ての危険物を扱える最上位資格、乙種は第1類〜第6類に分類され取得した類のみ扱える資格、丙種は特定の第4類危険物のみ扱える入門資格という明確な違いがあります。受験資格も異なり、甲種は一定の条件が必要ですが、乙種と丙種は誰でも受験できます。
- 取扱範囲と権限に大きな違いがある:甲種と乙種には無資格者への立会い権限があり、危険物保安監督者にもなれますが、丙種にはこれらの権限がありません。また、乙種は取得した類の危険物のみを扱えるため、職場で扱う危険物に応じて必要な類を取得する必要があります。複数の乙種免状を取得すれば、科目免除制度により効率的に資格を拡大できます。
- 初心者には乙種第4類(乙4)がおすすめ:受験者の約8割が選択する乙4は、受験資格が不要で、難易度が適切で、実用性が高い資格です。ガソリンスタンドをはじめとする幅広い職場で需要があり、キャリアアップの第一歩として最適です。甲種の受験資格がある方は直接甲種に挑戦することも選択肢ですが、段階的に学習したい方は乙4から始めることをおすすめします。
危険物取扱者の種類を理解できたら、次は具体的な試験対策を始めましょう。危険物取扱者乙4の勉強時間・勉強方法と危険物取扱者の過去問活用法を参考に、計画的に学習を進めることをおすすめします。
本記事を通じて、危険物取扱者の種類と違い、それぞれの特徴と選び方を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、あなたの目的に合った資格の取得に向けて確実な一歩を踏み出しましょう。
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