技術士試験について調べているあなたへ。「技術士試験とは何か」「どのような流れで受験するのか」という疑問は、試験制度の全体像を理解することで解決できます。本記事では、技術士試験の基本的な仕組み、一次試験と二次試験の違い、受験から登録までの流れについて、最新のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、技術士資格取得に向けて、具体的な準備を始めましょう。
この記事を読むとわかること
- 技術士試験の基本的な制度と2段階の試験構成
- 一次試験と二次試験それぞれの試験内容と特徴
- 受験資格から登録までの具体的な流れとスケジュール
- 合格率や難易度、部門選択の重要なポイント
押さえておきたい3つのポイント
- 技術士試験は一次試験と二次試験の2段階制:一次試験では基礎的な知識が問われ、合格すると修習技術者(技術士補)の資格が得られます。その後、実務経験を積んでから二次試験に挑戦し、合格すると技術士として登録できる仕組みです。
- 21の技術部門から選択して受験:技術士試験は機械、電気電子、情報工学、土木など21の技術部門ごとに実施されます。自分の専門分野や業務内容に合わせた部門を選ぶことで、実務経験を活かした受験が可能です。
- 一次試験は誰でも受験可能、二次試験には実務経験が必要:一次試験には受験資格の制限がなく、学歴や実務経験を問わず誰でも受験できます。一方、二次試験は原則として4年以上の実務経験が必要となり、より高度な技術力と実践的な思考力が求められます。
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技術士試験とは何か
技術士試験は、科学技術分野における最高峰の国家資格を取得するための試験です。単なる知識の確認ではなく、技術者としての実践的な能力と倫理観を総合的に評価する試験制度となっています。
技術者のキャリアアップや社会的信頼の獲得において、技術士資格は大きな価値を持ちます。公共事業への入札資格や技術的判断を行う際の権限など、資格保有者には法的な裏付けのある地位が与えられます。試験を理解する第一歩として、その制度的な位置づけから見ていきましょう。
技術士試験は文部科学省所管の国家試験
技術士試験は文部科学省が所管する国家資格試験です。技術士法に基づいて実施され、試験の運営は公益社団法人日本技術士会が担当しています。国が認定する資格であるため、その社会的信頼性は非常に高く、技術者としての専門性を証明する強力な証となります。
文部科学大臣による登録制度により、技術士として活動するには試験合格後の登録手続きが必要です。登録を完了することで、技術士の名称を使用し、専門分野における技術的判断の権限を持つことができます。
国際的にも、技術士資格はAPEC(アジア太平洋経済協力)エンジニアやIPEA(国際エンジニア)の基礎資格として認められています。これにより、国内だけでなく国際的な技術プロジェクトでも活躍の場が広がります。
技術士試験は一次試験と二次試験の2段階制
技術士試験の最大の特徴は、一次試験と二次試験の2段階で構成されている点です。まず一次試験で基礎的な知識を確認し、合格者は修習技術者(技術士補)として登録できます。その後、実務経験を積んでから二次試験に挑戦し、合格すると正式な技術士として認定される仕組みです。
一次試験は主に択一式の筆記試験で、基礎科目、適性科目、専門科目の3科目で構成されます。科学技術全般の基礎知識、技術者倫理、選択した部門の専門知識が問われます。合格率は年度によって変動しますが、概ね30〜50%程度で推移しています。
二次試験は記述式の筆記試験と口頭試験で構成され、実務経験に基づいた問題解決能力や技術的判断力が評価されます。単なる知識の暗記ではなく、実際の業務で直面する課題に対する考え方や解決策を論理的に説明する能力が求められるため、一次試験よりも難易度が高くなっています。
技術士試験は21の技術部門ごとに実施
技術士試験は、機械、電気電子、建設、情報工学など21の技術部門に分かれて実施されます。各部門は日本の産業構造を反映した分野設定となっており、受験者は自分の専門分野や業務内容に最も近い部門を選択して受験します。
主要な部門には、機械部門、電気電子部門、建設部門、上下水道部門、衛生工学部門、農業部門、森林部門、水産部門、経営工学部門、情報工学部門、応用理学部門、生物工学部門、環境部門、原子力・放射線部門、総合技術監理部門などがあります。それぞれの部門でさらに細かい選択科目が設定されており、より専門的な知識が問われます。
部門選択は合格後のキャリアにも影響します。取得した技術士資格は特定の部門に紐づいているため、自分が今後活躍したい分野や、現在の業務で必要とされる専門性を考慮して選ぶことが重要です。複数の部門で技術士資格を取得することも可能ですが、それぞれの部門で改めて二次試験に合格する必要があります。
技術士とは何かについて、より詳しい基本情報を知りたい方は、資格の仕事内容や取得メリットについて解説した記事も参考にしてください。
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技術士試験の全体の流れ
技術士として登録するまでには、いくつかのステップを踏む必要があります。一次試験の受験から始まり、合格後の実務経験期間を経て、二次試験に挑戦し、最終的に登録手続きを完了するまでの一連の流れを理解することで、長期的な学習計画を立てることができます。
