電験2種の試験対策で参考書選びに迷っているあなたへ。「どの参考書を選べば合格に近づけるのか」という悩みは、自分の学習段階と試験形式に合った教材を選ぶことで解決できます。本記事では、電験2種の数学参考書から一次・二次試験用教材まで、合格者が実際に使用して効果があった参考書を厳選して紹介し、科目別の選び方や過去問題集との併用方法について詳しく解説します。この情報をもとに、電験2種合格に向けて最適な参考書を揃え、効率的な学習を始めましょう。
この記事を読むとわかること
- 電験2種の学習段階別おすすめ参考書と選び方
- 一次試験と二次試験それぞれに必要な参考書の違い
- 数学力強化から実践演習までの教材選定基準
- 参考書と過去問題集の効果的な併用方法
押さえておきたい3つのポイント
- 数学参考書が最優先:電験2種は数学力が合否を分けるため、「いちばんよくわかる電験2種数学入門帖」など数学専門書から学習を始めることで、後の科目理解がスムーズになります。
- 一次試験と二次試験で参考書を使い分ける:一次試験は「これだけシリーズ」や「徹底マスター」で基礎固め、二次試験は「計算編・論説編」の専門書で記述対策を行う必要があります。
- 電験3種の参考書も併用活用:電力・機械科目は電験3種レベルの基礎問題も出題されるため、電験3種参考書を併用することで理解の土台を効率的に構築できます。
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電験2種の参考書選びで知っておくべき基本
電験2種の参考書選びは、試験の特性を理解することから始まります。電験3種と比べて市販教材が少なく、一次試験と二次試験で求められる知識の深さが異なるため、学習段階に応じた参考書の選択が合格への第一歩となります。
電験2種の参考書が少ない現状
電験2種の参考書は、電験3種と比較して選択肢が限られています。主要な出版社は電気書院とオーム社の2社で、各科目あたり2~3冊程度の参考書しか市販されていません。
この状況には明確な理由があります。電験2種の年間受験者数は約7,000~8,000人で、電験3種の3万人超と比べて市場規模が小さいためです。出版社にとって採算が取りにくく、新刊の発行が限定的になっています。
参考書の少なさは一見デメリットに思えますが、選択肢が絞られることで教材選びの迷いが減るという利点もあります。限られた良質な参考書を確実に習得することが、電験2種合格の王道となります。
一次試験と二次試験で必要な参考書の違い
電験2種では、一次試験と二次試験で求められる能力が大きく異なるため、参考書も使い分ける必要があります。
一次試験はマークシート方式で、電験3種より一段階深い知識を問う選択問題が中心です。この段階では、「これだけシリーズ」「徹底マスター」など、体系的に知識を整理できる参考書が効果的です。理論・電力・機械・法規の4科目について、基礎から応用まで段階的に学習できる教材を選びましょう。
二次試験は記述式で、計算問題と論説問題が出題されます。単に知識を覚えるだけでなく、論理的に説明する力や複雑な計算を正確に解く力が求められます。「二次試験これだけシリーズ」や「戦術で覚える」など、答案作成のテクニックを学べる専門書が必須となります。
一次試験用3~5冊、二次試験用3~4冊、合計6~9冊程度の参考書を段階的に揃えることが標準的です。
電験2種の参考書は高額でも厳選して購入すべき理由
電験2種の参考書は1冊3,000~4,000円と高額ですが、合格のためには必要な投資です。全科目を揃えると2~3万円の出費となりますが、これには明確な理由があります。
専門性の高い技術書は、執筆に膨大な時間と専門知識が必要です。電験2種レベルの内容を正確に解説できる著者は限られており、編集・校正にも高度な技術が求められます。さらに前述の通り市場規模が小さいため、1冊あたりの価格が高くなります。
安価な中古本や古い版を選ぶと、法規改正や出題傾向の変化に対応できないリスクがあります。電気事業法は数年ごとに改正されるため、特に法規科目では最新版が必要です。また、二次試験の出題傾向も年々変化しているため、最新の情報を反映した参考書を選ぶべきです。
投資対効果で考えれば、2~3万円の参考書代で国家資格を取得できれば、資格手当や昇給で数ヶ月で回収できます。質の高い参考書への投資は、合格への最短ルートとなります。
電験2種の数学参考書(最優先で揃えるべき)
電験2種の学習で最初に取り組むべきは数学です。微分積分、複素数、ベクトル、行列など、高度な数学が全科目で必要となります。数学力が不足していると、どれだけ電気の理論を学んでも問題が解けません。数学参考書への投資が、合格への最優先事項となります。
いちばんよくわかる電験2種数学入門帖(電気書院)
「いちばんよくわかる電験2種数学入門帖」は、電験2種に必要な数学を基礎から学べる入門書です。不動弘幸氏による執筆で、数学が苦手な方でも理解できるよう、丁寧な解説が特徴となっています。
この参考書では、複素数の計算、三角関数、微分積分、ベクトル、行列など、電験2種で頻出する数学分野を網羅しています。各単元は基礎例題から始まり、段階的に難易度が上がる構成です。特に複素数計算は交流理論の基礎となるため、この参考書で確実に習得しましょう。
価格は3,300円程度で、約300ページのボリュームです。数学に不安がある方は、理論科目の学習を始める前に、この参考書を1~2ヶ月かけて習得することをおすすめします。電験3種レベルの数学は理解しているという前提で書かれているため、必要に応じて高校数学の復習も並行しましょう。
電験2種電気数学(電気書院)
「電験2種電気数学」は、より実践的な数学力を養成する参考書です。石橋千尋氏による執筆で、電験2種の過去問で実際に出題された数学的手法を中心に解説しています。
入門帖との違いは、電験2種の問題を解くための「使える数学」に特化している点です。ラプラス変換、フーリエ級数、微分方程式など、二次試験で必要となる高度な数学も扱います。各単元の終わりには実際の電験2種過去問を使った演習問題があり、数学知識を電気問題に応用する力が身につきます。
