社労士(社会保険労務士)試験の模試について知りたいあなたへ。「どの模試を受けるべきか」「いつ受けるべきか」「どう活用すれば合格に近づけるのか」という疑問は、適切な模試選びと効果的な復習方法で解決できます。
本記事では、社労士模試を受けるべき理由、おすすめの予備校別模試の特徴、効果的な活用法と復習のコツについて、受験生の実例を交えて詳しく解説します。この情報をもとに、社労士試験合格に向けて、模試を最大限に活用しましょう。
- 社労士模試を受けるべき5つの理由と受験のメリット
- TAC・LEC・大原など主要予備校の模試の特徴と比較
- 模試の適切な受験回数とスケジュールの組み方
- 模試の復習方法と成績が悪かった時の対処法
- 模試は2〜3回が最適:社労士模試は多く受ければ良いわけではなく、推奨は2回、最大でも3回までです。それ以上受けると復習が消化不良になり、かえって学習効率が下がる可能性があります。
- 復習が合格の9割を決める:模試の点数や判定に一喜一憂するのではなく、正答率が高い問題での失点を最優先で復習することが重要です。基本論点の徹底的な潰し込みが合格への最短ルートとなります。
- 模試は6月からが本番:社労士の模試は6〜8月の直前期に集中して実施されます。全科目の基礎学習を一通り終えてから受験することで、現時点での実力を正確に把握し、残り期間の学習計画を効果的に立てられます。
社労士(社会保険労務士)試験で模試を受けるべき5つの理由
社労士試験の合格を目指すなら、模試の受験は必須と言えます。模試は単なる実力測定の場ではなく、合格に直結する重要な学習機会です。ここでは、社労士試験で模試を受けるべき5つの理由を詳しく解説します。
本番のシミュレーションで試験慣れができる
社労士試験は選択式試験80分、択一式試験210分という長丁場です。模試を受験することで、本番と同じ時間配分や問題形式に慣れることができます。試験会場の独特の雰囲気や緊張感も体験できるため、本番で実力を最大限に発揮できる準備が整います。
多くの受験生が「初めての模試では時間が足りなかった」「選択式と択一式の切り替えに戸惑った」と感想を述べています。模試で事前に経験しておくことで、本番では落ち着いて問題に取り組めるでしょう。
現時点での実力を客観的に把握できる
独学や通信講座で学習を進めていると、自分の実力が全国的にどの位置にあるのか分かりにくいものです。模試では全国順位や偏差値が表示されるため、客観的な実力を把握できます。
全国模試では数千人規模の受験生が参加するため、より正確な立ち位置が分かります。成績表には科目別の得点率や正答率も記載されているので、自分の強みと弱みを数値で確認できる点も大きなメリットです。
苦手科目と弱点を明確に発見できる
模試の成績表を見れば、どの科目が苦手なのか、どの分野の理解が不足しているのかが一目瞭然です。特に正答率が高い問題で失点している箇所は、基本的な理解が不足している証拠と言えます。
社労士試験では各科目に基準点が設けられているため、苦手科目を放置すると合格できません。模試で弱点を早期に発見し、残りの学習期間で重点的に対策することが合格への近道となります。社労士試験の勉強法では、科目別の効果的な学習方法を詳しく解説しています。
長時間試験の体力と集中力を体感できる
社労士試験は選択式と択一式を合わせると約5時間にも及ぶ長時間試験です。普段の学習では経験できない長時間の集中力維持が求められます。模試を受験することで、試験に必要な体力と集中力を実感できます。
受験生の中には「午後の択一式で集中力が切れた」「お昼休憩の過ごし方を失敗した」という声も聞かれます。模試で試行錯誤することで、本番に向けた最適な体調管理方法を見つけられるでしょう。
モチベーション維持と学習の軌道修正ができる
社労士試験の学習は長期間に及ぶため、モチベーションの維持が課題となります。模試を受験することで、具体的な目標ができ、学習のメリハリがつきます。
模試の結果が良ければ自信につながり、悪ければ危機感を持って学習に取り組めます。成績表を見て学習計画を見直し、残り期間の優先順位を付け直すことで、効率的な軌道修正が可能になります。社労士の勉強時間とスケジュールでは、模試を含めた全体的な学習スケジュールの立て方を解説しています。
社労士(社会保険労務士)模試の実施時期とスケジュール【2025年版】
社労士模試は年間を通して実施されますが、特に直前期の6〜8月に集中します。適切な時期に模試を受験することで、学習効果を最大化できます。ここでは2025年の模試スケジュールと受験のベストタイミングについて解説します。
