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中小企業診断士一次試験の科目・難易度・合格率と対策方法

中小企業診断士一次試験について調べているあなたへ。「どんな科目があるのか」「どれくらい難しいのか」「どうやって対策すればいいのか」という疑問は、正確な試験情報と効果的な学習戦略で解決できます。

本記事では、中小企業診断士一次試験の7科目の内容と特徴、合格基準と合格率の推移、科目合格制度の活用方法について、実際のデータを交えて詳しく解説します。この情報をもとに、中小企業診断士試験合格に向けて、計画的な学習を始めましょう。

この記事を読むとわかること
  • 中小企業診断士一次試験の7科目の内容と難易度
  • 合格基準と過去10年の合格率推移
  • 科目合格制度・科目免除制度の活用方法
  • 効果的な勉強順序と対策のポイント
押さえておきたい3つのポイント
  1. 合格基準は総得点60%以上かつ各科目40%未満がないこと:7科目の合計で420点中252点以上が必要で、どの科目も40点未満(足切り)があると不合格になります。バランスの取れた学習が重要です。
  2. 科目合格制度は3年間有効で戦略的に活用できる:合格した科目は3年間免除されるため、複数年での合格を計画的に目指せます。働きながら学習する社会人にとって有効な制度です。
  3. 財務会計・企業経営理論・運営管理を優先的に学習する:これらの科目は二次試験にも直結し、配点も高いため、学習の初期段階から重点的に取り組むことで効率的な合格が可能になります。
目次

中小企業診断士(SME診断士)一次試験の概要

中小企業診断士一次試験は、経営コンサルタントとして必要な基礎知識を問う試験です。7科目すべてがマークシート方式で実施され、幅広い経営知識が求められます。ここでは、試験の基本情報から受験資格、申込方法まで詳しく解説します。

一次試験の基本情報(試験方式・日程・会場)

中小企業診断士一次試験は、毎年8月上旬の土日2日間にわたって実施されます。1日目に4科目、2日目に3科目が出題され、すべてマークシート方式(4~5肢択一式)による筆記試験です。試験時間は各科目60分または90分に設定されています。

試験会場は全国主要都市に設置され、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡など、受験者の居住地に近い会場を選択できます。受験地は申込時に指定しますが、希望する会場が定員に達した場合は近隣の会場に変更される可能性があります。

試験日程は例年、1日目が経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理の4科目、2日目が経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の3科目という構成になっています。

受験資格は年齢・学歴不問

中小企業診断士一次試験には、年齢、学歴、国籍などの受験資格制限が一切ありません。誰でも受験できるオープンな国家資格試験です。大学生、社会人、定年退職後の方など、幅広い年齢層の方が挑戦しています。

実際の受験者層を見ると、30代から40代の社会人が最も多く、全体の約60%を占めています。次いで20代が約25%、50代以上が約15%となっており、キャリアアップや転職、独立開業を目指す社会人の受験が中心です。

学歴についても制限がないため、高校卒業後すぐに社会に出た方でも、実務経験を積みながら中小企業診断士を目指すことができます。ただし、試験内容は大学レベルの経済学や財務会計を含むため、独学や通信講座での学習が必要になります。

受験料と申込方法

中小企業診断士一次試験の受験料は14,500円です。受験申込は例年4月下旬から5月下旬にかけて実施され、インターネットと郵送の2つの方法があります。近年はインターネット申込が主流となっており、24時間いつでも申込手続きが可能です。

インターネット申込の場合、中小企業診断協会の公式サイトから専用の申込フォームにアクセスし、必要事項を入力します。受験料の支払いはクレジットカード決済またはコンビニ決済が利用できます。申込完了後、受験票は試験の約2週間前に発送されます。

郵送申込の場合は、受験案内を取り寄せて願書を記入し、受験料を銀行振込で支払った後、必要書類を簡易書留で送付します。ただし、郵送申込は申込期間が短く設定されているため、余裕を持った手続きが必要です。

合格発表日程と確認方法

中小企業診断士一次試験の合格発表は、試験実施日から約1ヶ月半後の9月中旬に行われます。合格発表は中小企業診断協会の公式サイトで確認できるほか、受験者全員に合格通知または不合格通知が郵送されます。

公式サイトでの確認は、合格発表日の午前9時から可能になります。受験番号を入力することで、合格・不合格の判定、総得点、科目別得点、科目合格の有無などが確認できます。合格者には後日、合格証書が郵送されます。

科目合格についても同時に発表され、総合合格には至らなくても、個別科目で60点以上を獲得した科目については科目合格として認定されます。科目合格の情報も合格発表サイトで確認でき、翌年以降の受験戦略を立てる際の重要な情報となります。

中小企業診断士(SME診断士)一次試験の合格基準

中小企業診断士一次試験の合格基準は、総得点と個別科目得点の両方をクリアする必要があります。この独特な基準を正しく理解することが、効果的な学習計画を立てる第一歩となります。

