簿記2級の合格率について調べているあなたへ。「簿記2級の合格率はどれくらいなのか」「統一試験とネット試験で違いはあるのか」という疑問は、正確なデータと傾向分析で解決できます。
本記事では、簿記2級の統一試験とネット試験それぞれの合格率推移、合格率が変動する理由、合格率を上げるための具体的な対策について、最新のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、簿記2級合格に向けて、効果的な学習戦略を立てましょう。
- 簿記2級の統一試験とネット試験の合格率の違い
- 過去10回分の合格率推移と傾向分析
- 合格率が10~30%と低い理由と対策方法
- 合格率を上げるための具体的な学習ポイント
- 合格率は試験形式で大きく異なる:簿記2級の統一試験は10~30%、ネット試験は35~40%で推移しており、受験環境や準備状況によって合格率に約2倍の差が生じています。
- 試験範囲改定で難易度が上昇:2016年度以降の試験範囲改定により、連結会計など簿記1級レベルの内容が追加され、合格率が以前と比べて低下傾向にあります。
- 計画的な学習で合格は十分可能:合格率は低めですが、250~350時間の学習時間を確保し、商業簿記と工業簿記をバランスよく学習することで合格を目指せます。
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簿記2級(日商簿記2級)の合格率は10~30%で推移
簿記2級(日商簿記2級)の合格率は、統一試験において10~30%の範囲で推移しています。これは簿記3級の合格率30~50%と比較すると明らかに低く、簿記2級が実務レベルの会計知識を求める資格であることを示しています。
合格率は試験回によって大きく変動するため、受験のタイミングや試験形式の選択が重要になります。また、2016年度以降の試験範囲改定により、全体的な難易度が上昇している傾向も見られます。簿記2級の試験内容と難易度では、出題範囲の詳細や求められる知識レベルについて解説しています。
簿記2級の合格率は回によって大きく変動
簿記2級の統一試験では、合格率が回によって大きく変動する特徴があります。過去には47.5%という高い合格率を記録した回もあれば、8.6%という極端に低い回も存在します。この変動の主な要因は、出題される問題の難易度や出題形式の違いにあります。
特に工業簿記の計算問題や商業簿記の連結会計など、受験者が苦手とする分野が多く出題された回では、合格率が大きく低下する傾向があります。そのため、過去問演習を通じて様々な出題パターンに対応できる力を養うことが重要です。
また、受験者層の変化も合格率に影響を与えます。就職活動や転職を控えた時期には、より準備が整った受験者が増加し、合格率が上昇することもあります。
合格基準は100点満点中70点以上
簿記2級の合格基準は、100点満点中70点以上を獲得することです。この基準は絶対評価であり、他の受験者の成績に関わらず、自分が70点を取れば必ず合格できます。試験は商業簿記60点、工業簿記40点の配点で構成されており、両方の分野でバランスよく得点する必要があります。
特に注意すべき点は、どちらか一方の科目で満点を取っても、もう一方が極端に低いと合格できないことです。例えば、商業簿記で60点満点を取っても、工業簿記が10点以下では合計70点に届きません。そのため、苦手分野を作らず、両科目で安定して得点できる力を身につけることが合格への近道となります。
過去の合格者データを見ると、多くの人が商業簿記で40~50点、工業簿記で25~35点程度を獲得して合格しています。
簿記3級と比較すると合格率は低い
簿記2級の合格率は、簿記3級と比較すると明らかに低い水準にあります。簿記3級の統一試験における合格率が30~50%で推移しているのに対し、簿記2級は10~30%程度と、約半分程度の数値となっています。
この差が生じる主な理由は、簿記2級では工業簿記が新たに追加されることと、商業簿記の内容も連結会計や税効果会計など高度な内容が含まれることにあります。簿記3級が個人商店レベルの基礎的な簿記を扱うのに対し、簿記2級は株式会社の会計処理や製造業の原価計算など、実務で必要とされる知識が求められます。
また、問題数が多く時間配分が難しいことも、合格率が低い要因の一つです。90分という試験時間内に、商業簿記と工業簿記の両方を解き終える必要があるため、正確さとスピードの両立が求められます。
簿記3級の合格率に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記3級の合格率推移|統一試験・ネット試験の傾向分析
簿記2級(統一試験)の合格率推移【過去10回分】
簿記2級の統一試験における過去10回分の合格率推移を見ると、10~30%の範囲で変動していることが分かります。統一試験は年3回(6月・11月・2月)実施されており、日本商工会議所が全国一斉に行う従来型の試験形式です。
過去の傾向として、2016年度の試験範囲改定以降、合格率が全体的に低下する傾向が見られます。特に連結会計や税効果会計などの高度な内容が追加されたことで、受験者にとっての難易度が上昇しました。
