土地家屋調査士試験の合格を目指して勉強を続けてきたあなたへ。「合格発表はいつなのか」「どこで確認できるのか」という疑問は、正確な情報を把握することで解決できます。本記事では、土地家屋調査士試験の合格発表日程、具体的な確認方法、試験当日から利用できる解答速報について、最新の情報を交えて詳しく解説します。この情報をもとに、合格発表までの期間を有効に活用し、次のステップに向けた準備を計画的に進めましょう。
この記事を読むとわかること
- 土地家屋調査士試験の筆記試験・口述試験の合格発表日程
- 法務局や法務省ホームページでの具体的な確認方法
- 試験当日から利用できる解答速報の入手先
- 合格発表後に取るべき具体的なアクション
押さえておきたい3つのポイント
- 筆記試験の合格発表は1月上旬:土地家屋調査士試験の筆記試験合格発表は例年1月上旬に行われ、法務省ホームページと法務局の掲示板で受験番号を確認できます。
- 解答速報は試験当日から確認可能:アガルートやLECなどの主要予備校が試験当日から解答速報を公開するため、自己採点により早期に合格の可能性を判断できます。
- 最終合格発表は2月中旬:口述試験の合格発表(最終合格)は2月中旬に行われ、合格後は土地家屋調査士会への登録手続きや新人研修への参加が必要になります。
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土地家屋調査士試験の合格発表日程|2025年(令和7年)
土地家屋調査士試験の合格発表は、筆記試験と口述試験の2段階に分かれて実施されます。それぞれの発表時期を正確に把握し、合格発表までの期間を有効に活用することが重要です。ここでは、2025年(令和7年)の合格発表日程と年間スケジュールの全体像について解説します。
土地家屋調査士筆記試験の合格発表:1月上旬
土地家屋調査士試験の筆記試験合格発表は、例年1月上旬に実施されます。2024年度の場合、筆記試験が10月20日(日)に実施され、合格発表は翌年1月9日(木)に行われました。試験実施日から合格発表までは約2ヶ月半の期間があります。
合格発表の時間は例年午前9時から10時の間に行われることが多く、法務省ホームページでの受験番号掲示と同時に、全国の法務局・地方法務局の掲示板にも合格者の受験番号が掲示されます。筆記試験の合格者には、口述試験の受験票が後日郵送されます。
筆記試験合格者は、午前の部と午後の部の両方で基準点を超え、かつ総合得点が合格点に達した受験者です。合格率は例年9〜11%程度で推移しており、約300〜400名程度が筆記試験を突破します。
土地家屋調査士口述試験の合格発表(最終合格):2月中旬
土地家屋調査士試験の口述試験は、筆記試験合格者のみが受験できる面接形式の試験です。口述試験は例年1月下旬から2月上旬にかけて実施され、最終合格発表は2月中旬に行われます。2024年度の場合、口述試験が1月23日(木)と24日(金)に実施され、最終合格発表は2月14日(金)に行われました。
口述試験の合格率は非常に高く、例年98〜99%以上の受験者が合格します。口述試験では、不動産登記法や土地家屋調査士法に関する基本的な知識と理解が問われますが、筆記試験を突破した実力があれば、適切な準備により合格できる難易度です。
最終合格発表も筆記試験と同様に、法務省ホームページと全国の法務局・地方法務局の掲示板で受験番号が公開されます。最終合格者には、合格証書が後日郵送されるとともに、合格証交付式の案内が届きます。
土地家屋調査士試験の年間スケジュール全体像
土地家屋調査士試験の年間スケジュールを理解しておくことで、計画的に準備を進められます。以下は標準的な年間スケジュールです。
- 5月下旬〜7月上旬:受験申込受付期間
- 8月中旬:受験票発送
- 10月中旬:筆記試験実施(午前の部・午後の部)
- 10月下旬:主要予備校の解答速報公開
- 11月中旬:法務省による正式な解答発表
- 1月上旬:筆記試験合格発表
- 1月下旬〜2月上旬:口述試験実施
- 2月中旬:最終合格発表(口述試験合格発表)
- 2月下旬:合格証交付式
- 3月〜5月:土地家屋調査士会への登録手続き
- 6月頃:新人研修の実施
