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危険物取扱者乙種とは?1類〜6類の違いと選び方を解説

危険物取扱者乙種について調べているあなたへ。「乙種にはどんな種類があるのか」「どの類から取得すべきか」という疑問は、各類の特徴と活用方法を理解することで解決できます。本記事では、危険物取扱者乙種の基本的な仕組み、第1類から第6類までの違いと特徴、最適な受験戦略について、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、危険物取扱者乙種の取得に向けて、あなたに最適な学習計画を立てましょう。

この記事を読むとわかること

  • 危険物取扱者乙種の基本的な仕組みと第1類〜第6類の分類
  • 各類で取り扱える危険物の種類と業務内容の違い
  • 科目免除制度を活用した効率的な複数類取得の方法
  • あなたに最適な類の選び方と受験戦略

押さえておきたい3つのポイント

  1. 危険物取扱者乙種は第1類〜第6類に分かれている:各類で取り扱える危険物の性質が異なり、取得した類の危険物のみ取扱いと立会い業務ができます。受験者の約8割が選ぶ実用的な資格です。
  2. 第4類(乙4)が最も人気で実用性が高い:ガソリンや灯油などの引火性液体を扱う乙4は、受験者の約8割が選択し、ガソリンスタンドや化学工場など幅広い職場で活用できます。
  3. 科目免除制度で効率的に複数類を取得できる:いずれかの類を取得すると、法令と物理化学の全問が免除されます。この制度を活用すれば、2つ目以降の類は性質消火の科目のみで受験できます。

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目次

危険物取扱者乙種とは?実用性の高い資格の基本を理解する

危険物取扱者乙種は、特定の類の危険物を取り扱うことができる国家資格です。消防法で定められた危険物を安全に取り扱い、保管、運搬するための専門知識と技能を証明します。危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の3つの種類がありますが、乙種は受験資格が不要で誰でも受験できる点が大きな特徴です。

危険物取扱者乙種の正式名称と定義

危険物取扱者乙種の正式名称は「乙種危険物取扱者免状」です。消防法第13条の3に基づき、都道府県知事から交付される国家資格となります。この免状を取得することで、取得した類に該当する危険物の取扱作業と、無資格者への立会い業務が可能になります。

資格の法的根拠は消防法および危険物の規制に関する政令に定められており、一定数量以上の危険物を貯蔵または取り扱う施設では、危険物取扱者の配置が義務付けられています。このため、ガソリンスタンドや化学工場、石油関連施設などでは必須の資格として位置づけられています。

乙種は第1類〜第6類に分かれる

危険物取扱者乙種は、危険物の性質に応じて第1類から第6類までの6つに分類されています。各類で取り扱える危険物の種類が異なり、取得した類の危険物のみを取り扱うことができます。この分類は、危険物の化学的性質や危険性の特徴に基づいて設定されており、適切な取扱方法や消火方法が類ごとに異なります。

複数の類を取得することで、より幅広い危険物を取り扱えるようになります。実際に、化学工場や製造業では複数の類の危険物を扱うことが多いため、業務の必要に応じて複数類の取得を目指す方も少なくありません。全6類を取得すると、甲種と同じ範囲の危険物を取り扱えるようになります。

受験者の8割以上が選ぶ実用的な資格

危険物取扱者乙種は、危険物取扱者試験全体の受験者数の約8割を占める人気資格です。特に乙種第4類(乙4)は、乙種受験者の中でも最も受験者数が多く、年間約20万人が受験しています。この人気の理由は、実用性の高さと受験のしやすさにあります。

受験資格が不要で年齢・学歴を問わず誰でも受験できるため、高校生から社会人まで幅広い層が挑戦しています。また、試験は都道府県ごとに年間複数回実施されており、受験機会が多いことも特徴です。合格後は全国どこでも通用する国家資格として、就職や転職、キャリアアップに活用できます。

危険物取扱者の全体像については、危険物取扱者の種類と違いで甲種・丙種との比較を含めて詳しく解説しています。

危険物取扱者乙種の第1類〜第6類の違いと特徴

危険物取扱者乙種の各類は、取り扱う危険物の化学的性質によって明確に区分されています。ここでは、第1類から第6類までの特徴と、それぞれで取り扱える代表的な危険物について解説します。各類の性質を理解することで、あなたの業務や目的に最適な類を選択できるようになります。

第1類:酸化性固体(塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム等)

