電験2種の試験日程について知りたいあなたへ。「一次試験と二次試験はいつ実施されるのか」「申込期間はいつからいつまでなのか」という疑問は、正確な試験スケジュールを把握することで解決できます。本記事では、電験2種試験の最新日程、申込方法、一次・二次試験それぞれの内容と時間配分、科目合格制度の活用法について、実際の試験データを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、電験2種試験合格に向けて、計画的な学習スケジュールを立てましょう。
この記事を読むとわかること
- 電験2種試験の2025年度最新日程と申込期間
- 一次試験・二次試験それぞれの試験内容と時間配分
- 科目合格制度と一次試験免除制度の活用方法
- 受験料の支払方法と試験当日の持ち物
押さえておきたい3つのポイント
- 電験2種は年1回の実施:一次試験が8月下旬、二次試験が11月中旬に実施され、申込は5月中旬から6月上旬の約3週間のみです。申込期間を逃すと1年待つことになるため、早めの準備が必要です。
- 一次試験と二次試験の2段階選抜:一次試験は4科目のマークシート方式、二次試験は2科目の記述式で、両方に合格して初めて電験2種の資格を取得できます。一次試験合格者は翌年の一次試験が免除されます。
- 科目合格制度で計画的に受験可能:一次試験の科目合格は3年間有効なため、複数年かけて4科目を合格することもできます。働きながら受験する方にとって、この制度を活用した学習計画が合格への近道となります。
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電験2種の試験日程|2025年度(令和7年度)最新情報
電験2種試験は、第二種電気主任技術者の資格を取得するための国家試験です。一次試験と二次試験の2段階で実施され、年に1回のみの実施となるため、試験日程の正確な把握が重要です。
電験2種とは何かを理解したうえで、試験スケジュールを確認していきましょう。
電験2種一次試験の日程(8月下旬)
電験2種の一次試験は、毎年8月下旬の日曜日に実施されます。2025年度(令和7年度)の一次試験は、8月24日(日)に実施される予定です。
一次試験は全国10都道府県の試験地で同時開催され、午前と午後の2部構成で4科目を受験します。試験時間は科目によって異なり、理論・電力・機械が各90分、法規が65分となっています。
一次試験の実施時期が8月下旬に設定されている理由は、受験者の多くが社会人であることを考慮し、夏季休暇を利用して受験できるようにするためです。猛暑の時期となるため、体調管理と試験会場までの移動計画も重要なポイントとなります。
電験2種二次試験の日程(11月中旬)
電験2種の二次試験は、毎年11月中旬の日曜日に実施されます。2025年度(令和7年度)の二次試験は、11月16日(日)に実施される予定です。
二次試験は一次試験合格者のみが受験でき、記述式の試験となります。電力・管理と機械・制御の2科目を受験し、午前に電力・管理(120分)、午後に機械・制御(60分)が実施されます。
一次試験から二次試験までの期間は約2ヶ月半となります。この期間を有効に活用し、記述式試験特有の論述対策と計算問題の練習を集中的に行うことが、二次試験合格の鍵となります。
電験2種試験は年1回実施
電験2種試験は年に1回のみの実施となります。電験3種がCBT方式の導入により上期・下期の年2回実施になったのとは異なり、電験2種は従来通りの筆記試験方式で年1回の実施を継続しています。
年1回の実施であるため、試験日程を逃すと次の受験機会は1年後となってしまいます。申込期間も限られているため、受験を計画している方は早めにスケジュールを確認し、申込手続きを確実に行うことが重要です。
一次試験に不合格となった場合でも、科目合格制度を活用すれば合格した科目は3年間有効となります。二次試験に不合格となった場合は、翌年の一次試験が免除され、二次試験から受験できます。
電験2種の申込期間と申込方法
電験2種試験の申込は、一般財団法人電気技術者試験センターが実施します。申込期間は年によって若干異なりますが、例年5月中旬から6月上旬までの約3週間程度となっています。この期間を逃すと受験できなくなるため、早めの準備が必要です。
申込期間(5月中旬~6月上旬)
2025年度(令和7年度)の電験2種試験申込期間は、5月19日(月)から6月6日(金)までの予定です。申込期間は約3週間と短いため、受験を決めている方は期間開始と同時に申込手続きを進めることをおすすめします。
