技術士二次試験の受験を考えているあなたへ。「二次試験はどんな内容なのか」「どうやって準備すればいいのか」という疑問は、試験制度の全体像を理解することで解決できます。
本記事では、技術士二次試験の制度と位置づけ、受験資格と実務経験の要件、筆記試験と口頭試験の内容について、最新のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、技術士二次試験合格に向けて、確実な一歩を踏み出しましょう。
- 技術士二次試験の制度と一次試験との違い
- 技術士二次試験の受験資格と必要な実務経験年数
- 技術士二次試験の筆記試験と口頭試験の詳細内容
- 技術士二次試験の日程・受験手数料・試験地の情報
- 技術士二次試験は2段階構成:筆記試験(必須科目・選択科目)と口頭試験で構成され、両方に合格する必要があります。筆記試験は記述式で論文作成力が求められ、口頭試験では技術士としての適格性が評価されます。
- 受験資格には実務経験が必須:技術士一次試験合格(修習技術者)に加えて、4年以上または7年以上の実務経験が必要です。技術士補登録をすると実務経験年数を短縮できるため、早期の合格を目指す方は技術士補登録を検討しましょう。
- 合格率は部門により異なる:技術士二次試験の平均合格率は約10-15%程度で、筆記試験の合格率は約10-20%、口頭試験の合格率は約60-80%です。筆記試験の対策が合格の鍵となるため、計画的な学習が不可欠です。
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技術士二次試験とは
技術士二次試験は、技術士資格を取得するための最終試験です。一次試験に合格した修習技術者が受験でき、筆記試験と口頭試験の2つで構成されています。この試験では、単なる知識だけでなく、実務経験に基づく応用力や問題解決能力が評価されます。
技術士制度は、科学技術に関する高度な専門的応用能力を持つ技術者を認定する国家資格制度です。二次試験はその最終関門として、技術士にふさわしい資質と能力を総合的に判定します。合格することで、技術士としての登録資格を得られ、技術士の称号を使用できるようになります。
技術士資格の全体像については、技術士とは?資格の仕事内容・試験制度・取得メリットを徹底解説で詳しく解説しています。
技術士試験における二次試験の位置づけ
技術士試験は一次試験と二次試験の2段階で構成されており、二次試験は技術士資格取得の最終段階です。一次試験が基礎的な科学技術知識を問うのに対し、二次試験は実務的な応用能力と技術者としての総合的な資質を評価します。
技術士二次試験は、技術士法に基づいて実施される国家試験です。この試験に合格することで、技術士として登録する資格を得られます。技術士は科学技術に関する高度な専門的応用能力を認定される資格であり、二次試験はその能力を証明する重要な試験となっています。
日本技術士会が試験実施機関として、文部科学大臣の指定を受けて試験業務を行っています。試験内容は技術士法施行規則に定められており、技術部門ごとに専門的な知識と応用能力が評価されます。
技術士一次試験との違い
技術士一次試験と二次試験の最も大きな違いは、試験形式と評価内容です。一次試験は五肢択一式のマークシート方式で、基礎科目・適性科目・専門科目の知識が問われます。一方、二次試験は記述式(論文形式)の筆記試験と面接形式の口頭試験で構成され、実務経験に基づく応用力が評価されます。
受験資格も大きく異なります。一次試験は学歴要件を満たせば誰でも受験できますが、二次試験は一次試験合格(修習技術者資格取得)に加えて、実務経験年数の要件を満たす必要があります。技術士補登録をしているかどうかで、必要な実務経験年数が変わる点も特徴的です。
合格率にも大きな差があります。一次試験の合格率は約40-50%程度であるのに対し、二次試験の合格率は約10-15%程度と、難易度が大幅に上がります。技術士一次試験とは?試験制度・科目・日程を詳しく解説では、一次試験の詳細について解説しています。
技術士二次試験の2段階構成(筆記試験と口頭試験)
技術士二次試験は筆記試験と口頭試験の2段階で構成されています。筆記試験に合格した受験者のみが口頭試験に進むことができ、両方に合格して初めて技術士試験の最終合格となります。
筆記試験は必須科目と選択科目で構成され、記述式(論文形式)で実施されます。必須科目では技術部門全般にわたる専門知識と応用能力が問われ、選択科目では選択した専門分野に関する深い知識と問題解決能力が評価されます。試験時間は必須科目が2時間、選択科目が3時間30分です。
口頭試験は筆記試験合格者を対象に実施される面接形式の試験です。受験者が作成した業務経歴票に基づいて、実務経験の内容や技術的な判断能力、技術者倫理、継続研鑽の姿勢などが総合的に評価されます。試験時間は約20分程度で、東京のみで実施されます。
技術士一次試験に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士一次試験とは?試験制度・科目・日程を詳しく解説
技術士二次試験の受験資格
技術士二次試験を受験するには、技術士一次試験に合格して修習技術者(技術士補)の資格を得ていることが前提条件です。さらに、技術士補登録の有無によって、必要な実務経験年数が異なります。これらの要件を満たして初めて、二次試験の受験申込が可能になります。
実務経験は科学技術に関する業務での経験が対象となり、単なる業務経験ではなく、技術的な判断や創意工夫を伴う業務である必要があります。また、大学院での研究経歴も一定の条件下で実務経験として算入できる制度があります。
受験資格の詳細な要件については、日本技術士会のウェブサイトで確認できます。受験を検討している方は、自身の学歴と実務経験年数を整理し、受験資格を満たしているかを事前に確認しておくことが重要です。
修習技術者(技術士補資格)が必須条件
