土地家屋調査士試験の午前の部免除制度について知りたいあなたへ。「午前の部を受験すべきか、免除を利用すべきか」という疑問は、測量士補などの免除資格を取得することで解決できます。本記事では、土地家屋調査士試験の午前の部免除制度の仕組み、免除に必要な4つの資格、測量士補がおすすめの理由について、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、土地家屋調査士試験合格に向けて、最も効率的な受験戦略を立てましょう。
この記事を読むとわかること
- 土地家屋調査士試験の午前の部免除制度の仕組みと利用状況
- 午前の部を免除できる4つの資格とそれぞれの特徴
- 測量士補資格が免除手段として最もおすすめの理由
- 午前の部免除申請の具体的な手続き方法
押さえておきたい3つのポイント
- 午前の部免除の利用率は98%:土地家屋調査士試験の受験者の約98%が午前の部免除制度を利用しており、免除なしで受験する人は全体のわずか2%程度です。免除を利用することが合格への標準ルートとなっています。
- 測量士補は合格率40%前後で取得しやすい:午前の部免除に必要な4つの資格の中で、測量士補は合格率が40%前後と最も取得しやすく、受験資格もありません。測量士補試験は5月に実施されるため、同一年度内に土地家屋調査士試験(10月)とのダブル受験が可能です。
- 午前の部の教材はほとんど存在しない:午前の部(測量計算・作図)に特化した教材やテキストは市場にほとんど存在せず、独学での対策が極めて困難です。午前の部免除を利用することで、教材が充実している午後の部に学習を集中できます。
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土地家屋調査士試験の午前の部免除制度とは
土地家屋調査士試験の午前の部免除制度は、特定の国家資格を保有している受験生が測量に関する筆記試験を免除される制度です。この制度を利用することで、土地家屋調査士試験の午後の部(民法・不動産登記法・書式問題)のみに集中して学習できるため、合格への近道となります。
土地家屋調査士試験の制度では、試験全体の仕組みや日程について詳しく解説していますが、午前の部免除制度は土地家屋調査士試験における最も重要な戦略の一つと言えます。
午前の部免除制度の仕組み
土地家屋調査士試験は午前の部と午後の部に分かれており、午前の部では測量に関する知識や技術が問われます。午前の部免除制度を利用すると、この測量試験を受験する必要がなくなり、午後の部から受験をスタートできます。
午前の部の試験時間は2時間で、測量計算10問と作図1問が出題されます。免除を受けることで、この2時間の試験をスキップし、午後の部(2時間30分)のみの受験となるため、試験当日の負担が大幅に軽減されます。
免除申請は、土地家屋調査士試験の受験申込時に必要書類を提出することで行います。測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士のいずれかの資格証明書を添付すれば、午前の部が免除されます。
午前の部免除を受ける受験生が圧倒的多数
土地家屋調査士試験の受験者データを見ると、午前の部免除制度を利用する受験生が圧倒的多数を占めています。2023年度のデータでは、全受験者の約98%が午前の部免除を利用して受験しており、これは約4,000人のうち約3,900人に相当します。
午前の部免除が主流となっている理由は、免除資格の取得が午前の部を独学で突破するよりも効率的であるためです。特に測量士補資格は合格率が40%前後と比較的取得しやすく、多くの受験生が測量士補を取得してから土地家屋調査士試験に臨んでいます。
合格者の内訳を見ても、午前の部免除を利用した受験生の合格率は、免除なしで受験した人よりも高い傾向にあります。これは、午後の部に学習時間を集中できることが大きな要因となっています。
午前の部を受験する人は受験者全体の2%程度
午前の部から受験する人は、土地家屋調査士試験の受験者全体のわずか2%程度です。2023年度では約80人程度が午前の部から受験しましたが、この数字は年々減少傾向にあります。
午前の部を受験する人が少ない理由は、測量計算と作図の難易度が高く、対策教材も少ないためです。午前の部の合格基準点は例年70点前後(100点満点)と高めに設定されており、測量の専門知識がない受験生にとっては大きな壁となります。
また、午前の部を受験する場合、試験当日は午前9時30分から午後4時頃までの長時間にわたる試験となり、体力的・精神的な負担も大きくなります。このため、多くの受験生が免除制度を活用する選択をしています。
土地家屋調査士試験の科目に関してもっと詳しい記事はこちら
土地家屋調査士試験の科目一覧|出題範囲と科目別対策を解説
土地家屋調査士試験の午前の部が免除される4つの資格
土地家屋調査士試験の午前の部免除を受けるには、測量士・測量士補・一級建築士・二級建築士のいずれかの国家資格が必要です。これらの資格は、測量や建築に関する専門知識を有することを証明するもので、土地家屋調査士の業務に関連性が高い資格として認められています。
それぞれの資格には取得難易度や受験資格、試験時期などに違いがあります。土地家屋調査士試験の科目との関連性を考慮しながら、自分に最適な免除資格を選択することが重要です。