第1類は酸化性固体に分類される危険物を取り扱います。酸化性固体とは、それ自体は燃焼しませんが、他の物質を酸化させる性質を持ち、分解して酸素を発生させることで燃焼を助長する物質です。代表的な物質には、塩素酸カリウム、過マンガン酸カリウム、硝酸カリウムなどがあります。

これらの物質は、火薬の原料や漂白剤、医薬品の製造などに使用されます。取扱いにあたっては、可燃物との接触を避け、加熱や衝撃を与えないことが重要です。消火方法は、大量の水による冷却消火が基本となります。

第1類の危険物を扱う職場には、化学工場、医薬品製造工場、火薬類製造所などがあります。比較的専門性の高い分野での活用となるため、受験者数は他の類と比較すると少なめですが、該当業界では必須の資格となります。

危険物取扱者乙1では、第1類の試験内容と対象物質についてより詳しく解説しています。

第2類:可燃性固体(硫黄、マグネシウム、鉄粉等)

第2類は可燃性固体に分類される危険物を取り扱います。可燃性固体とは、比較的低い温度で着火しやすく、燃焼速度が速い固体物質です。代表的な物質には、硫黄、赤リン、マグネシウム、鉄粉、金属粉などがあります。

これらの物質は、火花や摩擦、衝撃によって容易に発火する危険性があります。特に粉末状の金属は、空気中で発火しやすく、水と反応して発熱するものもあるため、取扱いには細心の注意が必要です。消火方法は、乾燥砂や膨張ひる石などによる窒息消火が有効です。

第2類の危険物を扱う職場には、製鉄所、金属加工工場、化学工場、花火製造所などがあります。製造業での需要が高く、特に金属加工や化学製品製造に従事する方には関連性の高い資格です。

第3類:自然発火性物質及び禁水性物質(ナトリウム、リチウム等)

第3類は自然発火性物質および禁水性物質に分類される危険物を取り扱います。自然発火性物質とは、空気中で自然に発火する危険性がある物質で、禁水性物質とは水と接触すると発火または可燃性ガスを発生する物質です。代表的な物質には、ナトリウム、リチウム、カリウム、黄リンなどがあります。

これらの物質は、水との接触を厳禁とし、空気を遮断した状態で保管する必要があります。特に黄リンは空気中で自然発火するため、水中に保管します。消火方法は、乾燥砂などによる窒息消火が基本で、絶対に水を使用してはいけません。

第3類の危険物を扱う職場には、化学工場、電池製造工場、研究施設などがあります。専門性が非常に高く、取扱いには高度な知識と注意が求められます。リチウムイオン電池の製造など、先端技術分野での需要も増加しています。

第4類:引火性液体(ガソリン、灯油、軽油、重油等)

第4類は引火性液体に分類される危険物を取り扱います。引火性液体とは、引火点が低く、蒸気が空気と混合して引火しやすい液体です。代表的な物質には、ガソリン、灯油、軽油、重油、エタノール、アセトンなどがあります。

これらの物質は、日常生活や産業活動で最も広く使用されている危険物です。ガソリンスタンドでの給油作業、工場での燃料使用、塗料や溶剤の取扱いなど、活用範囲が非常に広いことが特徴です。消火方法は、泡消火剤や二酸化炭素消火剤などによる窒息消火が有効です。

第4類の危険物を扱う職場には、ガソリンスタンド、石油精製工場、化学工場、運送会社、自動車整備工場など、極めて多岐にわたります。このため、乙種の中で最も受験者数が多く、実用性の高い資格となっています。

第5類:自己反応性物質(ニトログリセリン、TNT等)

第5類は自己反応性物質に分類される危険物を取り扱います。自己反応性物質とは、加熱や衝撃などにより分解が始まると、外部から酸素の供給がなくても自己反応により燃焼が継続する物質です。代表的な物質には、ニトログリセリン、トリニトロトルエン(TNT)、ニトロセルロースなどがあります。

これらの物質は、火薬や爆薬の原料として使用され、加熱や衝撃に対して極めて敏感です。取扱いには厳重な注意が必要で、温度管理や衝撃の防止が重要となります。消火方法は、大量の水による冷却消火が基本ですが、爆発の危険性があるため、消火活動も慎重に行う必要があります。

第5類の危険物を扱う職場には、火薬類製造所、化学工場、採石場などがあります。非常に専門性が高く、取扱者の数も限られていますが、該当業界では必須の資格です。

第6類:酸化性液体(過酸化水素、硝酸等)

第6類は酸化性液体に分類される危険物を取り扱います。酸化性液体とは、それ自体は燃焼しませんが、他の物質を強く酸化させる性質を持つ液体です。代表的な物質には、過酸化水素、硝酸、過塩素酸などがあります。