総得点60%以上かつ各科目40%未満がないこと

中小企業診断士一次試験の合格基準は、7科目の総得点が満点の60%以上、かつ1科目でも満点の40%未満の科目がないことです。満点は420点(60点×7科目)なので、252点以上の総得点が必要になります。

この基準で重要なのは、総得点が252点以上あっても、1科目でも40点未満(足切り)があれば不合格になる点です。例えば、6科目で高得点を取って合計270点に達していても、1科目が39点であれば不合格となります。

したがって、得意科目で高得点を狙うだけでなく、苦手科目でも最低40点以上を確保する戦略が不可欠です。バランスの取れた学習と、弱点科目の底上げが合格への鍵となります。

合格基準の計算方法と具体例

合格基準を具体的な得点例で見てみましょう。7科目それぞれの配点は60点で、各科目の合格ライン40点、総合合格ライン252点を基準に計算します。

合格パターンの例:

  • 経済学40点、財務会計45点、企業経営理論50点、運営管理42点、経営法務40点、経営情報システム48点、中小企業経営43点
  • 合計:308点(252点以上)、最低点:40点(足切りなし)→ 合格

不合格パターンの例:

  • 経済学50点、財務会計55点、企業経営理論48点、運営管理52点、経営法務38点、経営情報システム45点、中小企業経営40点
  • 合計:328点(252点以上)だが、経営法務が38点(40点未満)→ 不合格

このように、総得点が合格ラインを大きく超えていても、1科目でも足切りがあれば不合格となるため、すべての科目で40点以上を確保することが最優先の戦略となります。

足切り40点未満に注意

足切り(40点未満)を回避することは、中小企業診断士一次試験合格の絶対条件です。毎年多くの受験者が、苦手科目の足切りによって不合格となっています。特に注意が必要なのは、経済学・経済政策と経営情報システムの2科目です。

経済学・経済政策は、大学で経済学を学んでいない方にとっては理論的な内容が難解で、グラフや数式を使った問題も出題されます。経営情報システムは、IT知識が乏しい方には専門用語が多く、技術的な内容についていけないことがあります。

足切りを回避するためには、苦手科目であっても最低限の学習時間を確保し、基礎的な問題を確実に正解できる力を養うことが重要です。過去問演習で頻出テーマを押さえ、確実に40点以上を取れる実力をつけましょう。

科目合格の基準も60点以上

科目合格制度では、個別科目で60点以上を取得すれば、その科目が合格したと認定されます。総合合格には至らなくても、科目合格した科目は翌年以降3年間、受験が免除されます。

科目合格の基準は60点以上であり、総合合格の基準(総得点60%以上)とは異なる点に注意が必要です。例えば、ある科目で58点を取った場合、総合合格の計算には含まれますが、科目合格としては認定されません。

科目合格を戦略的に活用する場合、得意科目で確実に60点以上を狙い、複数年計画で全科目の合格を目指す方法が有効です。特に働きながら学習する社会人にとって、科目合格制度は合格への現実的なルートとなります。科目合格制度の詳細については、後ほど詳しく解説します。

中小企業診断士(SME診断士)一次試験の7科目を徹底解説

中小企業診断士一次試験は7科目で構成され、それぞれ異なる専門分野の知識が問われます。各科目の内容と特徴を理解することで、効果的な学習計画を立てることができます。

①経済学・経済政策の内容と特徴

経済学・経済政策は、ミクロ経済学とマクロ経済学を中心に、経済理論と政策を学ぶ科目です。試験時間は60分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)となっています。需要と供給の理論、市場均衡、GDP、金融政策、財政政策などが主な出題テーマです。

この科目の特徴は、理論的な理解と数式・グラフの読解力が求められる点です。計算問題も出題されるため、公式を暗記するだけでなく、経済現象の仕組みを理解することが重要です。大学で経済学を学んだ経験がない方にとっては、初見では難解に感じることが多い科目です。

対策としては、基礎理論をしっかり理解した上で、過去問を繰り返し解くことが効果的です。グラフの動きや均衡点の求め方など、視覚的に理解することで記憶に定着しやすくなります。学習時間の目安は100~150時間程度です。

②財務・会計の内容と特徴

財務・会計は、簿記、財務諸表、原価計算、経営分析、資金調達などを学ぶ科目です。試験時間は60分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)で、計算問題が多く出題されます。貸借対照表、損益計算書の読み方や、財務指標の計算、CVP分析などが頻出テーマです。

この科目は中小企業診断士試験の中核となる科目で、二次試験の事例Ⅳ(財務・会計)に直結します。計算力と会計知識の両方が求められ、簿記検定の知識が役立つため、簿記3級または2級の知識を持っている方は有利です。

対策としては、仕訳の基礎から財務分析まで、体系的に学習することが重要です。計算問題は繰り返し演習することで解答速度が上がります。電卓の使い方にも慣れておきましょう。学習時間の目安は150~200時間程度で、7科目の中でも重点的に学習すべき科目です。