社労士模試は6〜8月の直前期に集中
社労士試験の本番は例年8月下旬に実施されます。各予備校の模試は本番直前の6月から8月にかけて集中的に開催されます。この時期は多くの受験生が全科目の学習を一通り終え、実力を測定するのに最適なタイミングです。
直前期の模試スケジュールは以下のような流れになっています。6月に中間模試、7月に公開模試(全国模試)、8月にファイナル模試という構成が一般的です。それぞれの模試には異なる役割があるため、計画的に受験することが重要です。
TAC・LEC・大原の模試スケジュール
主要予備校の2025年模試スケジュールは以下の通りです(例年の実施時期を参考にした目安です)。
TACの模試スケジュール
- 中間模試:6月中旬
- 全国公開模試(第1回):7月上旬
- 全国公開模試(第2回):7月下旬
- 全国実力チェック模試:8月上旬
LECの模試スケジュール
- 中間模試:6月中旬
- 全日本社労士公開模試(第1回):7月上旬
- 全日本社労士公開模試(第2回):7月下旬
- ファイナル模試:8月中旬
資格の大原の模試スケジュール
- 実力判定模試:6月下旬
- 全国統一模試(第1回):7月上旬
- 全国統一模試(第2回):7月中旬
- 直前総まとめ模試:8月上旬
各予備校とも会場受験と自宅受験の両方に対応しており、自分のペースに合わせて受験形式を選択できます。詳細なスケジュールは各予備校の公式サイトで確認しましょう。
中間模試と公開模試(ファイナル模試)の違い
模試には大きく分けて中間模試、公開模試、ファイナル模試の3種類があります。それぞれの特徴を理解して、効果的に活用しましょう。
中間模試(6月実施)
全科目の学習進捗を確認するための模試です。基礎的な論点が中心で、現時点での理解度を測定します。本番まで2ヶ月以上あるため、弱点を発見して対策する時間が十分にあります。
公開模試・全国模試(7月実施)
最も受験者数が多く、正確な全国順位が分かる模試です。難易度は本番レベルで、応用問題も含まれます。この時期の成績が本番の合格可能性の目安となります。
ファイナル模試(8月実施)
本番直前の最終確認用の模試です。最新の法改正や頻出論点を反映した予想問題が出題されます。ここで発見した弱点を本番までに潰し込むことが合格の鍵となります。
模試を受けるベストタイミングは?
模試を受けるベストタイミングは、全科目の基礎学習を一通り終えた段階です。具体的には、テキストの通読と基本問題集を1周終えたタイミングが理想的です。
基礎学習が不十分な状態で模試を受けても、問題を解く前提知識がないため、効果的な実力測定ができません。逆に、基礎学習を終えていれば、模試で応用力を試し、弱点を明確にできます。
初めて模試を受けるなら、7月上旬の公開模試がおすすめです。本番まで1ヶ月半程度あるため、弱点対策に十分な時間を確保できます。学習が順調に進んでいる方は、6月の中間模試から受験を開始すると良いでしょう。
社労士(社会保険労務士)の主要予備校別模試の特徴と比較
社労士模試は複数の予備校が実施しており、それぞれ特徴が異なります。自分の学習状況や目的に合った模試を選ぶことで、より効果的な学習が可能になります。ここでは主要予備校の模試の特徴と比較を詳しく解説します。
TAC「勝利の全国模試シリーズ」の特徴
TACは社労士受験業界で最大手の予備校であり、模試の受験者数も最も多いのが特徴です。全国公開模試には例年5,000人以上が参加するため、最も正確な全国順位と偏差値が分かります。
TACの模試は本番に近い難易度設定で、基本論点から応用論点までバランス良く出題されます。解説冊子が非常に充実しており、各問題に詳細な解説と関連論点の補足説明が付いています。また、成績表には科目別の正答率や全国平均との比較が細かく記載されているため、弱点分析に役立ちます。
会場受験では試験終了後に解説講義(Webまたは会場)が提供され、重要問題の解説を聞けるのも大きなメリットです。社労士のTACでは、TACの講座全体の特徴や評判を詳しく解説しています。
LEC「全日本社労士公開模試・ファイナル模試」の特徴
LECの模試は、やや難易度が高めに設定されているのが特徴です。本番よりも難しい問題に挑戦することで、実力を底上げできます。特にファイナル模試は本番の的中率が高いと評判で、多くの受験生に支持されています。