この年間スケジュールを把握しておくことで、合格発表後の手続きや研修への準備も計画的に進められます。特に最終合格後は、登録手続きに向けた書類準備や費用の確保が必要になるため、早めの準備が重要です。
土地家屋調査士試験の制度全体については、試験科目や出題範囲を含めて別記事で詳しく解説しています。
土地家屋調査士試験の合格発表確認方法
土地家屋調査士試験の合格発表は、複数の方法で確認できます。自宅にいながらインターネットで確認する方法と、直接法務局に足を運んで確認する方法があり、受験者の状況に応じて選択できます。ここでは、それぞれの確認方法について詳しく解説します。
法務局・地方法務局での掲示による確認
土地家屋調査士試験の合格発表は、全国の法務局・地方法務局の掲示板に合格者の受験番号が掲示されます。この掲示は合格発表日の午前中から開始され、約1ヶ月間掲示が継続されます。
受験申込をした法務局・地方法務局だけでなく、全国のすべての法務局・地方法務局で同じ内容が掲示されるため、受験地以外の法務局でも確認可能です。掲示場所は各法務局の入口付近や掲示板コーナーに設置されており、庁舎の案内表示に従えば容易に見つけられます。
法務局での確認のメリットは、公式な掲示を直接目にすることで確実性が高い点です。また、インターネット環境がない場合でも確認できます。ただし、合格発表日当日は多くの受験者が訪れるため、混雑する可能性があります。営業時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までです。
法務省ホームページでの受験番号確認
最も便利な確認方法は、法務省ホームページでの受験番号確認です。合格発表日の午前9時頃から、法務省の公式ウェブサイトに合格者の受験番号一覧がPDF形式で公開されます。
法務省ホームページでは、筆記試験合格者と最終合格者の受験番号が別々のPDFファイルで公開されます。受験番号は数字のみの一覧形式で掲載されており、氏名や住所などの個人情報は公開されません。PDFファイルは自由にダウンロード・印刷できるため、記録として保存することも可能です。
インターネットでの確認は24時間いつでもアクセスでき、自宅や外出先から即座に結果を知ることができます。ただし、合格発表日の午前中はアクセスが集中するため、サーバーの応答が遅くなることがあります。時間に余裕を持ってアクセスするか、少し時間をずらすことをおすすめします。
合格を確認できた場合、受験番号をメモまたは画面キャプチャで保存しておくと、後日の手続きに役立ちます。
土地家屋調査士試験の午前免除者の合格発表確認場所
測量士または測量士補の資格により午前の部を免除された受験者も、合格発表の確認方法は通常の受験者と同じです。法務省ホームページと法務局・地方法務局での掲示により、受験番号を確認できます。
午前免除者の受験番号は、午前の部も受験した通常の受験者と区別されることなく、同じ合格者一覧に掲載されます。午前免除制度を利用したことによる確認方法の違いや制限はありません。
ただし、午前免除者は午後の部のみの得点で合格判定されるため、基準点と合格点の判定基準が通常の受験者とは異なります。午後の部の択一式と記述式でそれぞれ基準点を超え、午後の部の総合得点が合格点に達していれば合格となります。
土地家屋調査士試験の解答速報|試験当日から確認可能
土地家屋調査士試験の解答速報は、主要予備校が試験当日から順次公開します。法務省の公式正解発表を待たずに自己採点できるため、合格の可能性を早期に判断できる貴重な情報源です。ここでは、主要予備校の解答速報について詳しく解説します。
主要予備校の解答速報配信スケジュール
土地家屋調査士試験の解答速報は、アガルート、LEC東京リーガルマインド、東京法経学院などの主要予備校が提供しています。これらの予備校は試験当日から数日以内に解答速報を公開し、受験者の自己採点をサポートしています。
一般的な配信スケジュールは以下の通りです。試験実施日当日の夕方から夜にかけて、択一式問題の解答速報が公開されます。記述式問題については、採点に時間がかかるため、翌日以降に順次公開されることが多いです。
解答速報の公開形式は予備校によって異なりますが、多くの場合、無料で閲覧できます。一部の予備校では会員登録が必要な場合もありますが、登録自体は無料で行えます。解答速報とともに、基準点や合格点の予想も公開されることが多く、自己採点の精度を高められます。