これらの物質は、漂白剤、消毒剤、化学製品の原料などに使用されます。可燃物と接触すると発火の危険があり、また強い腐食性を持つため、皮膚や金属を侵します。消火方法は、大量の水による冷却消火が有効ですが、物質によっては水と激しく反応するものもあるため、注意が必要です。

第6類の危険物を扱う職場には、化学工場、医薬品製造工場、研究施設、病院などがあります。医療分野や化学工業での需要があり、専門的な知識が求められる資格です。

危険物取扱者乙種の各類に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者乙1(乙種第1類)とは?試験内容と対象物質を解説

危険物取扱者乙種でできること

危険物取扱者乙種を取得すると、取得した類の危険物に関する専門的な業務が可能になります。ここでは、乙種免状で実際にできる業務内容と、資格保有者に与えられる権限について詳しく解説します。職場での活用方法を理解することで、資格取得の具体的なメリットが見えてきます。

取得した類の危険物の取扱いと立会い業務

危険物取扱者乙種を取得すると、取得した類に該当する危険物の取扱作業を行うことができます。具体的には、危険物の貯蔵、運搬、移し替え、詰め替えなどの作業が可能です。例えば、乙4を取得した場合、ガソリンスタンドでの給油作業や、工場での灯油・軽油の取扱作業ができるようになります。

また、無資格者が危険物を取り扱う際の立会い業務も重要な役割です。危険物施設では、危険物取扱者の立会いのもとであれば、無資格者も危険物の取扱いが認められています。この立会い業務により、作業の安全性を確保しながら、効率的な業務運営が可能になります。

立会い業務では、作業手順の指示、安全確認、異常時の対応などを行います。現場のリーダーとして、安全管理の責任を担う重要な役割となります。

危険物保安監督者になれる条件(実務経験6ヶ月以上)

危険物取扱者乙種の免状を取得し、さらに6ヶ月以上の実務経験を積むと、危険物保安監督者に選任される資格を得られます。危険物保安監督者とは、危険物施設の保安業務を監督する責任者で、一定規模以上の危険物施設では必ず選任しなければなりません。

保安監督者になるための実務経験は、取得した類の危険物を取り扱う施設での経験が必要です。例えば、乙4を取得してガソリンスタンドで6ヶ月以上勤務すれば、そのガソリンスタンドの保安監督者になることができます。

保安監督者は、施設の保安管理、従業員への指導、定期点検の監督など、安全管理の中心的な役割を担います。このポジションに就くことで、給与面でも優遇されることが多く、キャリアアップにつながります。

定期点検と保安監督の実施

危険物取扱者乙種の免状保有者は、危険物施設の定期点検を実施する権限があります。消防法では、危険物施設の所有者等に対して定期点検の実施を義務付けており、この点検は危険物取扱者が行うか、その立会いのもとで実施しなければなりません。

定期点検では、貯蔵タンクや配管の状態、計測機器の動作、安全装置の機能などを確認します。点検結果は記録として保存し、必要に応じて消防機関に報告します。この点検業務は、事故を未然に防ぐための重要な予防保全活動です。

また、日常的な保安監督業務として、危険物の取扱状況の確認、安全設備の作動確認、従業員への安全指導なども行います。これらの業務を通じて、施設全体の安全性を維持する役割を果たします。

無資格者への立会い権限

危険物取扱者乙種の重要な権限の一つが、無資格者への立会い業務です。危険物施設では、すべての作業者が危険物取扱者の資格を持っている必要はなく、有資格者の立会いがあれば無資格者も危険物の取扱作業ができます。

この制度により、ガソリンスタンドでは乙4保有者が常駐していれば、アルバイトスタッフでも給油作業が可能になります。工場でも同様に、乙種保有者の監督下で、無資格の作業員が危険物を扱うことができます。

立会い業務では、作業の開始前に手順を説明し、作業中は安全を確認し、異常があれば即座に作業を中止させる責任があります。この権限を持つことで、職場での責任ある立場を担うことになり、雇用や昇進において有利に働きます。

危険物取扱者乙種でできることに関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者乙4とは?乙種第4類の概要・できること・特徴を解説

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危険物取扱者乙種の受験資格

危険物取扱者乙種の大きな魅力の一つが、受験資格の制限がほとんどないことです。ここでは、誰がどのように受験できるのか、受験に関する条件と柔軟性について詳しく解説します。受験のハードルの低さは、多くの方が資格取得にチャレンジできる理由となっています。

