電気工事士2種技能試験について知りたいあなたへ。「実技試験はどんな内容なのか」「どう対策すればいいのか」という疑問は、適切な準備と練習方法を知ることで解決できます。本記事では、電気工事士2種技能試験の試験内容と合格基準、候補問題13問の攻略法、必要な工具と材料の準備について、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、電気工事士2種技能試験の合格に向けて、確実な一歩を踏み出しましょう。
この記事を読むとわかること
- 電気工事士2種技能試験の具体的な試験内容と実施時期
- 候補問題13問の仕組みと効果的な練習方法
- 合格に必要な工具・材料の準備と選び方
- 技能試験で合格率70%を達成するための対策法
押さえておきたい3つのポイント
- 技能試験は学科合格後の実技試験:40分間で配線図をもとに実際の配線作業を行い、欠陥なく施工できれば合格となります。合格率は約70%と学科試験より高い水準です。
- 候補問題13問が事前公表される:試験の約3ヶ月前に候補問題が公表され、本番ではその中から1問が出題されます。全問題を練習しておけば本番で慌てることはありません。
- 工具と材料は受験者が準備:ペンチ・ドライバー・ストリッパーなどの指定工具を持参する必要があります。練習用材料は候補問題2〜3周分を用意すると効果的です。
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電気工事士2種技能試験とは?実技試験の基本概要
電気工事士2種技能試験は、筆記試験(学科試験)合格者のみが受験できる実技形式の試験です。配線図をもとに実際の電気工事作業を行い、正確な施工技能を評価されます。
電気工事士2種試験は筆記試験と技能試験の2段階で構成されており、両方に合格して初めて資格取得となります。電気工事士2種とはで資格の全体像を確認しておくと、試験制度の理解が深まります。
技能試験(実技試験)の位置づけ
技能試験は電気工事の実務能力を測る試験であり、筆記試験で得た知識を実際の作業に応用できるかを確認します。配線作業、器具の取り付け、接続の正確性など、現場で必要となる基本的な技能が試されます。
筆記試験が知識の理解度を測るのに対し、技能試験は手先の正確さと作業の速さが求められる実践的な試験です。電気工事士として安全な施工を行うための最低限の技術水準を証明する重要な関門といえます。
学科試験合格者のみが受験可能
技能試験を受験するには、先に筆記試験(学科試験)に合格している必要があります。筆記試験の合格発表後、技能試験の受験申請を行う流れです。
筆記試験の合格は、受験した年度とその翌年度の2年間有効です。つまり、筆記試験合格後に技能試験で不合格になっても、翌年度は筆記試験を免除され、技能試験のみの再受験が可能です。この制度により、技能試験の練習時間を十分に確保できます。
電気工事士2種技能試験の実施時期
技能試験は年2回、上期と下期に実施されます。上期試験は7月下旬、下期試験は12月上旬に行われるのが一般的です。
筆記試験の合格発表から技能試験までの期間は約1ヶ月です。上期の場合、6月上旬の筆記試験、6月下旬の合格発表、7月下旬の技能試験という日程になります。下期は10月上旬の筆記試験、11月上旬の合格発表、12月上旬の技能試験となります。
電気工事士2種試験の日程に関してもっと詳しい記事はこちら
電気工事士2種試験の日程・申込方法|試験日程と申込期間を詳しく解説
電気工事士2種技能試験の内容と試験時間
技能試験の具体的な内容と制限時間について解説します。試験時間内に正確な作業を完了させることが合格の鍵となります。
試験時間40分間の作業試験
技能試験の制限時間は40分間です。この時間内に、配線図を読み取り、複線図を描き、実際の配線作業を完成させる必要があります。
40分という時間は、慣れていない受験者にとっては短く感じるかもしれません。候補問題を繰り返し練習し、30〜35分で完成できる速さを身につけておくと、本番で余裕を持って作業できます。時間配分の目安は、複線図の作成に3〜5分、配線作業に30〜35分、最終確認に2〜3分です。