③企業経営理論の内容と特徴

企業経営理論は、経営戦略、組織論、マーケティング、人的資源管理などを学ぶ科目です。試験時間は90分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)で、一次試験の中で最も幅広い内容をカバーする科目です。

この科目は二次試験の事例Ⅰ(組織・人事)と事例Ⅱ(マーケティング・流通)に直結するため、一次試験の段階から深く理解することが重要です。経営戦略論では、SWOT分析、ポーターの競争戦略、PPM分析などの経営フレームワークが頻出します。マーケティング分野では、マーケティングミックス(4P)、STP分析、消費者行動などが出題されます。

暗記すべき用語や理論が多い一方で、実務での応用を意識した出題もあります。単なる暗記ではなく、各理論の意味と使い方を理解することが合格への鍵です。学習時間の目安は150~200時間程度です。

④運営管理(オペレーション・マネジメント)の内容と特徴

運営管理は、生産管理と店舗・販売管理の2分野で構成される科目です。試験時間は90分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)です。製造業の生産方式、在庫管理、品質管理から、小売業の店舗運営、物流管理まで、幅広い実務知識が問われます。

この科目は二次試験の事例Ⅲ(生産・技術)に直結するため、一次試験段階から実務的な視点で学習することが重要です。生産管理分野では、JIT(ジャストインタイム)、MRP(資材所要量計画)、QC七つ道具などが頻出します。店舗管理分野では、陳列技術、発注方式、物流システムなどが出題されます。

暗記項目が多いため、体系的に整理しながら学習する必要があります。特に専門用語が多いため、用語集を作成して反復学習することが効果的です。学習時間の目安は100~150時間程度です。

⑤経営法務の内容と特徴

経営法務は、会社法、知的財産権法、民法、商法などの法律知識を学ぶ科目です。試験時間は60分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)です。会社設立、株式、機関設計、特許権、商標権、契約法などが主な出題テーマとなります。

この科目の特徴は、法律用語と条文の正確な理解が求められる点です。法律の条文をそのまま暗記するのではなく、各制度の趣旨と実務での適用場面を理解することが重要です。特に会社法と知的財産権法は出題頻度が高く、重点的な学習が必要です。

法律の学習経験がない方にとっては、独特の言い回しや概念が難解に感じることがあります。しかし、過去問で頻出テーマを押さえ、基礎的な知識を確実に身につければ、40点以上の確保は十分可能です。学習時間の目安は100~150時間程度です。

⑥経営情報システムの内容と特徴

経営情報システムは、ITの基礎知識、システム開発、データベース、ネットワーク、情報セキュリティなどを学ぶ科目です。試験時間は60分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)です。ハードウェア、ソフトウェア、プログラミング、クラウド、AI、IoTなど、幅広いIT知識が問われます。

この科目の特徴は、技術の進化が早く、新しい技術やトレンドが出題に反映される点です。IT業界で働いている方には有利な科目ですが、IT知識が乏しい方にとっては専門用語の多さに苦戦することがあります。

対策としては、基本情報技術者試験の参考書も活用しながら、ITの基礎を体系的に学習することが効果的です。計算問題(2進数変換、IPアドレスなど)も出題されるため、演習が必要です。学習時間の目安は80~120時間程度です。

⑦中小企業経営・中小企業政策の内容と特徴

中小企業経営・中小企業政策は、中小企業の経営実態、統計データ、政府の支援策を学ぶ科目です。試験時間は90分、配点は100点(一次試験の配点換算で60点)です。中小企業白書からの出題が中心で、日本の中小企業の現状、課題、政策支援の内容が問われます。

この科目の特徴は、暗記中心の学習になる点です。最新の統計データや政策内容を覚える必要があるため、試験直前期に集中して学習するのが効率的です。中小企業白書は毎年更新されるため、最新版の内容を押さえることが重要です。

対策としては、中小企業白書の要点をまとめた参考書を使い、重要な統計データと政策名を暗記します。出題傾向が比較的安定しているため、過去問演習で頻出テーマを押さえれば高得点が狙えます。学習時間の目安は50~80時間程度で、短期集中型の学習が向いています。

中小企業診断士試験の科目に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の科目一覧|一次・二次の試験科目と内容

中小企業診断士一次試験の合格率推移と難易度

中小企業診断士一次試験の合格率は年度によって変動しますが、過去10年の平均は約27%です。この数字から試験の難易度と、合格するために必要な準備を理解することができます。

過去10年の合格率推移(平均約27%)

中小企業診断士一次試験の過去10年(2014年~2023年)の合格率は、最低17.7%(2015年)から最高30.2%(2020年)まで変動しています。平均すると約27%で、4人に1人程度が合格する計算です。

近年の合格率を見ると、2018年が23.5%、2019年が30.2%、2020年が42.5%(コロナ禍の特殊要因)、2021年が36.4%、2022年が28.9%、2023年が27.6%となっています。2020年は新型コロナウイルスの影響で試験が2回実施され、合格率が一時的に上昇しましたが、通常は25~30%の範囲で推移しています。