多くの受験者が数年かけて技術士資格を取得しています。特に二次試験の受験資格として実務経験が必要なため、一次試験合格後も継続的にキャリアを積みながら準備を進めることになります。ここでは、受験から登録までの具体的な流れと、各段階で必要な期間について詳しく見ていきましょう。
技術士試験から登録までのステップ
技術士として活動するまでには、以下のステップを順番に進む必要があります。まず一次試験に合格すると、修習技術者(技術士補)として登録する資格が得られます。この段階では、技術士補として名刺に記載したり、補助的な技術業務を担当したりできます。
次に、指導技術士の下での実務経験または7年以上の実務経験を積みます。この期間は、技術者としての専門性を高め、二次試験で問われる実践的な能力を身につける重要な時期です。実務経験の内容は、二次試験の筆記試験で業務経歴票として提出し、口頭試験でも詳しく質問されます。
実務経験要件を満たしたら、二次試験に出願します。二次試験は筆記試験と口頭試験の2段階で実施され、両方に合格すると技術士試験合格者となります。合格後は文部科学省への登録申請を行い、登録が完了することで、正式に技術士として活動できるようになります。
技術士一次試験合格後の実務経験期間
一次試験に合格した後、二次試験を受験するためには実務経験が必要です。最も一般的なルートは、技術士補として登録し、指導技術士(既に技術士資格を持つ技術者)の下で4年以上の実務経験を積む方法です。この場合、指導技術士の指導記録や推薦状が必要になります。
指導技術士がいない環境で働いている場合は、監督技術者の下で4年以上の実務経験を積むことでも受験資格を得られます。監督技術者は必ずしも技術士である必要はなく、職場の上司や先輩エンジニアが該当します。実務経験の内容が、選択した技術部門に関連していることが重要です。
また、一次試験に合格せずに7年以上の実務経験を持っている場合も、二次試験の受験資格が認められます。このルートは、長年の実務経験を持つベテラン技術者が選択することが多く、一次試験の基礎的な内容をスキップして、直接二次試験に挑戦できる利点があります。
技術士二次試験合格後の登録手続き
二次試験に合格したら、速やかに文部科学省への登録手続きを行います。登録申請には、合格証明書、登録申請書、写真、登録免許税(30,000円)などが必要です。申請書類は日本技術士会のウェブサイトからダウンロードできます。
登録手続きが完了すると、技術士登録証が交付されます。この登録証により、正式に技術士の名称を使用できるようになり、技術的判断を行う権限が与えられます。技術士登録は一度行えば更新の必要がなく、生涯有効な資格となります。
登録後は、日本技術士会への入会も検討できます。技術士会は任意加入ですが、継続的な研鑽(CPD:継続的専門能力開発)の機会や、他の技術士とのネットワーク構築の場を提供しています。技術士としての専門性を維持・向上させるために、多くの技術士が技術士会の活動に参加しています。
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技術士一次試験の試験内容
一次試験は、技術士試験の第一段階として基礎的な知識を問う試験です。択一式(マークシート方式)で実施され、基礎科目、適性科目、専門科目の3科目で構成されています。幅広い科学技術の基礎知識と、技術者としての倫理観、そして選択した部門の専門知識がバランスよく評価されます。
試験時間は合計で約5時間に及び、1日で全科目を受験します。午前中に基礎科目と適性科目、午後に専門科目という流れで実施されるため、集中力と体調管理も合格の重要な要素となります。それぞれの科目の特徴と出題内容を理解することで、効率的な学習計画を立てることができます。
技術士一次試験の基礎科目とは
基礎科目は、科学技術全般に関する基礎的な知識を問う科目です。設計・計画、情報・論理、解析、材料・化学・バイオ、環境・エネルギー・技術の5つの分野から出題されます。各分野から6問ずつ、計30問が出題され、15問以上の正解で合格となります。
この科目では、特定の専門分野に偏らない幅広い知識が求められます。例えば、機械部門を選択する受験者であっても、電気や化学、環境などの基礎知識も必要です。そのため、理工系大学の一般教養レベルの内容を復習することが効果的な対策となります。
出題される問題は、計算問題と知識問題がバランスよく配分されています。計算問題では基本的な数式や物理法則の理解が、知識問題では科学技術に関する一般的な理解が問われます。過去問を解くことで、出題傾向や難易度を把握できます。
技術士一次試験の適性科目とは
適性科目は、技術者としての倫理や職業倫理に関する理解を問う科目です。技術士法、技術者倫理、安全管理、品質管理、環境保全などの分野から15問が出題され、9問以上の正解で合格となります。他の科目と比べて出題数は少ないものの、技術者として社会的責任を果たすための重要な知識が問われます。
この科目の特徴は、正解が明確な知識問題だけでなく、状況判断や倫理的な判断を求める問題も含まれる点です。例えば、「技術者として適切な行動はどれか」といった形式の問題では、技術士法の理念や技術者倫理の原則を理解していることが求められます。
対策としては、技術士法の条文や技術士倫理綱領を読み込むことが基本となります。日本技術士会が公開している倫理に関する資料や、過去問を通じて、技術者としての望ましい行動規範を理解することが重要です。暗記だけでなく、実際の業務場面を想定した判断力を養うことが合格への近道となります。