測量士・測量士補で午前の部が免除
測量士および測量士補は、国土交通省が所管する測量に関する国家資格です。測量士は測量計画の作成や実施を行う資格で、測量士補は測量士の作成した計画に従って測量作業を行う資格という違いがあります。
測量士補は、土地家屋調査士試験の午前の部免除を目的とする場合に最も人気の高い資格です。試験は年1回5月に実施され、合格率は例年35~45%程度で推移しています。2023年度の合格率は40.5%でした。
測量士の合格率は10~15%程度と測量士補より低く、難易度も高めです。ただし、測量士を取得すれば測量士補も自動的に付与されるため、測量業界でのキャリアも視野に入れる場合は測量士を目指す選択肢もあります。測量士・測量士補ともに受験資格はなく、学歴・年齢・実務経験に関係なく誰でも受験できます。
一級建築士・二級建築士で午前の部が免除
一級建築士および二級建築士も、土地家屋調査士試験の午前の部免除資格として認められています。建築士資格は国土交通省が所管する国家資格で、建物の設計や工事監理を行うための資格です。
一級建築士の合格率は例年10~15%程度、二級建築士は20~25%程度と、いずれも難関資格です。また、建築士試験を受験するには、大学や専門学校で建築に関する指定科目を履修するか、一定期間の実務経験が必要となります。
すでに建築士資格を保有している場合は、午前の部免除のために新たに資格を取得する必要がないため、そのまま土地家屋調査士試験に挑戦できます。ただし、建築士資格を持っていない場合に、午前の部免除のためだけに建築士を目指すのは効率的ではありません。
4つの資格の取得難易度比較
午前の部免除に使える4つの資格の取得難易度を比較すると、以下のような特徴があります。
測量士補が最も取得しやすく、合格率40%前後、受験資格なし、試験は年1回5月実施です。土地家屋調査士試験と同一年度での受験が可能で、測量の基礎知識が土地家屋調査士試験にも役立ちます。
測量士は合格率10~15%程度で、測量士補より難易度が高めです。ただし、測量業での活躍も視野に入れる場合には有力な選択肢となります。受験資格はなく、試験時期も測量士補と同じ5月です。
二級建築士は合格率20~25%程度で、大学・専門学校での指定科目履修または実務経験が受験に必要です。すでに建築系の学歴や経験がある場合には検討できますが、午前の部免除のためだけに目指すのは非効率です。
一級建築士は合格率10~15%程度の難関資格で、受験資格のハードルも高く、午前の部免除のために取得を目指すのは現実的ではありません。すでに保有している場合にのみ活用する選択肢です。
以下の表で各資格の特徴を比較します。
| 資格名 | 合格率 | 受験資格 | 試験時期 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| 測量士補 | 40%前後 | なし | 5月 | ★★★★★ |
| 測量士 | 10~15% | なし | 5月 | ★★★☆☆ |
| 二級建築士 | 20~25% | 要学歴・実務経験 | 7月(学科)、9月(製図) | ★★☆☆☆ |
| 一級建築士 | 10~15% | 要学歴・実務経験 | 7月(学科)、10月(製図) | ★☆☆☆☆ |
このように、受験資格がなく合格率も高い測量士補が、午前の部免除を目的とする場合の最適な選択肢と言えます。
土地家屋調査士試験の午前の部を免除すべき3つの理由
土地家屋調査士試験の合格を目指す上で、午前の部免除制度の活用は極めて重要です。98%の受験生が免除を利用している背景には、午前の部を受験することのデメリットと、免除を受けることで得られる多くのメリットがあります。
ここでは、土地家屋調査士試験の午前の部を免除すべき主な理由を4つ解説します。これらの理由を理解することで、免除資格取得の重要性が明確になるはずです。
理由①:午前の部の難易度が極めて高い
土地家屋調査士試験の午前の部は、測量計算10問と作図1問で構成されており、専門的な測量知識と高度な計算能力が求められます。合格基準点は例年70点前後(100点満点)と高く設定されており、測量の実務経験がない受験生にとっては非常に高いハードルとなります。
測量計算問題では、三角測量、多角測量、水準測量などの各種測量手法に関する計算問題が出題されます。これらは単なる公式の暗記だけでは対応できず、測量の原理を深く理解した上で、複雑な計算を正確にこなす必要があります。
作図問題では、与えられた測量データをもとに、制限時間内に正確な図面を作成する技術が求められます。製図用具の使い方に慣れ、ミスのない作図を行うには、相当な練習が必要です。午前の部の対策だけで数百時間の学習時間が必要となるため、午後の部の学習時間を圧迫する大きな要因となります。
理由②:午前の部の教材・テキストがほとんど存在しない
土地家屋調査士試験の午前の部に特化した教材やテキストは、市場にほとんど存在しません。これは、受験者の98%が免除を利用しているため、午前の部対策の需要が極めて低いことが理由です。
午後の部(民法・不動産登記法・書式問題)については、多くの予備校や出版社から充実した教材が提供されています。過去問集、テキスト、問題集、予備校の講座など、学習リソースが豊富に揃っています。一方、午前の部については、過去問を入手することはできても、詳しい解説や体系的な学習教材が手に入りにくい状況です。