技術士二次試験を受験するための第一条件は、修習技術者の資格を持っていることです。修習技術者とは、技術士一次試験に合格した者に与えられる称号で、技術士になるための修習段階にある技術者を指します。
修習技術者の資格を得るには、技術士一次試験に合格する必要があります。一次試験は基礎科目・適性科目・専門科目の3科目で構成され、五肢択一式のマークシート方式で実施されます。合格率は約40-50%程度で、基礎的な科学技術知識が問われます。
修習技術者は技術士補として登録することもできます。技術士補登録は任意ですが、登録することで実務経験年数の要件が短縮されるメリットがあります。また、技術士補の名称を使用でき、技術士の指導の下で業務を行う立場として認められます。
技術士二次試験に必要な実務経験年数
技術士二次試験の受験には、修習技術者資格に加えて一定の実務経験年数が必要です。必要な実務経験年数は、技術士補登録をしているかどうかで異なります。技術士補に登録している場合は4年以上、登録していない場合は7年以上の実務経験が必要です。
実務経験として認められるのは、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務です。単純な作業や定型的な業務は実務経験として認められません。
実務経験年数は、受験申込時に提出する業務経歴票で証明します。業務経歴票には、勤務先、業務内容、期間、自身の役割などを詳細に記載する必要があります。虚偽の記載は受験資格の取り消しや合格の無効となる可能性があるため、正確な記載が求められます。
技術士補登録による実務経験の短縮
技術士補登録をすることで、必要な実務経験年数を7年から4年に短縮できます。これは技術士二次試験の受験資格要件における大きなメリットです。早期に技術士資格を取得したい方にとって、技術士補登録は有効な選択肢となります。
技術士補登録は、技術士一次試験合格後に日本技術士会に登録申請を行うことで取得できます。登録には登録免許税15,000円と登録手数料6,500円が必要です。登録後は技術士補の名称を使用でき、名刺や履歴書に記載することができます。
技術士補として登録すると、技術士の指導の下で科学技術に関する業務を行う立場として認められます。実際に技術士の指導を受けていなくても、技術士補登録による実務経験年数の短縮効果は得られます。ただし、実務経験の内容が技術士にふさわしいものである必要がある点は変わりません。
大学院での研究経歴の算入ルール
大学院での研究経歴は、一定の条件を満たせば実務経験年数として算入できます。これは主に研究職や学術的なバックグラウンドを持つ受験者にとって重要な制度です。ただし、算入できる年数には上限があり、すべての大学院在学期間が認められるわけではありません。
修士課程または博士前期課程での研究は、最大2年まで実務経験として算入できます。博士後期課程での研究は、最大3年まで算入可能です。ただし、研究内容が科学技術に関する専門的応用能力を必要とするものであり、技術士にふさわしい業務内容であることが条件となります。
大学院での研究経歴を算入する場合は、業務経歴票に研究テーマ、研究内容、研究期間、自身の役割などを詳細に記載する必要があります。指導教員の証明や論文の提出を求められることもあるため、事前に必要書類を準備しておくことが重要です。
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技術士になるには?資格取得の流れ・必要な勉強・実務要件を解説
技術士二次試験の日程・スケジュール
技術士二次試験は年1回実施され、受験申込から最終合格発表まで約1年のスケジュールとなります。筆記試験は7月頃、口頭試験は11月から翌年1月頃に実施されるのが一般的です。受験を計画する際は、年間スケジュールを把握して早めに準備を開始することが重要です。
試験日程は毎年同じではなく、年度によって若干の変動があります。最新の日程は日本技術士会のウェブサイトで公表されるため、受験を検討している方は定期的に確認することをおすすめします。
受験申込から合格発表までの期間が長いため、学習計画を立てる際は長期的な視点が必要です。特に筆記試験対策には十分な時間を確保し、過去問の分析や論文作成の練習を繰り返すことが合格への近道となります。
技術士二次試験の年間スケジュール
技術士二次試験の標準的な年間スケジュールは、4月の受験申込期間から始まります。受験申込が4月上旬から中旬、筆記試験が7月中旬、筆記試験の合格発表が10月下旬、口頭試験が11月から翌年1月、最終合格発表が翌年3月上旬というのが一般的な流れです。
受験申込から最終合格発表まで約11ヶ月かかるため、長期的な計画と継続的な学習が必要です。特に筆記試験から口頭試験までの期間は約4ヶ月あり、この間に口頭試験の準備を進める必要があります。
年度によって日程が前後することがあるため、受験を予定している年の正確なスケジュールは日本技術士会の公式発表を確認してください。受験申込期間を過ぎると受験できなくなるため、スケジュールの確認は早めに行うことが重要です。
受験申込期間と申込方法
技術士二次試験の受験申込期間は、例年4月上旬から中旬の約2週間です。申込期間は限られているため、期間内に確実に申込手続きを完了させる必要があります。申込方法はインターネット申込が基本で、日本技術士会のウェブサイトから手続きを行います。
申込時には、受験申込書、業務経歴票、受験資格を証明する書類(一次試験合格証明書など)、受験手数料の支払い証明などの提出が必要です。業務経歴票の作成には時間がかかるため、申込期間前から準備を始めることをおすすめします。
受験手数料は受験申込時に支払います。支払い方法はクレジットカードやコンビニ決済などが利用できます。申込内容に不備があると受験できない可能性があるため、提出前に記載内容を十分に確認してください。
筆記試験の実施時期
技術士二次試験の筆記試験は、例年7月中旬の日曜日に実施されます。試験は1日で完結し、午前中に必須科目(2時間)、午後に選択科目(3時間30分)が実施されます。試験会場は全国12都道府県に設置され、受験者は受験申込時に希望する試験地を選択します。