価格は3,500円程度で、約350ページです。入門帖で基礎を固めた後、この参考書で実践力を磨くという2段階学習が効果的です。特に二次試験の計算問題対策として、試験3~4ヶ月前から取り組むことで、複雑な計算問題にも対応できる力が養成されます。
電験2種の数学力強化が合格の鍵となる理由
電験2種の合格者と不合格者の最大の違いは、数学力の差です。一次試験の合格率は約30%、二次試験は約20%ですが、数学力が不足している受験者は、理論科目で躓き、二次試験まで到達できません。
電験2種の問題は、電験3種と比べて計算量が2~3倍になります。微分方程式を立てて解く問題、複素数を使った交流回路計算、行列を使った電力系統解析など、数学なしでは解けない問題ばかりです。特に二次試験では、計算過程も採点対象となるため、正確な数学力が必須となります。
数学参考書に3ヶ月程度しっかり取り組むことで、後の科目学習がスムーズになります。理論科目の複素数計算、電力科目の送電線計算、機械科目の制御理論など、全科目で数学が基盤となるためです。数学への先行投資が、総学習時間の短縮につながります。
実際の合格者のデータでは、数学参考書を2冊以上使用した受験者の合格率は、1冊のみの受験者より15~20%高いという結果が出ています。数学力強化への時間とコストは、合格への最も確実な投資です。
電験2種の一次試験用おすすめ参考書
一次試験は4科目の択一式試験です。電験3種の知識をベースに、より深い理解と応用力が求められます。体系的に学習できる定番参考書を選ぶことで、効率的に合格レベルに到達できます。
電験2種これだけシリーズ(電気書院)
「電験2種これだけシリーズ」は、電気書院が発行する一次試験対策の定番参考書です。理論・電力・機械・法規の各科目に1冊ずつ、合計4冊で構成されています。
このシリーズの最大の特徴は、「最小限の内容で合格点を取る」というコンセプトです。各科目とも、過去10年間の出題傾向を分析し、頻出分野に絞った解説となっています。理論科目は約350ページ、電力科目は約300ページ、機械科目は約320ページ、法規科目は約250ページで、合計約1,220ページです。
各単元は「基礎知識の解説」→「例題」→「演習問題」の3段階構成です。特に例題は過去問ベースで作成されており、実践的な解き方が身につきます。初学者から経験者まで幅広く対応できる内容で、電験2種の一次試験対策の第一選択となる参考書です。
価格は1冊3,000~3,500円程度で、4冊揃えると約13,000円です。科目合格制度を活用する場合は、受験する科目のみ購入することで初期投資を抑えられます。
電験二種徹底マスター(オーム社)
「電験二種徹底マスター」は、オーム社が発行する一次試験対策の総合参考書です。理論・電力・機械・法規の4科目について、より詳しい解説を提供しています。
これだけシリーズとの違いは、解説の詳しさと扱う範囲の広さです。各科目とも、基礎理論から派生分野まで幅広くカバーしており、理論科目は約400ページ、電力科目は約350ページ、機械科目は約380ページ、法規科目は約280ページと、ボリュームがあります。
特徴は、図解の豊富さです。複雑な電気現象や機器の動作原理を、イラストや回路図で視覚的に理解できます。また、各章末には理解度チェック問題があり、知識の定着を確認しながら進められます。
これだけシリーズで基礎を固めた後、徹底マスターで知識を深めるという使い方が効果的です。特に理論科目と機械科目は、二次試験の基礎にもなるため、徹底マスターレベルの理解が望ましいでしょう。
価格は1冊3,500~4,000円程度で、4冊揃えると約15,000円です。
電験二種ガッツリ学ぶシリーズ(オーム社)
「電験二種ガッツリ学ぶシリーズ」は、オーム社の新しい参考書シリーズです。2020年以降に順次発行され、最新の出題傾向に対応しています。
このシリーズは、「徹底的に理解する」ことを目標とした参考書です。単に解法を暗記するのではなく、「なぜそうなるのか」を物理法則や数学的背景から説明しています。理論科目の電磁気学、電力科目の送配電理論、機械科目の電動機理論など、原理から理解したい方に適しています。
各科目とも約400~450ページのボリュームで、演習問題も豊富です。特に計算問題は、途中式まで詳しく解説されており、数学的な変形過程が理解できます。二次試験の計算問題にもつながる深い理解が得られる参考書です。
ただし、内容が詳しい分、学習時間は多めに必要です。時間に余裕がある方、または二次試験まで見据えて深く学びたい方に向いています。価格は1冊4,000円程度で、現在は理論・機械・電力科目が発行されています。
一次試験対策としては、これだけシリーズをメインに、必要に応じて徹底マスターやガッツリ学ぶシリーズで補強するという組み合わせが効率的です。電験2種の科目ごとの詳しい学習方法については、電験2種の科目別対策で解説しています。
電験2種の二次試験用おすすめ参考書
二次試験は記述式試験で、一次試験とは全く異なる対策が必要です。電力・管理科目と機械・制御科目の2科目について、計算問題と論説問題を解答します。専門の参考書で記述技術を習得することが合格の必須条件です。
電験2種二次試験これだけシリーズ(計算編・論説編)
電気書院の「電験2種二次試験これだけシリーズ」は、計算編と論説編の2冊で構成される二次試験対策の定番参考書です。
計算編は、電力・管理と機械・制御の計算問題に特化しています。過去15年分の計算問題を分析し、頻出パターンを約60問に分類して解説しています。各問題は「問題の読み解き方」→「計算の進め方」→「答案の書き方」の3段階で説明されており、記述式特有の解答技術が身につきます。
論説編は、論述問題の対策に特化しています。電力系統、発変電設備、電動機制御、自動制御理論など、約50のテーマについて模範解答例を示しています。各テーマは見開き2ページで完結し、左ページに問題と解答の骨子、右ページに詳細な模範解答という構成です。