配線図をもとにした実際の配線作業
試験では単線図で示された配線図が問題用紙に印刷されており、この図面に基づいて実際の配線を施工します。使用する材料は試験会場で配布され、ケーブル、スイッチ、コンセント、ランプレセプタクルなどの器具を正確に接続していきます。
作業内容には、ケーブルの切断と被覆剥き、電線の接続(差込形コネクタやリングスリーブの圧着)、器具への結線、ボックス内の配線整理などが含まれます。全ての作業を欠陥なく仕上げることが求められます。
単線図から複線図への変換作業
単線図は電気回路を簡略化して表現した図面ですが、実際の配線作業では各電線の接続先を明確にする必要があります。そのため、まず単線図を複線図に変換する作業が不可欠です。
複線図は、各器具に接続される電線(非接地側電線、接地側電線、接地線)を正確に描き分けた図面です。この変換作業を正確かつ迅速に行えるかが、技能試験攻略の最初の関門となります。複線図の描き方に不安がある場合は、後述する練習法を参考にしてください。
電気工事士2種技能試験の候補問題13問
技能試験の最大の特徴は、候補問題が事前に公表されることです。この仕組みを理解し、効果的に活用することが合格への近道です。
事前に公表される候補問題の仕組み
電気工事士2種技能試験では、試験実施の約3ヶ月前に一般財団法人電気技術者試験センターから候補問題が公表されます。上期試験なら4月上旬、下期試験なら10月上旬に公表されるのが通例です。
候補問題には各問題の単線図、使用材料一覧、施工条件が詳細に記載されています。受験者はこれらの情報をもとに、本番前に全ての候補問題を練習できます。この仕組みにより、初めて電気工事に触れる初心者でも、十分な練習を積めば合格可能です。
13問の候補問題から1問が出題
公表される候補問題は全部で13問です。試験当日は、この13問の中から1問が出題されます。どの問題が出題されるかは試験開始まで分かりませんが、全ての候補問題を練習しておけば確実に対応できます。
13問の難易度は均一ではなく、比較的簡単な問題から複雑な問題まで幅があります。練習する際は、簡単な問題から順に取り組み、徐々に難しい問題に挑戦していくと効率的です。全13問を最低2周練習することで、どの問題が出題されても落ち着いて対応できる実力が身につきます。
2024年度からの候補問題の変更点
2024年度からは候補問題の一部が変更され、より実務に即した内容にアップデートされています。特に、太陽光発電設備に関連する配線や、エコキュートなどの住宅設備機器への対応が追加されました。
また、近年の電気設備の変化に対応し、単相3線式回路の問題や、漏電遮断器の設置が求められる問題の比重が高まっています。最新の候補問題を必ず確認し、新しい施工条件に対応できるよう練習を重ねましょう。
電気工事士2種技能試験の合格基準と欠陥判定
技能試験の合格基準は明確です。欠陥判定の仕組みを理解し、ミスを避ける対策を講じることが重要です。
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合格基準は「欠陥なく施工すること」
電気工事士2種技能試験の合格基準は「欠陥がないこと」の一点に尽きます。配点制ではなく、施工した作品に欠陥があるかないかで判定される減点方式です。
欠陥とは、電気工事として不適切な施工、安全性に問題がある施工、施工条件を満たしていない施工などを指します。配線の接続ミス、器具の取り付け不良、ケーブルの損傷など、様々な欠陥が判定対象となります。逆に言えば、全ての作業を正確に行い、欠陥がなければ必ず合格できます。
主な欠陥の種類と判定基準
技能試験で判定される主な欠陥には以下のようなものがあります。
重大な欠陥(致命的なミス)
- 電線の色間違い(黒と白の取り違えなど)
- 接続不良(電線が抜ける、接続されていない)
- 電線の心線露出(被覆の剥きすぎで器具外に露出)
- 器具の破損(スイッチやコンセントの破損)
軽微な欠陥
- リングスリーブの圧着不良(刻印の間違い)
- ケーブルの傷(被覆に深い傷がある)
- 電線の長さ不足(規定の長さより短い)
- 複線図の未記入または間違い