筆記試験は記述式(論文形式)で、受験者は問題用紙に直接論述を記入します。解答用紙は罫線入りのA4用紙で、文字数の制限が設けられている問題もあります。試験時間内に論述を完成させる必要があるため、時間配分の練習が重要です。
筆記試験の合格発表は、例年10月下旬に行われます。合格者には合格通知が郵送され、日本技術士会のウェブサイトでも受験番号が公表されます。筆記試験の合格者のみが口頭試験に進むことができます。
口頭試験の実施時期と合格発表
口頭試験は筆記試験合格者を対象に、例年11月から翌年1月にかけて実施されます。試験日時は受験者ごとに指定され、合格通知と一緒に口頭試験の日時と会場が通知されます。口頭試験は東京のみで実施されるため、遠方の受験者は交通手段と宿泊の手配が必要です。
口頭試験は面接形式で約20分程度実施されます。試験官は2-3名で、受験者が提出した業務経歴票に基づいて質問が行われます。技術的な内容だけでなく、技術者倫理や継続研鑽の姿勢、コミュニケーション能力なども評価されます。
最終合格発表は翌年3月上旬に行われます。合格者には合格証書が郵送され、官報にも氏名と技術部門が公告されます。合格後は技術士登録の手続きを行うことで、正式に技術士の称号を使用できるようになります。
技術士試験の合格発表日程に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士試験の合格発表日程と確認方法|官報での確認手順
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技術士二次試験の受験手数料と試験地
技術士二次試験の受験には受験手数料の支払いが必要です。また、筆記試験は全国12都道府県で実施されますが、口頭試験は東京のみでの実施となります。受験を計画する際は、受験手数料と試験地への交通費を含めた費用を考慮しておくことが重要です。
試験地は受験申込時に選択できますが、希望する試験地の受験者数によっては第二希望の試験地になる可能性もあります。特に東京や大阪などの大都市では受験者が集中するため、早めに申込を完了させることをおすすめします。
口頭試験は東京のみで実施されるため、地方在住の受験者は交通費と宿泊費が必要になります。特に遠方から受験する場合は、試験日の前日に東京入りして宿泊する受験者が多いです。費用面の準備も受験計画の一部として考えておきましょう。
技術士二次試験の受験手数料
技術士二次試験の受験手数料は14,000円です。これは筆記試験と口頭試験の両方を含んだ金額で、受験申込時に一括で支払います。支払い方法はクレジットカード決済、コンビニ決済、銀行振込などが利用できます。
受験手数料は一度支払うと返金されません。受験申込後に受験を取りやめた場合や、試験を欠席した場合でも返金されないため、受験の意思を確認してから申込手続きを行うことが重要です。
また、技術士試験に関連する費用として、技術士登録時の登録免許税30,000円と登録手数料8,000円が別途必要になります。合格後に技術士として活動するための費用も考慮しておきましょう。
筆記試験の実施会場(全国12都道府県)
技術士二次試験の筆記試験は、全国12都道府県で実施されます。実施地域は、北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県です。受験者は受験申込時にこれらの中から希望する試験地を選択します。
各試験地には複数の試験会場が設置される場合があります。具体的な試験会場は筆記試験の約1ヶ月前に受験票とともに通知されます。試験会場は大学のキャンパスや公共施設が使用されることが多く、受験者数によって会場が変更されることもあります。
試験地を選択する際は、自宅や職場からのアクセスを考慮することが重要です。試験当日は朝早くから移動が必要になるため、交通手段や所要時間を事前に確認しておくことをおすすめします。遠方の試験地を選択する場合は、前日からの宿泊も検討しましょう。
口頭試験の実施会場(東京のみ)
技術士二次試験の口頭試験は、東京のみで実施されます。試験会場は日本技術士会の事務所や東京都内の会議施設が使用されることが多く、筆記試験合格通知とともに具体的な会場と日時が通知されます。
口頭試験は11月から翌年1月にかけて実施されるため、地方在住の受験者は冬季の交通事情も考慮する必要があります。特に降雪地域から受験する場合は、天候による交通機関の遅延や欠航の可能性を考慮し、余裕を持った移動計画を立てることが重要です。
口頭試験の所要時間は約20分程度ですが、試験時間は受験者ごとに指定されます。試験時間の変更は原則として認められないため、指定された日時に確実に会場に到着できるよう、前日からの宿泊や早めの移動を計画する受験者が多いです。交通費と宿泊費を含めた費用の準備も忘れずに行いましょう。
技術士試験の申し込み方法に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士試験の申し込み方法|期間・手続き・必要書類を解説
技術士二次試験の筆記試験科目
技術士二次試験の筆記試験は、必須科目と選択科目の2つで構成されています。両科目とも記述式(論文形式)で、技術士にふさわしい専門的応用能力と問題解決能力が評価されます。試験時間は必須科目が2時間、選択科目が3時間30分で、1日で完結します。
筆記試験では単なる知識の暗記ではなく、実務経験に基づいた論述力が求められます。問題文を正確に理解し、技術的な観点から論理的に論述する能力が重要です。また、文字数制限や指定された論述形式に従って解答する必要があります。
筆記試験の合格基準は60%以上の得点です。必須科目と選択科目の両方で基準点を満たす必要があり、どちらか一方でも基準点に達しない場合は不合格となります。過去問の分析と論文作成の練習を繰り返すことが、合格への確実な道となります。
必須科目の出題内容と解答時間