LECは法律系資格に強い予備校であり、条文や判例に基づいた正確な問題作成に定評があります。解説講義はベテラン講師が担当し、単なる正解の説明だけでなく、問題の背景知識や関連論点まで深く解説してくれます。
模試の受験者特典として、直前期の補講動画や重要論点の総まとめ資料が提供されることもあり、模試受験以上の価値があります。受験者数はTACに次いで多く、信頼性の高い順位が分かります。
資格の大原の模試の特徴
資格の大原は、手厚いフォロー体制が特徴の予備校です。模試でも同様に、受験後のサポートが充実しています。成績表には講師からのアドバイスコメントが記載されており、個別の学習指針が得られます。
大原の模試は基本論点を重視した出題傾向があり、確実に得点すべき問題が多く含まれます。本番で確実に合格点を取るための「取りこぼし防止」に焦点を当てた模試と言えるでしょう。
解説冊子には各問題の正答率が記載されており、「正答率70%以上の問題で間違えた箇所」を重点的に復習することで、効率的な学習ができます。社労士の資格の大原では、大原の講座全体の特徴や評判を紹介しています。
ユーキャン「社労士模試」の特徴
ユーキャンは通信講座専門の会社で、模試も通信形式での提供が中心です。自宅受験型の模試で、マイペースに受験できるのが特徴です。ユーキャンの受講生向けに提供されることが多いですが、模試のみの単品受講も可能です。
ユーキャンの模試は標準的な難易度で、基本的な知識が身についているかを確認するのに適しています。解説は初学者にも分かりやすい丁寧な説明で、独学者や通信講座受講生に人気があります。
ただし、会場受験がなく全国順位の精度はやや劣るため、本格的な実力測定には他の予備校の公開模試と併用することをおすすめします。独学で学習している方は、社労士(社会保険労務士)の独学勉強法も参考にしてください。
各予備校の模試比較表(料金・形式・特典)
主要予備校の模試を比較した表を以下に示します(2024年度の情報を基にした目安です)。
予備校 | 料金(1回) | 受験形式 | 受験者数 | 特典・サポート |
---|---|---|---|---|
TAC | 4,500〜5,500円 | 会場・自宅 | 5,000人以上 | 解説講義、詳細な成績表 |
LEC | 4,000〜5,000円 | 会場・自宅 | 3,000人以上 | 解説講義、補講動画 |
大原 | 4,500〜5,500円 | 会場・自宅 | 3,000人以上 | 個別アドバイス、成績表 |
ユーキャン | 3,500〜4,500円 | 自宅のみ | 1,000人程度 | 丁寧な解説冊子 |
料金は模試の種類(中間模試、公開模試など)によって変動します。また、各予備校の受講生は割引価格で受験できることが多いため、受講している講座がある場合は確認しましょう。
社労士模試は何回受けるべき?適切な受験回数
社労士模試は受験回数が多ければ良いというわけではありません。適切な回数と復習のバランスが合格の鍵となります。ここでは、効果的な模試の受験回数とその理由を解説します。
推奨は2回、最大でも3回まで
社労士模試の適切な受験回数は2回、多くても3回までが推奨されます。具体的には、7月の公開模試を1〜2回、8月のファイナル模試を1回受験するのが理想的なスケジュールです。
2回の受験で十分な理由は、模試1回あたりの復習に1週間程度必要になるためです。模試を2回受験すると復習に2週間、3回なら3週間かかります。直前期の貴重な時間を考えると、これ以上の受験は効率的ではありません。
多くの合格者は「模試は2回受験し、それ以外の時間は過去問演習と基本論点の復習に集中した」と述べています。模試の回数を増やすよりも、1回1回の復習を徹底する方が合格に近づきます。
4回以上受けると復習が消化不良になるリスク
模試を4回以上受験すると、復習が追いつかず消化不良になるリスクが高まります。社労士試験の直前期は、模試の復習だけでなく、過去問の繰り返し、基本テキストの見直し、法改正の確認など、やるべきことが山積みです。
模試を多く受けすぎると、表面的に問題を解くだけで復習が不十分になり、同じ間違いを繰り返す可能性があります。また、模試を受けること自体が目的化してしまい、肝心の基礎力強化がおろそかになることもあります。
実際に、模試を5回以上受験したものの不合格だった受験生の多くが「模試を受けただけで満足してしまい、復習が不十分だった」と反省しています。模試は受験すること自体ではなく、復習によって初めて価値が生まれます。
各模試の復習に1週間程度必要