申込方法はインターネット申込と郵送申込の2種類がありますが、インターネット申込の方が受験料が安く、手続きも簡単です。インターネット申込は24時間受付可能ですが、最終日は午後5時で締め切られます。
郵送申込の場合は、申込期間最終日の消印有効となります。書類の不備や記入漏れがあると受理されない可能性があるため、インターネット申込を利用する方が確実です。申込後に受験票が届くまで約1ヶ月かかるため、7月中旬頃に受験票の到着を確認してください。
インターネット申込の手順
インターネット申込は、電気技術者試験センターの公式ウェブサイトから行います。申込手順は以下の通りです。
まず、電気技術者試験センターのウェブサイトにアクセスし、受験申込ページから新規登録を行います。メールアドレスを登録すると、仮登録完了メールが届きます。メール内のURLから本登録を行い、氏名、住所、電話番号などの基本情報を入力します。
次に、受験する試験区分(一次試験のみ、二次試験のみ、一次・二次両方)を選択し、受験地を選択します。科目免除や一次試験免除を申請する場合は、この段階で該当項目を選択します。
最後に、入力内容を確認し、受験料の支払方法を選択します。クレジットカード決済、コンビニ決済、ペイジーのいずれかを選び、支払いを完了させれば申込完了です。申込完了メールが届くので、内容を確認して保存しておきましょう。
一次試験免除申請の方法
前年度に一次試験に合格し、二次試験に不合格となった方は、翌年の一次試験が免除されます。この制度を利用する場合、申込時に「一次試験免除」を選択し、前年度の一次試験合格を証明する書類を提出します。
インターネット申込の場合、一次試験免除を選択すると、前年度の受験番号の入力を求められます。正確に入力することで、試験センター側で合格履歴を確認し、免除が適用されます。
一次試験免除が適用されると、受験料も減額されます。一次・二次両方を受験する場合の受験料は13,800円(インターネット申込)ですが、二次試験のみの場合は12,800円となります。免除申請を忘れると、一次試験から受験しなければならず、受験料も高くなってしまうため、必ず申請を行いましょう。
科目免除申請の方法
一次試験の科目合格制度を利用する場合、過去3年以内に合格した科目について免除申請を行います。申込時に「科目免除」を選択し、合格した科目と合格年度を入力します。
科目免除が適用されても、受験料は変わりません。4科目全てを受験する場合も、1科目のみを受験する場合も、受験料は同額の13,800円(インターネット申込)となります。
科目免除申請を行うと、受験票には免除科目が記載され、試験当日は受験する科目のみの受験票が配布されます。免除科目の試験時間中は試験会場にいる必要はなく、退出することもできます。次の科目の開始時刻までに必ず会場に戻る必要があります。
電験2種一次試験の内容と試験時間
電験2種の一次試験は、理論・電力・機械・法規の4科目で構成され、すべてマークシート方式で実施されます。各科目の出題範囲は広く、電気工学全般にわたる深い知識が求められます。一次試験に合格するには、4科目すべてで60点以上を取得する必要がありますが、科目合格制度により1科目ずつ合格していくことも可能です。
電験2種の科目別対策を参考にしながら、各科目の特徴を理解していきましょう。
一次試験の4科目(理論・電力・機械・法規)
電験2種の一次試験は、理論・電力・機械・法規の4科目で構成されます。各科目の出題内容は以下の通りです。
理論科目は、電気回路、電磁気学、電子工学などの基礎理論を扱います。交流回路の計算、過渡現象、電磁誘導、半導体デバイスなど、電気工学の根幹となる理論を問う問題が出題されます。計算問題が中心で、電験3種よりも高度な数学的知識が必要です。
電力科目は、発電、送配電、変電などの電力システム全般を扱います。火力発電、原子力発電、再生可能エネルギー、送電線の特性、変圧器、遮断器など、電力設備に関する幅広い知識が問われます。
機械科目は、電動機、変圧器、パワーエレクトロニクス、自動制御、照明などを扱います。誘導電動機、同期発電機、変圧器の特性計算、インバータ制御、フィードバック制御など、電気機器と制御技術に関する問題が出題されます。
法規科目は、電気事業法、電気設備技術基準、電気工事士法などの関連法規を扱います。保安規程、主任技術者の職務、電気設備の技術基準、B種接地工事など、電気設備の保安に関する法的知識が問われます。
一次試験の試験時間(理論・電力・機械90分、法規65分)
一次試験の試験時間は、科目によって異なります。理論・電力・機械の3科目は各90分、法規は65分となっています。