これらの欠陥を避けるには、各作業の正確性を高める練習が欠かせません。特に電線の色の確認、接続の確実性、被覆剥きの長さには細心の注意を払いましょう。
1つでも欠陥があれば不合格
技能試験では、どんなに小さな欠陥でも、1つでも見つかれば不合格となります。99%完璧でも、1%のミスで不合格になる厳しさがあります。
この判定基準の厳しさは、電気工事が人命に関わる仕事であることを反映しています。現場での施工ミスは火災や感電事故につながる可能性があるため、資格試験でも妥協のない基準が設けられています。練習段階から「欠陥ゼロ」を目指す意識が大切です。
電気工事士2種技能試験の合格率
技能試験の合格率は学科試験より高い傾向にあります。適切な練習を行えば、十分合格可能な試験です。
過去5年間の合格率推移(70%前後)
電気工事士2種技能試験の合格率は、過去5年間で概ね65%〜75%の範囲で推移しています。年度によって多少の変動はありますが、安定して高い合格率を維持しています。
具体的な数値を見ると、2019年度が72.3%、2020年度が68.9%、2021年度が71.5%、2022年度が70.2%、2023年度が73.1%となっています。この数値から、適切に準備すれば7割以上の受験者が合格できる試験であることが分かります。
学科試験より合格率が高い理由
技能試験の合格率が学科試験(合格率約50〜60%)より高い理由は、主に3つあります。
第一に、候補問題が事前公表されるため、練習すべき内容が明確です。何を練習すればよいか分かっているため、準備が立てやすくなっています。
第二に、学科試験合格者のみが受験するため、既に一定の知識レベルに達した受験者の集団となっています。学科試験で基礎知識を習得しているため、技能試験の理解も早くなります。
第三に、実技は練習量に比例して上達するため、努力が成果に直結しやすい特性があります。候補問題を全て練習すれば、ほぼ確実に合格できる仕組みです。
技能試験の難易度分析
技能試験の難易度は、受験者の背景によって大きく異なります。電気工事の経験がある方にとっては比較的易しく感じられますが、全くの初心者には最初は難しく感じられるでしょう。
しかし、候補問題を2〜3周練習すれば、初心者でも十分に合格レベルに到達できます。難易度が高いというよりも、必要な練習量を確保できるかどうかが合否を分けるポイントです。時間的・金銭的な準備さえできれば、誰でも合格可能な試験といえます。
電気工事士2種の難易度に関してもっと詳しい記事はこちら
電気工事士2種の難易度・合格率|試験の難易度と合格率データを分析
電気工事士2種技能試験に必要な工具一覧
技能試験では指定された工具を受験者自身が持参する必要があります。必要な工具を事前に揃え、使い慣れておくことが重要です。
指定工具を受験者自身で持参
技能試験の工具は試験会場では貸し出されません。受験票に記載された指定工具を全て自分で用意し、当日持参する必要があります。
工具の持参を忘れると受験できないため、試験前日に必ず確認しましょう。また、使い慣れた工具で受験することで作業効率が上がるため、練習段階から本番で使う工具を使用することをお勧めします。
必須工具(ペンチ・ドライバー・ストリッパー等)
電気工事士2種技能試験で必須となる工具は以下の通りです。
絶対に必要な工具
- ペンチ:電線の切断や曲げ加工に使用
- ドライバー(プラス・マイナス):器具の取り付けに使用
- ストリッパー(ワイヤーストリッパー):電線の被覆を剥くために使用
- ウォーターポンププライヤー:ロックナットの締め付けに使用
- 圧着工具:リングスリーブの圧着に使用
- スケール(メジャー):電線の長さ測定に使用
これらは全て指定工具として受験票に記載されます。一つでも欠けると作業に支障が出るため、全て揃えましょう。
あると便利な工具(VVFストリッパー・合格クリップ)
必須工具に加えて、作業効率を上げる便利な工具もあります。
推奨される便利工具
- VVFストリッパー:VVFケーブルの被覆剥きと電線切断が一つでできる
- 合格クリップ(仮止めクリップ):複線図なしで正確な配線が可能
- 電工ナイフ:ケーブルの外装剥きに使用(ストリッパーで代用可)