模試の復習には最低でも1週間程度の時間が必要です。選択式と択一式を合わせると問題数が多く、全問題の復習と関連論点の確認を丁寧に行うには相当な時間がかかります。
効果的な復習の流れは以下の通りです。1〜2日目で全問題の解説を読み、間違えた箇所を理解します。3〜4日目で間違えた論点をテキストで確認し、関連問題を解きます。5〜7日目で正答率が高い問題での失点を重点的に復習し、基本論点を徹底的に固めます。
この復習プロセスを省略して次の模試に進むと、同じ弱点を抱えたまま試験に臨むことになります。復習を重視することで、模試の効果が最大化されます。
受験回数より復習の質を重視すべき理由
社労士試験では、模試の受験回数よりも復習の質が合格を左右します。模試で間違えた問題は、自分の弱点そのものであり、最も優先的に学習すべき箇所だからです。
合格者の多くが「模試を2回しか受けなかったが、その2回の復習を徹底的に行った」と語っています。逆に、模試を何回も受けたのに不合格だった受験生は「復習が不十分だった」と共通して述べています。
模試の復習では、正答率が高い問題での失点を最優先で潰し込むことが重要です。これらは多くの受験生が正解している基本論点であり、本番で落とすと合格から遠のきます。模試の点数や判定に一喜一憂するのではなく、「何を間違えたか」に焦点を当てましょう。
社労士模試の会場受験と自宅受験の違いと選び方
社労士模試には会場受験と自宅受験の2つの形式があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、自分の状況に合わせて選択することが重要です。ここでは両者の違いと選び方を解説します。
会場受験のメリット・デメリット
会場受験の最大のメリットは、本番に近い環境で受験できることです。試験会場の雰囲気、周囲の受験生の存在、時間のプレッシャーなど、本番と同じ条件で実力を試せます。緊張感の中で問題を解く経験は、本番での落ち着きにつながります。
また、会場受験では試験後に解説講義が提供されることが多く、重要問題の解説を直接聞けます。他の受験生と一緒に受験することで、モチベーションが高まる効果もあります。会場で配布される資料や特典も魅力の一つです。
一方、デメリットとしては、会場までの移動時間と交通費がかかることが挙げられます。また、開催日時が固定されているため、仕事や家庭の都合で受験できないこともあります。地方在住の場合、近くに会場がなく受験が難しいケースもあるでしょう。
自宅受験のメリット・デメリット
自宅受験のメリットは、自分の都合に合わせて受験できる柔軟性です。仕事が忙しい方や、家庭の事情で外出が難しい方でも、模試を受験できます。移動時間や交通費もかからず、リラックスした環境で問題に取り組めます。
また、自宅受験では時間配分の練習を自分のペースで行えます。途中で中断して後日続きを受験することも可能(ただし推奨はされません)なため、学習スケジュールに柔軟に組み込めます。
デメリットとしては、本番の緊張感を体験できないことが最も大きいです。自宅では集中力が続きにくく、本番での実力発揮に不安が残ります。また、試験時間を厳密に守る自己管理能力が必要で、甘えが出てしまう可能性もあります。
Zoomクラスやオンライン受験の活用
最近では、Zoomなどのオンライン会議システムを使った模試も登場しています。自宅にいながら、カメラを通じて監視される形式で、本番に近い緊張感を味わえます。会場受験と自宅受験の中間的な選択肢と言えるでしょう。
オンライン受験のメリットは、移動時間をかけずに本番に近い環境を体験できることです。カメラで監視されることで適度な緊張感が生まれ、時間管理も厳密に行われます。解説講義もオンラインで配信されるため、会場受験と同等のサポートを受けられます。
ただし、安定したインターネット環境とカメラ付きのパソコンが必要です。また、Zoom環境に慣れていない方は事前の準備が必要になります。それでも、会場受験が難しい方にとっては有力な選択肢となるでしょう。
自分に合った受験形式の選び方
受験形式の選び方は、自分の状況と目的によって異なります。初めて模試を受ける方や、本番の雰囲気を体験したい方は会場受験がおすすめです。特に公開模試は会場受験で臨むことで、本番のシミュレーション効果が最大化されます。
仕事が忙しく時間の確保が難しい方、地方在住で会場が遠い方は自宅受験を選択すると良いでしょう。ただし、少なくとも1回は会場受験を経験しておくことをおすすめします。本番の緊張感を一度でも体験しておくと、本試験での心構えが大きく変わります。