必須科目は技術部門全般にわたる専門知識と応用能力を評価する科目です。出題内容は選択した技術部門に関する現代的な課題や技術動向に関するもので、幅広い視野と総合的な判断能力が求められます。試験時間は2時間で、600字詰め原稿用紙3枚程度の論述が標準的です。
必須科目では、技術部門全般に関する知識と見識が問われます。例えば機械部門であれば、機械工学全般に関わる技術課題、電気電子部門であれば電気電子技術の動向や社会的影響などが出題されます。専門分野に偏らない幅広い知識が必要です。
必須科目の評価基準は、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)に基づいています。専門的学識、問題解決能力、マネジメント能力、評価能力、コミュニケーション能力、技術者倫理などの観点から、総合的に評価されます。
選択科目の出題内容と解答形式
選択科目は受験者が選択した専門分野に関する深い知識と問題解決能力を評価する科目です。出題は選択科目Ⅰ(専門知識)、選択科目Ⅱ(応用能力)、選択科目Ⅲ(問題解決能力及び課題遂行能力)の3つで構成されます。試験時間は合計3時間30分です。
選択科目Ⅰでは、選択した専門分野の技術的な知識が問われます。4つの設問から2つを選択して解答する形式が一般的で、1問あたり600字程度の論述が求められます。専門分野の基礎理論や技術動向に関する深い理解が必要です。
選択科目ⅡとⅢでは、実務的な問題解決能力が評価されます。選択科目Ⅱは1,200字程度、選択科目Ⅲは1,800字程度の論述が標準的です。実務経験に基づいた具体的な提案や、技術的な課題に対する解決策の論述が求められます。
総合技術監理部門の特別な出題形式
総合技術監理部門は技術士の最上位資格として位置づけられており、出題形式が他の部門と異なります。総合技術監理部門の筆記試験は、必須科目Ⅰ(択一式)と必須科目Ⅱ(記述式)で構成されます。
必須科目Ⅰは五肢択一式のマークシート方式で、経済性管理、人的資源管理、情報管理、安全管理、社会環境管理の5つの管理技術に関する知識が問われます。試験時間は2時間で、40問が出題されます。他の部門と異なり、択一式が含まれる点が特徴です。
必須科目Ⅱは記述式で、総合技術監理の観点から技術的な課題の分析と解決策の提案が求められます。試験時間は2時間で、1,800字程度の論述が標準的です。また、総合技術監理部門を受験する場合でも、すでに他の部門で技術士資格を取得している必要があり、選択科目は免除されます。
技術士二次試験の勉強法に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士二次試験の勉強法|筆記試験・口頭試験の対策方法
技術士二次試験の筆記試験対策
技術士二次試験の筆記試験対策で最も重要なのは、論文作成力の向上です。記述式試験では限られた時間内に論理的で説得力のある論述を完成させる必要があり、この能力は一朝一夕では身につきません。過去問の分析と反復練習が合格への近道となります。
筆記試験対策には一般的に300-500時間程度の学習時間が必要とされています。仕事と両立しながら学習を進める受験者が多いため、計画的な学習スケジュールの立案が重要です。週末を中心に集中的に学習する方法や、平日の朝夕に時間を確保する方法など、自分のライフスタイルに合わせた学習計画を立てましょう。
独学で合格する受験者もいますが、論文添削や模擬試験を活用することで効率的に学習できます。通信講座や予備校の利用も検討する価値があります。技術士二次試験の勉強法では、具体的な学習方法について詳しく解説しています。
技術士筆記試験の記述式問題の特徴
技術士二次試験の筆記試験は全て記述式(論文形式)で実施されます。これは一次試験の択一式とは大きく異なる点で、知識の暗記だけでは対応できません。限られた時間内に、問題文の要求に正確に応えながら、論理的で説得力のある論述を完成させる必要があります。
記述式問題の特徴として、文字数制限が設けられている点があります。例えば600字、1,200字、1,800字など、問題ごとに指定された文字数内で論述しなければなりません。文字数が不足したり超過したりすると減点の対象となるため、文字数管理も重要なスキルです。
また、論述内容は実務経験に基づいた具体性が求められます。抽象的な一般論ではなく、実際の業務経験や技術的な知識を活かした論述が評価されます。そのため、自身の実務経験を整理し、技術的な観点から説明できるよう準備しておくことが重要です。
論文作成力が求められる理由
技術士二次試験で論文作成力が重視されるのは、技術士の業務において文書作成能力が不可欠だからです。技術士は技術的な提案書、報告書、意見書などを作成する機会が多く、複雑な技術的内容を分かりやすく論理的に説明する能力が求められます。
論文作成力は単なる文章力ではなく、問題分析能力、論理的思考力、表現力を総合した能力です。技術的な課題を正確に理解し、適切な解決策を提案し、その根拠を論理的に説明する一連のプロセスが評価されます。
論文作成力を向上させるには、過去問を使った反復練習が効果的です。実際に時間を計って論述し、添削を受けることで、自分の弱点を把握できます。また、合格者の模範解答や参考書を読むことで、効果的な論述の型を学ぶことができます。
技術士試験のコンピテンシー評価とは
技術士試験では、技術士に求められる資質能力(コンピテンシー)に基づいて評価が行われます。コンピテンシーとは、技術士として必要な能力や資質を体系化したもので、専門的学識、問題解決能力、マネジメント能力、評価能力、コミュニケーション能力、技術者倫理、継続研鑽の7つの項目で構成されています。
筆記試験では、これらのコンピテンシーを総合的に評価するための問題が出題されます。必須科目では幅広い専門的学識とマネジメント能力が、選択科目では深い専門知識と問題解決能力が特に重視されます。各問題の出題意図を理解し、求められるコンピテンシーを意識して論述することが重要です。