特にVVFストリッパーは作業時間を大幅に短縮できるため、多くの受験者が使用しています。ただし、使い方に慣れる練習時間が必要です。合格クリップは配線ミスを防ぐ効果がありますが、使用には賛否両論あります。
工具セットの選び方
電気工事士技能試験用の工具セットが各メーカーから販売されています。価格は8,000円〜15,000円程度で、必要な工具が全て揃ったセットです。
工具セットを選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。VVFストリッパーが含まれているか、圧着工具の品質(リングスリーブの刻印がきれいに打てるか)、持ち運び用のケースが付属しているか、などです。ホーザンやマーベル、フジ矢などの信頼できるメーカーの製品を選ぶと安心です。
電気工事士2種技能試験の練習用材料の準備
工具に加えて、練習用の材料も自分で用意する必要があります。適切な量の材料を準備し、繰り返し練習しましょう。
練習用ケーブルと器具の必要量
技能試験の練習には、ケーブル(VVFケーブル、IVケーブル)、スイッチ、コンセント、ランプレセプタクル、リングスリーブ、差込形コネクタなどの材料が必要です。
各材料の必要量は候補問題によって異なりますが、全13問を練習するには相当な量になります。VVFケーブルなら1.6mm×2芯を約50m、1.6mm×3芯を約30m程度必要です。器具類も各種を複数個ずつ用意する必要があります。
候補問題2〜3周分の材料を用意
合格レベルに達するには、候補問題を最低2周、できれば3周練習することが推奨されます。つまり、各候補問題につき2〜3セット分の材料が必要です。
1周目は理解と基本動作の習得、2周目は正確性の向上、3周目は時間短縮と確実性の追求、という段階的な練習が効果的です。材料費を節約したい場合は、まず1周分を購入し、必要に応じて追加購入する方法もあります。ただし、配送に時間がかかることもあるため、早めの準備をお勧めします。
材料セットの購入方法(通販・ホームセンター)
技能試験用の練習材料は、通販サイトまたはホームセンターで購入できます。
通販での購入
技能試験用の材料セットが販売されており、候補問題13問全てを練習できる「フルセット」や、1周分、2周分などの選択肢があります。価格は1周分で12,000円〜18,000円、2周分で20,000円〜30,000円程度です。通販では材料一覧と照らし合わせる手間が省けて便利です。
ホームセンターでの購入
自分で材料リストを作成し、必要な材料を個別に購入する方法です。材料費を抑えられる可能性がありますが、必要な種類と数量を正確に把握する必要があります。大型のホームセンターなら電気工事用品コーナーで大半の材料が揃います。
電気工事士2種技能試験の複線図の描き方
単線図から複線図への変換は、技能試験の最初の関門です。正確かつ迅速に描けるよう練習しましょう。
複線図とは何か
複線図は、実際の配線を忠実に表現した図面です。単線図では1本の線で表されていた回路を、実際に使用する電線の本数と接続方法で描き分けます。
具体的には、非接地側電線(黒)、接地側電線(白)、接地線(緑)を別々の線として描き、各器具への接続を明確にした図面です。複線図があれば、どの電線をどの器具のどの端子に接続すればよいかが一目で分かります。
単線図から複線図への変換ルール
複線図を描くには、いくつかの基本ルールを理解する必要があります。
基本的な変換ルール
- 電源から各器具への経路を追う
- スイッチで制御される負荷を特定する
- 接地側電線(白)は全ての器具に共通で接続
- 非接地側電線(黒)はスイッチを経由して負荷に接続
- 3路スイッチの場合は0番端子と1番・3番端子を区別
これらのルールを理解し、各候補問題で実際に複線図を描く練習を重ねることで、パターンを習得できます。最初は時間がかかりますが、練習を重ねると3〜5分で正確な複線図が描けるようになります。
複線図を3〜5分で完成させる練習法
複線図を素早く正確に描くには、段階的な練習が効果的です。
効果的な練習手順
- 最初は時間を気にせず正確さを重視して描く
- 候補問題ごとのパターンを理解する