各予備校の解答に若干の違いが生じることもあるため、複数の予備校の解答速報を比較することで、より正確な自己採点が可能になります。
アガルートの土地家屋調査士試験解答速報
アガルートアカデミーは、土地家屋調査士試験の解答速報を試験当日から迅速に公開することで知られています。択一式問題の解答速報は試験当日の夕方から夜にかけて公開され、記述式問題の解答例も翌日以降に順次公開されます。
アガルートの解答速報の特徴は、詳細な解説が付属している点です。単に正解を示すだけでなく、なぜその選択肢が正解なのか、他の選択肢がなぜ誤りなのかを丁寧に説明しています。これにより、自己採点だけでなく、試験問題の理解を深めることもできます。
また、アガルートでは解答速報の公開とともに、オンライン上での自己採点システムや成績分析サービスも提供しています。自分の得点と受験者全体の平均点を比較することで、合格の可能性をより正確に判断できます。
解答速報はアガルートの公式ウェブサイトから無料でアクセスでき、PDF形式でのダウンロードも可能です。試験当日から数週間は常に最新の情報が更新されるため、定期的にチェックすることをおすすめします。
LECの土地家屋調査士試験解答速報
LEC東京リーガルマインドも、土地家屋調査士試験の解答速報を迅速に公開している予備校の一つです。LECの解答速報は試験当日の夜から翌日にかけて公開され、択一式と記述式の両方をカバーしています。
LECの解答速報の特徴は、長年の試験分析に基づく高い信頼性です。土地家屋調査士試験対策に豊富な実績を持つLECの講師陣が作成する解答速報は、正確性が高いと評価されています。また、基準点や合格点の予想についても、過去のデータと照らし合わせた詳細な分析が提供されます。
LECでは解答速報の公開に加えて、無料の成績診断サービスや解答速報を利用した自己採点会なども実施しています。これらのサービスを活用することで、自分の実力を客観的に評価し、次のステップに向けた計画を立てられます。
解答速報はLECの公式ウェブサイトから無料でアクセスでき、会員登録をすることでより詳細な分析結果やアドバイスを受け取ることもできます。
法務省の公式正解発表は約1ヶ月後
主要予備校の解答速報は試験当日から確認できますが、法務省による公式な正解発表は試験実施から約1ヶ月後に行われます。2024年度の場合、10月20日の試験実施後、11月中旬に法務省ホームページで正式な解答が公開されました。
法務省の公式正解発表では、択一式問題の正解番号が公開されます。記述式問題については、正解そのものではなく、採点基準の概要が示されることが一般的です。この公式正解をもとに、予備校の解答速報の精度を確認することもできます。
公式正解発表のタイミングでは、多くの受験者がすでに予備校の解答速報で自己採点を完了していますが、最終的な確認として公式正解をチェックすることをおすすめします。特に解答に迷った問題や、予備校間で解答が分かれた問題については、公式正解で確定させることが重要です。
法務省の公式正解は、筆記試験合格発表までの間、法務省ホームページで継続的に閲覧できます。PDFファイルとして公開されるため、ダウンロードして保存することも可能です。
土地家屋調査士試験の基準点・合格点とは
土地家屋調査士試験では、基準点と合格点という2つの重要な判定基準があります。これらの仕組みを理解することで、自己採点の精度が高まり、合格の可能性をより正確に判断できます。ここでは、基準点と合格点の詳細について解説します。
択一式・記述式の基準点(足切り点)
土地家屋調査士試験の基準点とは、各科目で最低限クリアしなければならない得点のことで、「足切り点」とも呼ばれます。午後の部の試験では、択一式問題と記述式問題のそれぞれに基準点が設定されており、両方の基準点を超えることが合格の必要条件となります。
択一式の基準点は、例年14〜16問程度(50点満点中35〜40点程度)に設定されることが多いです。2023年度の場合、択一式の基準点は15.5問(38.5点)でした。択一式では民法と不動産登記法の知識が問われ、20問出題されます。