年齢・学歴不問で誰でも受験可能

危険物取扱者乙種は、年齢制限や学歴要件が一切ありません。中学生から高齢者まで、誰でも受験することができます。実際に、高校生が在学中に取得するケースも多く、就職活動でのアピールポイントとして活用されています。

学歴要件もないため、最終学歴に関係なく受験できます。この点が、より上位資格である甲種との大きな違いです。甲種は大学で化学系の単位を取得しているなどの受験資格が必要ですが、乙種は完全にオープンな試験となっています。

また、国籍要件もなく、外国籍の方も受験可能です。試験は日本語で実施されますが、合格後の免状は全国どこでも有効な国家資格として認められます。このアクセシビリティの高さが、年間20万人以上が受験する人気資格となっている理由の一つです。

実務経験も不要

危険物取扱者乙種の受験には、実務経験も一切必要ありません。危険物を取り扱った経験がなくても、学習さえすれば誰でも受験できます。この点は、キャリアチェンジを考えている方や、新たな分野に挑戦したい方にとって大きなメリットです。

未経験から資格を取得し、その後に危険物を扱う職場に就職するというルートも一般的です。特にガソリンスタンドでは、乙4保有者を積極的に採用しており、未経験でも資格があれば有利に就職活動を進められます。

試験合格後も、すぐに実務で活用できます。免状交付後は、取得した類の危険物の取扱作業が可能になります。ただし、危険物保安監督者になるためには6ヶ月以上の実務経験が別途必要となる点は留意してください。

複数の類を同時受験することも可能

危険物取扱者乙種の試験では、同じ試験日に複数の類を同時に受験することができます。例えば、午前中に乙4を受験し、午後に乙1と乙6を受験するといったスケジュールも可能です。都道府県によって受験できる類の組み合わせや日程は異なりますが、効率的に複数類の取得を目指せる制度となっています。

複数類を同時受験するメリットは、受験機会を効率的に活用できることです。特に遠方から試験会場に行く場合や、仕事の都合で受験日が限られる場合には、1日で複数の類を受験できることは大きな利点となります。

ただし、同時受験する場合は、それぞれの類の試験準備が必要です。各類で出題される「性質消火」の内容が異なるため、受験する類すべてについて学習しなければなりません。自分の学習進度と照らし合わせて、無理のない受験計画を立てることをおすすめします。

危険物取扱者乙種の受験資格に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者の受験資格|甲種・乙種・丙種の条件を解説

危険物取扱者乙種の科目免除制度

危険物取扱者乙種には、すでに取得した類がある場合に科目が免除される制度があります。この制度を活用することで、効率的に複数の類を取得できます。ここでは、科目免除の仕組みと、戦略的な活用方法について詳しく解説します。

いずれかの類取得後の科目免除

危険物取扱者乙種のいずれかの類の免状を取得している場合、他の類を受験する際に一部科目が免除されます。この科目免除制度により、2つ目以降の類の受験では、学習負担を大幅に軽減できます。

科目免除を受けるためには、受験申請時に既に取得している類の免状番号を記入します。免状のコピーを提出する必要はありませんが、免状番号を正確に記入することが重要です。申請後、試験当日は免除された科目の試験時間は受験する必要がなく、受験する科目のみに集中できます。

この制度は、危険物取扱者の専門性を高めながら、段階的にスキルアップできるよう設計されています。最初は比較的取得しやすい類から始めて、徐々に他の類にも挑戦していくという学習スタイルが推奨されています。

法令と物理化学の全問が免除される

科目免除では、「危険物に関する法令」と「基礎的な物理学及び基礎的な化学」の2科目が全問免除されます。乙種の試験は全35問で構成されていますが、このうち法令15問と物理化学10問が免除されるため、免除後は「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」10問のみを受験すればよいことになります。

試験時間も短縮されます。通常の試験時間は2時間ですが、科目免除を受けた場合は35分に短縮されます。この短い試験時間で10問を解答すればよいため、時間的な余裕を持って受験できます。

ただし、合格基準は変わりません。性質消火の10問中6問以上(60%以上)正解する必要があります。免除された科目の得点は考慮されず、受験した科目のみで合否が判定されます。

科目免除を活用した効率的な複数類取得

科目免除制度を活用すれば、短期間で複数の類を取得することも可能です。例えば、最初に乙4を取得した後、科目免除を利用して他の5つの類を順次受験していくという戦略が効果的です。