コンピテンシー評価の観点を理解することは、効果的な試験対策につながります。単に知識を詰め込むのではなく、技術士に求められる資質を意識した学習と論述の練習を行うことで、合格に近づくことができます。技術士とは?資格の仕事内容・試験制度・取得メリットを徹底解説では、技術士に求められる資質について詳しく解説しています。
技術士二次試験の過去問活用法に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士二次試験の過去問活用法|模範解答と出題傾向分析
技術士二次試験の口頭試験内容
口頭試験は筆記試験合格者を対象に実施される面接形式の試験で、技術士としての適格性を総合的に評価します。試験時間は約20分程度ですが、この短時間で技術者としての資質、倫理観、コミュニケーション能力などが判定されます。
口頭試験では、受験者が事前に提出した業務経歴票に基づいて質問が行われます。業務内容の詳細、技術的な判断の根拠、プロジェクトにおける自身の役割などについて説明を求められます。自分の実務経験を技術的な観点から整理し、明確に説明できるよう準備することが重要です。
口頭試験の合格率は60-80%程度と筆記試験よりも高いですが、油断は禁物です。技術者倫理に関する質問や、技術士としての継続研鑽の意欲についても問われるため、幅広い準備が必要です。技術士口頭試験の対策方法では、具体的な質問例と対策方法を紹介しています。
技術士口頭試験の目的と評価ポイント
口頭試験の主な目的は、技術士としての適格性を総合的に評価することです。筆記試験では測りきれない、コミュニケーション能力、人間性、技術者としての姿勢などが評価されます。技術的な知識だけでなく、技術者倫理や社会的責任の理解度も重要な評価ポイントです。
評価ポイントは大きく3つに分かれます。第一に、専門的な知識と実務経験の深さです。業務経歴票に記載した内容について、技術的な観点から詳細に説明できるかが問われます。第二に、技術士に求められるコンピテンシー(資質能力)の保有です。問題解決能力、マネジメント能力、評価能力などが評価されます。
第三に、技術者倫理と継続研鑽の姿勢です。公益確保を最優先とする技術者倫理の理解や、技術士として継続的に学習を続ける意欲が問われます。これらの評価ポイントを理解し、具体的なエピソードを交えて説明できるよう準備しておくことが重要です。
業務経歴票に基づく質問内容
口頭試験では、受験者が提出した業務経歴票に基づいて質問が行われます。業務経歴票には、これまでの実務経験を詳細に記載しており、試験官はこの内容をもとに受験者の技術力や経験の深さを確認します。
典型的な質問としては、「業務経歴票に記載した○○プロジェクトについて、あなたの役割を詳しく説明してください」「このプロジェクトで最も困難だった技術的課題は何ですか」「その課題をどのように解決しましたか」などがあります。業務内容を技術的な観点から具体的に説明できることが重要です。
業務経歴票は口頭試験の準備資料として極めて重要です。記載した内容について、技術的な背景、自身の判断と行動、成果と反省点などを整理しておきましょう。また、プロジェクトに使用した技術や理論についても、説明できるよう復習しておくことが推奨されます。
技術士としての適格性確認
口頭試験では、受験者が技術士としてふさわしい資質を持っているかが総合的に評価されます。これには技術的能力だけでなく、倫理観、社会的責任の認識、継続研鑽の姿勢なども含まれます。
技術者倫理に関する質問は必ず出題されます。「公益と依頼者の利益が対立した場合、あなたはどう判断しますか」「技術的な判断において倫理的な問題に直面したことはありますか」などの質問に対して、技術士法や技術士倫理綱領に基づいた回答ができることが求められます。
また、技術士として継続的に学習を続ける意欲も評価されます。「技術士になったら、どのような活動をしたいですか」「専門分野の最新動向をどのように学んでいますか」といった質問に対して、具体的な計画や行動を説明できることが望ましいです。技術士は単なる資格ではなく、社会的責任を担う技術者としての継続的な成長が期待されています。
技術士口頭試験の対策方法に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士口頭試験の対策方法|質問例・評価基準・合格のコツ
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技術士二次試験の合格率と合格基準
技術士二次試験の合格率は、部門や年度によって異なりますが、全体の平均で約10-15%程度です。筆記試験の合格率が約10-20%、口頭試験の合格率が約60-80%となっており、筆記試験が最大の難関となっています。一次試験の合格率が約40-50%であることと比較すると、二次試験の難易度の高さが分かります。
合格基準は筆記試験、口頭試験ともに60%以上の得点です。必須科目と選択科目の両方で基準点を満たす必要があり、どちらか一方でも基準点に達しない場合は不合格となります。相対評価ではなく絶対評価で判定されるため、他の受験者の出来不出来に関わらず、自分の実力を確実に発揮することが重要です。
合格率の数値だけを見ると難関試験に感じられますが、適切な準備と対策を行えば合格は十分可能です。合格者の多くは計画的な学習と過去問演習を重ねており、特に論文作成力の向上に時間を割いています。技術士二次試験の合格率詳細では、部門別の合格率や年度別の推移を詳しく解説しています。
技術士二次試験の平均合格率
技術士二次試験の全体的な平均合格率は約10-15%程度です。これは受験者全体のうち、筆記試験と口頭試験の両方に合格した最終合格者の割合を示しています。一次試験の合格率が約40-50%であることと比較すると、二次試験の難易度が大幅に高いことが分かります。
合格率が低い主な理由は、記述式試験の難しさと実務経験に基づく応用力が求められる点です。単なる知識の暗記では対応できず、技術的な課題を分析し、論理的に解決策を提案する能力が必要です。また、限られた時間内に論述を完成させる訓練も必要となります。