独学で午前の部を突破しようとする場合、測量士補試験の教材や測量の専門書などを活用する必要がありますが、土地家屋調査士試験の午前の部に特化した内容ではないため、効率的な学習が困難です。教材不足という点でも、午前の部免除を利用することが合理的な選択となります。
理由③:試験時間4時間半の長丁場を避けられる
土地家屋調査士試験を午前の部から受験する場合、午前9時30分から午後4時頃までの長時間にわたる試験となります。午前の部が2時間、昼休憩を挟んで午後の部が2時間30分という構成で、合計4時間半もの試験時間に集中力を維持する必要があります。
午後の部だけを受験する場合は、午後1時からの開始で、午後3時30分頃には終了します。試験時間が2時間30分のみとなるため、体力的・精神的な負担が大幅に軽減されます。特に午後の部の書式問題は、複雑な計算と作図を含む高難度の問題であり、集中力が求められます。
午前の部を受験して疲労した状態で午後の部に臨むよりも、午前中はリラックスして過ごし、万全の状態で午後の部に集中できる方が、良いパフォーマンスを発揮できる可能性が高まります。試験当日のコンディション管理という観点からも、午前の部免除は有利に働きます。
理由④:午後の部に集中できる精神的・体力的メリット
午前の部免除を利用する最大のメリットは、学習期間中も試験当日も、午後の部に全力を注げることです。土地家屋調査士試験の合否を決定するのは午後の部の成績であり、午前の部をクリアしても午後の部で合格基準に達しなければ不合格となります。
学習時間の観点では、午前の部の対策に数百時間を費やすよりも、その時間を午後の部の民法、不動産登記法、書式問題の対策に充てた方が、合格可能性は確実に高まります。午後の部の書式問題は、土地の分筆・合筆、建物の表題登記など、実務に直結する高度な問題が出題されるため、十分な演習時間が必要です。
また、精神的な面でも、「午前の部を突破できるか」という不安を抱えながら学習を進めるよりも、「午後の部だけに集中すればよい」という明確な目標設定ができる方が、モチベーション維持にも効果的です。免除資格を取得することで、土地家屋調査士試験の学習を効率的かつ効果的に進められるようになります。
土地家屋調査士の午前の部免除に測量士補がおすすめの理由
土地家屋調査士試験の午前の部免除に利用できる4つの資格の中で、測量士補が最もおすすめの選択肢です。合格率の高さ、受験資格の有無、試験時期、知識の関連性など、多くの点で測量士補が優れています。
ここでは、測量士補が午前の部免除に最適な理由を4つの観点から詳しく解説します。土地家屋調査士と測量士の違いについても理解を深めることで、より効果的な学習戦略を立てられます。
測量士補は合格率40%前後で取得しやすい
測量士補試験の合格率は、例年35~45%程度で推移しており、国家資格の中では比較的取得しやすい部類に入ります。2023年度の合格率は40.5%、2022年度は42.0%と、安定して40%前後の合格率を維持しています。
この合格率は、他の免除資格と比較すると明らかに高い水準です。測量士の合格率が10~15%程度、一級建築士・二級建築士も15~25%程度であることを考えると、測量士補の40%という合格率は大きな魅力となります。
測量士補試験の出題形式は、マークシート方式の択一式問題28問で構成されています。記述式や実技試験がないため、測量の基本知識をしっかり学習すれば合格が十分狙えます。合格基準は正答率65%程度(28問中18問正解)で、過去問演習を繰り返すことで合格ラインに到達できる試験です。
測量士補は受験資格がなく誰でも受験可能
測量士補試験には受験資格がなく、学歴・年齢・実務経験に関係なく誰でも受験できます。これは、建築士資格が大学や専門学校での指定科目履修または実務経験を必要とするのとは対照的です。
受験資格がないため、土地家屋調査士試験の学習を始めたばかりの初学者でも、すぐに測量士補試験に挑戦できます。測量の知識がゼロの状態から学習を始めても、適切な教材と学習計画があれば、3~6ヶ月程度の準備期間で合格が狙えます。
また、測量士補試験の受験料は4,250円(2024年現在)と比較的手頃で、経済的な負担も小さい点も魅力です。測量士補試験は全国各地で実施されるため、地方在住者でも受験しやすい環境が整っています。
測量士補試験は5月で土地家屋調査士試験と同一年度受験が可能
測量士補試験は毎年5月中旬に実施され、土地家屋調査士試験(筆記試験は8月、口述試験は11月)との同一年度受験が可能です。このスケジュールの相性の良さが、測量士補を午前の部免除資格として選ぶ最大の理由の一つとなっています。
具体的なスケジュールは以下の通りです。5月に測量士補試験を受験し、7月初旬に合格発表があります。測量士補に合格していれば、8月の土地家屋調査士試験で午前の部免除を申請できます。つまり、1年間で測量士補と土地家屋調査士の両方の合格を目指すことが可能です。
一方、建築士試験は学科試験が7月、製図試験が9~10月に実施されるため、土地家屋調査士試験(8月)と時期が重なってしまいます。同一年度に両方合格するのは極めて困難で、建築士を先に取得してから土地家屋調査士に挑戦する必要があります。