しかし、試験回によって難易度には波があり、比較的解きやすい問題が出題された回では25~30%程度の合格率となる一方、難問が多い回では10~15%程度まで下がることもあります。
第170回(2025年6月):22.2%
第170回簿記2級試験(2025年6月実施)の合格率は22.2%でした。この回は、実受験者数が約18,000名、合格者数が約4,000名という結果となりました。合格率としては、近年の平均的な水準に位置する数値です。
出題内容としては、商業簿記で連結会計の基礎的な問題、工業簿記で標準原価計算が出題されました。特に商業簿記の第1問(仕訳問題)では、リース取引や外貨建取引など、確実な知識定着が求められる問題が出題されています。
工業簿記では、計算量が多めの問題構成となっており、時間配分に苦戦した受験者が多かったと考えられます。合格者の多くは、過去問演習で時間配分の練習を十分に行っていた人たちです。
第169回(2025年2月):20.9%
第169回簿記2級試験(2025年2月実施)の合格率は20.9%となり、やや低めの結果となりました。この回の実受験者数は約20,000名、合格者数は約4,200名でした。2月試験は就職活動や進学を控えた受験者が多く、比較的準備が整った層が受験する傾向があります。
出題内容を見ると、商業簿記では税効果会計や連結会計の応用問題が出題され、基礎知識だけでは対応しきれない内容となりました。特に第2問の商業簿記では、複数の論点が絡み合った複合問題が出題され、多くの受験者が苦戦しました。
工業簿記では部門別計算が出題され、計算過程が複雑だったため、部分点を確実に取ることが合格のカギとなりました。この回で合格した人の多くは、苦手分野を作らず幅広く学習していた人たちです。
第168回(2024年11月):28.8%
第168回簿記2級試験(2024年11月実施)の合格率は28.8%と、近年の中では比較的高い水準となりました。この回の実受験者数は約22,000名、合格者数は約6,300名という結果です。11月試験は年度後半の試験として、多くの受験者が集まる傾向があります。
この回の特徴は、基本的な問題が多く出題され、標準的な学習をしていれば十分に合格点を狙える内容だったことです。商業簿記では連結会計の基礎問題、工業簿記では個別原価計算が出題され、どちらも過去問で頻出の論点でした。
ただし、基本問題だからといって油断は禁物です。計算ミスや転記ミスで失点した受験者も多く、正確性を保つことの重要性が改めて示された回となりました。この回の合格者に共通していたのは、基礎を確実に押さえ、ケアレスミスを最小限に抑えた点です。
過去10回の平均合格率と傾向
過去10回の簿記2級統一試験の平均合格率は約21.5%となっています。この数値から、簿記2級は約5人に1人が合格する資格であることが分かります。最高で28.8%、最低で8.6%という大きな変動幅があることも特徴的です。
傾向として、以下の3つのパターンが見られます。第一に、基本問題中心の回では25~30%程度の合格率となります。第二に、応用問題や複合問題が多い回では15~20%程度に下がります。第三に、極端に難しい問題が出題された回では10%前後まで低下します。
また、季節による傾向も存在します。6月試験は新年度を迎えて学習を始めた人が多く受験するため、やや合格率が低めになる傾向があります。一方、11月試験は半年以上の準備期間を経た受験者が多いため、比較的合格率が高くなる傾向が見られます。2月試験は就職・進学を控えた受験者が多く、準備状況にばらつきがあるため、合格率は中間的な水準となることが多いです。
簿記2級の試験日程に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記2級の試験日程|申込期間・受験料・年間スケジュールを解説
簿記2級(ネット試験)の合格率推移
簿記2級のネット試験(CBT方式)は、2020年12月から開始された新しい試験形式です。パソコンを使用して受験するこの形式は、統一試験とは異なる特徴を持ち、合格率にも大きな違いが見られます。
ネット試験の最大の特徴は、試験日を自由に選べることです。全国のテストセンターで随時実施されており、受験者は自分の準備状況に合わせて受験日を決められます。この柔軟性が、合格率の高さにも影響していると考えられます。
簿記ネット試験の詳細では、申込方法や受験の流れ、統一試験との違いについて詳しく解説しています。
ネット試験の合格率は35~40%で推移
簿記2級のネット試験における合格率は、35~40%の範囲で安定的に推移しています。日本商工会議所が公表しているデータによると、2023年度のネット試験合格率は約38.6%、2024年度上半期は約37.2%という結果となっています。
この高い合格率の背景には、受験者が自分の準備状況を見極めて受験日を選べることがあります。統一試験のように「この日に受験しなければならない」という制約がないため、十分な準備が整ってから受験する人が多いのです。
また、ネット試験では試験問題がランダムに出題されるため、直前の対策が立てやすいという面もあります。CBT方式特有の操作に慣れておけば、落ち着いて問題に取り組めることも、合格率の高さに貢献していると考えられます。
統一試験と比べて合格率が約2倍高い