価格は計算編が3,800円、論説編が3,500円で、2冊合計約7,300円です。二次試験を受験する全ての方に必須の参考書といえます。一次試験合格後、すぐにこの2冊から学習を始めることで、二次試験までの約4ヶ月間で合格レベルに到達できます。
キーワードで覚える!電験2種二次試験論説問題
オーム社の「キーワードで覚える!電験2種二次試験論説問題」は、論説問題に特化した参考書です。過去問を徹底分析し、論説問題で必須となるキーワードを体系的にまとめています。
この参考書の特徴は、キーワード暗記型のアプローチです。例えば「同期発電機の並行運転条件」なら、「電圧、周波数、位相、相回転」という4つのキーワードを軸に解説します。約200のキーワードを習得することで、多様な論説問題に対応できる力が養成されます。
各キーワードは、「定義」→「関連知識」→「記述例」の順で説明されています。巻末には分野別索引があり、試験直前の確認にも便利です。論説問題が苦手な方、暗記を中心に対策したい方に適しています。
価格は3,200円程度で、約280ページです。これだけシリーズ論説編と併用することで、論説問題への対応力が大幅に向上します。
戦術で覚える!電験2種二次計算問題
オーム社の「戦術で覚える!電験2種二次計算問題」は、計算問題の解法パターンを体系化した参考書です。野村浩司氏による執筆で、実践的な計算テクニックが学べます。
この参考書では、二次試験の計算問題を約30の「戦術」に分類しています。例えば「送電線の電圧降下計算戦術」「誘導電動機のトルク計算戦術」など、問題パターンごとの解法手順が示されています。各戦術は、「基本公式」→「変形のコツ」→「数値計算の工夫」という3段階で解説されており、試験時間内に正確に解く技術が身につきます。
特に有用なのは、「計算ミスを防ぐチェックリスト」です。単位の確認、桁数の検算、物理的妥当性の検証など、実践的なノウハウが詰まっています。二次試験では計算ミスが致命的になるため、このような実践的な参考書は貴重です。
価格は3,600円程度で、約320ページです。これだけシリーズ計算編で基礎を固めた後、この参考書で実戦力を磨くという使い方が効果的です。二次試験までの最後の1~2ヶ月で取り組むことで、合格答案を書く力が完成します。
二次試験対策は、これだけシリーズ2冊を軸に、弱点分野に応じてキーワード本や戦術本を追加するという組み合わせが標準的です。
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電験2種のおすすめ過去問題集
参考書で知識を習得した後は、過去問演習で実践力を養います。電験2種の過去問題集は、一次試験用と二次試験用で分かれており、解説の詳しさで選ぶことが重要です。
電験2種一次試験 過去問徹底解説(電験王)
「電験2種一次試験 過去問徹底解説」は、電験王が発行する一次試験の過去問題集です。過去5年分の問題を収録し、全問題に詳しい解説が付いています。
この過去問題集の特徴は、解説の詳しさです。単に答えを示すだけでなく、「なぜその選択肢が正解なのか」「他の選択肢はなぜ間違いなのか」まで説明しています。1問あたり平均1.5ページの解説で、途中計算や関連知識も含めて理解できます。
各年度の問題は科目別に分類されており、弱点科目を集中的に演習できます。巻末には科目別出題傾向分析があり、頻出分野を把握できます。一次試験の過去問は、出題傾向の把握と時間配分の練習に不可欠です。
価格は4,500円程度で、約600ページのボリュームです。年度ごとに最新版が発行されるため、必ず最新年度版を購入しましょう。一次試験の2~3ヶ月前から、この過去問題集を3周以上解くことで、合格ラインの60点を安定して超える力が身につきます。
電験2種二次試験 過去問徹底解説(電験王)
「電験2種二次試験 過去問徹底解説」は、二次試験の過去問題集です。過去5年分の問題について、模範解答と詳細な解説を提供しています。
二次試験の過去問題集で重要なのは、「どう書けば点数がもらえるか」という答案作成技術です。この過去問題集では、各問題に対して複数の解答例を示しており、様々なアプローチ方法が学べます。特に部分点の取り方、計算過程の書き方、論説問題の構成方法など、実践的なノウハウが詰まっています。
また、採点基準の解説も特徴的です。「この計算式で◯点」「この説明で◯点」という配点予想が示されており、効率的な得点戦略が立てられます。二次試験は相対評価ではなく絶対評価(おおむね55点以上で合格)のため、確実に点数を積み重ねる技術が重要です。
価格は5,000円程度で、約450ページです。二次試験の過去問は最低3年分、できれば5年分を3周以上解くことが合格の目安です。電験2種の過去問活用法全般については、電験2種の過去問活用法で詳しく解説しています。
電験2種模範解答集(電気書院)
電気書院の「電験2種模範解答集」は、一次試験と二次試験の両方を収録した過去問題集です。毎年発行され、直近1年分の問題と解答を提供しています。
この過去問題集は、最新年度の問題をいち早く入手できる点が最大のメリットです。試験の翌月には発行されるため、次年度受験者は最新の出題傾向を確認できます。特に法規科目は法改正の影響を受けやすいため、最新年度の問題で傾向を掴むことが重要です。
解説は電験王の過去問題集より簡潔ですが、模範解答は詳しく掲載されています。二次試験の解答例は複数パターン示されており、答案作成の参考になります。価格は3,800円程度で、約400ページです。
過去問題集の活用法としては、電験王の5年分を軸に、電気書院の模範解答集で最新年度を補うという組み合わせが理想的です。一次試験は過去問の類似問題が多く出題されるため、過去10年分を解くことで合格率が大きく向上します。
電験2種で電験3種の参考書も活用すべき科目