ただし、合格率の数値は「受験者の質」も反映しています。技術士二次試験の受験者は一次試験合格者であり、すでに一定の基礎知識を持っています。また、実務経験年数の要件を満たした受験者のみが受験できるため、受験者全体のレベルが高いことも合格率が低い一因となっています。
筆記試験と口頭試験の合格率の違い
技術士二次試験では、筆記試験と口頭試験の合格率に大きな差があります。筆記試験の合格率は約10-20%程度であるのに対し、口頭試験の合格率は約60-80%程度と高くなっています。これは筆記試験が最大の難関であることを示しています。
筆記試験の合格率が低い理由は、記述式(論文形式)の難しさにあります。限られた時間内に論理的で説得力のある論述を完成させるには、相当な練習が必要です。また、必須科目と選択科目の両方で基準点を満たす必要があり、どちらか一方でも基準点に達しないと不合格となります。
口頭試験の合格率が高い理由は、筆記試験を通過した受験者が一定の実力を持っていることと、口頭試験が主に技術士としての適格性を確認する場であることによります。ただし、合格率が高いからといって油断は禁物です。技術者倫理や継続研鑽の姿勢について適切に回答できなければ、不合格となる可能性もあります。
技術士試験の部門別合格率
技術士二次試験の合格率は技術部門によって異なります。一般的に、受験者数が多い機械、電気電子、建設などの部門は合格率が10-15%程度、受験者数が少ない部門では5-10%程度となることもあります。部門によって難易度が異なるわけではなく、受験者の質や準備状況の違いが合格率に影響しています。
例えば、機械部門の合格率は約12-15%、電気電子部門は約10-13%、建設部門(土木)は約10-14%程度です。情報工学部門や経営工学部門など、比較的新しい部門や専門性の高い部門では、合格率が若干低くなる傾向があります。
総合技術監理部門の合格率は約15-20%程度と、他の部門よりやや高めです。これは総合技術監理部門の受験資格として、すでに他の部門で技術士資格を取得していることが条件となっているため、受験者全体のレベルが高いことが理由です。部門選択については、技術士の部門一覧と選び方で詳しく解説しています。
技術士二次試験の合格率詳細に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士二次試験の合格率推移と合格発表・官報確認方法
技術士二次試験の業務経歴票の書き方
業務経歴票は技術士二次試験において極めて重要な書類です。受験申込時に提出が必要で、口頭試験では業務経歴票に基づいて質問が行われます。業務経歴票の内容が不十分だと、口頭試験で適切な回答ができず、不合格となる可能性があります。
業務経歴票には、これまでの実務経験を詳細に記載します。単に業務内容を列挙するのではなく、自身が担当した役割、技術的な判断や工夫、成果などを具体的に記述することが重要です。技術士にふさわしい業務内容であることを示す必要があります。
業務経歴票の作成には時間がかかるため、受験申込期間の数ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。過去の業務内容を整理し、技術的な観点から説明できるよう準備しておきましょう。必要に応じて、上司や先輩技術士にレビューを依頼することも効果的です。
業務経歴票が合否を左右する理由
業務経歴票は口頭試験の質問のベースとなる重要な書類です。試験官は業務経歴票の内容をもとに、受験者の実務経験の深さや技術力を評価します。業務経歴票の記載が不十分だと、口頭試験で適切な質問が行われず、受験者の実力を十分に示すことができません。
業務経歴票の内容は、受験資格の確認にも使用されます。記載された業務内容が技術士にふさわしい実務経験であるかが審査され、要件を満たしていないと判断されると、受験資格が認められない可能性もあります。虚偽の記載は厳禁で、発覚した場合は受験資格の取り消しや合格の無効となります。
また、業務経歴票を作成する過程で、自身の実務経験を技術的な観点から整理できます。これは口頭試験の準備にもなり、自分の技術的な強みや経験の特徴を明確に認識できます。業務経歴票の作成自体が、技術士試験対策の重要な一部となっています。
技術士にふさわしい業務内容の記載方法
業務経歴票には、技術士にふさわしい業務内容を記載する必要があります。技術士法では、技術士が行う業務を「科学技術に関する高度な専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価またはこれらに関する指導の業務」と定義しています。
具体的には、技術的な判断や創意工夫を伴う業務を中心に記載します。単純な作業や定型的な業務ではなく、問題分析、解決策の提案、技術的な判断、プロジェクトマネジメントなどの経験を強調することが重要です。また、自身の役割を明確にし、どのような技術的貢献をしたかを具体的に説明します。
記載する際は、専門用語を適切に使用し、技術的な説明を心がけます。ただし、試験官が理解できる範囲で記載する必要があるため、過度に専門的な用語は避け、分かりやすい説明を心がけましょう。数値データや具体的な成果を含めることで、説得力のある業務経歴票となります。
業務経歴票作成時の注意点
業務経歴票作成時の最も重要な注意点は、正確性と具体性です。虚偽の記載は厳禁で、実際に経験した業務のみを記載します。また、抽象的な表現ではなく、具体的な業務内容、期間、自身の役割を明確に記述することが重要です。
文字数や記載形式にも注意が必要です。業務経歴票には記載欄の大きさや文字数の目安があり、これを守る必要があります。重要な業務内容を優先的に記載し、限られたスペースを効果的に使いましょう。また、誤字脱字や文法ミスがないよう、十分に推敲することが大切です。