測量士補と土地家屋調査士のダブル受験スケジュールについては、次のセクションで詳しく解説します。効率的な時間配分と学習計画により、同一年度での両試験合格を実現できます。
測量士補の知識が土地家屋調査士試験に直結する
測量士補試験で学習する測量の基礎知識は、土地家屋調査士試験の午後の部でも役立ちます。特に書式問題では、測量計算や座標計算が必要となる場面があり、測量士補で習得した知識が直接的に活用できます。
土地家屋調査士の実務では、土地の測量を行い、境界を確定させる作業が中心となります。測量士補試験で学ぶ測量の基本原理、測量機器の使い方、誤差の取り扱いなどは、土地家屋調査士の業務に直結する知識です。測量士補の学習は、単なる午前の部免除のための手段ではなく、土地家屋調査士としてのキャリアの基礎を築く過程でもあります。
また、測量士補試験の学習を通じて測量用語や概念に慣れておくことで、土地家屋調査士試験の学習もスムーズに進められます。不動産登記法の条文にも測量に関する用語が多数登場するため、測量の基礎知識があると理解が深まります。
このように、測量士補は単に午前の部免除を受けるためだけでなく、土地家屋調査士としての実力を高める上でも有益な資格と言えます。
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土地家屋調査士試験の午前の部免除申請の手続き方法
測量士補などの免除資格を取得したら、土地家屋調査士試験の受験申込時に午前の部免除の申請を行います。免除申請の手続きは複雑ではありませんが、必要書類の準備や提出方法を事前に確認しておくことが重要です。
ここでは、午前の部免除申請の具体的な手続き方法について、必要書類、証明書の取得方法、提出先などを詳しく解説します。
免除申請に必要な書類一覧
土地家屋調査士試験で午前の部免除を申請する際には、通常の受験申込書類に加えて、免除資格を証明する書類が必要です。以下の書類を準備してください。
受験申込書は、法務局または法務省のウェブサイトから入手できます。受験申込書には、氏名、生年月日、住所などの基本情報に加えて、午前の部免除を申請する旨を記入する欄があります。この欄に必ず記入し、免除理由(測量士補資格保有など)を明記してください。
資格証明書(原本またはコピー)は、測量士補、測量士、一級建築士、二級建築士のいずれかの資格を証明する書類です。測量士補の場合は、国土地理院が発行する「測量士補登録証」が該当します。建築士の場合は、都道府県知事が発行する「建築士免許証」が必要です。
多くの法務局では、資格証明書のコピー(写し)の提出で受け付けていますが、一部の法務局では原本の提示を求められる場合もあります。受験申込時に管轄の法務局に確認することをおすすめします。原本を提出する場合は、後日返却されるのが一般的です。
受験手数料は、午前の部免除を受ける場合でも、通常の受験手数料(8,300円、2024年現在)と同額です。収入印紙で納付する形が一般的で、受験申込書に収入印紙を貼付します。
資格証明書の取得方法
測量士補の資格証明書は、測量士補試験に合格した後、国土地理院に登録申請を行うことで取得できます。合格発表後、登録申請書を国土地理院に提出すると、約1~2ヶ月後に測量士補登録証が発行されます。
登録申請には、合格証書のコピー、戸籍抄本または住民票、登録手数料(収入印紙)が必要です。登録手数料は、測量士補の場合15,000円程度です。登録申請を忘れると資格証明書が発行されないため、合格後は速やかに登録手続きを行いましょう。
測量士補試験の合格発表は例年7月初旬で、土地家屋調査士試験の受験申込期間は5月下旬~6月上旬です。5月に測量士補試験を受験して同年8月の土地家屋調査士試験で午前の部免除を利用する場合、合格発表と登録証の発行が受験申込期間に間に合わないことがあります。
この場合、土地家屋調査士試験の受験申込時には、測量士補試験の受験票や成績通知書のコピーを添付し、「登録手続き中」である旨を説明する書類を提出することで、仮受付が認められる場合があります。詳細は管轄の法務局に確認してください。また、試験当日までに登録証が届けば、試験当日に持参することで正式に免除が認められます。
申請書類の提出方法と提出先
土地家屋調査士試験の受験申込書類の提出先は、受験地を管轄する法務局です。受験地は、自分の住所地または勤務地を管轄する法務局の管轄区域から選択できます。
提出方法は、原則として法務局の窓口への持参または郵送です。郵送の場合は、簡易書留などの追跡可能な方法で送付することをおすすめします。受験申込期間は例年5月下旬から6月上旬までの約2週間と短いため、期限に余裕を持って提出しましょう。
受験申込書類を提出すると、受験票が後日郵送されます。受験票には、受験番号、試験日時、試験会場、受験する試験科目(午後の部のみ、または午前の部と午後の部)が記載されています。受験票が届いたら、午前の部免除が正しく反映されているか必ず確認してください。
午前の部免除が反映されていない場合や、書類に不備がある場合は、速やかに法務局に連絡して修正手続きを行いましょう。試験当日まで時間がない場合は、資格証明書の原本を試験会場に持参することで対応できる場合もあります。
土地家屋調査士と測量士補のダブル受験スケジュール
測量士補試験と土地家屋調査士試験は同一年度内に両方合格することが可能です。測量士補試験が5月、土地家屋調査士試験が8月に実施されるため、5月から8月までの約3ヶ月間で土地家屋調査士試験の対策を集中的に行えます。