午前中に理論と電力の2科目を受験し、昼休憩を挟んで午後に機械と法規の2科目を受験します。各科目の間には休憩時間が設けられていますが、トイレ休憩や水分補給の時間を考慮すると、実質的な休憩時間は短くなります。
90分という試験時間は、電験3種の各科目90分と同じですが、電験2種の方が問題の難易度が高く、計算量も多いため、時間配分が重要になります。過去問演習の際には、必ず時間を計って解く練習をしておきましょう。
法規科目は65分と他の科目より短いですが、問題数も少なく設定されています。条文の暗記だけでなく、計算問題も出題されるため、電気設備技術基準の数値計算にも慣れておく必要があります。
一次試験当日のタイムスケジュール
一次試験当日のタイムスケジュールは以下の通りです。
午前の部
- 9:00-9:15:説明・注意事項
- 9:15-10:45:理論(90分)
- 10:45-11:00:休憩
- 11:00-12:30:電力(90分)
- 12:30-13:30:昼休憩
午後の部
- 13:30-15:00:機械(90分)
- 15:00-15:20:休憩
- 15:20-16:25:法規(65分)
試験開始前の説明時間を含めると、9時から16時25分までの長時間にわたる試験となります。集中力を維持するために、昼食は軽めにし、水分補給をこまめに行うことをおすすめします。
試験会場への到着は、8時30分までを目安にしてください。遅刻すると受験できない場合があるため、余裕を持った移動計画を立てましょう。また、試験会場の空調設定は調整できないため、体温調節ができる服装で臨むことも重要です。
一次試験の合格基準(各科目60点以上)
電験2種一次試験の合格基準は、各科目60点以上です。4科目すべてで60点以上を取得すると、一次試験合格となり、二次試験を受験する資格が得られます。
1科目でも60点未満があると一次試験不合格となりますが、60点以上を取得した科目については科目合格となり、その合格は3年間有効です。例えば、2025年度に理論と電力に合格した場合、2026年度と2027年度はこの2科目が免除され、機械と法規のみを受験すればよいことになります。
合格基準は絶対評価で、他の受験者の成績に関係なく60点以上で合格となります。問題の難易度によっては、試験センターが合格基準点を調整する場合があります。近年の一次試験では、ほとんどの科目で60点が合格基準点となっていますが、一部の年度で55点に調整されたこともあります。
合格率は科目によって異なりますが、一次試験全体の合格率は例年20%前後となっています。電験3種の合格率(10%前後)と比較すると高めですが、これは受験者の多くが電験3種合格者であり、基礎知識を持っているためです。
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電験2種二次試験の内容と試験時間
電験2種の二次試験は、一次試験とは大きく異なる記述式の試験です。電力・管理と機械・制御の2科目で構成され、論述問題と計算問題の両方が出題されます。一次試験がマークシート方式で知識の幅を問うのに対し、二次試験は記述式で知識の深さと応用力を問う試験となっています。
電験2種の難易度を理解したうえで、二次試験の特徴を確認していきましょう。
二次試験の2科目(電力・管理、機械・制御)
電験2種の二次試験は、電力・管理と機械・制御の2科目で構成されます。各科目の出題内容は以下の通りです。
電力・管理科目は、発変電所や送配電システムの設計、運用、保守管理に関する問題が出題されます。具体的には、発電機の並行運転、送電線の故障計算、保護継電器の整定、電力系統の安定度、需給バランスの調整などが含まれます。論述問題では、電力設備の保安管理や事故対応について、技術者としての判断力と説明能力が問われます。
機械・制御科目は、電動機や変圧器の特性計算、パワーエレクトロニクス機器の動作原理、自動制御システムの設計などが出題されます。誘導電動機の速度制御、インバータ回路の解析、フィードバック制御系の安定性、シーケンス制御などが主要なテーマとなります。
両科目とも、単なる知識の暗記ではなく、実務に即した問題解決能力が求められます。過去問を繰り返し解いて、典型的な問題パターンを習得することが、二次試験合格の鍵となります。
二次試験の試験時間(電力・管理120分、機械・制御60分)
二次試験の試験時間は、電力・管理が120分、機械・制御が60分となっています。一次試験と比較すると、二次試験は科目数が少なく、試験時間も短いですが、記述式という特性上、時間配分がより重要になります。