効率的な取得順序としては、まず受験者数が最も多く教材も充実している乙4から始めることをおすすめします。乙4で法令と物理化学をしっかり学習しておけば、その知識は他の類でも共通して役立ちます。乙4取得後は、性質消火の内容が似ている類をまとめて学習すると効率的です。

実際に、1年以内に全6類を取得する方も少なくありません。科目免除により各類の学習時間は20-30時間程度に抑えられるため、計画的に学習すれば働きながらでも複数類の取得は十分可能です。危険物取扱者乙4の過去問活用法では、効率的な学習方法について詳しく解説しています。

危険物取扱者乙種の科目免除制度に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者乙4の過去問活用法|合格に直結する演習方法

危険物取扱者乙種全類取得と甲種の違い

危険物取扱者乙種の全6類を取得すると、甲種と同じ範囲の危険物を取り扱えるようになります。しかし、両者には重要な違いがあります。ここでは、全類取得と甲種の違いを詳しく比較し、どちらを目指すべきかを解説します。

取り扱える危険物の範囲は同じ

危険物取扱者乙種の全6類(第1類〜第6類)を取得した場合、取り扱える危険物の範囲は甲種とまったく同じになります。甲種が「すべての類の危険物」を取り扱えるのに対し、乙種全類取得者も第1類から第6類まですべての危険物を取り扱う権限を持ちます。

実務上の取扱作業においても、両者に差はありません。ガソリンスタンドでも化学工場でも、乙種全類保有者と甲種保有者は同等の業務を行えます。立会い業務も同様に実施でき、取得した類の危険物については無資格者への立会いが可能です。

ただし、免状の形式は異なります。甲種は1枚の免状ですべての危険物を網羅していますが、乙種全類取得の場合は、各類ごとに免状に記載されます。免状自体は1枚ですが、取得した類が列記される形になります。

危険物保安監督者の選任要件の違い

危険物保安監督者の選任において、甲種と乙種全類取得では重要な違いがあります。甲種免状保有者は、すべての類の危険物施設で保安監督者に選任されることができます。一方、乙種保有者は、取得した類の危険物施設でのみ保安監督者になれます。

例えば、乙4のみを取得している場合、第4類の危険物を扱う施設(ガソリンスタンドなど)では保安監督者になれますが、第1類や第3類を扱う施設では保安監督者になれません。全6類を取得していれば、実質的にすべての施設で保安監督者になる資格を得られます。

また、いずれの場合も保安監督者になるには6ヶ月以上の実務経験が必要です。甲種の場合は6ヶ月の実務経験があれば全類で保安監督者になれますが、乙種の場合は各類ごとに実務経験が求められる点に注意が必要です。

甲種防火管理者資格取得の違い

甲種防火管理者は、大規模な建物や施設の防火管理を行う責任者です。この資格を取得するには講習を受講する必要がありますが、受講資格に危険物取扱者の甲種免状保有が条件となる場合があります。

危険物取扱者の甲種免状を持っていると、一部の甲種防火管理者講習で受講資格を満たすことができます。しかし、乙種全類取得では、この受講資格要件を満たすことができません。防火管理の分野でキャリアを広げたい場合は、この点が重要な違いとなります。

ただし、甲種防火管理者になる方法は危険物取扱者の甲種以外にもあります。建築物の用途や規模によって要件が異なるため、防火管理者を目指す場合は別途確認が必要です。

どちらを目指すべきか

甲種と乙種全類取得、どちらを目指すべきかは、あなたの状況によって異なります。まず、甲種には受験資格があり、大学で化学系の単位を取得しているか、乙種取得後の実務経験などが必要です。受験資格を満たさない場合は、乙種から始めるしかありません。

受験資格を満たしている場合でも、最初は乙4から始めることをおすすめします。乙4は教材が豊富で学習しやすく、合格率も比較的高いため、危険物取扱者試験の感覚をつかむのに最適です。その後、必要に応じて甲種にステップアップするか、乙種の他の類を取得するかを判断できます。

キャリアプランも重要な判断材料です。化学工場や石油精製施設など、幅広い危険物を扱う職場でキャリアアップを目指すなら甲種が有利です。一方、ガソリンスタンドや特定の分野に特化した職場なら、必要な類のみの取得で十分な場合もあります。

危険物取扱者甲種に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者甲種とは?資格の特徴・できること・取得メリットを解説

危険物取扱者乙種の中で最もおすすめの類

危険物取扱者乙種の6つの類の中で、どれから取得すべきか迷う方は多いでしょう。ここでは、最も人気が高く実用性に優れた類と、あなたに最適な選択方法について解説します。初めて受験する方から複数類取得を目指す方まで、それぞれに適した戦略をご紹介します。