技術士一次試験の専門科目とは
専門科目は、選択した技術部門に関する専門知識を問う科目です。機械、電気電子、建設など、21の技術部門それぞれに対応した問題が用意されており、各部門から35問が出題され、25問以上の正解で合格となります。この科目が一次試験の中で最も配点が高く、合否を大きく左右します。
専門科目の出題範囲は、選択した部門によって大きく異なります。例えば機械部門では、材料力学、熱力学、流体力学、機械設計などの基礎から応用までが問われます。電気電子部門では、電気回路、電子回路、電磁気学、制御工学などが出題されます。自分が選択する部門の出題範囲を確認し、重点的に学習する分野を決めることが重要です。
専門科目の難易度は、大学の専門課程レベルとされています。そのため、大学で学んだ内容を復習することが基本的な対策となります。実務経験がある場合は、日常業務で使っている知識と結びつけることで、理解が深まりやすくなります。市販の参考書や過去問題集を活用し、繰り返し問題を解くことで、確実な得点力を身につけることができます。
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技術士一次試験の受験資格と日程
一次試験の大きな特徴の一つは、受験資格に制限がないことです。学歴、年齢、実務経験を問わず、誰でも受験できる開かれた試験制度となっています。これにより、技術系の学生から社会人まで、幅広い層が挑戦できます。
試験は年に1回実施され、申し込みから合格発表までには約半年の期間があります。計画的に準備を進めるためには、試験日程を早めに確認し、逆算して学習計画を立てることが重要です。ここでは、受験資格の詳細と、年間スケジュールについて解説します。
技術士一次試験には受験資格がない
技術士一次試験の最大の特徴は、受験資格に一切の制限がない点です。年齢、学歴、実務経験を問わず、誰でも受験できます。高校生でも大学生でも、文系学部出身者でも、技術系の仕事に就いていない人でも、受験することが可能です。
この開放的な受験資格により、技術に興味がある人なら誰でも技術士への道を目指すことができます。実際に、大学在学中に一次試験に合格し、卒業後の実務経験を経て二次試験に挑戦する人も多くいます。早期に一次試験をクリアしておくことで、技術士資格取得までの期間を短縮できます。
ただし、受験資格がないからといって簡単な試験というわけではありません。合格するためには、科学技術の基礎知識と専門知識をしっかりと身につける必要があります。独学での合格も十分可能ですが、計画的な学習と十分な準備期間を確保することが成功の鍵となります。
技術士一次試験の実施日程とスケジュール
技術士一次試験は、毎年11月下旬から12月上旬の日曜日に実施されます。年に1回のみの実施となるため、受験機会を逃さないよう、早めにスケジュールを確認しておくことが重要です。受験案内は例年6月下旬から7月上旬に公開され、受験申込期間は6月下旬から7月上旬の約2週間に設定されています。
申込期間は比較的短いため、受験を決めたら早めに準備を始める必要があります。申込方法は、郵送とインターネット出願の2種類があり、インターネット出願の方が手続きが簡便です。受験料は11,000円(非課税)で、申込時に支払います。
合格発表は翌年の2月下旬から3月上旬に行われます。試験実施から合格発表までは約3〜4か月かかるため、その間に次のステップ(技術士補登録や二次試験の準備)について情報収集しておくと良いでしょう。合格者には合格証が郵送され、日本技術士会のウェブサイトでも合格者番号が公開されます。
技術士一次試験の試験地と試験会場
一次試験は、全国11都市(札幌、仙台、東京、新潟、名古屋、大阪、広島、高松、福岡、那覇、北海道北見市)で実施されます。受験者数の多い都市部では複数の会場が設定されることもあり、申込時に希望する試験地を選択できます。
試験会場の詳細は、受験票に記載されて通知されます。受験票は試験日の約2週間前に発送されるため、届いたらすぐに会場の場所を確認し、事前に交通手段やアクセス方法を調べておくことをおすすめします。試験当日は朝早くから実施されるため、前泊が必要な場合は早めに宿泊先を確保しましょう。
会場は大学や公共施設が使用されることが多く、通常は机と椅子が用意された教室形式です。試験時間は午前9時30分頃から午後16時頃までと長時間に及ぶため、昼食や飲み物を持参する必要があります。また、冷暖房の効き具合に備えて、調整しやすい服装で臨むことが推奨されます。
技術士二次試験の試験内容
二次試験は、技術士試験の最終段階として実施される高度な試験です。一次試験とは異なり、記述式の筆記試験と対面の口頭試験で構成され、技術者としての実践的な能力と問題解決力が評価されます。単なる知識の確認ではなく、実務経験に基づいた技術的判断力や論理的思考力が問われるため、十分な準備と対策が必要です。
二次試験の難易度は一次試験よりも格段に高く、合格率は10%前後と低い水準にあります。しかし、適切な準備と対策を行うことで、合格の可能性を高めることができます。ここでは、筆記試験と口頭試験それぞれの特徴と、求められる能力について詳しく見ていきましょう。
技術士二次試験の筆記試験とは