電力・管理の120分は、大問が4-5問出題され、そのうち3-4問を選択して解答します。論述問題では、A4用紙1枚程度の記述が求められることもあり、文章をまとめる時間も必要です。計算問題も複雑で、途中計算を含めて記述する必要があるため、90分程度で解答を終え、残り30分で見直しを行う時間配分が理想的です。
機械・制御の60分は、大問が2-3問出題され、そのうち1-2問を選択して解答します。時間が短いため、問題を読んで解答する問題を素早く決定し、効率的に解答を進める必要があります。計算ミスや記述漏れがないよう、45分程度で解答を終え、残り15分で見直しを行いましょう。
二次試験は記述式(論述・計算問題)
電験2種の二次試験は、すべて記述式で実施されます。マークシート方式の一次試験とは異なり、自分の言葉で説明し、計算過程を示す必要があります。
論述問題では、電力設備の保安管理、事故対応、省エネルギー対策などのテーマについて、400-800文字程度で記述します。問われているポイントを正確に把握し、技術的根拠を示しながら論理的に説明する能力が求められます。箇条書きだけでなく、文章として読みやすい構成にすることも重要です。
計算問題では、問題文の条件を整理し、適切な公式を選択して計算を進めます。最終的な答えだけでなく、途中計算も採点対象となるため、計算過程を丁寧に記述する必要があります。単位の記載や有効数字の扱いにも注意が必要です。
記述式試験に慣れるには、過去問を実際に手書きで解く練習が欠かせません。解答用紙の使い方、文字の大きさ、計算式の配置なども、本番を想定して練習しておきましょう。
二次試験当日のタイムスケジュール
二次試験当日のタイムスケジュールは以下の通りです。
午前の部
- 9:30-9:45:説明・注意事項
- 9:45-11:45:電力・管理(120分)
午後の部
- 13:00-14:00:機械・制御(60分)
一次試験と比較すると、二次試験は試験時間が短く、午後2時には終了します。記述式という特性上、精神的な疲労は大きくなります。
試験会場への到着は、9時までを目安にしてください。二次試験は受験者数が一次試験より少ないため、試験会場も限られた場所となります。事前に試験会場までのルートを確認し、余裕を持って到着するようにしましょう。
昼休憩は1時間15分と比較的長めですが、午後の機械・制御に向けて、過度に食べ過ぎないよう注意してください。午前の電力・管理の出来を気にし過ぎず、気持ちを切り替えて午後の試験に臨むことが大切です。
電験2種の受験料と支払方法
電験2種試験の受験料は、申込方法によって異なります。インターネット申込の方が郵送申込よりも安く設定されており、手続きも簡単なため、多くの受験者がインターネット申込を利用しています。
受験料(インターネット申込13,800円・郵送14,200円)
電験2種試験の受験料は以下の通りです。
一次・二次試験両方を受験する場合
- インターネット申込:13,800円
- 郵送申込:14,200円
二次試験のみを受験する場合(一次試験免除者)
- インターネット申込:12,800円
- 郵送申込:13,200円
インターネット申込と郵送申込では400円の差があります。この差は、郵送申込の場合に必要となる書類の印刷・郵送コストが上乗せされているためです。特別な理由がない限り、インターネット申込を利用する方が経済的です。
科目免除を申請した場合でも、受験料は変わりません。一次試験で4科目すべてを受験する場合も、1科目のみを受験する場合も、受験料は同額となります。これは、試験実施にかかる管理コストが科目数に関わらず発生するためです。
支払方法(クレジットカード・コンビニ決済・ペイジー)
インターネット申込の場合、受験料の支払方法は以下の3種類から選択できます。
クレジットカード決済は、申込完了と同時に支払いが完了するため、最も簡単な方法です。VISA、MasterCard、JCB、American Expressなどの主要なクレジットカードが利用できます。一括払いのみで、分割払いやリボ払いは利用できません。
コンビニ決済は、申込後に発行される支払番号を使って、全国の主要コンビニエンスストアで支払う方法です。セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、ミニストップなどで支払いができます。支払期限は申込日から3日以内となっており、期限内に支払わないと申込が無効となります。
ペイジー決済は、金融機関のATMやインターネットバンキングで支払う方法です。Pay-easy対応のATMやネットバンキングから、支払番号を入力して支払います。こちらも支払期限は申込日から3日以内です。
郵送申込の場合は、払込取扱票を使って郵便局またはゆうちょ銀行で支払います。払込手数料は受験者負担となります。