簿記2級のネット試験の合格率は、統一試験と比べて約2倍高い水準にあります。統一試験の平均合格率が20%前後であるのに対し、ネット試験は35~40%と、15~20ポイント程度の差があります。
この差が生じる理由は複数あります。まず、ネット試験は受験日を自由に選べるため、準備が整った受験者が多いことが挙げられます。統一試験の場合、申込期限までに申し込んでしまうと、準備不足でも受験せざるを得ない状況が生じますが、ネット試験ではそのようなことがありません。
次に、ネット試験は何度でも受験できるため、一度不合格になっても すぐに再挑戦できる環境があります。統一試験は年3回しかチャンスがありませんが、ネット試験は月に何度でも受験可能です。この違いが、受験者の心理的なプレッシャーを軽減し、実力を発揮しやすくしています。
ただし、合格率が高いからといって、ネット試験が簡単というわけではありません。出題範囲や難易度は統一試験と同じであり、70点以上という合格基準も変わりません。
ネット試験の受験者数は増加傾向
簿記2級のネット試験受験者数は、制度開始以降、着実に増加傾向にあります。2020年12月の開始当初は統一試験の受験者数が圧倒的に多かったものの、2023年度以降はネット試験の受験者数が統一試験を上回る状況となっています。
2024年度のデータを見ると、年間のネット試験受験者数は約8万人、統一試験受験者数は約6万人となっており、ネット試験の方が多い状況です。この傾向は今後も続くと予想されます。
増加の理由として、受験日の柔軟性に加えて、結果がすぐに分かる点も挙げられます。統一試験では合格発表まで約1ヶ月かかりますが、ネット試験では試験終了直後に合否が判明します。この即時性が、特に就職活動や転職活動中の社会人に好まれています。
また、試験会場も統一試験より選択肢が多く、自宅や職場の近くで受験できる利便性も、受験者数増加の要因となっています。
簿記ネット試験に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記ネット試験(CBT)とは?統一試験との違い・申込方法を解説
簿記2級の統一試験とネット試験の合格率比較
簿記2級には統一試験とネット試験という2つの受験形式があり、それぞれ合格率に大きな違いがあります。統一試験の合格率が10~30%で推移しているのに対し、ネット試験は35~40%と高い水準を維持しています。
この約2倍の差は、試験の難易度の違いではなく、受験環境や受験者層の違いによるものです。どちらの試験形式を選ぶかは、自分の学習スタイルやスケジュールに合わせて判断することが重要です。
両試験形式の特徴を理解し、自分に適した方を選択することで、合格への道筋が明確になります。
ネット試験の方が合格率が高い理由
ネット試験の合格率が統一試験より高い最も大きな理由は、受験タイミングを自由に選べることです。統一試験は年3回の決まった日程でしか受験できないため、準備が不十分でも受験する人が一定数います。一方、ネット試験は受験者が「十分に準備できた」と判断した時点で受験できるため、合格する可能性が高い状態で試験に臨む人が多いのです。
また、ネット試験は不合格になっても すぐに再受験できるため、一度目の受験を「力試し」として臨む受験者が少ない点も影響しています。統一試験の場合、次の試験まで3~4ヶ月待つ必要があるため、準備不足でも「とりあえず受けてみる」という受験者が一定数存在します。
さらに、ネット試験ではCBT方式に慣れた受験者が増えてきていることも、合格率上昇の一因です。電卓の使用やパソコン画面での問題閲覧に慣れることで、統一試験の紙ベースとは異なる独特の解答スタイルが確立されてきています。
難易度は同じだが受験環境が異なる
簿記2級の統一試験とネット試験は、出題範囲や難易度、合格基準がすべて同じです。どちらも日本商工会議所が主催する正式な簿記検定試験であり、取得できる資格も全く同じ「日商簿記2級」です。履歴書に記載する際も、統一試験とネット試験で違いはありません。
しかし、受験環境には明確な違いがあります。統一試験は紙の問題用紙と解答用紙を使用し、多くの受験者と同じ会場で一斉に受験します。一方、ネット試験はパソコン画面で問題を確認し、マウスやキーボードで解答を入力する形式です。試験会場も個別ブース形式が多く、静かな環境で集中して受験できます。
解答方法の違いも重要です。統一試験では手書きで仕訳や計算を記入しますが、ネット試験では選択肢から選んだり、数値を直接入力したりします。この違いに慣れておかないと、実力を十分に発揮できない可能性があります。
どちらを選ぶべきか
統一試験とネット試験のどちらを選ぶべきかは、個人の状況や学習スタイルによって異なります。統一試験が向いているのは、従来の紙ベースの試験に慣れている人や、決まった日程に向けて計画的に学習できる人です。また、多くの受験者と一緒に受験する雰囲気が好きな人にも適しています。
一方、ネット試験が向いているのは、柔軟な日程で受験したい人や、すぐに結果を知りたい人です。仕事や学業で忙しく、決まった日程に合わせにくい社会人や大学生には、ネット試験の方が都合が良いでしょう。また、CBT方式に抵抗がなく、パソコン操作に慣れている人にもおすすめです。