二次試験の筆記試験は、記述式で実施される論述試験です。問題用紙と解答用紙が配布され、指定された時間内に手書きで解答を作成します。パソコンでの解答は認められず、鉛筆またはシャープペンシルを使用して、論理的で読みやすい文章を書く必要があります。
筆記試験では、技術的な課題に対する問題分析力、解決策の立案能力、そしてそれらを明確に説明する表現力が評価されます。出題される問題は実務に即した内容が多く、受験者の実務経験や専門知識を活かして回答することが求められます。単に知識を羅列するのではなく、課題の本質を捉え、実現可能な解決策を提示する能力が重要です。
文字数は問題によって異なりますが、通常は600字から2000字程度の論述が求められます。限られた時間内で、要点を押さえた簡潔で論理的な文章を書く訓練が必要です。過去問を使った演習や、添削指導を受けることで、合格レベルの答案作成能力を身につけることができます。
技術士二次試験の必須科目と選択科目
二次試験の筆記試験は、必須科目と選択科目で構成されています。必須科目では、選択した技術部門全体に共通する課題について、総合的な技術力と応用能力が問われます。出題内容は広範囲にわたり、部門全体を俯瞰した視点と、最新の技術動向への理解が必要です。
選択科目では、部門内のより専門的な分野について、深い知識と実務能力が評価されます。例えば機械部門では、機械設計、材料強度、熱・動力エネルギー機器など複数の選択科目があり、その中から自分の専門に最も近い科目を選択します。選択科目の問題は、実務での経験を直接活かせる内容が多く、日常業務で培った知識やスキルが大きな強みとなります。
必須科目と選択科目の両方で合格基準を満たす必要があります。それぞれの科目で60%以上の得点が必要とされており、どちらか一方でも基準に達しないと不合格となります。バランスよく準備を進めることが重要です。
技術士二次試験の口頭試験とは
筆記試験に合格すると、最終関門として口頭試験が実施されます。口頭試験は、試験官2〜3名と受験者1名で行われる面接形式の試験で、通常20分程度の時間が設定されています。提出した業務経歴票に基づいて、実務経験の内容や技術的判断の根拠、技術士としての適性などが質問されます。
口頭試験では、コミュニケーション能力と技術者倫理も評価されます。自分の業務内容を分かりやすく説明できるか、技術的な質問に対して論理的に回答できるか、そして技術士としての責任感や倫理観を持っているかが確認されます。緊張する場面ですが、落ち着いて自分の言葉で説明することが大切です。
口頭試験の合格率は、筆記試験通過者のうち約80〜90%と比較的高くなっています。しかし、油断は禁物です。業務経歴の内容を正確に把握し、想定される質問に対する回答を事前に準備しておくことで、自信を持って試験に臨むことができます。模擬面接や技術士仲間との練習も効果的な対策となります。
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技術士二次試験の受験資格
二次試験を受験するためには、一定の実務経験が必要です。この実務経験要件は、技術者としての実践的な能力を担保するための重要な条件となっています。一次試験とは異なり、誰でも受験できるわけではなく、技術者としてのキャリアを積んだ人だけが挑戦できる仕組みです。
受験資格には複数のルートがあり、自分の経歴に合った方法を選択できます。多くの受験者は一次試験合格後に実務経験を積むルートを選びますが、長年の実務経験を持つベテラン技術者向けのルートも用意されています。ここでは、主な3つの受験資格について詳しく解説します。
技術士補として4年の実務経験
最も一般的な受験資格ルートは、技術士補として登録し、指導技術士の下で4年以上の実務経験を積む方法です。一次試験に合格すると技術士補として登録する資格が得られ、登録後は指導技術士の監督のもとで技術業務に従事できます。
指導技術士とは、既に技術士資格を持ち、文部科学大臣に指導技術士として登録している技術者のことです。指導技術士の下で4年以上実務経験を積むことで、技術士として必要な実践的スキルと判断力を養うことができます。この期間中、指導技術士は技術士補の業務を監督し、必要に応じて技術的な指導や助言を行います。
実務経験の内容は、選択する技術部門に関連したものである必要があります。例えば機械部門で受験する場合は、機械設計、製造、保守などの業務経験が該当します。日常業務の中で担当したプロジェクトや課題解決の経験が、二次試験の筆記試験や口頭試験で直接問われるため、実務経験を意識的に記録しておくことが重要です。
監督者の下で4年の実務経験
指導技術士が身近にいない環境で働いている場合でも、監督技術者の下で4年以上の実務経験を積むことで受験資格を得られます。監督技術者は必ずしも技術士である必要はなく、職場の上司や先輩エンジニアが該当します。この柔軟な制度により、多くの技術者が二次試験に挑戦できるようになっています。
監督技術者は、受験者の業務を直接監督し、技術的な指導を行う立場にある人である必要があります。組織図上の上司であることが多いですが、プロジェクトリーダーやチームリーダーなど、実質的に業務を監督している人でも構いません。重要なのは、実際の業務において技術的な指導や助言を受けていることです。
実務経験の証明には、監督技術者による確認が必要となります。二次試験の出願時に提出する業務経歴票には、監督技術者の氏名や所属、連絡先などを記載します。場合によっては、監督技術者への照会が行われることもあるため、事前に監督技術者と実務経験の内容について確認しておくことが重要です。