乙種第4類(乙4)が最も人気の理由

危険物取扱者乙種の中で圧倒的に人気が高いのが、第4類(乙4)です。乙4が支持される最大の理由は、取り扱う危険物の実用性の高さにあります。ガソリン、灯油、軽油、重油などの引火性液体は、私たちの日常生活や産業活動に欠かせない物質であり、これらを扱える乙4の活用範囲は極めて広範です。

就職・転職市場での需要も非常に高く、ガソリンスタンドでは乙4保有者を常に募集しています。また、運送会社、自動車整備工場、化学工場、製造業など、多様な業界で活用できる資格です。求人情報を見ても、危険物取扱者の募集のほとんどが乙4保有者を対象としています。

教材の充実度も乙4を選ぶ理由の一つです。受験者数が最も多いため、テキストや問題集の種類が豊富で、自分に合った教材を選びやすくなっています。また、インターネット上にも学習情報が多く、独学でも十分に合格を目指せる環境が整っています。

危険物取扱者乙4とはでは、乙4の詳細な特徴とメリットについて解説しています。

受験者の約8割が乙4を受験

危険物取扱者乙種全体の受験者のうち、約8割が乙4を受験しています。2023年度のデータでは、乙種全体の受験者数が約25万人に対し、乙4だけで約20万人が受験しており、他の5つの類を大きく上回る人気となっています。

この高い受験率は、乙4の実用性の高さと、最初に取得する類として選ばれやすいことを示しています。多くの方が危険物取扱者資格に初めて挑戦する際に乙4を選択し、合格後に必要に応じて他の類の取得を検討するパターンが一般的です。

また、企業の採用条件でも「危険物取扱者乙4」と明記されることが多く、就職や転職を目的として資格取得を目指す方にとって、乙4は最優先の選択肢となっています。この需要の高さが、さらに受験者数を押し上げる好循環を生んでいます。

最初に取得すべき類の選び方

初めて危険物取扱者乙種を受験する場合、ほとんどのケースで乙4から始めることをおすすめします。ただし、あなたの職場や目的によっては、他の類を優先すべき場合もあります。選択の基準となるポイントを整理しましょう。

まず、現在の職場や希望する職種で扱う危険物を確認してください。化学工場で第1類や第6類を扱うなら、それらの類を優先的に取得する方が実務に直結します。ただし、将来的に転職や異動の可能性がある場合は、汎用性の高い乙4を先に取得しておく方が賢明です。

学習のしやすさも重要な判断材料です。乙4は教材が豊富で学習情報も多いため、独学でも取り組みやすい環境が整っています。他の類は教材の選択肢が少なく、学習に苦労する可能性があります。資格取得が初めての方や、効率的に合格したい方には、やはり乙4から始めることをおすすめします。

複数類取得の戦略

複数の類を取得する場合、科目免除制度を最大限に活用する戦略が重要です。最も効率的な方法は、まず乙4を取得してから、科目免除を利用して他の類を順次取得していくルートです。

2つ目以降の類を選ぶ際は、性質消火の内容が似ている類をグループ化して学習すると効率的です。例えば、第1類と第6類はどちらも酸化性物質で消火方法に共通点があります。また、第2類と第7類は固体の可燃物という共通性があります。このように関連性のある類をまとめて学習すれば、知識の定着も早まります。

実務での必要性も考慮しましょう。すべての類を取得する必要がない場合は、職場で実際に扱う類に絞って取得するのも合理的な判断です。一方、キャリアアップや転職の選択肢を広げたい場合は、全類取得を目指すのも良い戦略です。全類取得には1-2年程度かかりますが、計画的に進めれば十分達成可能な目標です。

危険物取扱者乙4に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者乙4とは?乙種第4類の概要・できること・特徴を解説

危険物取扱者乙種の試験概要と合格率

危険物取扱者乙種の試験内容と難易度を正しく理解することは、効果的な学習計画を立てる上で不可欠です。ここでは、試験の構成、出題範囲、合格基準、そして各類の合格率について詳しく解説します。試験の全体像を把握して、確実な合格を目指しましょう。

試験科目は3科目(法令・物理化学・性質消火)

危険物取扱者乙種の試験は、3つの科目で構成されています。第1科目は「危険物に関する法令」で、危険物の規制に関する法律や規則について出題されます。消防法や危険物の規制に関する政令、規則などが範囲となり、危険物施設の基準や取扱方法の法的根拠を問う問題が中心です。