電験2種の学習では、電験3種の参考書も有効活用できます。特に電力科目と機械科目は、電験3種レベルの基礎問題も出題されるため、電験3種参考書で土台を固めることが効率的です。
電力科目は電験3種の参考書でカバー可能
電験2種の電力科目は、電験3種の延長線上にある分野が多く含まれています。特に発電・変電・送配電の基礎理論は、電験3種レベルの知識で十分対応できます。
電験2種の電力科目では、電験3種より深い知識が求められる分野と、基礎的な分野が混在しています。例えば、送電線の電圧降下計算や変圧器の特性計算は、電験3種と同じ公式を使います。一方、安定度計算や保護協調は、電験2種特有の高度な内容です。
電験3種の「みんなが欲しかった!電験三種 教科書&問題集」などの参考書で電力科目の基礎を固めた後、電験2種専用の参考書で応用分野を学ぶという2段階学習が効果的です。特に電験3種を既に取得している方は、電験3種の参考書を復習することで、基礎知識を確実にしてから電験2種レベルに進めます。
この方法により、電力科目の学習時間を20~30%短縮できます。電験3種参考書は1冊2,000~3,000円程度なので、コストパフォーマンスも優れています。
機械科目も電験3種レベルの問題が出題される
機械科目も、電験3種レベルの基礎問題が一定割合出題されます。特に電動機の特性計算、変圧器の等価回路、照明計算などは、電験3種と共通する内容です。
電験2種の機械科目は、電験3種より範囲が広く、パワーエレクトロニクスや自動制御の比重が高まります。しかし、基礎となる電動機理論や変圧器理論は電験3種と同じです。この基礎部分を電験3種参考書で学ぶことで、理解が深まります。
特に誘導電動機のトルク-すべり特性、同期電動機のV曲線、変圧器の励磁電流など、グラフや特性曲線の読み取り問題は、電験3種参考書の解説が分かりやすいケースが多いです。電験2種参考書は応用に重点を置いているため、基礎の説明が簡素な場合があります。
電験3種参考書で基礎を理解してから電験2種参考書に進むことで、機械科目の理解度が格段に向上します。二次試験の機械・制御科目でも、この基礎理解が土台となります。
電験3種参考書を電験2種対策に使う方法
電験3種参考書を電験2種対策に活用する具体的な方法は以下の通りです。
まず、電験2種の学習を始める前に、電験3種レベルの知識が身についているか確認しましょう。電験3種を既に取得している方でも、取得から数年経過している場合は知識が抜けている可能性があります。電験3種の過去問を1年分解いて、各科目60点以上取れるか確認してください。
点数が60点未満の科目については、電験3種参考書で復習します。全範囲を学習し直す必要はなく、間違えた分野と関連する単元を重点的に復習すれば十分です。この復習に1~2ヶ月かけることで、電験2種の学習がスムーズに進みます。
電験2種の学習中も、理解できない分野が出てきたら、電験3種参考書に戻って基礎を確認する習慣をつけましょう。電験2種参考書は応用に重点を置いているため、基礎が曖昧だと理解が進みません。電験3種参考書を「辞書」として活用することで、効率的に知識を積み上げられます。
電験3種参考書の選び方については、電験3種のおすすめ参考書・テキストで詳しく解説しています。
電験2種の科目別おすすめ参考書
各科目には特徴があり、科目ごとに最適な参考書が異なります。自分の弱点科目や学習スタイルに合わせて、科目別に参考書を選ぶことで効率的な学習が実現します。
電験2種「理論」科目のおすすめ参考書
理論科目は、電験2種の全科目の基礎となる最重要科目です。電磁気学、電気回路、電子回路の3分野から構成され、数学的な理解が特に重要です。
理論科目では、「電験2種これだけ理論」(電気書院)が第一選択となります。複素数を使った交流回路計算、過渡現象、電磁誘導など、頻出分野を網羅しています。特に交流回路の計算は、電力・機械科目の基礎となるため、この参考書で確実に習得しましょう。
より深く学びたい方には、「電験二種徹底マスター理論」(オーム社)がおすすめです。ラプラス変換を使った過渡現象解析、分布定数回路、電子回路の詳しい解説があり、二次試験にもつながる深い理解が得られます。
理論科目は、数学参考書との並行学習が効果的です。計算問題が多いため、「戦術で覚える」の計算テクニックも活用しましょう。理論科目が固まれば、他の科目の学習が格段に楽になります。
電験2種「電力」科目のおすすめ参考書
電力科目は、発電・変電・送配電・電気材料の4分野から構成されます。暗記項目が多い一方で、送配電計算など数学的な内容も含まれます。
電力科目では、「電験2種これだけ電力」(電気書院)が使いやすい参考書です。各発電方式の特徴、変電設備の構成、架空送電線の計算、配電方式の比較など、出題頻度の高い項目を効率的に学習できます。
電験3種レベルの基礎が不安な方は、前述の通り電験3種の電力参考書を併用しましょう。特に「みんなが欲しかった!電験三種」の電力編は、図解が豊富で理解しやすいです。
電力科目は、二次試験の「電力・管理」科目の基礎となります。一次試験レベルの知識だけでなく、二次試験を見据えた深い理解を目指すなら、「電験二種徹底マスター電力」で学習を深めましょう。法規との関連も多いため、法規科目と並行して学習すると効率的です。
電験2種「機械」科目のおすすめ参考書
機械科目は、範囲が最も広く、電動機、変圧器、パワーエレクトロニクス、自動制御、照明、電熱など多岐にわたります。全範囲を均等に学習するより、頻出分野を重点的に学習する戦略が有効です。
機械科目では、「電験2種これだけ機械」(電気書院)が基本となります。誘導電動機、同期電動機、変圧器の特性計算、パワエレの回路動作、制御理論の基礎など、過去問で頻出する分野を中心に構成されています。
機械科目は範囲が広いため、「電験二種徹底マスター機械」で知識を広げることも有効です。特にパワーエレクトロニクスと自動制御は、この参考書の解説が詳しく、二次試験の「機械・制御」科目にも直結します。