7年を超える実務経験
一次試験に合格していなくても、7年を超える実務経験があれば二次試験の受験資格が認められます。このルートは、長年の実務経験を持つベテラン技術者が一次試験をスキップして直接二次試験に挑戦できる制度です。実務経験を通じて十分な技術力を身につけていると判断される場合に適用されます。
7年という期間は、大学卒業後に就職してから相当の経験を積んだ技術者を想定した基準です。この期間中に、複数のプロジェクトを担当し、技術的な課題解決の経験を豊富に積んでいることが求められます。単に7年以上働いているだけでなく、技術部門に関連する専門的な業務に従事していることが条件となります。
このルートを選択する場合も、実務経験の詳細を業務経歴票に記載する必要があります。担当したプロジェクトの概要、自分の役割、直面した技術的課題と解決方法などを具体的に説明できるよう準備しておくことが重要です。実務経験が豊富であることは大きな強みですが、試験対策としての論述力や表現力も必要となるため、過去問を使った演習は欠かせません。
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技術士試験の受験資格|一次試験・二次試験の要件を解説
技術士二次試験の日程とスケジュール
二次試験は一次試験とは異なり、筆記試験と口頭試験が別々の時期に実施されます。申し込みから最終合格まで約1年近くかかるため、長期的な視野を持って準備を進める必要があります。特に筆記試験の準備には十分な時間を確保し、計画的に学習を進めることが重要です。
年間を通じたスケジュールを把握することで、いつ何をすべきかが明確になります。試験勉強だけでなく、実務との両立や家族との時間も考慮しながら、無理のない計画を立てることが長続きの秘訣です。ここでは、二次試験の年間スケジュールと各段階のポイントを詳しく解説します。
技術士二次試験の年間スケジュール
技術士二次試験の年間スケジュールは、おおむね以下の流れで進みます。まず4月上旬に受験案内が公開され、受験を検討する人はこの時点で詳細な情報を確認できます。受験申込期間は4月中旬から下旬の約2週間で、この期間内に必要書類を準備して申し込む必要があります。
筆記試験は7月中旬から下旬の日曜日に実施されます。試験時間は1日で、午前と午後に分けて必須科目と選択科目の試験が行われます。筆記試験の合格発表は10月下旬から11月上旬で、合格者には口頭試験の案内が送付されます。
口頭試験は12月上旬から翌年1月中旬にかけて実施されます。受験者ごとに日時が指定され、通常は平日に行われるため、仕事の調整が必要です。最終合格発表は翌年3月上旬で、合格者には合格証が送付され、登録手続きに進むことができます。
技術士二次試験の申し込み期間
二次試験の申し込み期間は、例年4月中旬から下旬の約2週間です。この期間内に、受験申込書、業務経歴票、写真などの必要書類を準備して提出する必要があります。申し込み方法は郵送とインターネット出願の2種類があり、インターネット出願の方が便利ですが、業務経歴票は別途郵送が必要な場合もあります。
業務経歴票は二次試験で最も重要な書類の一つです。これまでの実務経験を詳細に記載する必要があり、口頭試験ではこの内容に基づいて質問されます。業務経歴の記載には十分な時間をかけ、担当したプロジェクトの概要、自分の役割、技術的な工夫や成果などを具体的に説明できるようにしておきましょう。
受験料は14,000円(非課税)で、申込時に支払います。申し込み期間は短いため、早めに準備を始めることが重要です。特に業務経歴票の作成には時間がかかるため、受験を決めたら1か月以上前から準備を始めることをおすすめします。
技術士二次試験の筆記試験と口頭試験の実施時期
筆記試験は7月中旬から下旬の日曜日に実施されます。試験会場は全国主要都市に設定され、受験者は申込時に希望する試験地を選択できます。試験時間は午前9時30分頃から午後16時30分頃までと長時間に及び、途中で昼休憩が設けられます。必須科目と選択科目を1日で受験するため、集中力と体調管理が重要です。
筆記試験の合格発表は10月下旬から11月上旬に行われます。合格者には口頭試験の案内が送付され、受験日時と会場が指定されます。口頭試験は12月上旬から翌年1月中旬にかけて、平日に実施されることが多いため、仕事の調整が必要です。
口頭試験の会場は東京、大阪、福岡など主要都市に設定されます。試験時間は20分程度ですが、待ち時間を含めると半日から1日かかることがあります。遠方から受験する場合は、前泊や交通手段の確保を早めに行いましょう。最終合格発表は翌年3月上旬で、約1年にわたる長い受験期間がようやく終わります。
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技術士試験の合格率と難易度
技術士試験の難易度を理解するうえで、合格率は重要な指標となります。一次試験と二次試験では合格率が大きく異なり、それぞれの試験が求める能力の違いを反映しています。また、技術部門によっても合格率に差があるため、自分が選択する部門の傾向を把握しておくことが重要です。
合格率だけを見て難易度を判断するのは適切ではありませんが、どの程度の準備が必要かを推測する材料にはなります。ここでは、一次試験と二次試験それぞれの合格率と、部門別の傾向について詳しく見ていきましょう。
技術士一次試験の合格率は30〜50%