第2科目は「基礎的な物理学及び基礎的な化学」で、物理と化学の基礎知識が問われます。燃焼の仕組み、消火理論、物質の状態変化、化学反応などが出題範囲です。高校レベルの理科の知識があれば理解しやすい内容ですが、文系出身者でも十分に学習可能なレベルとなっています。

第3科目は「危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法」で、受験する類の危険物について具体的な知識が問われます。この科目は受験する類によって出題内容が異なり、各類の危険物の特性、保管方法、消火方法などが出題されます。科目免除制度を利用する場合、この科目のみを受験することになります。

出題数と試験時間(計35問・2時間)

危険物取扱者乙種の試験は、全体で35問が出題されます。科目別の内訳は、法令15問、物理化学10問、性質消火10問となっています。すべて五肢択一のマークシート方式で、正しい選択肢を選ぶ形式です。記述式の問題はなく、計算問題も基本的なレベルにとどまります。

試験時間は2時間です。35問を2時間で解答するため、1問あたり約3分強の時間配分となります。時間的には比較的余裕があり、見直しの時間も十分に確保できます。実際の試験では、多くの受験者が試験開始後1時間程度で解答を終え、残りの時間で見直しを行っています。

科目免除を受けた場合は、出題数が10問、試験時間が35分に短縮されます。この場合も1問あたり3分以上の時間があり、焦らず解答できる設定となっています。ただし、免除科目があるからといって油断せず、受験する科目についてはしっかりと準備することが重要です。

合格基準は各科目60%以上

危険物取扱者乙種の合格基準は、各科目で60%以上の正解が必要です。法令は15問中9問以上、物理化学は10問中6問以上、性質消火は10問中6問以上正解すれば、その科目は合格となります。3科目すべてで60%以上を取得した場合に、試験全体で合格となります。

重要なのは、総合得点ではなく各科目ごとの合格基準を満たす必要がある点です。例えば、法令と物理化学で満点を取っても、性質消火が60%未満であれば不合格となります。このため、得意科目だけでなく、すべての科目をバランスよく学習することが合格への鍵となります。

科目免除を受けて性質消火のみを受験する場合も、同様に60%以上(10問中6問以上)の正解が必要です。免除された科目の得点は合否判定に影響しないため、受験する科目に集中して対策することができます。

類別の合格率(乙4は約30〜40%、他の類は約60〜70%)

危険物取扱者乙種の合格率は、類によって大きく異なります。最も受験者数が多い乙4の合格率は約30〜40%で、乙種の中では最も低い水準です。2023年度のデータでは、乙4の合格率は38.5%でした。この合格率の低さは、受験者数が多く、十分な準備をせずに受験する方が一定数いることが影響していると考えられます。

一方、乙4以外の類(第1類、第2類、第3類、第5類、第6類)の合格率は約60〜70%と、かなり高い水準を保っています。これらの類は受験者数が少なく、実務上の必要性から受験する方が多いため、しっかりと準備をして試験に臨む傾向があります。

ただし、合格率の違いは試験の難易度を直接反映しているわけではありません。乙4の合格率が低いのは、受験者層の幅が広いことが主な理由です。実際の試験内容は各類ともに同程度の難易度であり、適切に学習すれば十分に合格可能なレベルです。合格率に惑わされず、計画的な学習を進めることが重要です。

危険物取扱者乙種の試験概要と合格率に関してもっと詳しい記事はこちら
危険物取扱者の難易度・合格率|種類別の難しさを徹底比較

危険物取扱者乙4の難易度・合格率|合格するためのポイント

危険物取扱者一発合格のための通信講座

危険物取扱者乙種に関連するよくある質問(FAQ)

危険物取扱者乙種はどの類から取得すべきですか?

危険物取扱者乙種を初めて受験する場合、第4類(乙4)から取得することを強くおすすめします。乙4はガソリンや灯油などの引火性液体を扱う資格で、ガソリンスタンドをはじめ、化学工場、運送会社、自動車整備工場など、幅広い職場で活用できます。また、受験者数が最も多いため教材が豊富で、独学でも学習しやすい環境が整っています。ただし、現在の職場で特定の類の危険物を扱っている場合は、業務に直結する類を優先的に取得するのも合理的な選択です。

危険物取扱者乙種の複数の類を同時に受験できますか?