合格率の高さだけで判断するのではなく、自分の学習環境や受験環境の好みを考慮して選ぶことが重要です。どちらを選んでも取得できる資格は同じなので、自分が最も力を発揮できる環境を選びましょう。迷った場合は、まず模擬試験などでCBT方式を体験してから決めるのも良い方法です。
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簿記2級の合格率が低い4つの理由
簿記2級の合格率が簿記3級と比べて低い背景には、いくつかの明確な理由があります。単純に難易度が高いというだけでなく、試験の構造や出題内容に起因する要因が複雑に絡み合っています。
これらの理由を理解することで、効果的な対策を立てることができます。合格率が低いからといって合格が不可能というわけではなく、適切な準備をすれば十分に合格を狙える資格です。
ここでは、簿記2級の合格率が低い主な4つの理由について、具体的に解説していきます。
理由①:工業簿記が追加される
簿記2級で合格率が低くなる最大の理由は、工業簿記という新しい科目が追加されることです。簿記3級では商業簿記のみを学習すればよかったのに対し、簿記2級では工業簿記40点分が加わり、全く異なる考え方と計算方法を身につける必要があります。
工業簿記は製造業における原価計算を扱う分野で、材料費・労務費・製造間接費という3つの原価要素を理解し、製品の原価を正確に計算する能力が求められます。商業簿記が取引の記録を中心とするのに対し、工業簿記は原価の計算と配分が中心となるため、思考の切り替えが必要です。
多くの受験者が工業簿記に苦手意識を持つ理由は、日常生活でイメージしにくい内容だからです。商業簿記の売買取引は日常的に経験する内容ですが、製造原価の配賦や標準原価計算は、実際に製造業で働いた経験がない限りイメージしにくいものです。
理由②:問題数が多く時間が足りない
簿記2級の試験時間は90分ですが、この時間内に商業簿記と工業簿記の両方を解き終えるのは容易ではありません。問題数が多く、計算量も膨大なため、時間配分を誤ると最後まで解答できずに終わってしまうケースが頻発します。
特に商業簿記の第1問は仕訳問題5問、第2問は伝票や帳簿の問題、第3問は財務諸表や精算表の作成という構成で、それぞれに時間がかかります。工業簿記も第4問と第5問で様々な原価計算問題が出題され、計算過程が複雑なものが多いです。
合格者の多くは、過去問演習を通じて時間配分の感覚を身につけています。一般的には商業簿記に50~55分、工業簿記に35~40分を配分するのが理想的ですが、この配分を守りながら正確に解答するには、相当な練習が必要です。
理由③:試験範囲の改定で難易度が上昇
2016年度以降、簿記2級の試験範囲が大幅に改定され、難易度が大きく上昇しました。それまで簿記1級の出題範囲だった連結会計が簿記2級に移行され、税効果会計やリース会計なども新たに追加されました。
この改定により、簿記2級で学習すべき内容が大幅に増加し、従来の学習時間では合格が難しくなっています。特に連結会計は、親会社と子会社の財務諸表を統合する複雑な処理であり、初学者にとっては非常に理解しにくい分野です。
さらに、試験範囲の改定は今後も継続的に行われる予定です。実務で必要とされる会計基準の変更に対応するため、簿記2級の内容も定期的に更新されています。このため、古いテキストや問題集では対応できない新しい論点が出題される可能性があります。
理由④:連結会計など高度な内容が出題
簿記2級の合格率を押し下げている最大の要因の一つが、連結会計をはじめとする高度な会計処理が出題されることです。連結会計は、親会社が子会社を支配している場合に、両社を一つの企業グループとして財務諸表を作成する手法で、上場企業の多くが採用しています。
連結会計では、親会社が保有する子会社株式と子会社の純資産を相殺したり、内部取引を消去したりする複雑な処理が必要です。これらの処理は、簿記の基礎知識だけでは理解が難しく、専門的な学習が必要となります。
また、税効果会計やリース会計、外貨建取引なども、実務経験がないと理解しにくい内容です。これらの論点は配点も高く、正確に理解していないと大きく失点してしまいます。合格するためには、これらの高度な論点についても、基礎からしっかりと学習する必要があります。
簿記2級の試験範囲改定の影響(2016年度以降)
2016年度から実施された簿記2級の試験範囲改定は、合格率や受験者の学習方法に大きな影響を与えました。この改定により、簿記2級はより実務に即した内容となり、資格の価値が高まった一方で、合格難易度も上昇しています。
試験範囲の改定は、企業の会計実務が高度化し、会計基準が国際化する中で、簿記資格も時代に合わせて進化する必要があったことが背景にあります。改定の内容を理解することは、効果的な学習計画を立てる上で重要です。
2015年の試験範囲改定の決定
日本商工会議所は2015年に、簿記2級の試験範囲を2016年度以降段階的に改定することを発表しました。この決定の背景には、企業の会計実務と簿記検定の内容に乖離が生じていたことがあります。
特に、上場企業では連結財務諸表の作成が義務化されているにもかかわらず、簿記2級では連結会計が出題されていませんでした。また、国際会計基準(IFRS)への対応や、リース会計基準の改定など、会計を取り巻く環境が大きく変化していました。