技術士一次試験の合格率は、年度によって変動しますが、概ね30〜50%の範囲で推移しています。2023年度の合格率は47.3%で、約半数の受験者が合格しています。この数字だけ見ると比較的合格しやすい試験に思えますが、しっかりとした準備なしでは合格は難しいでしょう。
合格率が年度によって変動する理由は、問題の難易度や受験者層の変化が影響しています。近年は工業系の大学生が在学中に受験するケースが増えており、基礎知識が新しいうちに受験することで合格率が向上している傾向があります。一方、社会人で長年技術業務から離れている人は、基礎科目の対策に苦戦することが多いようです。
一次試験は択一式のため、過去問を繰り返し解くことで出題傾向を掴むことができます。基礎科目、適性科目、専門科目それぞれの合格基準をクリアする必要がありますが、特に専門科目の配点が高いため、選択した部門の専門知識をしっかり身につけることが合格への近道です。
技術士二次試験の合格率は10%前後
技術士二次試験の合格率は、一次試験よりも格段に低く、例年10%前後で推移しています。2023年度の総合合格率は約11%で、筆記試験の合格率が約12%、口頭試験の合格率が筆記試験合格者の約90%という結果でした。この数字からも、二次試験の難関性が分かります。
二次試験の合格率が低い理由は、記述式の論述試験という形式と、求められる能力の高さにあります。単なる知識ではなく、実務経験に基づいた問題分析力、解決策の立案能力、そしてそれらを論理的に説明する表現力が必要です。多くの受験者が初回の受験では不合格となり、複数回の挑戦を経て合格を勝ち取っています。
ただし、合格率が低いからといって諦める必要はありません。適切な対策を行い、十分な準備期間を確保すれば、合格の可能性は十分にあります。技術士二次試験の勉強法を参考に、計画的に準備を進めることが重要です。過去問の研究、論文添削、模擬面接など、様々な対策を組み合わせることで、合格に近づくことができます。
技術士試験の部門別合格率の違い
技術士試験の合格率は、技術部門によって違いがあります。一般的に、受験者数が多い主要部門(機械、電気電子、建設、上下水道など)は合格率が比較的安定していますが、受験者数が少ない部門では年度によって合格率が大きく変動することがあります。
一次試験では、部門による合格率の差は比較的小さく、どの部門でも30〜50%程度の範囲内に収まっています。これは、一次試験が基礎的な知識を問う択一式試験であり、部門による難易度の違いが出にくいためです。ただし、専門科目の出題範囲や難易度は部門ごとに異なるため、自分が選択する部門の過去問を確認しておくことが重要です。
二次試験では、部門による合格率の違いがより顕著になります。例年、建設部門や上下水道部門は合格率が比較的高く、機械部門や情報工学部門は合格率が低い傾向にあります。ただし、これは部門の難易度だけでなく、受験者層や出題傾向の違いも影響しています。自分が選択する部門の特性を理解し、その部門に特化した対策を行うことが合格への鍵となります。
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技術士試験の難易度|他資格との比較と合格への道筋
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技術士試験の合格率推移と一次・二次試験の傾向分析
技術士試験の免除制度
技術士試験には、一定の条件を満たすことで一部の試験科目が免除される制度があります。この免除制度を活用することで、受験の負担を軽減し、より効率的に資格取得を目指すことができます。特に一次試験の免除制度は多くの受験者に関係する重要な制度です。
免除制度は、技術者教育の質を保証する大学課程の修了者や、他の国家資格保有者などを対象としています。自分が免除対象に該当するかを確認することで、受験戦略を立てる際の選択肢が広がります。ここでは、主な免除制度について詳しく解説します。
技術士一次試験の免除制度(JABEE認定課程)
技術士一次試験の免除制度で最も広く知られているのが、JABEE(日本技術者教育認定機構)認定課程の修了者に対する免除です。JABEEは、大学などの技術者教育プログラムが国際的な水準を満たしているかを審査・認定する機関で、JABEE認定課程を修了した人は、技術士一次試験が全科目免除されます。
JABEE認定課程は、主に工学系の大学・大学院に設置されています。認定されているプログラムは、JABEE公式ウェブサイトで確認できます。自分が卒業した大学・学部がJABEE認定を受けている場合、卒業時にJABEE修了証が発行されているはずです。この証明書があれば、一次試験を受けることなく、直接二次試験の受験資格(実務経験要件を満たす必要あり)を得られます。
JABEE認定課程修了者は、修習技術者(技術士補)として登録することもできます。一次試験の準備期間を省略できるため、より早く技術士資格取得を目指すことが可能です。ただし、JABEE認定は課程単位で行われるため、同じ大学でも学部や学科によって認定の有無が異なります。
技術士二次試験の選択科目免除
技術士二次試験にも免除制度が存在します。既に別の技術部門で技術士資格を取得している人が、新たに別の部門で受験する場合、選択科目の筆記試験が免除されます。この制度により、複数の技術部門で技術士資格を取得しやすくなっています。