記述式の基準点は、例年30〜35点程度(50点満点)に設定されます。2023年度の記述式基準点は32.5点でした。記述式では土地と建物の書式問題が出題され、測量計算と図面作成の能力が総合的に評価されます。
午前の部を受験する場合は、午前の部にも基準点が設定されますが、多くの受験者は測量士補の資格により午前の部を免除されています。午前免除者は、午後の部の択一式と記述式の基準点のみをクリアすればよいため、学習の焦点を絞りやすくなります。
土地家屋調査士試験の合格点の推移
合格点は、基準点を超えた受験者の中から、総合得点の高い順に合格者を決定する得点ラインです。土地家屋調査士試験の合格点は毎年変動しますが、おおむね一定の範囲内で推移しています。
過去5年間の合格点推移を見ると、午後の部の総合得点(択一式50点満点+記述式50点満点=100点満点)で70〜75点前後が合格ラインとなっています。2023年度の合格点は72.0点、2022年度は73.5点、2021年度は71.5点でした。
合格点が毎年変動する理由は、試験の難易度や受験者全体の得点分布によって調整されるためです。難易度が高い年は合格点が下がり、比較的易しい年は合格点が上がる傾向があります。これにより、毎年おおむね一定の合格者数(300〜400名程度)を確保する仕組みになっています。
午前の部を受験した場合の合格点は、午前の部と午後の部の総合得点(150点満点)で判定されますが、午前免除者の合格点は午後の部のみの得点(100点満点)で判定されるため、判定基準が異なります。
基準点と合格点の関係性
基準点と合格点の関係を理解することは、合格戦略を立てる上で重要です。まず、択一式と記述式の両方で基準点を超えることが絶対条件です。仮に総合得点が高くても、どちらか一方の科目で基準点を下回れば不合格となります。
例えば、択一式で45点、記述式で25点を取得した場合、総合得点は70点となり合格点に近い得点ですが、記述式の基準点(例年32点前後)を下回っているため不合格となります。逆に、択一式で40点、記述式で35点を取得した場合、総合得点は75点で、両方の基準点を超えているため合格の可能性が高くなります。
この仕組みから、土地家屋調査士試験では「バランスの取れた学習」が重要であることがわかります。択一式と記述式のどちらか一方に偏った学習ではなく、両方をバランスよく対策することで、基準点クリアと合格点到達の両方を実現できます。
自己採点の際は、まず択一式と記述式の基準点をクリアしているかを確認し、次に総合得点が合格点に達しているかを判断することが重要です。予備校の解答速報では、基準点と合格点の予想も提供されるため、これらを参考に自分の合格可能性を判断できます。
土地家屋調査士試験の合格率については、過去のデータと合格ラインの詳細な分析を別記事で解説しています。
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土地家屋調査士の筆記試験合格後にすべきこと
土地家屋調査士試験の筆記試験に合格したら、最終合格に向けて口述試験の準備を始める必要があります。口述試験は合格率が高いとはいえ、適切な準備なしに臨むことは避けるべきです。ここでは、筆記試験合格後に取るべき具体的なアクションについて解説します。
口述試験の日程と会場を確認する
筆記試験の合格発表と同時に、口述試験の日程と会場が発表されます。口述試験は例年1月下旬から2月上旬にかけて実施され、全国の主要都市にある法務局または地方法務局が試験会場となります。
受験票は筆記試験合格発表から数日後に郵送されますが、法務省ホームページでも試験日時と会場の情報が公開されます。口述試験は受験地ごとに日程が異なることがあるため、自分の受験地の正確な日程を確認することが重要です。
試験会場までのアクセス方法や所要時間も事前に確認しておきましょう。特に遠方の会場の場合は、前日から宿泊する必要があるかもしれません。試験当日に余裕を持って到着できるよう、交通手段と時間配分を計画しておくことをおすすめします。
また、口述試験では服装の指定はありませんが、多くの受験者がビジネススーツまたはそれに準じる服装で受験します。面接形式の試験であるため、清潔感のある服装を準備しておくとよいでしょう。
土地家屋調査士の口述試験対策を始める