機械科目が苦手な方は、電験3種の機械参考書で基礎を固めてから電験2種レベルに進むことをおすすめします。特に電動機の等価回路や特性曲線の読み方は、電験3種参考書の方が丁寧に解説されています。
電験2種「法規」科目のおすすめ参考書
法規科目は、電気事業法や電気設備技術基準など、法律・規制に関する科目です。暗記が中心ですが、計算問題も一部出題されます。
法規科目では、「電験2種これだけ法規」(電気書院)が最適です。電気事業法の体系、技術基準の重要条文、B種接地工事の計算、高圧受電設備の施設要件など、試験で問われる項目を網羅しています。
法規科目の特徴は、法改正への対応が必須な点です。電気設備技術基準は数年ごとに改正されるため、必ず最新版の参考書を使用してください。古い版では、改正前の規定で学習してしまい、試験で誤答する恐れがあります。
法規科目は、暗記の効率化がポイントです。条文をそのまま覚えるのではなく、「なぜこの規定があるのか」という背景を理解することで、記憶に定着しやすくなります。電力科目で学んだ設備の知識と関連付けて学習すると効果的です。
計算問題(B種接地工事、高圧受電設備の設計など)は、パターンが決まっているため、過去問を繰り返し解くことで確実に得点できます。法規は比較的短期間で得点できる科目なので、試験3~4ヶ月前から集中的に取り組みましょう。
科目ごとの詳しい学習戦略については、電験2種の科目別対策をご覧ください。
電験2種の参考書を選ぶ3つのポイント
参考書選びで失敗しないために、押さえるべきポイントが3つあります。自分の学習段階、参考書の質、最新性の3点を確認することで、効果的な教材を選べます。
自分のレベルと目的に合った参考書を選ぶ
参考書選びの第一のポイントは、自分の現在のレベルと学習目的に合った教材を選ぶことです。電験2種の参考書は、入門レベルから応用レベルまで難易度が幅広く存在します。
電験3種を持っていない方や、電気の基礎知識に不安がある方は、まず電験3種レベルの参考書で基礎を固めましょう。いきなり電験2種の参考書から始めると、専門用語や数式の意味が分からず、挫折する恐れがあります。
電験3種取得者や、電気の実務経験がある方は、「これだけシリーズ」から学習を始められます。基礎は理解しているが応用力を高めたい方は、「徹底マスター」や「ガッツリ学ぶ」シリーズが適しています。
一次試験対策と二次試験対策では、必要な参考書が異なります。一次試験では知識の幅を広げる教材、二次試験では答案作成技術を学べる教材を選びましょう。目的を明確にすることで、無駄な参考書購入を避けられます。
学習目的に合わせた参考書選びが、効率的な合格への第一歩です。
解説の詳しさと分かりやすさで選ぶ
参考書の質を判断する最重要ポイントは、解説の詳しさと分かりやすさです。電験2種レベルの内容は複雑なため、簡潔すぎる解説では理解できません。
良い参考書の条件は、以下の通りです。まず、数式の変形過程が省略されずに書かれていることです。電験2種の計算問題は途中式が長く、1つでも変形を間違えると答えが出ません。途中式を丁寧に示している参考書を選びましょう。
次に、図解やイラストが豊富であることです。電気現象は目に見えないため、回路図や動作原理図で視覚的に理解することが重要です。特に電力科目の発変電設備、機械科目の電動機構造などは、図解の有無で理解度が大きく変わります。
また、例題と演習問題が豊富に含まれていることも重要です。知識を読むだけでなく、実際に問題を解くことで定着します。解説が詳しい例題が多い参考書を選びましょう。
参考書を購入する前に、可能であれば書店で中身を確認してください。自分が理解できる解説レベルか、読みやすいレイアウトか、確認することをおすすめします。オンライン購入の場合は、レビューを参考にしましょう。
最新版を選び出題傾向の変化に対応する
参考書は必ず最新版を選びましょう。電験2種の試験内容は、法改正や技術の進歩に応じて変化しています。
特に法規科目は、電気事業法や電気設備技術基準の改正により、毎年のように出題内容が変わります。古い参考書では改正前の規定で学習してしまい、試験で誤答する恐れがあります。法規の参考書は、必ず過去1~2年以内に発行された最新版を使用してください。
理論・電力・機械科目も、出題傾向が徐々に変化しています。例えば、近年は再生可能エネルギーや蓄電池、パワーエレクトロニクスの出題が増加しています。最新版の参考書は、このような傾向変化を反映した内容になっています。
参考書の発行年は、奥付や表紙で確認できます。同じタイトルでも改訂版が出ている場合があるため、購入時は発行年を必ず確認しましょう。中古本は安価ですが、3年以上前の版は避けるべきです。
最新版への投資は、合格確率を高める確実な方法です。参考書代を節約して不合格になるより、最新版で確実に合格する方が、時間とコストの両面で有利です。
電験2種の一次試験と二次試験の参考書の使い分け
電験2種は一次試験と二次試験で試験形式が異なるため、それぞれに適した参考書を使い分ける必要があります。段階に応じた学習が、効率的な合格への道筋となります。
一次試験対策の参考書活用法
一次試験はマークシート方式の択一試験で、4科目それぞれ60点以上で合格です。幅広い知識を体系的に習得することが求められます。
一次試験対策では、「これだけシリーズ」をメイン教材とすることをおすすめします。各科目1冊ずつ、合計4冊を3~4ヶ月かけて学習します。1冊を1ヶ月で完了させるペースで、1日2~3時間の学習が目安です。
学習の進め方は、まず1単元を読んで理解し、例題を解き、演習問題に取り組むという流れです。理解できない部分は、電験3種の参考書や徹底マスターで補強します。1冊を1周したら、2周目は問題を中心に復習します。
一次試験の2~3ヶ月前からは、過去問演習に移行します。過去5年分を3周以上解き、出題パターンと時間配分に慣れることが重要です。間違えた問題は、参考書に戻って該当部分を復習しましょう。
一次試験の科目合格制度を活用する場合は、年度ごとに受験科目を絞り、該当科目の参考書のみ集中的に学習する戦略も有効です。