この免除を受けるためには、既に技術士として登録されている必要があります。例えば、機械部門で技術士資格を取得した人が、その後電気電子部門でも受験する場合、電気電子部門の選択科目が免除され、必須科目のみの受験で済みます。ただし、口頭試験は必ず受ける必要があります。
複数部門での資格取得は、技術者としての専門性の幅を広げる有効な手段です。近年は技術の融合が進んでおり、複数の専門分野にまたがる知識が求められる場面が増えています。既に一つの部門で技術士資格を持っている人は、この免除制度を活用して、さらなるキャリアアップを目指すことができます。
技術士試験の他資格による免除
一部の国家資格や公的資格の保有者にも、技術士試験の免除が認められることがあります。例えば、弁理士試験の理工系の選択科目合格者は、技術士一次試験の専門科目が免除されます。また、技術士補として登録されている人は、当然ながら一次試験が全科目免除されます。
他にも、特定の国家資格と技術士試験の関連性により、個別に免除が認められるケースがあります。ただし、免除制度は頻繁に変更されることがあるため、受験を検討する際は、最新の受験案内や日本技術士会の公式情報を確認することが重要です。
免除制度の適用を受けるためには、証明書類の提出が必要です。受験申込時に、該当する資格の合格証明書や修了証明書のコピーを添付します。免除が認められると、該当する科目の受験が不要となり、受験料も減額される場合があります。免除対象に該当するかを早めに確認し、適切に申請することで、効率的に技術士資格取得を目指すことができます。
技術士一次試験の免除制度に関してもっと詳しい記事はこちら
技術士一次試験の免除制度とは?対象者・申請方法を解説
技術士試験の申し込み方法
技術士試験を受験するためには、定められた期間内に正しい手続きで申し込む必要があります。申し込み方法には郵送とインターネット出願の2種類があり、それぞれにメリットと注意点があります。申し込み期間は限られているため、余裕を持って準備を始めることが重要です。
申し込みには受験申込書の他に、写真や実務経験証明書など複数の書類が必要となります。特に二次試験の業務経歴票は作成に時間がかかるため、早めに準備を始めることをおすすめします。ここでは、郵送とWEB申し込みの手順と、必要書類について詳しく解説します。
技術士試験の郵送申し込みの手順
郵送申し込みは、従来からある申し込み方法です。まず日本技術士会の公式ウェブサイトから受験案内と受験申込書をダウンロードするか、郵送で取り寄せます。受験申込書に必要事項を記入し、写真を貼付し、受験料の払込証明書と一緒に封筒に入れて簡易書留で郵送します。
郵送申し込みの場合、受験料の支払いは事前に銀行または郵便局で行います。払込票は受験案内に同封されており、窓口で支払いを済ませると払込受領証が発行されます。この受領証のコピーを受験申込書と一緒に郵送する必要があります。
郵送申し込みの締切は、消印有効の日付で決まります。郵便の配達に時間がかかることを考慮し、締切日の数日前には投函することをおすすめします。また、簡易書留で送ることで、確実に届いたことを確認できます。申し込み後は、受験票が郵送されてくるまで待ちます。受験票は試験日の約2〜3週間前に発送されます。
技術士試験のWEB申し込みの手順
インターネット出願は、近年多くの受験者が利用している便利な方法です。日本技術士会の公式ウェブサイトから専用の申し込みページにアクセスし、必要事項を入力します。受験料の支払いはクレジットカードまたはコンビニエンスストア払いが選択でき、支払い確認後に申し込みが完了します。
WEB申し込みのメリットは、24時間いつでも手続きができる点と、入力ミスがあった場合に確認画面で修正できる点です。また、郵送の手間や郵便料金がかからないため、より手軽に申し込むことができます。ただし、写真データのアップロードや、一部の書類は後日郵送が必要な場合があるため、注意が必要です。
WEB申し込みを行う際は、メールアドレスの入力ミスに注意しましょう。確認メールや受験票ダウンロードの案内が届くため、正確なメールアドレスを登録することが重要です。また、申し込み完了後は受付番号が発行されるので、必ず控えておきましょう。受験票は申し込み時に登録したメールアドレスに案内が届き、専用ページからダウンロードできます。
技術士試験の申し込みに必要な書類
一次試験の申し込みに必要な書類は、受験申込書、写真、受験料の払込証明書(郵送の場合)です。写真は最近3か月以内に撮影した証明写真で、サイズは縦4.5cm×横3.5cmです。デジタル写真の場合は、指定された解像度とファイル形式に従ってアップロードします。
二次試験の申し込みには、上記に加えて業務経歴票、実務経験証明書が必要です。業務経歴票は、これまでの技術者としての実務経験を詳細に記載する重要な書類で、口頭試験でもこの内容に基づいて質問されます。実務経験証明書は、勤務先の上司や人事部門に記入・押印してもらう必要があるため、早めに依頼しましょう。
JABEE認定課程修了者や他資格による免除を受ける場合は、それを証明する書類のコピーも必要です。修了証明書や合格証明書など、該当する書類を準備し、申し込み時に提出します。書類に不備があると受験できない場合があるため、受験案内をよく読んで、漏れなく準備することが重要です。
技術士試験に関連するよくある質問(FAQ)
技術士試験について、多くの受験者が同じような疑問を持ちます。ここでは、特に問い合わせの多い質問をまとめ、それぞれに詳しく回答します。受験の検討段階から実際の受験まで、様々な場面で役立つ情報を提供します。