口述試験の対策は、筆記試験合格発表から試験日までの約2〜3週間で集中的に行います。この期間は短いため、効率的に準備を進めることが重要です。
まず、過去の口述試験で出題された質問内容を確認しましょう。予備校の口述試験対策講座や参考書には、過去の質問例が多数掲載されています。これらの質問例を繰り返し練習することで、試験本番での対応力が高まります。
次に、口述試験でよく問われるテーマについて、自分の言葉で説明できるように準備します。不動産登記法の基本概念、登記手続きの流れ、土地家屋調査士の業務内容、測量の基礎知識などが頻出テーマです。これらのテーマについて、簡潔かつ正確に説明できるよう練習しましょう。
可能であれば、予備校が実施する口述試験対策講座や模擬面接に参加することをおすすめします。実際の試験と同様の形式で練習することで、緊張感に慣れ、本番でのパフォーマンスを向上させられます。
口述試験の内容と対策方法
土地家屋調査士の口述試験は、2名の試験官による約15〜20分の面接形式で実施されます。試験では、不動産登記法、土地家屋調査士法、測量に関する基本的な知識と理解が口頭で問われます。
試験の流れは、まず試験官が質問を行い、受験者が口頭で回答する形式です。質問は1つの話題について段階的に深まっていくことが多く、最初は基本的な内容から始まり、徐々に具体的な事例や応用的な内容に移行します。
口述試験で重要なのは、正確な知識だけでなく、適切なコミュニケーション能力です。質問の意図を正確に理解し、簡潔かつ明確に回答することが求められます。わからない質問があった場合は、無理に答えようとせず、正直に「わかりません」と伝えた上で、関連する知識を説明することも一つの対応方法です。
また、試験では礼儀正しい態度と落ち着いた対応が評価されます。緊張するのは自然なことですが、深呼吸をして落ち着きを取り戻し、試験官の質問をしっかり聞いてから回答するよう心がけましょう。口述試験の合格率は98〜99%と非常に高いため、基本的な準備をしっかり行えば、ほぼ確実に合格できます。
土地家屋調査士の勉強法では、口述試験を含めた効果的な学習方法と時間管理術を詳しく解説しています。
土地家屋調査士の最終合格後の流れ
土地家屋調査士試験に最終合格したら、実際に土地家屋調査士として業務を開始するための手続きが必要です。登録手続きや研修への参加など、いくつかの重要なステップがあります。ここでは、最終合格後の流れについて詳しく解説します。
合格証交付式への参加(合格発表の約10日後)
最終合格発表の約10日後に、各地の法務局または地方法務局で合格証交付式が開催されます。合格証交付式は、合格者に対して正式な合格証書が授与される式典で、例年2月下旬に実施されます。
合格証交付式への参加は任意ですが、多くの合格者が出席します。式典では法務局長から一人ずつ合格証書が手渡され、土地家屋調査士としての門出を祝福されます。また、土地家屋調査士会の関係者からの祝辞や、今後の手続きに関する説明も行われます。
合格証交付式に参加できない場合でも、合格証書は後日郵送で受け取ることができます。ただし、式典に参加することで、同じ年度の合格者との交流が生まれたり、土地家屋調査士会の雰囲気を直接感じることができるため、可能な限り参加することをおすすめします。
式典の日程や会場は、最終合格発表と同時に法務省ホームページで公開されます。また、合格者には個別に案内状が郵送されるため、詳細を確認してください。
土地家屋調査士会への登録手続き(3月)
土地家屋調査士として業務を行うためには、事務所を設置する都道府県の土地家屋調査士会に登録する必要があります。登録手続きは例年3月から開始され、必要書類の準備と登録費用の納付が必要です。
登録に必要な主な書類は、合格証書の写し、履歴書、事務所の使用権を証明する書類(賃貸契約書など)、住民票、身分証明書などです。また、登録申請書や誓約書などの所定の様式も提出する必要があります。
登録費用は、登録免許税、入会金、年会費などを含めて、おおむね50〜80万円程度が必要です。内訳は、登録免許税が6万円、日本土地家屋調査士会連合会への登録手数料が約25,000円、各都道府県の土地家屋調査士会への入会金が20〜40万円程度、年会費が10〜15万円程度です。