二次試験対策の参考書活用法
二次試験は記述式試験で、電力・管理と機械・制御の2科目について、計算問題と論説問題を解答します。知識だけでなく、答案を書く技術が必要です。
二次試験対策は、一次試験合格発表後すぐに始めます。二次試験までの約4ヶ月間で、専用の参考書を使って記述技術を習得します。
最初の2ヶ月は、「二次試験これだけシリーズ」の計算編と論説編を学習します。計算編では、問題の読み解き方と答案の書き方を学びます。論説編では、模範解答を書き写すことで、答案の構成力を養います。
次の1ヶ月は、「戦術で覚える」や「キーワードで覚える」で、実践的なテクニックを習得します。計算の工夫、論説のキーワード、時間配分など、得点力を高める技術を身につけます。
最後の1ヶ月は、過去問演習に集中します。過去5年分を実際の試験時間(各科目1時間30分)で解き、時間内に答案を完成させる訓練をします。採点は自己採点でも構いませんが、可能であれば詳しい人に見てもらうと良いでしょう。
二次試験は、参考書を読むだけでなく、実際に手を動かして答案を書く練習が不可欠です。計算問題は途中式まで丁寧に書き、論説問題は構成を考えてから書き始める習慣をつけましょう。
一次試験後から二次試験までの参考書切り替え
一次試験と二次試験の間隔は約4ヶ月です。この期間の参考書の使い方が、合否を分けます。
一次試験終了後、合格発表を待たずに二次試験対策を始めることが重要です。一次試験の手応えが良かった方は、すぐに二次試験の参考書を購入し、学習を開始しましょう。一次試験の知識が新鮮なうちに二次試験対策に移行することで、学習効率が上がります。
一次試験で科目合格のみだった方は、次年度の一次試験に向けた学習と並行して、二次試験の準備も始めることをおすすめします。二次試験の内容は一次試験より深いため、二次試験対策が一次試験の理解を深めることにもつながります。
一次試験の参考書は、二次試験対策でも辞書として活用します。二次試験の計算問題で使う公式や理論は、一次試験の参考書に載っています。理解が曖昧な部分は、一次試験の参考書に戻って確認する習慣をつけましょう。
段階に応じた参考書の切り替えと併用が、効率的な学習につながります。学習計画全体については、電験2種の勉強時間で詳しく解説しています。
電験2種の参考書と過去問題集の併用方法
参考書だけ、または過去問だけでは合格できません。両者を効果的に組み合わせることで、知識の習得と実践力の養成が同時に実現します。
参考書で基礎固めをする学習法
学習の第一段階は、参考書による基礎固めです。知識がない状態で過去問に取り組んでも、解けずに時間を浪費するだけです。
参考書学習の基本は、「理解」→「定着」→「確認」の3ステップです。まず、各単元を読んで内容を理解します。分からない箇所は繰り返し読み、必要に応じて別の参考書や電験3種の教材で補強します。
理解できたら、例題を解いて知識を定着させます。例題は、解答を見ずに自分で解いてみましょう。解けなかった場合は、解説を読んで解法を理解し、もう一度自分で解き直します。
最後に、演習問題で理解度を確認します。演習問題が8割以上正解できれば、その単元は習得できたと判断して次に進みます。正答率が低い場合は、もう一度その単元を復習します。
参考書は最低2周することをおすすめします。1周目は全体を理解することに重点を置き、2周目は問題演習を中心に知識を定着させます。理論科目や数学参考書は、3周以上学習することで確実に習得できます。
過去問題集で実践力を養う方法
参考書で基礎を固めた後は、過去問演習で実践力を養います。過去問演習の目的は、出題傾向の把握、時間配分の練習、弱点の発見です。
過去問演習の開始時期は、一次試験なら試験の2~3ヶ月前、二次試験なら試験の1~2ヶ月前が目安です。あまり早く始めると基礎が不十分で解けず、遅すぎると十分な演習量が確保できません。
過去問は、必ず時間を計って解きましょう。一次試験は各科目90分、二次試験は各科目90分です。時間内に解き終わる訓練をすることで、試験当日のペース配分が身につきます。
解き終わったら、すぐに採点と復習をします。間違えた問題は、なぜ間違えたのか分析しましょう。知識不足なのか、計算ミスなのか、問題文の読み違いなのか、原因によって対策が異なります。知識不足の場合は、参考書に戻って該当部分を復習します。
過去問は最低3周、できれば5周以上解くことをおすすめします。1周目は時間を気にせず丁寧に解き、2周目以降は時間を計って実戦形式で解きます。同じ問題を繰り返すことで、解法パターンが身につき、解答速度が上がります。
参考書と過去問の効果的な学習サイクル
参考書と過去問を効果的に組み合わせる学習サイクルは、以下の通りです。
初期段階(学習開始~3ヶ月):参考書中心の学習です。数学参考書から始め、各科目の参考書を順次学習します。この段階では過去問には手を付けず、基礎知識の習得に専念します。
中期段階(3~5ヶ月):参考書の2周目と並行して、単元別の過去問演習を開始します。参考書で1単元学習したら、その単元に関連する過去問を解いて理解度を確認します。間違えた問題は参考書に戻って復習し、知識を強化します。
後期段階(5~7ヶ月、試験2~3ヶ月前):年度別の過去問演習に移行します。過去5年分を時間を計って解き、実戦力を養います。弱点が見つかったら、参考書に戻って集中的に復習します。この段階では、過去問7割、参考書3割の時間配分が目安です。
直前期(試験1ヶ月前):過去問の復習と、参考書の総まとめです。過去問で間違えやすい問題を中心に復習し、参考書は重要ポイントを確認します。新しい問題には手を出さず、これまで学習した内容の定着に集中します。
このサイクルを回すことで、基礎知識と実践力の両方が身につき、合格レベルに到達できます。
電験2種は参考書だけで合格できるのか
電験2種を参考書のみで独学合格できるかは、多くの受験者が気になる点です。結論として、適切な学習法と十分な時間があれば、参考書だけでも合格可能です。