改定の目的は、簿記2級を「実務で本当に必要な知識を持っている証明」とすることでした。そのため、実務でよく使われる会計処理を中心に、試験範囲が見直されることになりました。この改定により、簿記2級の資格価値は向上しましたが、同時に合格難易度も上昇することになりました。
連結会計が簿記1級から降格
試験範囲改定の中で最も大きな変更点は、連結会計が簿記1級から簿記2級に移行されたことです。2017年度の試験から、簿記2級でも連結会計の基礎的な問題が出題されるようになりました。
連結会計の追加により、学習すべき内容が大幅に増加しました。連結財務諸表の作成には、資本連結、成果連結、持分法など、複数の処理方法を理解する必要があります。特に資本連結の開始仕訳や、のれんの償却、非支配株主持分の計算などは、初学者にとって非常に難解な内容です。
また、連結会計の追加に伴い、他の論点も同時に改定されました。有価証券の評価、圧縮記帳、税効果会計なども新たに試験範囲に加わり、簿記2級で学習する内容は以前の1.5倍程度に増加したと言われています。
改定後の合格率の変化
試験範囲改定後、簿記2級の合格率は全体的に低下傾向を示しています。改定前の2010~2015年度の平均合格率が約25%だったのに対し、改定後の2017~2024年度の平均合格率は約21%となっており、約4ポイント低下しています。
特に、連結会計が初めて出題された第146回試験(2017年6月)では、多くの受験者が新しい論点に戸惑い、合格率は47.5%という高い数値となりました。これは、初回ということで比較的基礎的な問題が出題されたためです。しかし、その後の試験では徐々に難易度が上がり、合格率も低下していきました。
改定により、必要な勉強時間も増加しています。改定前は150~250時間程度で合格できると言われていましたが、現在は250~350時間程度が必要とされています。この学習時間の増加も、合格率低下の一因となっています。
簿記2級で合格率が高かった回・低かった回
簿記2級の統一試験では、回によって合格率に大きな差があります。過去には47.5%という高い合格率を記録した回もあれば、5.7%という極端に低い回も存在します。これらの極端な数値が生まれた背景を知ることは、試験対策を立てる上で参考になります。
合格率の変動要因を理解することで、どのような問題が出題されても対応できる力を養うことができます。また、過去のデータから、試験の傾向や出題パターンを読み取ることも可能です。
過去最高の合格率:第146回(2017年6月)47.5%
簿記2級の統一試験で過去最高の合格率を記録したのは、第146回試験(2017年6月実施)の47.5%です。この回の実受験者数は約40,000名、合格者数は約19,000名という結果でした。
この高い合格率の背景には、試験範囲改定後初めての試験だったことがあります。連結会計が初めて出題されましたが、基礎的な内容にとどまり、受験者の多くが対応できる難易度でした。また、工業簿記も標準的な問題が中心で、過去問演習をしっかり行っていれば解ける内容でした。
商業簿記の第1問(仕訳問題)も、基本的な取引が中心で、特に奇をてらった問題はありませんでした。第2問の補助簿問題、第3問の財務諸表作成問題も、教科書に載っている典型的なパターンであり、受験者の準備状況が良好だったことも合格率の高さに貢献しました。
過去最低の合格率:第107回(2004年6月)5.7%
簿記2級の統一試験で過去最低の合格率を記録したのは、第107回試験(2004年6月実施)の5.7%です。この回の実受験者数は約70,000名でしたが、合格者数はわずか約4,000名という結果でした。
この極端に低い合格率の原因は、出題された問題の難易度が非常に高かったことにあります。特に商業簿記の第3問では、複雑な財務諸表作成問題が出題され、多くの受験者が時間内に解き終えることができませんでした。
工業簿記でも、標準原価計算の応用問題が出題され、計算過程が複雑で、部分点すら取りにくい構成となっていました。この回を受験した多くの人が「今までで一番難しい試験だった」と語っており、試験問題の難易度設定の難しさを示す事例となりました。
第157回(2021年2月)8.6%の要因
比較的最近の試験で極端に低い合格率を記録したのが、第157回試験(2021年2月実施)の8.6%です。この回の実受験者数は約35,000名、合格者数はわずか約3,000名という結果でした。
この低い合格率の要因は、複数の難解な論点が同時に出題されたことにあります。商業簿記では連結会計の応用問題が出題され、子会社株式の追加取得や税効果会計との複合問題となっていました。これらは受験者の多くが苦手とする分野であり、大きく失点する結果となりました。
工業簿記では、部門別計算と標準原価計算の複合問題が出題され、計算量が膨大でした。時間配分を誤った受験者が多く、工業簿記でほとんど得点できなかった人も少なくありませんでした。この回以降、試験問題の難易度バランスについて見直しが行われ、極端な難問は控えられる傾向にあります。
簿記2級と3級の合格率比較
簿記2級と3級の合格率を比較すると、明確な差が見られます。簿記3級の合格率が30~50%で推移しているのに対し、簿記2級は10~30%と、約半分程度の水準です。この差は、試験内容の難易度や求められる知識レベルの違いを反映しています。