登録手続きには通常1〜2ヶ月程度かかり、登録が完了すると土地家屋調査士証票(バッジ)が交付されます。この時点で正式に土地家屋調査士として業務を開始できるようになります。
新人研修への参加(6月頃)
土地家屋調査士会への登録後、多くの都道府県では新人研修への参加が義務付けられています。新人研修は例年6月頃に実施され、実務に必要な知識と技術を学ぶことができます。
新人研修の内容は、測量実習、登記申請の実務、土地家屋調査士倫理、業務ソフトウェアの使用方法など、実務に直結する内容が中心です。研修期間は数日から1週間程度で、座学と実習を組み合わせたカリキュラムが組まれています。
研修費用は都道府県によって異なりますが、おおむね5〜10万円程度です。研修への参加により、同期の土地家屋調査士との交流が生まれ、将来的な情報交換や協力関係を築くきっかけにもなります。
新人研修を修了した後は、実際に業務を開始できますが、最初は経験豊富な先輩土地家屋調査士の指導を受けながら実務を学ぶことが一般的です。多くの新人土地家屋調査士は、まず既存の事務所に勤務して実務経験を積み、数年後に独立開業するというキャリアパスをたどります。
土地家屋調査士の登録手続きについては、登録費用の詳細や必要書類、手続きの流れを別記事で詳しく解説しています。
土地家屋調査士試験の合格率と難易度
土地家屋調査士試験の合格率と難易度を理解することで、自分の実力を客観的に評価し、合格への道筋を明確にできます。ここでは、合格率の推移と試験の難易度について詳しく解説します。
土地家屋調査士試験の合格率推移(約9〜11%)
土地家屋調査士試験の合格率は、例年9〜11%程度で推移しています。2023年度の合格率は10.47%で、受験者数3,859名に対して合格者数は404名でした。2022年度は9.62%、2021年度は10.36%と、おおむね10%前後を維持しています。
過去10年間のデータを見ると、合格率は大きな変動なく安定しており、毎年300〜400名程度の合格者が輩出されています。これは、国土地理院による測量法の改正や不動産登記制度の変更など、社会的な需要に応じて一定数の土地家屋調査士を確保する必要があるためです。
合格率10%という数字は、受験者の10人に1人が合格することを意味します。これは難関資格の一つと言える水準ですが、適切な学習方法と十分な学習時間を確保すれば、決して手が届かない難易度ではありません。
受験者数は近年やや減少傾向にありますが、合格者数はほぼ一定に保たれているため、合格率は若干上昇する傾向も見られます。2015年頃は合格率が8〜9%台でしたが、近年は10%を超える年度が増えています。
筆記試験と口述試験の合格率の違い
土地家屋調査士試験は筆記試験と口述試験の2段階で構成されており、それぞれの合格率は大きく異なります。筆記試験の合格率は全体の合格率とほぼ同じ9〜11%程度ですが、口述試験の合格率は98〜99%以上と極めて高い水準です。
2023年度を例に取ると、筆記試験受験者3,859名のうち合格者は411名で、合格率は10.65%でした。一方、口述試験受験者411名のうち404名が合格し、合格率は98.30%でした。口述試験の不合格者はわずか7名でした。
この違いから、土地家屋調査士試験の難関は筆記試験であり、筆記試験さえ突破すれば最終合格はほぼ確実と言えます。口述試験で不合格になるのは、基本的な質問に全く答えられなかったり、極端に不適切な態度を取った場合に限られます。
したがって、受験者は筆記試験対策に学習時間の大部分を投入し、確実に基準点と合格点をクリアすることに集中すべきです。口述試験は筆記試験合格後に2〜3週間の対策で十分に対応できます。
午前免除者の合格率
測量士または測量士補の資格により午前の部を免除された受験者の合格率は、午前の部も受験した通常の受験者と比較してやや高い傾向があります。これは、午前の部の学習負担が軽減されることで、午後の部の対策に集中できるためです。
2023年度のデータでは、全体の受験者3,859名のうち、午前免除者は約70%を占める約2,700名でした。午前免除者の多くは測量士補の資格を取得してから土地家屋調査士試験に挑戦しており、測量の基礎知識を既に有している点も合格率向上に寄与しています。