この合格率から分かるのは、中小企業診断士一次試験が決して簡単な試験ではないということです。しかし、適切な学習計画と十分な勉強時間を確保すれば、合格は十分に可能な水準です。

科目別合格率の傾向分析

科目別の合格率(科目合格率)を見ると、科目によって難易度に差があることが分かります。比較的合格率が高い科目は、中小企業経営・中小企業政策(30~40%)と企業経営理論(25~35%)です。一方、合格率が低い科目は、経済学・経済政策(15~25%)と経営情報システム(15~25%)です。

財務・会計と運営管理は中間的な難易度で、合格率は20~30%程度で推移しています。経営法務は年度によって難易度のばらつきが大きく、合格率が10%台になることもあれば30%を超えることもあります。

これらのデータから、学習戦略としては、難易度が高い科目(経済学、経営情報システム)では足切りを回避することを優先し、得意科目で高得点を狙うバランス型の学習が効果的です。科目合格制度を活用して、複数年で全科目の合格を目指す戦略も有効です。

年度による難易度のばらつき

中小企業診断士一次試験は、年度によって難易度にばらつきがあります。特定の科目が例年より難化することもあれば、比較的易しい年度もあります。これは出題範囲が広く、出題委員の交代や時事的なテーマの反映などが影響するためです。

例えば、経営法務は法改正の影響を受けやすく、新しい法律や制度変更があった年は、その内容が出題されることがあります。経営情報システムも、AI、IoT、クラウドなど最新のIT技術が出題に反映されるため、トレンドを押さえた学習が必要です。

年度による難易度のばらつきに対応するには、過去5年分以上の過去問を解いて出題傾向を把握し、基礎を固めた上で応用力を養うことが重要です。特定の年度の問題だけに偏らず、幅広く学習することで、どのような出題にも対応できる実力を身につけましょう。

他の士業資格との難易度比較

中小企業診断士試験を他の士業資格と比較すると、合格率の面では税理士(一次試験合格率は各科目10~20%)や公認会計士(短答式合格率10~15%)よりは高く、行政書士(合格率10~15%)と同程度か、やや易しいと言えます。社会保険労務士(合格率5~10%)と比較すると、中小企業診断士の方が合格率は高めです。

ただし、合格率だけで難易度を判断することはできません。中小企業診断士試験は7科目という科目数の多さと、幅広い知識が求められる点が特徴です。また、一次試験合格後に二次試験(筆記試験と口述試験)があり、最終的な資格取得までのハードルは決して低くありません。

総合的に見ると、中小企業診断士は難易度が高い国家資格の一つですが、計画的な学習と適切な対策によって、社会人でも働きながら合格を目指せる資格です。中小企業診断士試験の難易度では、他資格との詳細な比較を解説しています。

中小企業診断士試験の難易度に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の難易度|他資格との比較と合格への道筋

中小企業診断士試験の合格率に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の合格率推移と一次・二次の傾向分析

中小企業診断士一次試験の科目合格制度を活用する

科目合格制度は、中小企業診断士一次試験の大きな特徴の一つです。働きながら学習する社会人にとって、この制度を戦略的に活用することで、無理のない計画で合格を目指すことができます。

科目合格制度とは?仕組みを理解する

科目合格制度とは、一次試験で60点以上を獲得した科目について、その科目が合格したと認定される制度です。総合合格には至らなくても、科目合格した科目は翌年以降の受験で免除されます。つまり、すべての科目を1年で合格する必要はなく、複数年かけて7科目すべてで合格を積み重ねることができます。

例えば、1年目に財務・会計、企業経営理論、運営管理の3科目で60点以上を取得した場合、これらの科目は科目合格となり、翌年の受験では残りの4科目だけを受験すれば良いことになります。この制度により、学習時間の確保が難しい社会人でも、計画的に合格を目指すことができます。

科目合格制度を活用する際の注意点は、科目合格の基準が60点以上であり、総合合格の基準(総得点60%以上)とは異なることです。ある科目で58点を取っても、科目合格としては認定されません。

科目合格の有効期限は3年間

科目合格には3年間の有効期限があります。例えば、2024年度に科目合格した科目は、2025年度、2026年度、2027年度の3回の試験で免除されます。つまり、最長4年間(科目合格した年度+3年間)で全科目の合格を目指すことができます。

有効期限を意識した学習計画を立てることが重要です。特に、苦手科目や学習量が多い科目を先に科目合格させておくことで、後の年度で他の科目に集中できます。ただし、科目合格した科目でも、3年以内に総合合格しなければ、その科目合格は失効します。

有効期限の管理には注意が必要です。複数年度にわたって科目合格を積み重ねる場合、どの科目がいつまで有効かを正確に把握しておくことが大切です。計画的に進めないと、古い科目合格が失効してしまう可能性があります。

科目合格制度のメリット・デメリット

科目合格制度のメリットは、一次試験の学習負担を分散できる点です。7科目すべてを1年で学習するには700~1,000時間が必要ですが、複数年に分ければ、1年あたりの学習時間を減らすことができます。働きながら学習する社会人や、家庭と両立したい方にとって、現実的な合格ルートとなります。