- 同じ問題を繰り返し描いて手順を体に覚えさせる
- タイマーで時間を計測しながら練習する
- 最終的に3分以内で描けることを目標にする
複線図が素早く描けると、実際の配線作業に多くの時間を割けます。40分の試験時間のうち、複線図に5分以内、配線作業に32〜33分、確認に2〜3分という配分が理想的です。
電気工事士2種技能試験の効果的な勉強法
技能試験合格のためには、計画的な練習が欠かせません。効率的な学習方法を実践しましょう。
学科試験後すぐに対策を開始
技能試験の準備は、学科試験の合格発表を待たずに始めることをお勧めします。学科試験の自己採点で合格が確実と判断できたら、すぐに技能試験の練習を開始しましょう。
学科試験終了から技能試験までは約1ヶ月半ありますが、合格発表後に開始すると練習期間は1ヶ月程度に短縮されます。候補問題13問を十分に練習するには、早めのスタートが有利です。工具と材料の準備にも時間がかかるため、学科試験後すぐに手配を始めると余裕を持って練習できます。
候補問題を最低2周以上練習
技能試験の合格には、候補問題13問を全て最低2周、できれば3周練習することが推奨されます。
1周目は各問題の施工方法を理解し、基本的な作業手順を習得します。動画や参考書を見ながら、ゆっくりと正確に作業することを心がけましょう。2周目は、1周目で学んだ手順を確実なものにし、作業速度を上げることを意識します。3周目は、本番を想定して時間内に欠陥なく完成させることを目標にします。
簡単な問題から順番に練習する方法
候補問題13問の難易度は均一ではありません。比較的シンプルな問題から複雑な問題まで幅があるため、効率的に学習するには難易度順に練習することをお勧めします。
一般的に、問題No.1やNo.2は基本的な配線パターンで構成されており、初心者でも取り組みやすい内容です。一方、3路スイッチや4路スイッチを含む問題、自動点滅器や漏電遮断器が含まれる問題は複雑になります。簡単な問題で基本作業に慣れてから、段階的に難しい問題に挑戦すると挫折しにくくなります。
動画や講習会の活用
独学で技能試験の準備をする場合でも、動画教材や講習会を活用すると理解が深まります。
YouTube等の無料動画では、各候補問題の施工手順を詳しく解説したものが多数公開されています。文字だけでは理解しにくい作業の細かいコツや、工具の使い方を視覚的に学べます。また、電気工事士試験の予備校や職業訓練校では、技能試験対策の短期講習会を開催しています。講師から直接指導を受けられるため、自己流の誤った癖がつくのを防げます。
電気工事士2種実技試験の練習問題では、候補問題ごとの詳しい攻略法を解説しています。
電気工事士2種実技試験の練習に関してもっと詳しい記事はこちら
電気工事士2種実技試験の練習問題|効果的な練習方法と対策
電気工事士2種技能試験の準備期間と学習時間
技能試験の準備には、適切な期間と練習時間の確保が必要です。計画的に準備を進めましょう。
学科試験合格発表から技能試験までの期間(約1ヶ月)
学科試験の合格発表から技能試験までは約1ヶ月です。上期試験の場合、6月下旬の合格発表から7月下旬の技能試験まで、下期試験の場合は11月上旬の合格発表から12月上旬の技能試験までの期間となります。
この1ヶ月という期間は、十分な練習時間を確保するにはやや短く感じられるかもしれません。工具や材料の準備、候補問題の理解、実際の練習と進めていくと、あっという間に試験日が近づいてきます。効率的に準備を進めるには、スケジュールを立てて計画的に取り組むことが大切です。
必要な練習時間の目安
電気工事士2種技能試験の合格に必要な練習時間は、個人の経験や器用さによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
練習時間の目安
- 全くの初心者:40〜60時間(候補問題13問を3周)
- 多少の電気工事経験がある方:30〜40時間(候補問題13問を2周)
- 電気工事の実務経験者:20〜30時間(候補問題13問を1〜2周)
1ヶ月で40時間の練習時間を確保するには、週に10時間、つまり平日1日1時間と週末に5時間程度の練習が必要です。働きながらの受験者にとっては厳しいスケジュールかもしれませんが、集中して取り組めば十分可能な範囲です。