午前免除制度を利用することで、学習範囲を午後の部に絞り込めるため、働きながら受験する社会人にとっては特に有利です。測量士補試験は土地家屋調査士試験よりも難易度が低く、合格率も30〜40%程度と高いため、まず測量士補を取得してから土地家屋調査士試験に挑戦する戦略が一般的です。
ただし、午前免除者であっても、午後の部で基準点と合格点をクリアする必要があることに変わりはありません。午後の部の対策を徹底的に行うことが、最終的な合格につながります。
土地家屋調査士試験不合格時の対応
土地家屋調査士試験に不合格だった場合でも、適切な振り返りと対策により、翌年の合格を目指すことができます。多くの合格者が複数回の受験を経て合格しており、諦めずに挑戦を続けることが重要です。ここでは、不合格時の対応について解説します。
土地家屋調査士試験の再受験に向けた準備
不合格の結果を受け取ったら、まず自分の得点と基準点・合格点を冷静に分析しましょう。択一式と記述式のどちらが基準点を下回ったのか、総合得点が合格点にどれくらい足りなかったのかを確認することで、次回に向けた改善点が明確になります。
基準点を下回った科目がある場合は、その科目の基礎知識に穴があることを意味します。択一式で基準点を下回った場合は、民法と不動産登記法の理解が不十分である可能性が高いため、テキストの読み直しと過去問演習を徹底的に行う必要があります。
記述式で基準点を下回った場合は、測量計算のスピードと正確性、または図面作成の技術に課題があると考えられます。記述式対策は時間がかかるため、早期から計画的に練習を重ねることが重要です。
総合得点は合格点に達していたが基準点を下回った場合は、バランスの取れた学習ができていなかったことを示しています。得意科目だけでなく、苦手科目も基準点をクリアできるよう、学習時間の配分を見直しましょう。
自己採点との差異を分析する
解答速報を使った自己採点の結果と実際の得点に差異がある場合、その原因を分析することも重要です。特に記述式では、自己採点と実際の得点に大きな差が生じることがあります。
記述式の自己採点が実際の得点よりも高かった場合、図面の正確性や計算過程の記述が不十分だった可能性があります。記述式では部分点が与えられる一方で、小さなミスが大きく減点される場合もあるため、より丁寧な答案作成を心がける必要があります。
択一式で自己採点と実際の得点に差があった場合は、解答速報の解答が法務省の公式正解と異なっていた可能性があります。複数の予備校の解答速報を比較し、解答が分かれていた問題については特に注意深く復習しましょう。
また、試験本番でのマークミスや転記ミスがなかったかも確認する必要があります。これらのミスは実力とは無関係に得点を失う原因となるため、次回の試験では見直しの時間を確保することを心がけましょう。
翌年の土地家屋調査士試験に向けた学習計画
不合格の原因を分析できたら、翌年の合格に向けた学習計画を立てましょう。合格まで必要な学習時間は、今回の得点状況によって異なりますが、一般的には追加で500〜1,000時間程度の学習が必要です。
学習計画を立てる際は、まず試験日から逆算して、いつまでに何を終わらせるかを明確にします。基本的なスケジュールとしては、4月から6月は基礎知識の再確認、7月から9月は過去問演習と記述式練習、10月は総仕上げと模擬試験という流れが効果的です。
予備校の講座を利用していた場合は、再受講制度を活用できるか確認しましょう。多くの予備校では、再受講者向けの割引制度や無料再受講制度を提供しています。独学で挑戦していた場合は、予備校の利用も検討する価値があります。
モチベーションを維持するために、学習仲間を見つけることも有効です。SNSやオンラインコミュニティで同じ目標を持つ受験者とつながり、情報交換や励まし合いをすることで、長期間の学習を継続できます。
土地家屋調査士試験の勉強時間では、合格までの学習スケジュールと効率的な時間配分について詳しく解説しています。
土地家屋調査士の合格発表に関連するよくある質問(FAQ)
土地家屋調査士試験の合格発表に関して、受験者から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。合格発表前後の疑問を解消し、適切な対応ができるよう参考にしてください。