受験手数料の注意点
受験料を支払う際には、いくつかの注意点があります。
まず、受験料は一度支払うと返金されません。申込後に受験を取りやめた場合や、試験当日に欠席した場合でも、受験料は返金されないため、受験の意思を確認してから申込を行いましょう。
また、支払期限を過ぎると申込が無効となります。コンビニ決済やペイジー決済を選択した場合、申込日から3日以内に支払わないと、申込がキャンセルされてしまいます。申込期間中であれば再度申込できますが、期間終了後は受験できなくなるため、支払いは速やかに完了させてください。
受験料の領収書は、経理処理や確定申告に必要となる場合があります。クレジットカード決済の場合はカード会社の利用明細が、コンビニ決済やペイジー決済の場合は支払時に発行されるレシートが領収書となります。必要に応じて保管しておきましょう。
電験2種の試験会場と受験地
電験2種試験は、全国10都道府県で実施されます。一次試験と二次試験では試験会場が異なる場合があるため、申込時に選択した受験地の詳細を確認しておく必要があります。
全国10都道府県の試験地
電験2種試験は、以下の10都道府県で実施されます。
試験実施地
- 北海道:札幌市
- 東北:宮城県仙台市
- 関東:東京都、神奈川県横浜市
- 中部:愛知県名古屋市
- 北陸:石川県金沢市
- 関西:大阪府大阪市
- 中国:広島県広島市
- 四国:香川県高松市
- 九州:福岡県福岡市、沖縄県那覇市
電験3種が全国47都道府県で実施されるのに対し、電験2種は主要都市のみでの実施となります。これは、電験2種の受験者数が電験3種と比較して少ないためです。
受験地は、申込時に上記の10都道府県から選択します。居住地に関係なく、どの受験地を選択してもかまいませんが、試験当日の移動を考慮して、アクセスしやすい場所を選ぶことをおすすめします。遠方の受験地を選択する場合は、前日から宿泊施設を予約しておくと安心です。
試験会場は選択できない
受験地(都道府県)は選択できますが、具体的な試験会場は選択できません。試験会場は、試験センターが受験者数に応じて決定し、受験票に記載されます。
受験票は試験日の約1ヶ月前(一次試験は7月中旬、二次試験は10月中旬)に郵送されます。受験票が届いたら、すぐに試験会場を確認し、アクセス方法を調べておきましょう。
試験会場は、大学のキャンパスや公共施設が利用されることが多いです。普段訪れない場所が会場となることもあるため、事前に場所を確認し、当日の移動ルートをシミュレーションしておくことをおすすめします。電車やバスの時刻表も確認し、余裕を持った移動計画を立てましょう。
試験会場の変更は原則として認められません。ただし、災害や交通機関の運休など、やむを得ない事情がある場合は、試験センターに問い合わせることで対応してもらえる場合があります。
試験当日の持ち物(受験票・電卓・筆記用具)
試験当日に必要な持ち物は以下の通りです。
必須の持ち物
- 受験票:写真貼付済みのもの
- 身分証明書:運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
- 鉛筆またはシャープペンシル(HBまたはB)
- 消しゴム
- 電卓(二次試験のみ)
あると便利な持ち物
- 腕時計(試計が設置されていない会場もあります)
- 予備の鉛筆・消しゴム
- 昼食・飲み物(会場周辺に店舗がない場合があります)
- 上着(会場の空調対策)
二次試験で使用できる電卓は、関数電卓ではなく、四則演算と√計算ができる一般的な電卓に限られます。プログラム機能付き電卓や、通信機能付き電卓は使用できません。普段使っている電卓が試験で使用可能かどうか、事前に電気技術者試験センターのウェブサイトで確認しておきましょう。
受験票に貼付する写真は、申込時にアップロードした写真が印刷されます。写真が不鮮明な場合や、本人確認ができない場合は、受験できない可能性があるため、申込時には鮮明な証明写真を使用してください。
電験2種の合格発表日と免状交付
電験2種試験の合格発表は、試験実施後約1ヶ月から2ヶ月後に行われます。一次試験と二次試験では合格発表の時期が異なり、最終的に両方に合格すると第二種電気主任技術者免状を取得できます。
一次試験の合格発表(9月中旬)
一次試験の合格発表は、試験実施後約3週間後の9月中旬に行われます。2025年度の場合、8月24日(日)に一次試験が実施されるため、9月12日(金)頃に合格発表が予定されています。
合格発表は、電気技術者試験センターのウェブサイトで行われます。受験番号を入力すると、合格・不合格が確認できます。また、合格者には合格通知書が郵送されます。