ここでは、測量士補と土地家屋調査士のダブル受験を成功させるための具体的なスケジュールと勉強時間配分について解説します。土地家屋調査士の勉強時間も参考にしながら、無理のない学習計画を立てましょう。
測量士補試験(5月)→土地家屋調査士試験(10月)の流れ
測量士補と土地家屋調査士のダブル受験の基本的な流れは以下の通りです。
1月~4月:測量士補試験の対策期間
この期間は測量士補試験の合格に集中します。測量士補試験は択一式28問で、合格基準は正答率65%程度です。過去問演習を中心に、測量の基礎知識をしっかり固めます。学習時間の目安は200~300時間程度です。
5月中旬:測量士補試験受験
測量士補試験は例年5月第3日曜日に実施されます。午前10時から午後3時までの試験で、昼休みを挟んで午前・午後の部に分かれています。
5月下旬~6月上旬:土地家屋調査士試験の受験申込
測量士補試験の直後から、土地家屋調査士試験の学習を開始します。同時に、土地家屋調査士試験の受験申込手続きも行います。測量士補の登録証が間に合わない場合は、受験票や成績通知書で仮受付が認められる場合があります。
6月~8月:土地家屋調査士試験の集中対策期間
測量士補試験後の約3ヶ月間は、土地家屋調査士試験の午後の部対策に全力を注ぎます。民法、不動産登記法の理論、書式問題(土地・建物)の演習を徹底的に行います。
7月初旬:測量士補試験の合格発表
測量士補試験の合格発表があります。合格していれば、速やかに国土地理院に登録申請を行い、測量士補登録証の発行を待ちます。
8月中旬:土地家屋調査士筆記試験受験
土地家屋調査士試験の筆記試験(午後の部)を受験します。午前の部免除を利用するため、午後1時からの開始で、試験時間は2時間30分です。
10月下旬:筆記試験の合格発表
筆記試験の合格発表があります。合格者は口述試験に進みます。
11月中旬:口述試験受験
口述試験は例年11月中旬に実施されます。口述試験の合格率は99%以上と高く、筆記試験に合格すればほぼ合格できます。
12月:最終合格発表
口述試験の合格発表をもって、土地家屋調査士試験の最終合格となります。
同一年度に両方合格するための勉強時間配分
測量士補と土地家屋調査士の両方に同一年度で合格するには、トータルで1,200~1,500時間程度の学習時間が必要です。内訳は、測量士補対策に200~300時間、土地家屋調査士対策に1,000~1,200時間が目安となります。
1月~4月(4ヶ月間):測量士補対策
1日平均2時間、週末は4~5時間学習すると、月間60~70時間、4ヶ月で240~280時間の学習時間を確保できます。この時間があれば、過去問を3~5周して測量士補の合格レベルに到達できます。
測量士補試験では、測量法規、多角測量、水準測量、地形測量、写真測量、地図編集、応用測量の各分野から出題されます。分野ごとに過去問を解き、頻出問題のパターンを把握することが効率的です。
5月~8月(3ヶ月間):土地家屋調査士対策
測量士補試験後の3ヶ月間は、土地家屋調査士試験に全力を注ぎます。平日は2~3時間、週末は8~10時間の学習を継続すると、月間90~120時間、3ヶ月で270~360時間の学習時間を確保できます。
ただし、この3ヶ月間だけでは土地家屋調査士試験の合格は困難です。理想的なスケジュールは、測量士補の学習と並行して、前年の9月頃から土地家屋調査士試験の基礎学習を開始しておくことです。
前年9月~12月(4ヶ月間):土地家屋調査士の基礎固め
測量士補の学習を始める前に、土地家屋調査士試験の民法と不動産登記法の基礎を学習しておきます。予備校の入門講座や基本テキストで理論の基礎を固めます。この期間に300~400時間を投入します。
1月~4月(4ヶ月間):測量士補対策+土地家屋調査士の理論学習
測量士補対策と並行して、土地家屋調査士試験の理論(民法・不動産登記法)の学習も継続します。測量士補に週10~12時間、土地家屋調査士に週8~10時間を配分します。この期間に土地家屋調査士対策として300~400時間を積み上げます。
5月~8月(3ヶ月間):書式問題の集中演習
測量士補試験後は、土地家屋調査士試験の書式問題(土地・建物)の演習に集中します。書式問題は配点が高く、合否を左右する重要な分野です。過去問や答練で実戦力を磨きます。この期間に400~500時間を投入します。
このように、約1年間(前年9月~当年8月)をかけて計画的に学習すれば、測量士補と土地家屋調査士の同一年度合格が実現できます。
測量士補合格後に土地家屋調査士に集中するパターン
無理なく確実に合格を目指す場合は、1年目に測量士補に合格し、2年目に土地家屋調査士試験に集中するパターンもおすすめです。このスケジュールなら、それぞれの試験に十分な学習時間を確保できます。
1年目(5月):測量士補試験に合格
1月から4ヶ月間、測量士補試験の対策に集中します。200~300時間の学習で合格レベルに到達できます。合格後は登録手続きを行い、測量士補登録証を取得します。
1年目(6月~翌年8月):土地家屋調査士試験の学習
測量士補合格後、土地家屋調査士試験の学習を開始します。約14ヶ月間の学習期間があるため、1,000~1,200時間の学習時間を無理なく確保できます。