業務経歴票は一度提出すると修正できないため、提出前に複数回確認することをおすすめします。可能であれば、上司や先輩技術士にレビューを依頼し、客観的な意見を取り入れることも効果的です。業務経歴票の質が口頭試験の結果に直接影響するため、時間をかけて丁寧に作成しましょう。
技術士二次試験の科目免除制度
技術士二次試験には、特定の条件を満たす受験者を対象とした科目免除制度があります。この制度を利用することで、受験の負担を軽減できる場合があります。主な免除制度は、総合技術監理部門の選択科目免除と、技術士複数部門取得時の免除措置です。
科目免除制度を利用するには、受験申込時に免除申請を行う必要があります。申請には免除要件を満たすことを証明する書類の提出が必要です。免除申請が認められると、該当する科目の受験が不要となり、その科目の得点は満点として扱われます。
科目免除制度は、すでに一定の実力や資格を持つ受験者に対して、効率的に技術士資格を取得できるようにする制度です。免除要件を満たしている場合は、積極的に活用することをおすすめします。ただし、免除申請の手続きには期限があるため、早めに準備を始めましょう。
総合技術監理部門の選択科目免除
総合技術監理部門を受験する場合、すでに他の部門で技術士資格を取得している受験者は、選択科目が免除されます。これは総合技術監理部門が技術士の最上位資格として位置づけられており、すでに一つの部門で技術士資格を持っていることが受験の前提となっているためです。
総合技術監理部門の筆記試験は、必須科目Ⅰ(択一式)と必須科目Ⅱ(記述式)のみとなります。選択科目が免除されることで、試験時間が短縮され、学習の負担も軽減されます。ただし、必須科目の難易度は高く、総合的なマネジメント能力が求められます。
総合技術監理部門の受験を検討している方は、まず他の技術部門で技術士資格を取得してから、総合技術監理部門に挑戦するのが一般的なルートです。二段階で資格を取得することになりますが、選択科目免除により効率的に最上位資格を目指すことができます。
技術士複数部門取得時の免除措置
すでに技術士資格を取得している方が別の部門の技術士資格を取得する場合、適性科目の受験が免除されます。これは一次試験の適性科目に相当する内容が、すでに技術士として理解されていると判断されるためです。
複数の技術部門で技術士資格を取得することは、専門性の幅を広げる上で有効です。例えば、機械部門と電気電子部門の両方の資格を持つことで、メカトロニクス分野での専門性を示すことができます。また、建設部門と環境部門など、関連する複数の部門で資格を持つことも、業務の幅を広げる上で有用です。
複数部門の技術士資格取得を目指す場合でも、各部門の筆記試験(必須科目・選択科目)と口頭試験は受験する必要があります。免除されるのは一次試験の適性科目のみで、二次試験の負担は通常と変わりません。計画的な学習と十分な準備が必要です。
技術士試験免除の申請方法
科目免除を受けるには、受験申込時に免除申請を行う必要があります。申請には、免除要件を満たすことを証明する書類の提出が必要です。例えば、総合技術監理部門の選択科目免除を申請する場合は、他部門の技術士登録証のコピーを提出します。
免除申請の手続きは受験申込と同時に行います。受験申込書に免除申請の項目があり、必要事項を記入して証明書類とともに提出します。免除申請が認められると、該当する科目の受験票が発行されず、その科目は自動的に満点として扱われます。
免除申請の審査には時間がかかる場合があるため、受験申込期間の早い段階で申請することをおすすめします。申請内容に不備があると免除が認められない可能性があるため、提出前に必要書類を十分に確認しましょう。免除申請に関する詳細は、日本技術士会のウェブサイトや受験案内で確認できます。
技術士二次試験に関連するよくある質問(FAQ)
技術士二次試験に関して、多くの受験予定者が同様の疑問を持っています。ここでは、受験資格、試験内容、合格後の手続きなど、よくある質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、受験準備を進めてください。
FAQの内容は日本技術士会の公式情報に基づいています。ただし、制度変更がある可能性もあるため、最新の情報は日本技術士会のウェブサイトで確認することをおすすめします。
以下のFAQで疑問が解決しない場合は、日本技術士会に直接問い合わせることも可能です。受験に関する不安や疑問は早めに解決し、自信を持って試験に臨みましょう。
Q. 技術士二次試験は一次試験の部門と違う部門を受験できますか?
技術士二次試験は、一次試験で合格した部門と異なる部門を受験することができます。一次試験で機械部門に合格した方が、二次試験では電気電子部門や情報工学部門を受験することも可能です。一次試験合格により修習技術者の資格を得ていれば、どの技術部門の二次試験でも受験できます。
ただし、実務経験年数の要件は満たす必要があります。二次試験で受験する部門に関連する実務経験が必要なため、全く経験のない部門を受験することは現実的ではありません。自身の実務経験に最も適した部門を選択することが重要です。
部門選択に迷う場合は、技術士の部門一覧と選び方で各部門の特徴と選択基準を詳しく解説しています。自身のキャリアプランや専門性を考慮して、最適な部門を選びましょう。
Q. 技術士二次試験の実務経験は会社での業務のみですか?
技術士二次試験の実務経験は、会社での業務に限定されません。科学技術に関する専門的応用能力を必要とする業務であれば、フリーランスとしての業務、大学や研究機関での研究活動、非営利団体での技術的な活動なども実務経験として認められる可能性があります。
重要なのは業務の内容が技術士にふさわしいものであることです。技術的な判断や創意工夫を伴う計画、研究、設計、分析、試験、評価などの業務が実務経験として認められます。雇用形態よりも、業務の質と技術的な内容が重視されます。
実務経験として認められるかどうか不安な場合は、業務経歴票を作成する際に、業務内容を技術的な観点から詳細に記述することが重要です。必要に応じて、日本技術士会に事前に相談することもできます。