また、得意科目と苦手科目を戦略的に配分できる点もメリットです。1年目は得意科目で確実に科目合格を取り、2年目以降は苦手科目に集中して学習するという戦略が可能です。

一方、デメリットとしては、複数年かかることで学習期間が長期化し、モチベーションの維持が難しくなる点が挙げられます。また、科目合格した科目の知識が時間とともに薄れていくため、二次試験対策で再度復習が必要になることがあります。さらに、試験制度や出題傾向が変わるリスクもあります。

科目合格を戦略的に活用する方法

科目合格制度を戦略的に活用するには、明確な年度別計画を立てることが重要です。おすすめの戦略は、1年目に財務・会計、企業経営理論、運営管理の3科目で科目合格を狙い、2年目に残りの4科目(経済学、経営法務、経営情報システム、中小企業経営)で総合合格を目指す方法です。

この戦略のポイントは、二次試験に直結する重要科目を1年目に確実に合格させることです。財務・会計、企業経営理論、運営管理は二次試験の事例問題に直結するため、一次試験段階から深く理解しておくことが、二次試験対策でも有利に働きます。

もう一つの戦略は、得意科目・不得意科目で分ける方法です。例えば、IT知識がある方は経営情報システムを1年目に、経済学が得意な方は経済学・経済政策を1年目に科目合格させることで、2年目以降の学習がスムーズになります。自分の強みと弱みを分析し、最適な計画を立てましょう。

中小企業診断士一次試験の科目免除制度

科目免除制度は、特定の国家資格を持っている場合に、一次試験の一部科目が免除される制度です。既に取得している資格を活かして、効率的に中小企業診断士を目指すことができます。

科目免除制度の対象となる国家資格

中小企業診断士一次試験で科目免除が認められる主な国家資格は以下の通りです。公認会計士または会計士補の資格を持っている場合、経済学・経済政策と財務・会計の2科目が免除されます。税理士の資格を持っている場合は、財務・会計が免除されます。

技術士(情報工学部門、経営工学部門など)の資格を持っている場合、経営情報システムが免除されます。弁理士の資格を持っている場合、経営法務が免除されます。情報処理技術者試験の応用情報技術者試験またはITストラテジスト試験に合格している場合、経営情報システムが免除されます。

これらの資格を既に持っている方は、科目免除制度を活用することで、学習負担を大幅に減らすことができます。特に公認会計士や税理士の資格を持っている方は、財務・会計という重要科目が免除されるため、大きなアドバンテージとなります。

科目合格と科目免除の違い

科目合格と科目免除は、どちらも特定科目の受験が免除される制度ですが、取得方法と有効期限に違いがあります。科目合格は、一次試験で60点以上を取得することで認定され、有効期限は3年間です。一方、科目免除は、対象となる国家資格を取得していることで認定され、有効期限はありません。

例えば、税理士の資格を持っている方は、中小企業診断士試験を受験する限り、永続的に財務・会計が免除されます。科目合格の場合は3年間の有効期限があるため、その期間内に総合合格する必要があります。

また、科目免除を受けた科目は、一次試験の総合得点の計算には含まれません。科目免除を受けた科目以外の科目で、総合得点が60%以上、かつ各科目40%以上を獲得する必要があります。例えば、財務・会計が免除される場合、残り6科目の合計(360点満点)で216点以上が必要です。

科目免除申請の方法と注意点

科目免除を申請する場合、一次試験の受験申込時に、保有する国家資格の合格証書または資格証明書のコピーを提出します。インターネット申込の場合は、証明書類をスキャンしてアップロードします。郵送申込の場合は、証明書類のコピーを願書に同封します。

注意点として、科目免除の申請は受験申込時に行う必要があり、受験申込後の追加申請はできません。また、証明書類は原本ではなくコピーで構いませんが、氏名、資格名、取得年月日が明確に記載されていることが必要です。

科目免除を受けた場合でも、受験料は変わりません。免除科目がある場合は、その科目の試験時間は受験する必要がなく、その時間を休憩や他の科目の見直しに充てることができます。ただし、試験会場には全受験者と同じ時間に集合する必要があります。

中小企業診断士試験の科目免除に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の科目免除制度|条件と申請方法を詳しく解説

中小企業診断士一次試験の勉強時間と科目別配分

中小企業診断士一次試験に合格するために必要な勉強時間は、700~1,000時間が目安です。効率的な学習には、科目の特性に応じた時間配分が重要になります。

一次試験に必要な総勉強時間は700~1,000時間

中小企業診断士一次試験の合格に必要な勉強時間は、一般的に700~1,000時間とされています。この時間は、予備校や通信講座を利用した場合の目安で、完全独学の場合はさらに200~300時間多く見積もる必要があります。