2年目(8月):土地家屋調査士筆記試験に合格
午前の部免除を利用して、午後の部のみを受験します。書式問題を中心に実戦力を高めておけば、合格の可能性が高まります。
2年目(11月):口述試験に合格し最終合格
筆記試験合格後、口述試験に進みます。口述試験対策は1~2週間程度で十分です。
このパターンなら、働きながらでも無理なく両資格の取得を目指せます。ダブル受験にこだわらず、確実に合格することを優先する場合は、こちらのスケジュールを検討しましょう。
土地家屋調査士の午前の部の試験内容と難易度
土地家屋調査士試験の午前の部がどのような内容で、どれほどの難易度なのかを理解することは、免除制度の重要性を認識する上で役立ちます。ここでは、午前の部の具体的な試験内容と難易度について詳しく解説します。
午前の部は測量に関する専門的な知識と技術を問う試験であり、測量の実務経験がない受験生にとっては大きな壁となります。この内容を知ることで、午前の部免除を利用する価値がより明確になるはずです。
午前の部の出題科目と問題形式
土地家屋調査士試験の午前の部は、測量に関する知識と技術を問う筆記試験です。出題科目は、平面測量(多角測量、トラバース測量など)、水準測量、地形測量、写真測量などの各種測量分野から構成されています。
試験時間は2時間(午前9時30分~11時30分)で、問題数は測量計算問題10問と作図問題1問の合計11問です。測量計算問題は、与えられた測量データをもとに、角度、距離、座標、面積などを計算する問題です。作図問題は、測量データから地形や境界を表す図面を作成する問題です。
測量計算問題の配点は1問あたり8~10点程度、作図問題は20点程度で、合計100点満点です。解答形式は、測量計算問題がマークシート式または記述式、作図問題は実際に製図用紙に図面を描く実技形式です。
測量計算では、三角関数、対数計算、座標計算などの数学的知識が必要です。また、測量機器(トータルステーション、レベル、GNSSなど)の原理や使用方法に関する知識も問われます。これらは単なる公式の暗記では対応できず、測量の原理を深く理解している必要があります。
測量計算10問と作図1問の構成
測量計算問題10問の内訳は、おおむね以下のような構成となっています。
多角測量・トラバース測量(3~4問):測点間の角度と距離から、各測点の座標を計算する問題です。閉合誤差の調整や、座標計算の精度も問われます。
水準測量(1~2問):高低差の測定に関する問題で、視準線誤差の補正や、往復測量の較差計算などが出題されます。
面積計算(1~2問):座標値から土地の面積を計算する問題です。座標法(ヘロンの公式など)を使った計算が求められます。
距離・角度の測定と誤差(1~2問):測量誤差の理論や、測定値の補正に関する問題です。最小二乗法などの統計的手法が問われることもあります。
その他の測量分野(1~2問):地形測量、写真測量、GPS測量など、多様な測量技術に関する問題が出題されます。
作図問題1問は、与えられた測量データ(座標値、距離、角度など)をもとに、地形や境界を表す図面を作成する問題です。縮尺を指定されることが多く、正確な作図技術と製図用具の使い方が求められます。
作図では、三角スケール、コンパス、製図用シャープペンシルなどの製図用具を使用します。制限時間内に正確な図面を作成するには、日頃から製図練習を積んでおく必要があります。わずかな作図ミスでも減点となるため、慎重かつ迅速な作業が要求されます。
午前の部の合格基準点と配点
土地家屋調査士試験の午前の部の合格基準点は、例年70点前後(100点満点)に設定されています。2023年度は72点、2022年度は70点、2021年度は73点でした。合格基準点は毎年変動しますが、おおむね70~75点の範囲で推移しています。
この合格基準点は、決して低くありません。100点満点中70点ということは、11問中約8問を正解する必要があります。測量計算問題10問のうち7~8問を正解し、作図問題でも一定の得点を確保しなければ合格ラインに到達できません。
午前の部と午後の部は別々に採点され、両方で合格基準点に達する必要があります。午前の部で合格基準点を超えても、午後の部で基準点に達しなければ不合格となります。逆に、午後の部で高得点を取っても、午前の部で基準点に達しなければ不合格です。
このため、午前の部を受験する場合は、午前・午後の両方で高得点を狙う必要があり、学習負担が大幅に増加します。午前の部免除を利用すれば、午後の部だけに集中できるため、合格の可能性が高まります。
午前の部の難易度の高さと、対策に必要な膨大な学習時間を考慮すると、測量士補などの免除資格を取得して午前の部免除を利用することが、合理的な選択と言えます。
土地家屋調査士試験で測量士補以外の免除資格を選ぶケース
測量士補が午前の部免除に最もおすすめの資格ですが、状況によっては他の資格を選択する方が適している場合もあります。すでに建築士資格を保有している場合や、測量業でのキャリアも視野に入れる場合など、個人の状況に応じた選択が可能です。
ここでは、測量士補以外の免除資格を選ぶケースについて解説します。土地家屋調査士になる方法も参考にしながら、自分に最適なルートを検討してください。
すでに建築士資格を持っている場合