学科試験前から準備を始めるメリット
技能試験の準備を学科試験合格発表前から開始すると、いくつかのメリットがあります。
第一に、練習期間を十分に確保できます。学科試験終了後すぐに工具と材料を準備し、候補問題の練習を開始すれば、技能試験までに2ヶ月近い準備期間を得られます。この余裕があれば、候補問題を3周以上練習でき、より確実な合格が見込めます。
第二に、学科試験の知識が新鮮なうちに技能試験の準備ができます。筆記試験で学んだ配線図の読み方や器具の知識が、技能試験の理解を助けてくれます。学科試験の内容と技能試験の実践を結びつけることで、より深い理解が得られます。
電気工事士2種の学習時間に関してもっと詳しい記事はこちら
電気工事士2種の勉強時間は?必要な学習時間と効率的な計画を解説
電気工事士2種技能試験当日の注意点
試験当日は、準備と確認を怠らず、落ち着いて試験に臨みましょう。当日のミスを防ぐためのポイントを解説します。
持ち物チェックリスト
試験当日の持ち物を前日までに確認しておきましょう。
必須の持ち物
- 受験票
- 工具一式(ペンチ、ドライバー、ストリッパー、圧着工具など)
- 筆記用具(鉛筆またはシャープペンシル、消しゴム)
- 時計(会場に時計がない場合がある)
- 身分証明書
あると便利な持ち物
- タオル(手汗を拭く)
- 予備の工具(万が一の故障に備えて)
- 候補問題の資料(試験直前の確認用)
工具を入れるケースや袋も忘れずに準備しましょう。工具がバラバラになっていると、試験中に必要な工具を探す時間がかかってしまいます。
試験開始前の確認事項
試験が開始される前に、必ず確認すべき事項があります。
開始前の確認ポイント
- 配布された材料に不足や破損がないか確認
- 問題用紙の単線図と施工条件を熟読
- どの候補問題が出題されたかを確認
- 作業台のスペースと工具の配置を確認
材料に不足や明らかな破損があった場合は、試験開始前に試験官に申し出ることができます。試験開始後は材料の交換ができないため、開始前の確認が重要です。
時間配分と作業の進め方
40分という限られた時間を効率的に使うため、時間配分を意識して作業しましょう。
推奨される時間配分
- 複線図の作成:3〜5分
- ケーブルの切断と準備:5〜7分
- 器具への配線作業:20〜25分
- 最終確認と修正:3〜5分
作業中は定期的に時計を確認し、予定通りに進んでいるかチェックしましょう。焦りは禁物ですが、時間を意識することで集中力が高まります。もし予定より遅れている場合は、慎重さを保ちながらも作業速度を少し上げる調整が必要です。
よくある失敗例と対策
技能試験でよくある失敗とその対策を知っておきましょう。
よくある失敗例
- 電線の色を間違える(黒と白の取り違え)→ 配線前に複線図と照合
- リングスリーブの圧着ミス(小・中・大の選択ミス)→ 電線の本数を再確認
- 被覆の剥きすぎによる心線露出→ 規定の長さを守る
- 時間不足で未完成→ 練習で時間配分を体得
これらの失敗は、練習段階で意識して対策することで防げます。特に電線の色と圧着工具の選択は、何度確認しても慎重すぎることはありません。本番では緊張して普段のミスをしやすいため、確認作業を習慣化しておきましょう。
電気工事士2種技能試験に関連するよくある質問(FAQ)
電気工事士2種技能試験について、多くの受験者が抱く疑問に答えます。
- 電気工事士2種の技能試験は初心者でも合格できますか?
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電気工事士2種の技能試験は、電気工事の経験がない初心者でも十分合格可能です。合格率が約70%と高い水準を維持していることからも、適切な準備をすれば誰でも合格できる試験といえます。 初心者が合格するためには、候補問題13問を全て2〜3周練習することが重要です。最初は戸惑うかもしれませんが、練習を重ねることで必要な技能は確実に身につきます。動画教材や講習会を活用すれば、独学でも十分対応できます。
- 電気工事士2種技能試験の工具は何を買えばいいですか?