両資格の違いを理解することは、学習計画を立てる上で重要です。簿記3級を取得してから2級に進むべきか、それとも最初から2級を目指すべきかの判断材料にもなります。
簿記3級の合格率は30~50%
簿記3級の統一試験における合格率は、30~50%の範囲で推移しています。2023年度の平均合格率は約41.2%、2024年度上半期は約38.7%となっており、約2.5人に1人が合格している計算です。ネット試験ではさらに高く、40~50%程度の合格率となっています。
簿記3級は、個人商店を前提とした基礎的な簿記知識を問う試験です。出題内容は、現金・預金の管理、商品売買、手形取引、決算整理など、日常的な会計処理が中心となります。工業簿記は出題されず、商業簿記のみで構成されています。
試験時間は60分で、第1問が仕訳問題、第2問が帳簿記入や勘定記入、第3問が精算表や財務諸表作成という構成です。問題数も簿記2級より少なく、時間的な余裕があるため、落ち着いて解答できる環境があります。
簿記2級は3級の約半分の合格率
簿記2級の統一試験における合格率は、簿記3級の約半分となる10~30%で推移しています。これは、試験内容の難易度が大きく上昇することを示しています。簿記3級では約2.5人に1人が合格しますが、簿記2級では約5人に1人しか合格できません。
この差が生じる最大の理由は、前述のとおり工業簿記が追加されることと、商業簿記の内容も高度化することです。簿記3級が個人商店レベルの取引を扱うのに対し、簿記2級は株式会社の会計処理、連結会計、原価計算など、実務レベルの知識が求められます。
また、試験時間に対する問題量の比率も異なります。簿記3級は60分で3問構成ですが、簿記2級は90分で5問構成となっており、1問あたりに使える時間が短くなっています。このため、正確さだけでなく、スピードも求められる点が合格率の差につながっています。
2級は実務レベルの知識が求められる
簿記2級は、実務で即戦力となる知識が求められる資格です。経理部門に配属された新入社員や、経理業務を担当する中小企業の従業員が、日常業務をこなすために必要な知識が網羅されています。
特に、株式会社の会計処理は実務で必須の知識です。資本金の増減、剰余金の配当、社債の発行と償還など、株式会社特有の取引を正確に処理できる能力が求められます。また、決算整理では、減価償却、引当金の設定、税効果会計など、実務で頻繁に発生する処理を理解する必要があります。
工業簿記も、製造業で働く場合には欠かせない知識です。材料費・労務費・製造間接費の計算、製造原価報告書の作成、標準原価計算による差異分析など、原価管理の基礎を身につけることができます。このように、簿記2級は単なる資格試験ではなく、実務で活躍するための実践的な知識を証明するものです。
簿記3級の合格率に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記3級の合格率推移|統一試験・ネット試験の傾向分析
簿記3級の試験内容に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記3級とは?試験内容・難易度・取得メリットを徹底解説
簿記2級の合格に必要な勉強時間
簿記2級の合格に必要な勉強時間は、一般的に250~350時間程度と言われています。この時間は、学習の開始時点での簿記知識の有無や、独学か専門学校を利用するかによって大きく変わります。
効率的な学習計画を立てるためには、自分の現在の知識レベルと利用できる学習時間を正確に把握することが重要です。また、質の高い学習を継続することで、必要な時間を短縮することも可能です。
簿記2級の勉強時間と学習計画では、具体的な学習スケジュールの立て方や、科目別の時間配分について詳しく解説しています。
250~350時間程度が目安
簿記2級の合格に必要な勉強時間は、簿記の知識がない初学者の場合、250~350時間程度が目安となります。これを1日2時間の学習時間で換算すると、約4~6ヶ月の学習期間が必要です。1日3時間確保できれば、約3~4ヶ月での合格を目指せます。
この時間には、テキストでの理論学習、問題集での演習、過去問での実践練習がすべて含まれます。配分としては、テキスト学習に100~120時間、問題集演習に80~100時間、過去問演習に70~130時間程度を充てるのが理想的です。
ただし、これはあくまで目安であり、個人の理解力や学習環境によって変動します。数字に強い人や、会計業務の経験がある人は、より短い時間で合格できる可能性があります。逆に、数学が苦手な人や、初めて簿記を学ぶ人は、350時間以上かかることもあります。
簿記3級保持者の場合
簿記3級をすでに取得している人の場合、必要な勉強時間は150~250時間程度に短縮できます。これは、簿記の基礎知識がすでに身についているため、商業簿記の基本部分の学習を省略できるからです。
簿記3級で学んだ仕訳の基本、決算整理の考え方、財務諸表の読み方などは、簿記2級でもそのまま活用できます。そのため、商業簿記の応用部分(連結会計、税効果会計など)と、工業簿記の全範囲に集中して学習できます。