一級建築士または二級建築士の資格をすでに保有している場合は、新たに測量士補を取得する必要はありません。建築士資格で午前の部免除が受けられるため、そのまま土地家屋調査士試験に挑戦できます。
建築士資格を持っている人が土地家屋調査士を目指すケースは少なくありません。建築士は建物の設計や工事監理を行う資格であり、土地家屋調査士は建物や土地の表題登記を行う資格です。両資格を保有することで、建物に関する業務を幅広くカバーできるようになります。
特に、建築設計事務所や工務店に勤務している建築士が、業務の幅を広げるために土地家屋調査士資格を取得するケースがあります。建築確認申請と表題登記をワンストップで提供できれば、クライアントの利便性が高まり、競争力も向上します。
建築士資格を持っている場合は、午前の部免除申請時に建築士免許証のコピーを提出すれば、手続きは完了です。測量士補を新たに取得する時間と労力を節約できるため、すぐに土地家屋調査士試験の学習に専念できます。
測量業も視野に入れて測量士を目指す場合
土地家屋調査士だけでなく、測量業での活躍も視野に入れている場合は、測量士補ではなく測量士の取得を目指す選択肢もあります。測量士は測量計画の作成や測量の実施を行える資格で、測量士補よりも上位の資格です。
測量士を取得すれば、測量会社で測量業務全般を担当できるようになります。土地家屋調査士と測量士の両方を保有することで、測量から登記まで一貫したサービスを提供できる専門家として、高い市場価値を持つことができます。
ただし、測量士試験の難易度は測量士補よりも高く、合格率は10~15%程度です。午前の部免除のためだけに測量士を目指すのは効率的ではありませんが、測量業でのキャリアも真剣に考えている場合は、最初から測量士を目指すことも検討に値します。
測量士試験は測量士補試験と同じ5月に実施されるため、スケジュール的には測量士補と同じタイミングで受験できます。測量士に合格すれば、測量士補の資格も自動的に付与されるため、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
測量士試験の学習時間は、測量士補の2~3倍程度(600~900時間)が目安です。土地家屋調査士試験の学習と並行して測量士を目指す場合は、2年以上の学習期間を見込む必要があります。
測量専門学校で測量士補を無試験取得する選択肢
測量士補は、試験を受けずに取得する方法もあります。文部科学大臣または国土交通大臣が認定した測量に関する専門学校や大学を卒業すると、無試験で測量士補の資格が付与されます。
測量専門学校(測量士・測量士補養成施設)では、1年間の課程で測量の基礎から実習までを学ぶことができます。卒業と同時に測量士補資格が取得できるため、試験勉強の時間を節約できます。ただし、1年間学校に通う必要があるため、時間的・経済的な負担は大きくなります。
また、測量に関する専門課程がある大学(土木工学科、地球科学科など)を卒業した場合も、所定の単位を取得していれば測量士補の資格が付与されることがあります。すでに該当する大学を卒業している場合は、卒業証明書と履修科目証明書を国土地理院に提出することで、測量士補の登録ができます。
無試験取得の選択肢は、これから進学を考えている若い世代や、キャリアチェンジで測量を本格的に学びたい人に適しています。ただし、すでに社会人として働いている人が、午前の部免除のためだけに測量専門学校に通うのは現実的ではありません。その場合は、測量士補試験を受験する方が効率的です。
土地家屋調査士試験の午前の部免除に関連するよくある質問(FAQ)
土地家屋調査士試験の午前の部免除制度について、受験生からよく寄せられる質問をまとめました。免除資格の選び方、申請手続き、受験戦略など、実践的な疑問に答えます。
Q. 土地家屋調査士試験の午前の部免除に必要な資格は何ですか?
土地家屋調査士試験の午前の部免除に必要な資格は、測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士の4つです。これらのいずれかの国家資格を保有していれば、土地家屋調査士試験の午前の部(測量に関する筆記試験)が免除されます。
最もおすすめの免除資格は測量士補です。測量士補は合格率40%前後と比較的取得しやすく、受験資格もありません。また、試験が5月に実施されるため、同一年度内に土地家屋調査士試験とのダブル受験が可能です。測量士補の学習内容は土地家屋調査士の実務にも直結するため、単なる免除手段以上の価値があります。
Q. 土地家屋調査士試験で測量士補を取るべき理由は何ですか?
土地家屋調査士試験で測量士補を取得すべき主な理由は4つあります。第一に、測量士補の合格率は40%前後と比較的高く、200~300時間の学習で合格が狙えます。第二に、受験資格がないため誰でも受験でき、受験料も手頃です。
第三に、測量士補試験は5月実施で、土地家屋調査士試験(8月)と同一年度内の受験が可能です。5月に測量士補に合格してから、8月の土地家屋調査士試験で午前の部免除を利用できます。第四に、測量士補で学習する測量の基礎知識は、土地家屋調査士試験の書式問題や実務でも役立ちます。
一方、建築士資格は受験資格のハードルが高く、試験時期も土地家屋調査士試験と重なるため、午前の部免除のために新たに取得するのは非効率です。すでに建築士資格を持っている場合を除き、測量士補を選択するのが最も合理的です。