理想的なのは、中間模試を自宅受験、公開模試を会場受験、ファイナル模試を自宅受験というように、使い分けることです。自分の学習状況と都合に合わせて、柔軟に選択しましょう。
社労士模試の効果的な活用方法【復習が9割】
社労士模試の価値は、受験すること自体ではなく、その後の復習にあります。模試の結果を正しく分析し、効果的に復習することで、合格に大きく近づきます。ここでは、模試を最大限に活用するための具体的な方法を解説します。
模試の点数や判定に一喜一憂しない
模試の結果が返ってきたとき、点数や判定(A判定、B判定など)に一喜一憂する受験生は多いです。しかし、模試の判定はあくまで現時点での目安であり、本番の合格を保証するものではありません。
重要なのは点数や判定ではなく、「何を間違えたか」「なぜ間違えたか」を分析することです。A判定でも基本問題で失点している場合は要注意ですし、C判定でも応用問題での失点が中心なら、基礎力は十分に身についていると判断できます。
実際に、模試でC判定やD判定だった受験生が本番で合格するケースは珍しくありません。模試の判定に落ち込むのではなく、弱点を発見できたチャンスと前向きに捉えましょう。模試は本番ではなく、あくまで学習の途中経過を確認するツールです。
正答率が高い問題での失点を最優先で復習
模試の復習で最も重要なのは、正答率が高い問題での失点を最優先で復習することです。正答率が70%以上の問題は、多くの受験生が正解している基本問題です。これらの問題を落とすと、本番で大きく不利になります。
成績表には各問題の正答率が記載されています。まず正答率70%以上の問題で自分が間違えた箇所を抽出し、なぜ間違えたのかを徹底的に分析しましょう。知識不足なのか、勘違いなのか、読み間違いなのかを明確にします。
その上で、該当する論点をテキストで確認し、関連する過去問を解いて理解を深めます。この作業を丁寧に行うことで、本番での基礎点を確実に積み上げられます。正答率が低い難問の復習は、時間に余裕がある場合のみで構いません。
「基本論点」の徹底的な潰し込みが合格の鍵
社労士試験は、基本論点を確実に得点することが合格の鍵となります。模試でも同様で、基本論点での失点をゼロに近づけることが最優先です。応用問題や難問は、合格者でも正答率が低いため、深追いする必要はありません。
基本論点とは、過去問で繰り返し出題されている頻出テーマや、テキストで重要度が高いとされている項目です。模試で基本論点を間違えた場合は、その科目の基礎理解が不足している証拠です。
復習では、間違えた基本論点だけでなく、その周辺知識も含めて総復習しましょう。例えば、労働基準法の労働時間の問題を間違えたら、休憩時間、休日、時間外労働なども合わせて見直します。基本論点を完璧にすることで、合格ラインに到達できます。
成績表の見方と活用ポイント
模試の成績表には豊富な情報が詰まっています。単に総合点や順位を見るだけでなく、詳細なデータを活用して学習計画を立てましょう。成績表の主な項目と活用方法は以下の通りです。
総合得点と順位:全国的な立ち位置を把握できます。ただし、この数値に一喜一憂せず、参考程度にとどめましょう。
科目別得点率:どの科目が強くて、どの科目が弱いかを確認できます。得点率が50%未満の科目は重点的に対策が必要です。
正答率別の得点状況:正答率70%以上の問題で何点取れたか、正答率30%未満の難問で何点取れたかが分かります。基本問題の得点率を重視しましょう。
分野別の弱点:各科目内でも、どの分野が弱いかが細かく表示されます。例えば労働基準法の中でも「労働時間」「賃金」など、弱点分野を特定できます。
これらの情報をもとに、残りの学習期間で何を優先すべきかを明確にします。弱点科目や弱点分野に時間を多く割り当て、効率的な学習を進めましょう。
解説動画・解説講義の有効活用
多くの予備校では、模試受験者向けに解説動画や解説講義を提供しています。これらを有効活用することで、復習の効率が大幅に向上します。解説講義では、単なる正解の説明だけでなく、問題の背景知識や頻出論点の補足説明も聞けます。
解説動画の視聴タイミングは、自分で一通り復習した後がおすすめです。まず自分で間違えた問題を見直し、なぜ間違えたかを考えます。その後で解説動画を視聴することで、自分の理解不足や勘違いに気づけます。