学習期間としては、1日2時間の学習で約3~4ヶ月、1日3時間なら約2~3ヶ月での合格を目指せます。ただし、簿記3級取得から時間が経過している場合は、基礎知識の復習に追加で50~100時間程度必要になることもあります。
独学か通信講座かで変わる勉強時間
独学で学習する場合と、通信講座や専門学校を利用する場合では、必要な勉強時間に差が生じます。独学の場合は、自分で学習計画を立て、分からない部分を自力で解決する必要があるため、300~400時間程度かかることが多いです。
一方、通信講座や専門学校を利用する場合は、体系的なカリキュラムに沿って効率的に学習できるため、200~300時間程度で合格を目指せます。特に、工業簿記のような初学者が理解しにくい分野では、講師の説明を聞くことで理解が深まり、学習時間の短縮につながります。
ただし、通信講座を利用しても、自分で問題演習を繰り返す時間は必要です。講義を聞くだけでは知識が定着しないため、講義時間とは別に、復習や問題演習の時間を十分に確保することが重要です。どちらの方法を選ぶかは、自分の学習スタイルや予算、利用できる時間によって判断しましょう。
簿記2級の勉強時間に関してもっと詳しい記事はこちら
簿記2級の勉強時間|合格までの学習スケジュールと時間配分
簿記2級の合格率を上げるためのポイント
簿記2級の合格率は低めですが、適切な学習方法と対策を実践することで、合格の可能性を大きく高めることができます。合格者に共通しているのは、計画的な学習と、自分の弱点を把握して克服する姿勢です。
ここでは、合格率を上げるための具体的なポイントを4つ紹介します。これらのポイントを実践することで、効率的に合格を目指すことができます。
簿記2級の難易度と学習レベルでは、各論点の難易度や優先順位について詳しく解説しています。
商業簿記と工業簿記をバランスよく学習
簿記2級で合格するためには、商業簿記と工業簿記の両方をバランスよく学習することが不可欠です。どちらか一方に偏った学習をすると、試験本番で大きく失点してしまう可能性があります。
理想的な学習時間の配分は、商業簿記60%、工業簿記40%程度です。これは試験の配点(商業簿記60点、工業簿記40点)に合わせた配分です。ただし、工業簿記が全く初めての人は、最初は工業簿記により多くの時間を割いて、基礎をしっかり固めることをおすすめします。
学習の順序としては、まず商業簿記の基礎を復習し、次に工業簿記の全範囲を学習、その後、商業簿記の応用論点(連結会計など)に取り組むのが効果的です。両科目を並行して学習することで、頭の切り替えがスムーズになり、試験本番でも両科目に柔軟に対応できるようになります。
過去問演習で時間配分を練習
簿記2級では、90分という限られた時間内に5問すべてを解き終える必要があります。そのため、過去問演習を通じて時間配分の感覚を身につけることが非常に重要です。
理想的な時間配分は、第1問(仕訳)15分、第2問(商業簿記)15~20分、第3問(商業簿記)20~25分、第4問(工業簿記)15~20分、第5問(工業簿記)15~20分です。見直し時間として5~10分を残せるようにしましょう。
過去問演習では、必ず時間を計って本番と同じ環境で解くことが大切です。最初は時間オーバーしても構いませんが、徐々にスピードを上げていき、本番の1週間前には、85分以内に解き終えられるようにしておくと安心です。
また、解く順序も重要です。必ずしも第1問から順番に解く必要はなく、得意な問題から取り組んで確実に得点を積み重ねる戦略も有効です。自分に合った解答順序を過去問演習で見つけましょう。
苦手分野を早期に克服
簿記2級では、苦手分野を放置すると合格が難しくなります。特に、連結会計や工業簿記の標準原価計算など、多くの受験者が苦手とする分野は、早期に対策を始めることが重要です。
苦手分野の克服方法として効果的なのは、基礎からやり直すことです。応用問題が解けない場合、多くは基礎理解が不十分なことが原因です。連結会計なら、まず個別財務諸表の仕組みをしっかり理解してから、連結の処理に進むようにしましょう。
また、苦手分野は繰り返し問題を解くことで、徐々に理解が深まります。最初は解説を見ながらでも構わないので、同じ問題を3回以上解いて、解法のパターンを体に染み込ませましょう。独学で理解できない場合は、通信講座の該当部分だけ受講したり、YouTube の解説動画を活用したりするのも効果的です。
ネット試験の活用を検討
合格率を上げる方法として、ネット試験の活用を検討する価値があります。前述のとおり、ネット試験の合格率は統一試験の約2倍であり、受験日を自由に選べるメリットがあります。
ネット試験を活用する場合の戦略として、まず一度ネット試験を受験して力試しをし、不合格だった場合は弱点を補強してから再度受験する方法があります。統一試験と違い、不合格でもすぐに再挑戦できるため、学習のモチベーションを維持しやすいというメリットもあります。
ただし、ネット試験を受験する場合は、CBT方式に慣れておく必要があります。パソコン画面での問題閲覧や、マウスでの選択操作に慣れていないと、実力を発揮できない可能性があります。事前に模擬試験サイトなどでCBT方式を体験しておくことをおすすめします。
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簿記2級の合格率に関連するよくある質問(FAQ)