勉強時間は個人の学習経験や得意科目によって大きく変わります。簿記や会計の知識がある方は、財務・会計の学習時間を短縮できます。経済学を大学で学んだ方は、経済学・経済政策の学習時間が少なくて済みます。IT業界で働いている方は、経営情報システムで有利です。

1年間で合格を目指す場合、平日2時間、休日5時間の学習で約1,000時間を確保できます。働きながら学習する社会人の多くは、1年半から2年の学習期間を設定しています。無理のないペースで学習を継続することが、合格への近道です。

科目別の勉強時間目安

7科目の勉強時間の目安は、以下の通りです。財務・会計は150~200時間で、計算問題が多く、基礎からの積み上げが必要です。企業経営理論は150~200時間で、範囲が広く、暗記項目も多い科目です。

運営管理は100~150時間で、生産管理と店舗管理の2分野を学習します。経済学・経済政策は100~150時間で、理論的な理解と計算力が必要です。経営法務は100~150時間で、法律知識を体系的に学習します。

経営情報システムは80~120時間で、IT基礎知識から最新技術まで幅広く学習します。中小企業経営・中小企業政策は50~80時間で、暗記中心のため、直前期の集中学習が効果的です。

これらの時間配分はあくまで目安です。自分の得意・不得意に応じて調整し、苦手科目には追加の時間を確保しましょう。

得意科目・不得意科目の時間配分戦略

効率的な学習には、得意科目と不得意科目で時間配分を変える戦略が有効です。得意科目では、基礎を固めた後、応用問題や過去問演習に重点を置き、高得点を狙います。不得意科目では、基礎をしっかり固め、最低でも40点以上(足切り回避)を確保できる実力をつけます。

例えば、財務・会計が得意な方は、基礎を早めに終わらせて応用問題に時間を使い、60点以上の科目合格を狙います。一方、経済学が苦手な方は、基礎理論の理解に時間をかけ、頻出問題を確実に解けるようにします。

時間配分の基本原則は、重要科目(財務・会計、企業経営理論、運営管理)に全体の60%の時間を使い、残りの科目に40%の時間を使うことです。これらの科目は二次試験にも直結するため、一次試験段階から深く理解しておくことが重要です。

働きながら合格するための時間管理

社会人が働きながら中小企業診断士試験に合格するには、効果的な時間管理が不可欠です。1日2時間の学習時間を確保するためには、朝活、昼休み、通勤時間を有効活用する方法があります。

朝活は、出勤前の1~2時間を学習に充てる方法です。頭が冴えている朝の時間は、理論的な内容や計算問題の学習に適しています。通勤時間は、暗記科目(経営法務、経営情報システム、中小企業経営)の学習に活用できます。スマートフォンで学習アプリを使えば、移動中でも効率的に学習できます。

週末は5~8時間のまとまった学習時間を確保し、平日にできない過去問演習や弱点補強に充てます。家族の理解と協力を得ることも重要です。学習計画を家族と共有し、週末の数時間を学習時間として確保してもらいましょう。中小企業診断士の勉強時間では、詳細なスケジュール例を紹介しています。

中小企業診断士の勉強時間に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験に必要な勉強時間|合格までのスケジュール

中小企業診断士一次試験の効果的な勉強順序

中小企業診断士一次試験の7科目を学習する順序は、合格への効率性に大きく影響します。科目の特性と二次試験との関連性を考慮した学習順序を理解しましょう。

財務会計・企業経営理論・運営管理を優先する理由

学習の初期段階では、財務・会計、企業経営理論、運営管理の3科目を優先的に学習することをおすすめします。この3科目は、中小企業診断士試験の中核となる科目で、二次試験に直結するためです。

財務・会計は二次試験の事例Ⅳ、企業経営理論は事例Ⅰと事例Ⅱ、運営管理は事例Ⅲにそれぞれ対応しています。一次試験段階からこれらの科目を深く理解しておくことで、二次試験対策がスムーズになります。

また、これらの科目は学習量が多く、体系的な理解が必要なため、早めに着手することで十分な学習時間を確保できます。特に財務・会計は計算問題が多く、繰り返しの演習が必要なため、学習期間の最初から取り組むことが効果的です。

暗記系科目は直前期に集中

経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策の3科目は、暗記中心の科目です。これらの科目は試験直前期(試験の2~3ヶ月前)に集中して学習するのが効率的です。

暗記系科目を早い時期に学習すると、試験までに忘れてしまうリスクがあります。特に中小企業経営・中小企業政策は、最新の中小企業白書からの出題が中心なため、試験直前期に最新データを覚えることが重要です。

ただし、完全に直前期だけに頼るのは危険です。基礎的な知識は早めに学習しておき、直前期に最新情報の追加と記憶の定着を図るという二段階の学習が理想的です。

二次試験を見据えた科目の学習

中小企業診断士試験は、一次試験合格後すぐに二次試験(筆記試験)があります。一次試験と二次試験の間隔は約2ヶ月と短いため、一次試験の学習段階から二次試験を意識することが重要です。