また、正解した問題でも解説を聞く価値はあります。正解したものの理解が曖昧だった問題、たまたま正解した問題などは、解説で理論をしっかり確認しましょう。解説講義を通じて、知識の定着度が格段に高まります。
社労士模試の成績が悪かった時の対処法
模試の成績が思わしくなかったとき、落ち込んでモチベーションが下がる受験生は多いです。しかし、模試の悪い結果は、実は合格への重要なステップです。ここでは、模試の成績が悪かった時の対処法を解説します。
模試の結果が悪くても本番で合格できる
まず知っておくべきことは、模試の成績が悪くても本番で合格する受験生は数多くいるという事実です。模試はあくまで途中経過であり、残りの期間でどれだけ成長できるかが重要です。
多くの合格者が「模試ではC判定やD判定だったが、弱点を徹底的に潰して本番で合格した」と語っています。むしろ、模試で早めに弱点を発見できたことが、合格につながったと言えるでしょう。
模試の成績が良くても、そこで油断して学習をおろそかにすれば不合格になります。逆に、成績が悪くても危機感を持って学習に取り組めば、本番までに十分挽回可能です。模試の結果は、あくまで現時点での実力であり、未来を決定するものではありません。
弱点発見のチャンスと前向きに捉える
模試で成績が悪かったということは、弱点を早期に発見できたということです。本番で同じ間違いをする前に、模試で気づけたのはラッキーと言えます。成績が悪かったからこそ、具体的に何を学習すべきかが明確になります。
成績表を見て、どの科目、どの分野が弱いのかを冷静に分析しましょう。感情的にならず、データに基づいて客観的に判断することが重要です。弱点が明確になれば、残りの学習期間で集中的に対策できます。
実際に、模試で良い成績を取った受験生よりも、悪い成績から這い上がった受験生の方が、本番での合格率が高いというデータもあります。危機感を持って真剣に学習に取り組むため、最終的に実力が大きく伸びるのです。社労士試験 不合格では、不合格からの再チャレンジについても詳しく解説しています。
学習計画の見直しと軌道修正の方法
模試の結果が悪かった場合、学習計画を見直す必要があります。これまでの学習方法に問題があった可能性が高いため、軌道修正が必要です。具体的には以下の点を見直しましょう。
学習時間の配分:苦手科目に十分な時間を割けていたか、得意科目に時間をかけすぎていなかったかを確認します。弱点科目に重点的に時間を配分し直しましょう。
学習方法の見直し:インプット中心の学習になっていないか、アウトプット(問題演習)が不足していないかを確認します。社労士試験では、知識をインプットするだけでなく、問題を解く練習が不可欠です。
使用教材の再検討:テキストや問題集が自分に合っているか、基本的な内容を理解できているかを確認します。必要に応じて、より分かりやすい教材に変更することも検討しましょう。
模試の結果を踏まえて、残りの期間で実現可能な学習計画を立て直します。無理な計画ではなく、確実に実行できる計画を立てることが重要です。
残り期間の優先順位の付け方
模試の成績が悪かった場合、残りの期間で全てを完璧にすることは不可能です。限られた時間で効率的に学習するため、優先順位を明確にしましょう。優先順位の基本的な考え方は以下の通りです。
最優先:基準点割れの科目:社労士試験では各科目に基準点があり、1科目でも基準点を下回ると不合格です。模試で基準点を下回った科目は最優先で対策します。
次に優先:正答率が高い問題での失点:多くの受験生が正解している基本問題を確実に得点できるようにします。基本論点の総復習を徹底しましょう。
余裕があれば:得点源の科目を伸ばす:基本対策が完了したら、得意科目をさらに伸ばして総合点を上げます。ただし、苦手科目対策を最優先してください。
後回し:難問や細かい論点:正答率が低い難問や、過去問であまり出題されていない細かい論点は後回しにします。これらは合格者でも正解率が低く、対策の優先度は低いです。
この優先順位に従って、残りの期間の学習内容を具体的に決めましょう。何を捨てるかを明確にすることも、合格には重要です。
社労士模試を受ける前の準備と当日の心構え
模試を効果的に活用するには、受験前の準備と当日の心構えが重要です。適切な準備をして臨むことで、模試の効果を最大化できます。ここでは、模試を受ける前の準備と当日の注意点を解説します。
全科目の基礎学習を一通り終えておく
模試を受ける前提として、全科目の基礎学習を一通り終えておくことが重要です。テキストを1周通読し、基本問題集を解いた段階で模試に臨むのが理想的です。基礎知識がない状態で模試を受けても、問題を解く前提がないため、実力測定になりません。