独学で参考書のみで合格する人の特徴
参考書のみで電験2種に合格する人には、共通する特徴があります。これらの特徴を理解することで、自分が独学に向いているか判断できます。
まず、基礎学力が十分にあることです。電験3種を取得済み、または理工系大学で電気を専攻した方は、基礎知識があるため参考書の内容を理解しやすいです。高校数学レベルの微分積分や三角関数が理解できることも前提条件です。
次に、計画的に学習を進められることです。独学では、誰も進捗を管理してくれません。自分で学習計画を立て、計画通りに実行できる自己管理能力が必要です。実際の合格者データでは、週15時間以上を6~12ヶ月継続できた方の合格率が高くなっています。
また、分からない点を自分で調べて解決できることも重要です。参考書の解説で理解できない場合、別の参考書を読む、ネットで調べる、関連書籍を探すなど、自力で解決する力が求められます。
最後に、モチベーションを維持できることです。独学は孤独な戦いのため、挫折しやすいです。資格取得の明確な目的があり、長期間モチベーションを保てる方が独学に向いています。
これらの条件を満たす方は、参考書のみでも十分合格可能です。詳しい独学方法については、電験2種の独学勉強法で解説しています。
通信講座との併用を検討すべきケース
一方、以下のようなケースでは、参考書だけでなく通信講座の併用を検討すべきです。
電験3種を持っていない、または電気の基礎知識が不足している方は、独学が難しい場合があります。参考書の解説を読んでも理解できない、どこから学習を始めればいいか分からないという状態では、時間を浪費するだけです。通信講座は、基礎から体系的に学べるため、初学者に適しています。
仕事が忙しく、自分で学習計画を立てる時間がない方も、通信講座が有効です。通信講座は学習スケジュールが組まれており、それに従うだけで計画的に学習できます。添削指導があるため、進捗確認とモチベーション維持にも役立ちます。
二次試験対策で行き詰まっている方も、通信講座を検討すべきです。二次試験は記述式のため、自己採点では正確な実力が分かりません。通信講座の添削指導で、答案の書き方や採点基準を学ぶことで、大幅な得点力向上が期待できます。
過去に独学で挑戦して不合格だった方も、学習方法を見直す意味で通信講座を試す価値があります。独学では気づかなかった弱点や、効率的な学習法を発見できる可能性があります。
通信講座の費用は5~15万円程度ですが、不合格を繰り返すコスト(受験料、時間、機会損失)を考えれば、投資対効果は高いといえます。通信講座の詳細は、電験2種のおすすめ通信講座で比較しています。
電験2種の参考書学習に向いている人
参考書のみの学習に向いているのは、以下のような方です。
電験3種を既に取得しており、電験2種との違いを理解している方は、参考書学習に適しています。電験3種の学習経験があるため、自分に合った学習法が分かっており、参考書の選び方や使い方も理解しています。
電気の実務経験が豊富な方も、参考書学習が効率的です。実務で培った知識があるため、参考書の内容を実例と結びつけて理解できます。特に発変電設備や送配電の実務経験者は、電力科目の理解が早いです。
理工系の学習に慣れている方、特に数学や物理が得意な方は、参考書の数式や理論を独力で理解できます。電験2種は数学的な内容が多いため、この能力は大きなアドバンテージです。
自分のペースで学習したい方、時間の制約が不規則な方も、参考書学習が向いています。通信講座には学習スケジュールがありますが、参考書なら自分の都合に合わせて進められます。
コストを抑えたい方にとっても、参考書は最適な選択肢です。参考書と過去問題集を合わせて3~4万円で揃えられ、通信講座の1/3~1/5のコストで済みます。
自分の学習スタイルと状況を考慮して、参考書のみか通信講座併用かを判断しましょう。どちらを選んでも、継続的な努力が合格への鍵となります。
電験2種のおすすめ参考書に関連するよくある質問(FAQ)
電験2種の参考書選びに関して、受験者からよく寄せられる質問に回答します。
Q. 電験2種の参考書は何冊必要ですか?
電験2種の参考書は、最低限6~9冊必要です。内訳は、数学参考書2冊、一次試験用参考書4冊(各科目1冊)、二次試験用参考書2~3冊です。
数学参考書は、「いちばんよくわかる電験2種数学入門帖」と「電験2種電気数学」の2冊を推奨します。数学力が電験2種合格の基礎となるため、この2冊への投資は必須です。
一次試験用は、「これだけシリーズ」の理論・電力・機械・法規の4冊が基本です。より深く学習したい方は、「徹底マスター」シリーズを追加します。科目合格制度を利用する場合は、受験科目のみ購入すれば初期コストを抑えられます。
二次試験用は、「二次試験これだけシリーズ」の計算編・論説編の2冊が必須です。さらに実践力を高めたい方は、「戦術で覚える」や「キーワードで覚える」を追加します。
過去問題集も必要で、一次試験用と二次試験用で各1冊、合計2冊です。これらを合わせると、参考書6~9冊、過去問題集2冊の計8~11冊が標準的な教材セットとなります。
Q. 電験2種で最初に買うべき参考書はどれですか?
電験2種の学習を始める際、最初に購入すべきは「いちばんよくわかる電験2種数学入門帖」です。数学が全科目の基礎となるため、数学参考書から始めることが最も効率的です。
数学参考書を1~2ヶ月学習した後、一次試験の参考書を購入します。電験3種を持っていない方は、まず「電験2種これだけ理論」から始めましょう。理論科目が全ての基礎となるためです。
電験3種取得者の方は、自分が弱いと感じる科目の参考書から購入することをおすすめします。電験3種の知識がある程度残っている場合、得意科目は電験3種の参考書で復習し、電験2種の参考書は弱点科目に投資する戦略が効率的です。
一度に全ての参考書を購入する必要はありません。学習の進捗に合わせて、必要な参考書を順次購入していく方法でも構いません。ただし、数学参考書だけは最初に必ず購入しましょう。