二次試験に直結する科目(財務・会計、企業経営理論、運営管理)は、単なる暗記ではなく、実務への応用を意識して学習しましょう。例えば、財務・会計では財務諸表の分析、企業経営理論では経営戦略の立案、運営管理では生産性向上の施策など、実践的な視点で理解を深めます。

一次試験の過去問を解く際にも、「なぜこの答えが正しいのか」「実務ではどう使うのか」を考える習慣をつけることで、二次試験に必要な応用力が自然と身につきます。中小企業診断士二次試験の対策も早めに確認しておくことをおすすめします。

科目別の推奨勉強順序

具体的な学習順序としては、以下のスケジュールをおすすめします。学習開始~3ヶ月目は、財務・会計の基礎固めに集中します。簿記の基礎から財務分析まで、計算問題に慣れることが目標です。

4~6ヶ月目は、企業経営理論と運営管理を並行して学習します。この2科目は暗記項目も多いため、反復学習が重要です。7~9ヶ月目は、経済学・経済政策と経営法務を学習します。経済学は理論の理解、経営法務は法律知識の整理が中心です。

10~12ヶ月目(試験直前期)は、経営情報システムと中小企業経営・中小企業政策を集中的に学習し、同時にすべての科目の過去問演習と総復習を行います。最後の1~2ヶ月は、模試を受けて本番のペースを掴み、弱点を補強します。

中小企業診断士一次試験の対策方法とポイント

中小企業診断士一次試験の合格には、正しい対策方法を実践することが不可欠です。効率的な学習方法を身につけ、限られた時間で最大の成果を出しましょう。

過去問演習が最も重要

中小企業診断士一次試験対策で最も重要なのは、過去問演習です。過去問を解くことで、出題傾向、頻出テーマ、問題の難易度を把握できます。最低でも過去5年分、できれば10年分の過去問を繰り返し解くことをおすすめします。

過去問演習の効果的な方法は、まず1周目は時間を気にせず解き、解説をしっかり読んで理解を深めます。2周目は制限時間内に解き、本番のペースを掴みます。3周目以降は、間違えた問題や不安な問題だけを解き直し、弱点を補強します。

過去問演習を通じて、自分の弱点が明確になります。間違えた問題は、なぜ間違えたのかを分析し、該当する単元の復習を行いましょう。過去問は単なる問題集ではなく、最良の学習教材です。

テキストと問題集のバランス

テキストによるインプット学習と問題集によるアウトプット学習のバランスが重要です。理想的な比率は、インプット40%、アウトプット60%です。最初はテキストでの理解に時間をかけますが、早めに問題演習に移行することで、実践力が身につきます。

テキストは1冊を完璧にすることを目指しましょう。複数のテキストに手を出すと、知識が断片的になり、かえって効率が悪くなります。基本テキストを決めたら、それを繰り返し読み込み、重要ポイントをマーカーやノートでまとめます。

問題集は、基本レベルの問題集で基礎を固めた後、過去問集で実践力を養います。中小企業診断士のおすすめテキスト中小企業診断士の問題集を参考に、自分に合った教材を選びましょう。

模試を活用したペース配分の練習

本番前に模擬試験(模試)を受けることは、合格への重要なステップです。模試を通じて、本番と同じ時間配分、問題量、緊張感を体験できます。大手予備校が実施する公開模試は、本番に近い難易度と形式で出題されるため、実力確認に最適です。

模試では、時間配分の練習が特に重要です。各科目60分または90分という制限時間の中で、全問題を解き終わる練習をしましょう。時間が足りない場合は、解ける問題から解く、難問は飛ばす、マークシートの塗り方を効率化するなどの工夫が必要です。

模試の結果は、弱点発見のチャンスです。得点が低かった科目、間違えた問題のパターンを分析し、残りの期間で重点的に復習します。模試は最低でも1回、できれば2~3回受けることをおすすめします。

苦手科目を40点未満にしない戦略

一次試験合格の絶対条件は、すべての科目で40点以上を取ることです。苦手科目があっても、足切りを回避する戦略を立てることが重要です。苦手科目でも基礎的な問題は確実に正解できるよう、頻出テーマを重点的に学習しましょう。

苦手科目の対策では、完璧を目指さず、40~50点を確実に取れる実力をつけることが目標です。難問や応用問題は捨てて、基礎問題と標準問題に集中します。過去問で頻出のテーマを洗い出し、そのテーマだけを徹底的に学習する方法が効果的です。

得意科目で高得点を取り、苦手科目の低得点をカバーするバランス型の戦略が、一次試験合格の鍵です。例えば、得意な財務・会計で70点、企業経営理論で65点を取り、苦手な経済学で42点、経営情報システムで44点を確保すれば、総合得点で合格ラインに達することができます。

中小企業診断士の過去問活用法に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士試験の過去問活用法|入手方法と効果的な解き方

中小企業診断士の勉強法に関してもっと詳しい記事はこちら
中小企業診断士の効果的な勉強法|科目別対策と時間管理術

中小企業診断士一次試験に関連するよくある質問(FAQ)