もし全科目の学習が終わっていない場合は、無理に模試を受けるよりも、まず基礎学習を優先しましょう。基礎が固まっていない段階で模試を受けると、低い点数に落ち込むだけで、学習効果が薄くなります。
ただし、完璧を目指す必要はありません。テキストを1周読み、基本問題を一通り解いた程度で十分です。模試を通じて、理解不足の箇所を発見し、その後の学習で補強していくというアプローチが効果的です。
本番と同じ時間帯・環境で受験する
模試は本番のシミュレーションであるため、できる限り本番と同じ条件で受験することが重要です。社労士試験は午前中に選択式試験、午後に択一式試験が実施されます。模試も同じ時間帯に受験することで、本番の体力配分や集中力の持続を体験できます。
会場受験の場合は、試験開始時刻に合わせて会場に到着するようにしましょう。自宅受験の場合も、本番と同じ時間帯に開始し、試験時間を厳守して受験します。途中で休憩を取る場合も、本番と同じタイミングで取るようにします。
また、本番で使用する予定の筆記用具、時計、飲み物なども同じものを用意しましょう。本番で初めて使う道具があると、思わぬトラブルの原因になります。模試で事前に試しておくことで、本番で安心して使用できます。
時間配分の練習として活用する
社労士試験は試験時間が長く、適切な時間配分が合格の鍵となります。模試は時間配分を練習する絶好の機会です。選択式試験80分、択一式試験210分という制限時間内で、全問題を解き終える練習をしましょう。
特に択一式試験は70問と問題数が多く、1問あたり3分程度で解く必要があります。難しい問題に時間をかけすぎると、後半の問題に時間が足りなくなります。模試では、時間配分を意識して解答し、どのペースで解けば良いかを体感しましょう。
試験中は腕時計や会場の時計を定期的に確認し、予定通りのペースで進んでいるかをチェックします。予定より遅れている場合は、難しい問題を後回しにして、確実に解ける問題から先に解くなど、柔軟な対応が必要です。模試でこれらの練習を重ねることで、本番での時間管理能力が向上します。
完璧を目指さず「現状把握」の意識で臨む
模試では完璧な点数を取ろうと意気込む必要はありません。模試の目的は、現時点での実力を把握し、弱点を発見することです。「現状把握のための模試」という意識で臨めば、結果に一喜一憂せず、冷静に分析できます。
分からない問題があっても焦る必要はありません。それは今後の学習で補強すべき箇所だと分かったということです。むしろ、模試で分からなかった問題を発見できたことを前向きに捉えましょう。
また、模試では分からない問題に時間をかけすぎないことも重要です。本番と同様に、確実に解ける問題から先に解き、時間が余ったら難しい問題に取り組むという戦略を実践しましょう。完璧主義になりすぎず、実践的な問題の解き方を模試で学ぶことが大切です。
社労士の模試に関連するよくある質問(FAQ)
社労士の模試について、受験生からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。模試の受験を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
Q. 社労士の模試はいつから受けるべきですか?
社労士の模試は、全科目の基礎学習を一通り終えた段階で受けるのがベストです。具体的には、7月上旬の公開模試が初めての模試として最適でしょう。この時期なら本番まで約1ヶ月半あり、弱点対策に十分な時間を確保できます。
学習が順調に進んでいる方は、6月中旬の中間模試から受験してもかまいません。ただし、基礎知識が不十分な状態で受けると効果が薄いため、テキスト1周と基本問題集を解き終えてから受験することをおすすめします。
Q. 社労士模試はTACと大原、どちらがおすすめですか?
TACと大原のどちらが良いかは、目的によって異なります。最も正確な全国順位を知りたい場合はTACがおすすめです。TACは受験者数が最も多く、5,000人以上が参加するため、信頼性の高い順位が分かります。
一方、手厚いフォローを求める場合は大原がおすすめです。大原は成績表に個別のアドバイスが記載されており、丁寧なサポートが特徴です。理想的には、両方の模試を1回ずつ受験して、異なる問題傾向に触れることです。予算や時間の制約がある場合は、受講している講座の予備校の模試を選ぶと良いでしょう。