Q. 技術士試験は年に何回実施されますか?
技術士試験は、一次試験・二次試験ともに年に1回のみ実施されます。一次試験は例年11月下旬から12月上旬、二次試験の筆記試験は7月中旬から下旬に実施されます。試験機会が限られているため、不合格の場合は翌年まで待つ必要があります。計画的に準備を進め、一回の受験で合格できるよう十分な対策を行うことが重要です。
Q. 技術士一次試験と二次試験は同時に受験できますか?
技術士一次試験と二次試験を同時に受験することはできません。二次試験を受験するためには、原則として一次試験に合格している必要があります。ただし、7年を超える実務経験を持つ場合は、一次試験を受けずに直接二次試験を受験することが可能です。通常のルートでは、まず一次試験に合格し、その後実務経験を積んでから二次試験に挑戦する流れとなります。
Q. 技術士試験の受験料はいくらですか?
技術士一次試験の受験料は11,000円(非課税)です。技術士二次試験の受験料は14,000円(非課税)となっています。受験料は、申し込み時に支払う必要があり、一度支払った受験料は原則として返還されません。また、不合格の場合でも再受験時には改めて受験料を支払う必要があります。
Q. 技術士試験の合格基準は何点ですか?
技術士一次試験は、各科目で定められた基準点以上を取得する必要があります。基礎科目は30問中15問以上、適性科目は15問中9問以上、専門科目は35問中25問以上の正解が合格基準です。技術士二次試験は、必須科目と選択科目の筆記試験でそれぞれ60%以上の評価を得る必要があります。口頭試験も60%以上の評価で合格となります。絶対評価のため、他の受験者との競争ではなく、自分自身が基準を満たすことが重要です。
Q. 技術士試験に年齢制限はありますか?
技術士試験には年齢制限は一切ありません。一次試験は学歴や実務経験も不要で、誰でも受験できます。二次試験は実務経験が必要ですが、年齢による制限はありません。若い技術者から定年を迎えたベテラン技術者まで、幅広い年齢層の人が受験しています。技術士資格は生涯有効な資格なので、どの年齢で取得しても長く活用できます。
Q. 技術士試験の過去問はどこで入手できますか?
技術士試験の過去問は、日本技術士会の公式ウェブサイトで無料公開されています。最近数年分の問題と解答が掲載されており、誰でもダウンロードできます。また、市販の参考書や問題集にも過去問と詳しい解説が掲載されています。技術士試験の過去問活用法では、過去問の効果的な使い方について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
Q. 技術士試験の合格発表はいつですか?
一次試験の合格発表は、試験実施の翌年2月下旬から3月上旬に行われます。二次試験の筆記試験合格発表は10月下旬から11月上旬、最終合格発表(口頭試験含む)は翌年3月上旬です。合格発表は日本技術士会の公式ウェブサイトで受験番号が公開されるほか、合格者には郵送で合格証が送付されます。技術士試験の合格発表では、合格発表の確認方法について詳しく解説しています。
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まとめ:技術士試験の制度と受験の流れ
本記事では、技術士試験の制度全体について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 技術士試験は一次試験と二次試験の2段階制:一次試験で基礎的な知識を確認し、合格後は実務経験を積んでから二次試験に挑戦します。一次試験は誰でも受験可能ですが、二次試験には原則として4年以上の実務経験が必要です。両方の試験に合格し、登録手続きを完了することで、技術士として活動できるようになります。
- 21の技術部門から自分の専門分野を選択:技術士試験は機械、電気電子、建設、情報工学など21の技術部門に分かれています。自分の専門分野や業務内容、今後のキャリアプランに合わせて部門を選ぶことが重要です。複数の部門で資格を取得することも可能で、技術の幅を広げることができます。
- 試験は年1回のみで計画的な準備が必要:一次試験は11月頃、二次試験は7月頃に年1回実施されます。不合格の場合は翌年まで待つ必要があるため、十分な準備期間を確保して臨むことが重要です。合格率は一次試験が30〜50%、二次試験が10%前後と、特に二次試験は難関です。
技術士試験の全体像を理解できたら、次は技術士になるにはと技術士試験の勉強法を参考に、具体的な学習計画を立てることをおすすめします。また、一次試験と二次試験それぞれの詳細については、専門記事で深く理解を深めることができます。
本記事を通じて、技術士試験の制度、一次試験と二次試験の違い、受験から登録までの流れを理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、技術士資格取得という目標の実現に向けて、着実な一歩を踏み出しましょう。
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