Q. 技術士二次試験の筆記試験に合格したら口頭試験はいつ受けられますか?
技術士二次試験の筆記試験に合格すると、同じ年度の口頭試験を受験できます。筆記試験の合格発表は例年10月下旬で、口頭試験は11月から翌年1月にかけて実施されます。筆記試験合格者には、合格通知とともに口頭試験の日時と会場が指定されて通知されます。
口頭試験の日時は受験者ごとに指定され、変更は原則として認められません。そのため、筆記試験合格後は、指定された日時に確実に東京の試験会場に行けるよう、スケジュールを調整する必要があります。遠方の受験者は、交通手段と宿泊の手配を早めに行うことをおすすめします。
万が一、筆記試験に合格しても口頭試験を受験できなかった場合、その年度の合格はなくなります。翌年度に再度受験する場合は、筆記試験から受け直す必要があります。口頭試験の日程が決まったら、最優先で予定を確保しましょう。
Q. 技術士二次試験は独学で合格できますか?
技術士二次試験は独学でも合格可能です。実際に、多くの合格者が独学で合格しています。過去問の分析、参考書での学習、論文作成の練習を繰り返すことで、十分に合格レベルに到達できます。
ただし、独学には限界もあります。特に論文添削は自己評価が難しく、客観的なフィードバックを得ることが困難です。通信講座や予備校の論文添削サービスを利用することで、効率的に論文作成力を向上させることができます。
独学で合格を目指す場合は、技術士二次試験の勉強法や技術士二次試験の過去問活用法を参考に、計画的な学習を進めてください。学習仲間を作り、互いに論文を添削し合うことも効果的な学習方法です。
Q. 技術士二次試験に不合格の場合、翌年も受験できますか?
技術士二次試験に不合格となった場合でも、翌年以降に再度受験することができます。受験回数に制限はなく、合格するまで何度でも挑戦できます。ただし、毎回受験申込と受験手数料の支払いが必要です。
筆記試験に不合格だった場合、翌年は再び筆記試験から受験します。口頭試験まで進んだものの口頭試験で不合格となった場合も、翌年は筆記試験から受け直す必要があります。筆記試験の合格は次年度に繰り越されないため、毎年完全に新しい挑戦となります。
不合格となった場合は、試験結果を分析し、弱点を克服することが重要です。特に筆記試験で不合格となった場合は、論文作成力の向上に重点を置いた学習が必要です。合格するまで諦めずに挑戦を続けることで、最終的には合格できるでしょう。
Q. 技術士二次試験の口頭試験の合格率が高いのはなぜですか?
技術士二次試験の口頭試験の合格率が約60-80%と高い理由は、筆記試験を通過した受験者がすでに一定の実力を持っているためです。筆記試験で技術的な知識と応用力が評価されているため、口頭試験では主に技術士としての適格性の確認が行われます。
口頭試験では、技術者倫理や継続研鑽の姿勢、コミュニケーション能力などが評価されます。これらは筆記試験では測りきれない資質ですが、技術士として必要な基本的な資質です。筆記試験合格者の多くは、これらの資質も十分に持っていると考えられます。
ただし、合格率が高いからといって油断は禁物です。準備不足で口頭試験に臨むと、適切な回答ができずに不合格となる可能性があります。業務経歴票の内容を十分に復習し、技術者倫理についても理解を深めておくことが重要です。技術士口頭試験の対策方法で詳しい対策を解説しています。
Q. 技術士二次試験合格後はすぐに技術士を名乗れますか?
技術士二次試験に合格しただけでは、すぐに技術士を名乗ることはできません。合格後に技術士登録の手続きを行い、正式に技術士として登録されて初めて、技術士の称号を使用できるようになります。
技術士登録には、登録免許税30,000円と登録手数料8,000円が必要です。登録申請は合格発表後に行い、審査を経て登録証が交付されます。登録証が交付された日から、名刺や履歴書に技術士の称号を記載できるようになります。
技術士登録後は、日本技術士会への入会も検討してください。入会は任意ですが、技術士会を通じて継続研鑽の機会や技術士同士のネットワークを得ることができます。技術士として継続的に成長し、社会に貢献していくための重要な場となります。
まとめ:技術士二次試験の制度を理解して合格を目指す
本記事では、技術士二次試験の制度と内容について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 技術士二次試験は筆記試験と口頭試験の2段階構成:筆記試験は記述式で必須科目と選択科目があり、論文作成力が求められます。筆記試験合格後に面接形式の口頭試験を受験し、両方に合格して初めて技術士試験の最終合格となります。受験資格には一次試験合格(修習技術者資格)と実務経験が必要です。
- 受験資格には実務経験年数の要件がある:技術士補登録をしている場合は4年以上、登録していない場合は7年以上の実務経験が必要です。大学院での研究経歴も一定の条件下で算入できます。業務経歴票は受験申込時に提出が必要で、口頭試験の質問のベースとなる重要な書類です。
- 計画的な学習と論文作成力の向上が合格の鍵:合格率は約10-15%と難関試験ですが、適切な準備により合格は十分可能です。過去問の分析と論文作成の反復練習を行い、技術士に求められるコンピテンシーを意識した学習が重要です。筆記試験が最大の難関となるため、十分な学習時間を確保しましょう。
技術士二次試験の制度を理解できたら、次は具体的な学習計画の立案と対策を始めましょう。技術士二次試験の勉強法と技術士二次試験の過去問活用法を参考に、計画的に準備を進めることをおすすめします。また、技術士口頭試験の対策方法も確認して、筆記試験後の準備にも備えておきましょう。
本記事を通じて、技術士二次試験の全体像と具体的な準備方法を理解いただけたはずです。技術士資格は科学技術分野における最高峰の国家資格であり、取得することで専門家としての信頼性と社会的地位が大きく向上します。この情報を活用して、技術士二次試験合格に向けて着実に準備を進め、技術士としてのキャリアを実現しましょう。
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