Q. 土地家屋調査士試験の合格発表は何時ですか?
土地家屋調査士試験の合格発表は、例年午前9時から10時の間に行われます。法務省ホームページでの受験番号公開と、全国の法務局・地方法務局での掲示が同時に開始されます。ただし、法務省ホームページへのアクセスが集中する時間帯は、ページの表示に時間がかかることがあります。確実に確認したい場合は、午前10時以降にアクセスするか、法務局の掲示板で確認することをおすすめします。
Q. 土地家屋調査士の筆記試験と口述試験の合格発表日はいつですか?
土地家屋調査士試験の筆記試験合格発表は例年1月上旬、口述試験の合格発表(最終合格)は2月中旬に行われます。2024年度の場合、筆記試験合格発表が1月9日、最終合格発表が2月14日でした。年度によって数日の前後はありますが、おおむねこの時期に実施されます。正確な日程は試験実施後に法務省ホームページで公表されるため、定期的に確認することをおすすめします。
Q. 土地家屋調査士試験の合格通知は郵送されますか?
土地家屋調査士試験の合格者には、合格証書が後日郵送されますが、合格通知そのものは郵送されません。合格発表は法務省ホームページと法務局の掲示板での受験番号公開のみで行われるため、自分で確認する必要があります。筆記試験合格者には口述試験の受験票が郵送され、最終合格者には合格証書と合格証交付式の案内が郵送されます。合格証書の到着は合格発表から1〜2週間後が一般的です。
Q. 土地家屋調査士の合格証はいつもらえますか?
土地家屋調査士試験の合格証書は、最終合格発表から約1〜2週間後に郵送されます。また、合格発表の約10日後に開催される合格証交付式に参加した場合は、式典で直接手渡されます。合格証交付式は各地の法務局または地方法務局で開催され、参加は任意です。式典に参加しない場合でも、合格証書は自宅に郵送されるため、受け取りに問題はありません。合格証書は土地家屋調査士会への登録手続きに必要な重要書類なので、大切に保管してください。
Q. 土地家屋調査士試験の解答速報はいつ公開されますか?
土地家屋調査士試験の解答速報は、試験当日の夕方から夜にかけて主要予備校から公開されます。アガルート、LEC、東京法経学院などが解答速報を提供しており、多くの場合無料で閲覧できます。択一式問題の解答速報は試験当日に公開され、記述式問題の解答例は翌日以降に順次公開されることが一般的です。法務省による公式正解の発表は試験実施から約1ヶ月後となるため、早期に自己採点したい場合は予備校の解答速報を活用することをおすすめします。
まとめ:土地家屋調査士試験の合格発表は計画的に確認しよう
本記事では、土地家屋調査士試験の合格発表日程と確認方法、解答速報について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 合格発表日程の把握:筆記試験の合格発表は1月上旬、口述試験の合格発表(最終合格)は2月中旬に実施されます。法務省ホームページと法務局での掲示により受験番号を確認できます。
- 解答速報の活用:試験当日から主要予備校が解答速報を公開するため、早期に自己採点を行い、合格の可能性を判断できます。複数の予備校の解答を比較することで、より正確な自己採点が可能です。
- 合格後の適切な対応:筆記試験合格後は口述試験対策を開始し、最終合格後は土地家屋調査士会への登録手続きと新人研修への参加が必要です。それぞれのステップを計画的に進めることが重要です。
土地家屋調査士試験の合格を確認できたら、次は実務に向けた準備を始めましょう。土地家屋調査士の登録手続きと土地家屋調査士の仕事内容を参考に、計画的に進めることをおすすめします。
本記事を通じて、土地家屋調査士試験の合格発表に関する詳細な情報と、合格発表前後の適切な対応方法を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、土地家屋調査士としてのキャリアの実現に向けて一歩を踏み出しましょう。
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