中小企業診断士一次試験について、受験者から多く寄せられる質問とその回答をまとめました。試験対策の参考にしてください。

Q. 中小企業診断士一次試験の合格基準は何点ですか?

中小企業診断士一次試験の合格基準は、7科目の総得点が満点420点の60%以上(252点以上)で、かつすべての科目で満点の40%以上(24点以上)を取得することです。総得点が252点以上あっても、1科目でも40点未満(足切り)があれば不合格となります。したがって、すべての科目でバランスよく得点することが重要です。

Q. 中小企業診断士一次試験で科目合格制度は使うべきですか?

科目合格制度を使うべきかどうかは、個人の学習環境によります。働きながら学習していて十分な時間が取れない方、家庭と両立したい方には、科目合格制度を活用して2~3年で合格を目指す戦略が有効です。一方、学習時間を十分に確保できる方は、1年での一発合格を目指す方が効率的です。科目合格には3年の有効期限があるため、計画的に進めることが大切です。

Q. 中小企業診断士一次試験は独学で合格できますか?

中小企業診断士一次試験は、独学でも合格可能です。実際に独学で合格している方も多くいます。ただし、独学の場合は学習計画の立案、教材選び、モチベーション管理をすべて自分で行う必要があります。予備校や通信講座を利用する場合に比べて、学習時間が200~300時間多く必要になることもあります。中小企業診断士の独学勉強法では、独学のコツと注意点を詳しく解説しています。

Q. 中小企業診断士一次試験の合格後、有効期限はありますか?

中小企業診断士一次試験に合格すると、その合格は3年間有効です。例えば、2024年度に一次試験に合格した場合、2025年度、2026年度、2027年度の二次試験を受験する資格があります。ただし、3年以内に二次試験に合格しないと、一次試験合格の資格が失効し、再度一次試験から受験する必要があります。一次試験合格後は、なるべく早く二次試験対策を始めることをおすすめします。

Q. 中小企業診断士一次試験で最も難しい科目は何ですか?

中小企業診断士一次試験で最も難しいと感じる科目は、受験者のバックグラウンドによって異なります。一般的には、経済学・経済政策と経営情報システムが難しいとされています。経済学は理論的な理解と数式の計算が必要で、経済学の学習経験がない方には難解です。経営情報システムはIT知識が求められ、IT業界以外の方には専門用語が多く感じられます。自分の苦手分野を早めに把握し、重点的に対策しましょう。

Q. 中小企業診断士一次試験の勉強はどの科目から始めるべきですか?

中小企業診断士一次試験の学習は、財務・会計から始めることをおすすめします。財務・会計は学習量が多く、計算問題に慣れるまで時間がかかるため、早めに着手することが重要です。次に企業経営理論と運営管理を学習し、これら3科目で基礎を固めます。暗記中心の経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策は試験直前期に集中して学習すると効率的です。

Q. 中小企業診断士一次試験合格後、すぐに二次試験を受けるべきですか?

中小企業診断士一次試験合格後は、可能な限り早く二次試験に挑戦することをおすすめします。一次試験の知識が新鮮なうちに二次試験対策を始めることで、学習効率が上がります。一次試験と二次試験の間隔は約2ヶ月と短いため、一次試験の学習中から二次試験を意識しておくことが理想的です。ただし、十分な準備ができていない場合は、翌年に万全の状態で臨む選択肢もあります。一次試験合格の有効期限は3年間あるため、自分の状況に応じて判断しましょう。

まとめ:中小企業診断士一次試験は計画的な科目別対策が合格の鍵

本記事では、中小企業診断士一次試験の科目・難易度・合格率と対策方法について詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。

  1. 合格基準は総得点60%以上かつ各科目40%未満がないこと:7科目の合計で252点以上が必要で、1科目でも足切り(40点未満)があると不合格になります。すべての科目でバランスよく得点することが重要です。
  2. 科目合格制度と科目免除制度を活用できる:科目合格制度は3年間有効で、複数年での合格を計画的に目指せます。既に国家資格を持っている方は、科目免除制度も活用できます。働きながら学習する社会人にとって、これらの制度は合格への現実的なルートです。
  3. 財務会計・企業経営理論・運営管理を優先的に学習する:これらの科目は二次試験に直結し、配点も高いため、学習の初期段階から重点的に取り組むことが効果的です。過去問演習を中心に、実践力を養いましょう。

中小企業診断士一次試験は、7科目という幅広い知識が求められる試験ですが、適切な学習計画と効率的な対策によって合格は十分可能です。まずは中小企業診断士の勉強時間中小企業診断士の勉強法を参考に、自分に合った学習計画を立てましょう。

本記事を通じて、中小企業診断士一次試験の全体像、各科目の特徴、効果的な対策方法を理解いただけたはずです。これらの情報を活用して、中小企業診断士試験合格に向けて、着実な一歩を踏み出しましょう。計画的な学習と継続的な努力が、必ず合格という結果につながります。

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