簿記2級の合格率について、受験を検討している方からよく寄せられる質問をまとめました。これらの疑問を解消することで、より明確な学習計画を立てることができます。
Q. 簿記2級の合格率が低いのはなぜですか?
簿記2級の合格率が低い主な理由は、工業簿記という新しい科目が追加されること、試験範囲の改定で連結会計などの高度な内容が加わったこと、問題数が多く時間配分が難しいことの3つです。特に2016年度以降の試験範囲改定により、簿記1級レベルだった内容が簿記2級に移行され、全体的な難易度が上昇しました。
また、簿記2級は実務レベルの知識が求められる資格であり、単なる暗記では対応できない応用力が必要です。計算過程が複雑な問題も多く、正確性とスピードの両立が求められます。しかし、適切な学習方法で250~350時間程度の勉強時間を確保すれば、十分に合格を目指せる資格です。
Q. 簿記2級は統一試験とネット試験、どちらが合格しやすいですか?
簿記2級のネット試験の方が統一試験より合格率が約2倍高く、合格しやすいと言えます。ネット試験の合格率は35~40%程度で推移しているのに対し、統一試験は10~30%程度です。
ネット試験の合格率が高い理由は、受験日を自由に選べるため、準備が整った状態で受験する人が多いことです。統一試験は年3回の決まった日程しかありませんが、ネット試験は随時受験でき、不合格でもすぐに再挑戦できます。ただし、出題範囲や難易度、合格基準は両試験とも同じなので、どちらを選んでも取得できる資格の価値に差はありません。簿記ネット試験の詳細で申込方法や受験の流れを確認できます。
Q. 簿記2級は独学でも合格できますか?
簿記2級は独学でも合格可能な資格ですが、簿記3級と比べると難易度が高いため、計画的な学習が必要です。独学で合格するためには、質の高いテキストと問題集を選び、300~400時間程度の学習時間を確保することが重要です。
特に工業簿記は初学者にとって理解しにくい分野なので、独学の場合は YouTube の解説動画なども活用すると良いでしょう。また、過去問演習を十分に行い、時間配分の練習をすることも合格の鍵となります。独学に不安がある場合は、通信講座の利用も検討してみてください。効率的に学習でき、200~300時間程度で合格を目指せます。
Q. 簿記2級の合格率は今後上がりますか?
簿記2級の合格率が今後大きく上昇する可能性は低いと考えられます。試験範囲は実務で必要な知識に合わせて定期的に見直されており、今後も新しい会計基準への対応などで内容が更新される予定です。
ただし、ネット試験の普及により、受験者全体の合格率は緩やかに上昇する可能性があります。ネット試験では受験日を自由に選べるため、準備が整った状態で受験する人が増えることが予想されます。また、オンライン学習教材の充実により、効率的な学習ができる環境が整ってきていることも、合格率の緩やかな上昇につながる可能性があります。
Q. 簿記2級で合格率が一桁の回はありますか?
はい、簿記2級の統一試験では、過去に合格率が一桁だった回が複数存在します。最も低かったのは第107回試験(2004年6月)の5.7%で、直近では第157回試験(2021年2月)が8.6%という極端に低い合格率を記録しています。
これらの回では、複雑な連結会計の応用問題や、部門別計算と標準原価計算の複合問題など、非常に難易度の高い問題が出題されました。ただし、近年は試験問題の難易度バランスが見直されており、極端に低い合格率の回は減少傾向にあります。どのような難易度の問題が出題されても対応できるよう、幅広く学習しておくことが重要です。
まとめ:簿記2級の合格率は低いが十分に合格可能
本記事では、簿記2級の合格率について、統一試験とネット試験の違い、合格率が低い理由、合格率を上げるための対策について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 統一試験とネット試験で合格率が大きく異なる:統一試験は10~30%、ネット試験は35~40%で推移しており、受験形式の選択が合格率に影響します。ネット試験は受験日を自由に選べるため、準備が整った状態で受験できることが高い合格率につながっています。
- 2016年度の試験範囲改定で難易度が上昇:連結会計をはじめとする高度な内容が追加され、学習すべき内容が大幅に増加しました。工業簿記の追加、問題数の多さ、時間配分の難しさなども合格率が低い要因となっています。
- 適切な学習方法で合格は十分に目指せる:250~350時間程度の学習時間を確保し、商業簿記と工業簿記をバランスよく学習することが重要です。過去問演習で時間配分を練習し、苦手分野を早期に克服することで、合格の可能性を高められます。
簿記2級の合格率を理解できたら、次は具体的な学習計画を立てましょう。簿記2級の勉強時間と学習計画と簿記2級の難易度と学習レベルを参考に、計画的に進めることをおすすめします。
本記事を通じて、簿記2級の合格率の実態と、合格するための具体的な対策を理解いただけたはずです。合格率は低めですが、適切な学習方法で十分に合格を目指せる資格です。これらの情報を活用して、簿記2級合格に向けて着実に一歩を踏み出しましょう。
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