Q. 社労士模試は独学でも受けられますか?
はい、社労士模試は独学の方でも受験できます。TACや大原などの予備校は、講座を受講していない一般の方にも模試を提供しています。模試のみの単品申し込みが可能で、会場受験も自宅受験も選択できます。
独学の方こそ、模試を活用することをおすすめします。独学では自分の実力や全国的な立ち位置が分かりにくいため、模試で客観的な評価を得ることが重要です。模試の解説冊子や解説講義も、独学者にとって貴重な学習材料となります。
Q. 模試で何点取れば合格できますか?
模試の点数と本番の合格可能性は、ある程度の相関はありますが、絶対的な基準はありません。模試の難易度は本番と異なることが多く、模試で高得点を取っても本番で不合格になるケース、その逆のケースもあります。
一般的には、模試で6割以上取れていれば、本番での合格可能性は高まります。ただし、社労士試験は科目ごとの基準点があるため、総合点だけでなく各科目の得点バランスが重要です。模試で基準点を下回った科目がある場合は、重点的に対策しましょう。
点数よりも重要なのは、正答率が高い問題をどれだけ正解できたかです。正答率70%以上の問題で8割以上正解できていれば、基礎力は十分についていると判断できます。
Q. 社労士模試の復習はどのくらい時間をかけるべきですか?
社労士模試の復習には、最低でも1週間程度の時間をかけることをおすすめします。問題数が多く、全問題の復習と関連論点の確認を丁寧に行うには相当な時間が必要です。
具体的には、1〜2日で全問題の解説を読み、間違えた箇所を理解します。3〜4日で間違えた論点をテキストで確認し、関連問題を解きます。5〜7日で正答率が高い問題での失点を重点的に復習し、基本論点を固めます。
復習は模試の効果を決定づける最も重要な作業です。復習を省略して次の模試に進むと、同じ弱点を抱えたまま試験に臨むことになります。時間をかけて丁寧に復習することで、模試の価値が最大化されます。
まとめ:社労士模試は合格への必須ツール、復習を最重視しよう
本記事では、社労士試験の模試について、受けるべき理由、おすすめの予備校、効果的な活用法まで詳しく解説しました。重要なポイントを改めて確認しましょう。
模試は2〜3回受けて弱点を徹底的に潰す
社労士模試の適切な受験回数は2回、最大でも3回までです。7月の公開模試を1〜2回、8月のファイナル模試を1回受験するのが理想的なスケジュールです。模試を多く受けすぎると復習が消化不良になるため、回数よりも1回1回の復習の質を重視しましょう。
主要予備校の模試にはそれぞれ特徴があります。TACは受験者数が最も多く正確な順位が分かり、LECはやや難易度が高く実力を底上げでき、大原は手厚いフォロー体制が特徴です。自分の学習状況や目的に合わせて選択しましょう。
点数より「何を間違えたか」が重要
模試の価値は、受験すること自体ではなく、その後の復習にあります。模試の点数や判定に一喜一憂するのではなく、「何を間違えたか」「なぜ間違えたか」を分析することが重要です。特に正答率が高い問題での失点は、基本論点の理解不足を示しているため、最優先で復習しましょう。
模試の復習には最低でも1週間程度の時間をかけ、間違えた論点を徹底的に潰し込みます。成績表の詳細データを活用し、弱点科目や弱点分野を明確にして、残りの学習期間の優先順位を付けましょう。社労士試験の勉強法では、模試を含めた総合的な学習方法を解説しています。
早めの受験で学習の軌道修正を図る
模試は早めに受験することで、学習の軌道修正に十分な時間を確保できます。初めての模試は7月上旬の公開模試がおすすめです。全科目の基礎学習を一通り終えてから受験し、本番と同じ時間帯・環境で臨むことで、最大の効果が得られます。
模試の成績が悪くても落ち込む必要はありません。弱点を早期に発見できたチャンスと前向きに捉え、残りの期間で集中的に対策しましょう。多くの合格者が、模試で低い判定から這い上がって合格しています。
社労士試験の合格に向けて、模試を戦略的に活用し、効果的な復習を重視することで、確実に実力を伸ばしていきましょう。模試は合格への必須ツールです。本記事の内容を参考に、計画的に模試を受験し、合格を勝ち取ってください。
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