一次試験に合格した方は、二次試験を受験する資格を得られます。一次試験の合格発表から二次試験実施日(11月中旬)までは約2ヶ月となります。この期間を有効に活用し、記述式の二次試験対策を集中的に行うことが重要です。
科目合格の場合も、同じタイミングで発表されます。科目合格通知書には、合格した科目と、その合格が有効な年度(3年間)が記載されています。この通知書は、翌年以降の受験申込時に必要となるため、大切に保管してください。
二次試験の合格発表(翌年1月下旬)
二次試験の合格発表は、試験実施後約2ヶ月半後の翌年1月下旬に行われます。2025年度の場合、11月16日(日)に二次試験が実施されるため、2026年1月30日(金)頃に合格発表が予定されています。
二次試験の合格発表も、電気技術者試験センターのウェブサイトで行われます。二次試験に合格すると、電験2種試験の全課程を修了したことになり、第二種電気主任技術者免状を取得する資格が得られます。
二次試験の合格率は例年15%前後と、一次試験よりも低くなっています。記述式という試験形式の難しさに加え、一次試験合格者のみが受験するため、受験者全体のレベルが高いことが要因です。
二次試験に不合格となった場合でも、翌年の一次試験は免除されます。つまり、翌年は二次試験のみを受験すればよく、一次試験からやり直す必要はありません。ただし、この免除は翌年のみ有効で、2年連続で二次試験に不合格となった場合は、再度一次試験から受験する必要があります。
免状交付申請の手続き
二次試験に合格すると、第二種電気主任技術者免状の交付を申請できます。免状は自動的に交付されるのではなく、合格者自身が申請手続きを行う必要があります。
免状交付の申請は、経済産業省の各地方産業保安監督部に対して行います。申請に必要な書類は以下の通りです。
申請に必要な書類
- 免状交付申請書(経済産業省のウェブサイトからダウンロード可能)
- 二次試験合格通知書のコピー
- 本籍地記載の住民票(3ヶ月以内のもの)
- 証明写真(縦4.5cm×横3.5cm、6ヶ月以内に撮影したもの)
- 収入印紙(2,350円分)
申請書類を郵送または窓口に提出すると、約1ヶ月で免状が交付されます。免状は簡易書留で自宅に郵送されます。
免状を受け取ったら、記載内容に誤りがないか確認してください。氏名、生年月日、本籍地などに誤りがあった場合は、速やかに産業保安監督部に連絡し、訂正手続きを行いましょう。
免状交付手数料(2,350円)
免状交付には、手数料として2,350円が必要です。この手数料は、収入印紙で納付します。
収入印紙は、郵便局や法務局、一部のコンビニエンスストアで購入できます。申請書に貼付する際は、消印をしないように注意してください。産業保安監督部で消印が押されます。
免状交付手数料は、免状の作成・発行にかかる事務手続きの費用です。一度交付された免状は、更新の必要がなく、生涯有効です。紛失や破損した場合は、再交付申請が可能ですが、その際も同額の手数料が必要となります。
免状は、電気主任技術者として働く際に必ず必要となる重要な書類です。大切に保管し、就職や転職の際には原本を提示できるようにしておきましょう。
電験2種の科目合格制度と一次試験免除制度
電験2種試験には、科目合格制度と一次試験免除制度という2つの重要な制度があります。これらの制度を活用することで、働きながら計画的に合格を目指すことができます。
電験2種の勉強時間を参考にしながら、これらの制度を有効活用した学習計画を立てましょう。
一次試験の科目合格制度(3年間有効)
電験2種一次試験には科目合格制度があり、合格した科目は3年間有効となります。つまり、4科目すべてを1回の試験で合格する必要はなく、3年以内に4科目すべてに合格すればよいという制度です。
例えば、2025年度に理論と電力に合格した場合、この2科目の合格は2027年度まで有効です。2026年度に機械と法規を受験して合格すれば、一次試験合格となります。もし2026年度に機械のみ合格し、法規が不合格だった場合は、2027年度に法規のみを受験すればよいことになります。
3年を過ぎると科目合格は無効となります。2025年度に理論と電力に合格した場合、2028年度にはこの科目合格は無効となり、再度受験する必要があります。計画的に受験しないと、合格した科目が無効になってしまうため、注意が必要です。
科目合格制度を活用する際の戦略としては、まず得意科目から確実に合格していく方法があります。理論は他の科目の基礎となるため、最初に合格しておくと、その後の学習がスムーズになります。また、働きながら受験する方は、1年に2科目ずつ合格していく計画が現実的です。