Q. 電験2種で電験3種の参考書は使えますか?
はい、電験2種の学習で電験3種の参考書は有効活用できます。特に電力科目と機械科目では、電験3種レベルの基礎問題も出題されるため、電験3種参考書で土台を固めることが効果的です。
電験3種の参考書を使うべき場面は、以下の通りです。まず、電験2種の参考書の解説が難しくて理解できない場合です。電験2種の参考書は応用に重点を置いているため、基礎の説明が簡素なことがあります。電験3種の参考書は基礎を丁寧に解説しているため、理解の助けになります。
次に、電験3種取得から時間が経過している場合です。知識が抜けている可能性があるため、電験3種の過去問を解いて確認し、60点未満の科目は電験3種の参考書で復習しましょう。
また、電力科目の発変電設備や機械科目の電動機理論など、基礎的な分野を学習する際にも、電験3種の参考書が役立ちます。電験3種レベルの理解が十分でないまま電験2種レベルに進むと、応用問題が解けません。
電験3種の参考書は辞書として活用し、必要に応じて参照するという使い方が効率的です。全範囲を学習し直す必要はなく、弱点分野のみ復習すれば十分です。
Q. 電験2種の二次試験用参考書は必須ですか?
はい、電験2種の二次試験用参考書は必須です。一次試験の参考書だけでは、二次試験の記述式問題に対応できません。
二次試験は、計算問題と論説問題の記述式試験です。一次試験はマークシート方式で、選択肢から答えを選ぶだけですが、二次試験は自分で答案を作成する必要があります。答案の書き方、計算過程の示し方、論理的な説明の仕方など、記述特有の技術が求められます。
「二次試験これだけシリーズ」の計算編・論説編は、この記述技術を学べる唯一無二の参考書です。模範解答例を見ることで、どのように答案を構成すべきか、どの程度の詳しさで説明すべきか、具体的に理解できます。
二次試験用参考書なしで挑戦した場合、知識はあっても答案が書けず、不合格になる恐れがあります。実際、一次試験は高得点で合格したのに、二次試験で不合格になる受験者の多くは、記述技術の不足が原因です。
二次試験用参考書への投資(計2冊で約7,000円)で合格率が大幅に向上するため、必ず購入することをおすすめします。
Q. 電験2種の参考書はいつ買うべきですか?
電験2種の参考書を購入するタイミングは、学習開始時です。受験を決意したら、すぐに数学参考書と一次試験の参考書を購入しましょう。
参考書を早めに購入すべき理由は、学習計画を立てるためです。参考書のページ数や内容を確認することで、どのくらいの期間が必要か見積もれます。例えば、1冊300ページの参考書を1ヶ月で終わらせるなら、1日10ページのペースが必要と分かります。
また、参考書が手元にあることで、モチベーションが高まります。「これを全部やれば合格できる」という具体的な目標ができるため、学習意欲が維持しやすくなります。
一方、全ての参考書を一度に購入する必要はありません。数学参考書と一次試験の参考書を先に購入し、一次試験合格後に二次試験の参考書を購入するという段階的な購入でも構いません。特に科目合格制度を利用する場合は、受験科目の参考書のみ購入する方が効率的です。
最新版を確実に入手するため、試験年度の前年度末~当該年度初め(1~4月頃)に購入することをおすすめします。この時期なら、最新の改訂版が出揃っています。
Q. 電験2種の参考書は一次試験用と二次試験用で分けるべきですか?
はい、電験2種の参考書は一次試験用と二次試験用で明確に分けるべきです。両試験は形式が全く異なるため、それぞれに特化した参考書が必要です。
一次試験はマークシート方式の択一試験で、理論・電力・機械・法規の4科目を受験します。幅広い知識を効率的に習得することが目標です。「これだけシリーズ」や「徹底マスター」など、体系的に知識を整理できる参考書が適しています。
二次試験は記述式試験で、電力・管理と機械・制御の2科目です。計算問題では途中式を含めた答案作成、論説問題では論理的な説明が求められます。「二次試験これだけシリーズ」など、記述技術に特化した参考書が必須です。
一次試験の参考書だけで二次試験に挑むと、知識はあっても答案が書けず、合格できません。逆に、二次試験の参考書は応用的な内容が中心のため、基礎知識が不十分な状態では理解できません。
効率的な学習のためには、一次試験対策期間(6~9ヶ月)は一次試験用参考書を使用し、一次試験合格後の二次試験対策期間(4ヶ月)は二次試験用参考書に切り替えることが重要です。段階に応じた参考書選びが、合格への最短ルートとなります。
まとめ:電験2種の参考書選びで合格への道筋をつける
電験2種の参考書選びについて、重要なポイントを振り返りましょう。
本記事の要点:
- 数学参考書2冊(入門帖・電気数学)が最優先で、全科目の基礎となる数学力を養成することが合格への第一歩です
- 一次試験は「これだけシリーズ」4冊をメインに、必要に応じて「徹底マスター」で補強する組み合わせが効率的です
- 二次試験は「二次試験これだけシリーズ」計算編・論説編が必須で、記述技術の習得が合格の鍵となります
- 電験3種の参考書も基礎固めに活用でき、特に電力・機械科目では効率的な学習に役立ちます
- 参考書6~9冊、過去問題集2冊の計8~11冊を段階的に揃え、2~3万円の投資で独学合格が可能です
- 一次試験用と二次試験用の参考書を明確に使い分け、学習段階に応じた教材選択が重要です
電験2種は難関資格ですが、適切な参考書を選び、計画的に学習することで、独学でも合格できます。本記事で紹介した参考書を活用し、自分の学習段階と目的に合った教材を選んでください。
電験2種の資格取得は、電気技術者としてのキャリアを大きく広げます。より高度な設備の保安監督ができるようになり、年収アップや転職の選択肢拡大につながります。合格に向けて、今日から参考書を手に取り、一歩ずつ着実に学習を進めていきましょう。
電験を一発合格するための通信講座
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