Q. 土地家屋調査士と測量士補は同じ年に合格できますか?
はい、土地家屋調査士と測量士補は同じ年に合格することが可能です。測量士補試験は5月中旬、土地家屋調査士試験(筆記)は8月中旬に実施されるため、両試験の日程が重なりません。
具体的なスケジュールは、1月から測量士補の学習を開始し、5月の試験に合格します。7月初旬に合格発表があり、その後は土地家屋調査士試験の学習に集中します。8月の土地家屋調査士筆記試験では、午前の部免除を利用して午後の部のみを受験します。
同一年度での両試験合格を目指す場合、前年の9月頃から土地家屋調査士試験の基礎学習を開始し、測量士補の学習と並行して進めることが理想的です。トータルで1,200~1,500時間程度の学習時間を確保できれば、ダブル合格は十分実現可能です。ただし、無理なく確実に合格を目指す場合は、1年目に測量士補、2年目に土地家屋調査士というスケジュールもおすすめです。
Q. 土地家屋調査士試験の午前の部免除申請はいつ行いますか?
土地家屋調査士試験の午前の部免除申請は、受験申込時に行います。受験申込期間は例年5月下旬から6月上旬までの約2週間です。この期間中に、受験申込書と一緒に免除資格の証明書(測量士補登録証や建築士免許証のコピー)を提出します。
5月に測量士補試験を受験して同年8月の土地家屋調査士試験で免除を利用する場合、合格発表(7月初旬)が受験申込期間に間に合わないことがあります。この場合、測量士補試験の受験票や成績通知書のコピーを添付し、「登録手続き中」である旨を説明する書類を提出することで、仮受付が認められる場合があります。
詳細な手続き方法は、受験地を管轄する法務局に事前に確認することをおすすめします。測量士補の登録証が試験当日までに届けば、試験会場に持参することで正式に免除が認められます。
Q. 土地家屋調査士試験の午前の部を免除しないで受験することはできますか?
はい、午前の部を免除しないで受験することも可能です。測量士補などの免除資格を持っていても、あえて午前の部から受験することを選択できます。ただし、午前の部を受験する人は全体の約2%と極めて少数です。
午前の部を受験する場合、午前9時30分から午後4時頃までの長時間にわたる試験となり、体力的・精神的な負担が大きくなります。また、午前の部の難易度は高く、対策教材も少ないため、独学での合格は困難です。
多くの受験生が免除制度を利用している理由は、午後の部に学習を集中できることで合格可能性が高まるためです。午前の部を受験することに特別な理由がない限り、免除制度を利用することを強くおすすめします。免除を利用することで、午後の部の民法・不動産登記法・書式問題の対策に十分な時間を割くことができます。
Q. 土地家屋調査士試験の午前の部免除証明書はどこで入手できますか?
土地家屋調査士試験の午前の部免除に必要な証明書は、取得した資格によって発行元が異なります。
測量士補・測量士の場合、証明書は国土地理院が発行する「測量士補登録証」または「測量士登録証」です。測量士補試験に合格した後、国土地理院に登録申請を行うことで登録証が発行されます。登録申請には合格証書のコピー、戸籍抄本または住民票、登録手数料(15,000円程度)が必要です。
一級建築士・二級建築士の場合、証明書は都道府県知事が発行する「建築士免許証」です。建築士試験(学科試験と製図試験)に合格した後、都道府県の建築士会に登録申請を行うことで免許証が発行されます。
午前の部免除申請では、これらの登録証または免許証のコピーを受験申込書と一緒に提出します。多くの法務局ではコピーで受け付けていますが、一部の法務局では原本の提示を求められる場合もあります。詳細は受験地を管轄する法務局に確認してください。
まとめ:土地家屋調査士試験は測量士補で午前免除が合格への近道
本記事では、土地家屋調査士試験の午前の部免除制度について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
- 午前の部免除の利用が標準ルート:土地家屋調査士試験の受験者の約98%が午前の部免除制度を利用しています。免除を受けることで、午後の部に学習を集中でき、合格可能性が大幅に高まります。午前の部は難易度が高く、教材も少ないため、独学での突破は極めて困難です。
- 測量士補が最適な免除資格:午前の部免除に必要な4つの資格(測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士)の中で、測量士補が最もおすすめです。合格率40%前後と取得しやすく、受験資格もありません。5月実施のため同一年度内でのダブル受験が可能で、測量の知識が土地家屋調査士試験にも役立ちます。
- 計画的な学習で同一年度合格が可能:測量士補と土地家屋調査士の同一年度合格は、適切な学習計画により実現できます。トータル1,200~1,500時間の学習時間を、測量士補対策(200~300時間)と土地家屋調査士対策(1,000~1,200時間)に配分します。前年9月から学習を開始し、測量士補と並行して土地家屋調査士の基礎を固めることが理想的です。
土地家屋調査士試験の合格を目指すなら、まず測量士補を取得して午前の部免除を確保しましょう。土地家屋調査士の勉強時間と独学での勉強法を参考に、計画的に学習を進めることをおすすめします。
本記事を通じて、午前の部免除制度の仕組みと、測量士補を活用した効率的な受験戦略を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、土地家屋調査士試験合格に向けて確実な一歩を踏み出しましょう。
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