一次試験免除制度(二次試験不合格の翌年のみ)
一次試験に合格し、二次試験に不合格となった場合、翌年の一次試験が免除されます。つまり、翌年は二次試験のみを受験すればよく、一次試験を再度受ける必要はありません。
例えば、2025年度に一次試験に合格し、二次試験に不合格となった場合、2026年度は一次試験が免除され、二次試験のみを受験できます。この免除は1年間のみ有効で、2026年度の二次試験にも不合格となった場合、2027年度は再度一次試験から受験する必要があります。
一次試験免除を申請する際は、受験申込時に「一次試験免除」を選択し、前年度の一次試験合格を証明します。インターネット申込の場合、前年度の受験番号を入力することで、試験センター側で合格履歴を確認できます。
一次試験免除が適用されると、受験料も減額されます。一次・二次両方を受験する場合は13,800円(インターネット申込)ですが、二次試験のみの場合は12,800円となります。
科目合格制度の活用方法
科目合格制度を効果的に活用するには、計画的な学習スケジュールが重要です。以下に、科目合格制度を活用した受験戦略をご紹介します。
1年目(2科目合格を目標)
理論と電力の2科目に絞って学習します。理論は他の科目の基礎となるため、最優先で合格しておくと、その後の学習がスムーズになります。電力は理論の知識を応用する科目なので、理論と合わせて学習すると効率的です。
2年目(残り2科目合格を目標)
機械と法規の2科目に集中します。1年目に理論と電力に合格しているため、受験科目が2科目のみとなり、学習時間を集中させることができます。機械は理論の応用問題が多いため、理論の知識が定着していれば比較的取り組みやすい科目です。
3年目(不合格科目のみ受験)
2年目に不合格となった科目のみを受験します。1年目の科目合格が有効な最後の年となるため、確実に合格する必要があります。
このように、科目合格制度を活用すれば、働きながらでも無理のない学習計画を立てることができます。3年という期限があるため、計画的に進めることが重要です。
電験2種に関連するよくある質問(FAQ)
電験2種試験の日程や申込方法について、受験者からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 電験2種の申込はいつから始まりますか?
電験2種の申込は、例年5月中旬から6月上旬までの約3週間実施されます。2025年度(令和7年度)の申込期間は、5月19日(月)から6月6日(金)までの予定です。
申込期間は年によって若干異なるため、電気技術者試験センターのウェブサイトで最新情報を確認してください。申込開始日の1ヶ月ほど前には、公式サイトで申込期間が発表されます。
申込期間は3週間と短いため、受験を決めている方は期間開始と同時に申込手続きを進めることをおすすめします。特に、科目免除や一次試験免除を申請する場合は、過去の合格証明書などの書類を準備する時間も必要となるため、早めの準備が重要です。
Q. 電験2種の一次試験と二次試験は同じ年に受験しなければなりませんか?
はい、電験2種の一次試験と二次試験は、基本的に同じ年度内に受験します。一次試験が8月下旬、二次試験が11月中旬に実施され、一次試験に合格した方のみが二次試験を受験できます。
科目合格制度と一次試験免除制度により、複数年にわたって受験することも可能です。一次試験の科目合格は3年間有効なので、3年以内に4科目すべてに合格すればよく、一次試験合格後に二次試験を受験します。
一次試験に合格したものの二次試験に不合格となった場合、翌年は一次試験が免除され、二次試験のみを受験できます。この免除は1年間のみ有効です。
Q. 電験2種の二次試験で使える電卓は何ですか?
電験2種の二次試験で使用できる電卓は、四則演算(加減乗除)と平方根(√)計算ができる一般的な電卓に限られます。関数電卓やプログラム機能付き電卓、通信機能付き電卓は使用できません。
使用可能な電卓の具体的な条件は以下の通りです。
使用可能な電卓
- 四則演算と√計算のみができるもの
- メモリー機能(M+、M-など)は使用可
- 12桁程度の表示ができるもの
使用できない電卓
- 関数電卓(sin、cos、log などの関数が使えるもの)
- プログラム機能付き電卓
- 通信機能付き電卓
- 電卓機能付き時計や携帯電話
試験当日に使用できない電卓を持ち込んだ場合、試験監督員から使用を禁止されます。普段使っている電卓が試験で使用可能かどうか、電気技術者試験センターのウェブサイトで事前に確認しておきましょう。