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電気工事士2種技能試験には、ペンチ、ドライバー、ストリッパー、圧着工具、ウォーターポンププライヤー、スケールが必須です。これらが全て揃った工具セットを購入するのが最も効率的です。 工具セットの価格は8,000円〜15,000円程度で、ホーザン、マーベル、フジ矢などの信頼できるメーカーから販売されています。VVFストリッパーが含まれているセットを選ぶと作業効率が上がります。工具は資格取得後も実務で使用できるため、品質の良いものを選ぶことをお勧めします。
- 電気工事士2種の候補問題はどこで確認できますか?
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電気工事士2種技能試験の候補問題は、一般財団法人電気技術者試験センターの公式ウェブサイトで確認できます。試験実施の約3ヶ月前(上期は4月上旬、下期は10月上旬)に公表されます。 公式サイトでは、各候補問題の単線図、使用材料一覧、施工条件がPDF形式で公開されています。これらの資料は無料でダウンロードできるため、必ず最新版を入手して練習に活用しましょう。また、技能試験対策のテキストや動画教材でも候補問題の解説を見ることができます。
- 電気工事士2種技能試験の練習は何周すればいいですか?
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電気工事士2種技能試験の合格には、候補問題13問を最低2周、できれば3周練習することが推奨されます。1周目で基本的な作業手順を習得し、2周目で正確性を高め、3周目で時間内に完成させる練習を行います。 ただし、電気工事の経験がある方は1〜2周でも合格レベルに達する場合があります。逆に、全くの初心者や手先の器用さに不安がある方は、3周以上練習することで確実性が高まります。重要なのは周回数ではなく、全ての候補問題で欠陥なく施工できる技能を身につけることです。
- 電気工事士2種技能試験で複線図を書かなくても合格できますか?
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電気工事士2種技能試験では、複線図の提出は必須ではありません。そのため、理論上は複線図を書かなくても、正確に配線作業ができれば合格可能です。 しかし、実際には複線図を書くことを強くお勧めします。複線図があることで配線ミスを大幅に減らせ、作業中の確認もしやすくなります。複線図を書かずに作業すると、接続ミスや電線の色間違いが発生しやすく、不合格のリスクが高まります。3〜5分で正確な複線図を書けるよう練習しておきましょう。
- 電気工事士2種技能試験の材料は何セット必要ですか?
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電気工事士2種技能試験の練習には、候補問題13問を2〜3周練習できる材料が必要です。つまり、13問×2〜3セット分の材料を用意することが理想的です。 材料セットは通販サイトで「2周分セット」や「3周分セット」として販売されています。価格は2周分で20,000円〜30,000円程度です。初めての方は、まず1周分を購入して練習し、必要に応じて追加セットを購入する方法もあります。ただし、試験直前は材料が品薄になることがあるため、早めの購入をお勧めします。
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まとめ:電気工事士2種技能試験は十分な練習で合格可能
電気工事士2種技能試験は、事前に公表される候補問題13問の中から1問が出題される実技試験です。試験時間は40分で、配線図をもとに実際の配線作業を行い、欠陥なく施工できれば合格となります。合格率は約70%と高く、適切な準備をすれば初心者でも十分合格可能な試験です。
合格のためには、必要な工具と材料を揃え、候補問題13問を最低2周、できれば3周練習することが重要です。複線図を3〜5分で正確に描けるようになり、40分以内に欠陥のない作品を完成させる技能を身につけましょう。学科試験合格後すぐに準備を開始すれば、十分な練習時間を確保できます。
まずは、電気工事士2種のおすすめテキストで技能試験の基礎知識を学び、工具と材料を準備してください。その後、候補問題を順番に練習し、電気工事士2種を独学で合格する方法を参考に計画的に学習を進めることで、確実に合格へと近づけます。
十分な練習と準備で、電気工事士2種技能試験の合格を実現しましょう。
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