危険物取扱者乙種は、同じ試験日に複数の類を同時受験することが可能です。都道府県によって受験できる組み合わせや日程は異なりますが、午前と午後で異なる類を受験したり、1日で2〜3の類を受験したりすることができます。ただし、同時受験する場合は各類の「性質消火」の内容が異なるため、すべての類について十分な学習が必要です。自分の学習進度を考慮して、無理のない受験計画を立てることをおすすめします。科目免除制度を利用すれば、2つ目以降の類は学習負担が軽減されます。

危険物取扱者乙種全類取得と甲種、どちらを目指すべきですか?

危険物取扱者乙種全類取得と甲種のどちらを目指すべきかは、受験資格と目的によって判断が異なります。甲種には受験資格があり、大学で化学系の単位を取得しているか、乙種取得後の実務経験などが必要です。受験資格を満たさない場合は、乙種から始めるしかありません。受験資格を満たしている場合でも、まず乙4を取得してから甲種にステップアップする方が、段階的に学習できるためおすすめです。取り扱える危険物の範囲は全類取得と甲種で同じですが、甲種は1回の試験で済み、危険物保安監督者の選任要件でも有利です。

危険物取扱者乙種の科目免除はどのように申請しますか?

危険物取扱者乙種の科目免除を受けるには、受験申請時に既に取得している類の免状番号を申請書に記入します。免状のコピーを提出する必要はありませんが、免状番号を正確に記入することが重要です。申請が受理されると、試験当日は免除された科目(法令と物理化学)の試験を受ける必要がなく、性質消火の10問のみを35分で解答します。科目免除により学習負担が大幅に軽減されるため、2つ目以降の類は比較的短期間で取得可能です。計画的に活用すれば、1年程度で複数の類を取得することも十分可能です。

危険物取扱者乙種4類以外の類も需要はありますか?

危険物取扱者乙4以外の類も、特定の業界や職場では高い需要があります。第1類は火薬製造や医薬品製造、第2類は金属加工や製鉄所、第3類は電池製造や化学工場、第5類は火薬類製造、第6類は化学工場や医薬品製造などで必要とされます。これらの業界では、該当する類の資格保有者を積極的に採用しており、専門性の高い職場でのキャリアを築くことができます。また、複数の類を扱う化学工場などでは、複数類保有者が優遇されることもあります。自分のキャリアプランに応じて、必要な類を戦略的に取得することをおすすめします。

危険物取扱者乙種の勉強時間はどのくらい必要ですか?

危険物取扱者乙種の合格に必要な勉強時間は、初めて受験する場合で40〜60時間程度が目安です。特に乙4は、1日1〜2時間の学習で1〜2ヶ月程度の準備期間があれば、十分に合格を目指せます。理系出身者や化学の知識がある方は、30〜40時間程度でも合格可能です。科目免除を利用して2つ目以降の類を受験する場合は、性質消火のみの学習となるため、20〜30時間程度で済みます。ただし、これらはあくまで目安であり、個人の学習スタイルや理解度によって必要時間は変動します。効率的な学習方法については、危険物取扱者乙4の勉強時間・勉強方法で詳しく解説しています。

まとめ:危険物取扱者乙種は実用性と柔軟性を兼ね備えた資格

本記事では、危険物取扱者乙種の基本的な仕組みから各類の特徴、受験戦略まで詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

  1. 危険物取扱者乙種は第1類〜第6類に分かれ、各類で異なる危険物を取り扱える:取得した類の危険物の取扱いと立会い業務が可能になり、実務経験6ヶ月以上で危険物保安監督者にも選任されます。受験資格は不要で、誰でも挑戦できる実用的な国家資格です。
  2. 第4類(乙4)が最も人気で実用性が高い:受験者の約8割が乙4を選択し、ガソリンスタンドや化学工場など幅広い職場で活用できます。教材も豊富で学習しやすく、初めて危険物取扱者資格に挑戦する方に最適な類です。
  3. 科目免除制度を活用すれば効率的に複数類を取得できる:いずれかの類を取得後、法令と物理化学が全問免除されるため、2つ目以降の類は短期間で取得可能です。計画的に学習すれば、1〜2年で全類取得も十分に達成できます。

危険物取扱者乙種の取得を決めたら、まずは乙4から挑戦することをおすすめします。危険物取扱者乙4とは危険物取扱者乙4の勉強方法を参考に、計画的に学習を進めましょう。

本記事を通じて、危険物取扱者乙種の全体像と、あなたに最適な類の選び方を理解いただけたはずです。この情報を活用して、危険物取扱者乙種の取得に向けて具体的な一歩を踏み出しましょう。資格取得は、あなたのキャリアの可能性を大きく広げる投資となります。

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