Q. 電験2種の二次試験に不合格だった場合はどうなりますか?
電験2種の二次試験に不合格となった場合、翌年の一次試験が免除され、二次試験のみを受験できます。この一次試験免除は1年間のみ有効です。
例えば、2025年度に一次試験に合格し、二次試験に不合格となった場合、2026年度は一次試験が免除され、二次試験のみを受験します。受験料も減額され、インターネット申込の場合は12,800円となります。
2026年度の二次試験にも不合格となった場合、2027年度は再度一次試験から受験する必要があります。一次試験免除は連続2年間は適用されません。
二次試験の合格率は例年15%前後と低いため、不合格となる受験者も少なくありません。不合格となった場合は、論述問題の書き方や計算問題の解法を見直し、翌年の二次試験に向けて対策を強化しましょう。
Q. 電験2種の試験会場は選べますか?
電験2種の受験地(都道府県)は選択できますが、具体的な試験会場は選択できません。試験会場は、電気技術者試験センターが受験者数に応じて決定し、受験票に記載されます。
受験地として選択できるのは、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、金沢、大阪、広島、高松、福岡、那覇の11都市です。居住地に関係なく、どの受験地を選択してもかまいませんが、試験当日の移動を考慮して、アクセスしやすい場所を選ぶことをおすすめします。
試験会場は、受験票が届いてから確認できます。受験票は試験日の約1ヶ月前に郵送されるため、届いたらすぐに試験会場を確認し、アクセス方法を調べておきましょう。
Q. 電験2種の受験料は科目数によって変わりますか?
いいえ、電験2種の受験料は科目数に関わらず一定です。一次試験で4科目すべてを受験する場合も、科目合格制度を利用して1科目のみを受験する場合も、受験料は同額の13,800円(インターネット申込)となります。
一次試験免除を申請して二次試験のみを受験する場合は、受験料が12,800円(インターネット申込)に減額されます。
受験料が科目数によって変わらない理由は、試験実施にかかる管理コストが科目数に関わらず発生するためです。受験票の発行、試験会場の準備、試験監督員の配置などのコストは、受験科目数に関係なく必要となります。
Q. 電験2種の試験に遅刻した場合はどうなりますか?
電験2種試験では、試験開始後20分までの遅刻であれば入室が認められます。試験時間の延長はなく、遅刻した時間分だけ解答時間が短くなります。
試験開始後20分を過ぎて到着した場合は、その科目の受験ができません。一次試験の場合、午前の科目(理論または電力)に遅刻しても、午後の科目(機械または法規)は受験できます。遅刻した科目は欠席扱いとなり、採点されません。
二次試験の場合、午前の電力・管理に遅刻しても、午後の機械・制御は受験できます。電力・管理が欠席扱いとなるため、二次試験全体としては不合格となります。
遅刻を防ぐためには、試験会場への到着時刻に余裕を持った移動計画を立てることが重要です。試験開始30分前には会場に到着するように計画し、電車の遅延や交通渋滞なども考慮して、早めに出発しましょう。
まとめ:電験2種試験は一次・二次の2段階で計画的な準備が必要
電験2種試験の日程と試験制度について、重要なポイントを振り返りましょう。
本記事の要点
- 電験2種試験は年1回、一次試験が8月下旬、二次試験が11月中旬に実施され、申込は5月中旬から6月上旬の約3週間のみです
- 一次試験は4科目のマークシート方式、二次試験は2科目の記述式で、両方に合格して初めて資格を取得できます
- 科目合格制度(3年間有効)と一次試験免除制度(1年間有効)を活用すれば、働きながら計画的に合格を目指せます
- 受験料はインターネット申込で13,800円、二次試験のみの場合は12,800円で、科目数による変動はありません
- 試験会場は選択できず、受験票で確認するため、事前のアクセス確認と余裕を持った移動計画が重要です
電験2種試験は、一次試験と二次試験の2段階で実施される難関資格です。年1回のみの実施であるため、申込期間を逃さないこと、試験日程を正確に把握すること、科目合格制度を活用した計画的な学習が合格への鍵となります。
本記事で紹介した試験日程、申込方法、試験制度を参考に、自分に合った受験計画を立ててください。電験2種の資格取得は、電気技術者としてのキャリアアップに大きく貢献します。合格に向けて、今日から一歩ずつ着実に準備を進めていきましょう。
電験2種の過去問を活用した実践的な学習が、合格への最短ルートとなります。
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